低音の魅力といえば菅原洋一さんでしたが
ここのところ、低音の魅力の声の主を起こす機会が多いので、圧縮形式での録音についての考察。芸能人で言ったら阿部寛さんとか、あのぐらいの声。いい声ですけれど、それがですねえ、結構聞こえないんですね。男性の一番低い声は80Hzぐらいだと思いますが、各ICレコーダーは80Hzぐらいは当然カバーしています。それなのにちょっとつぶれた声になる。MP3で録音するとして、ファイルサイズを小さくすると、高帯域をカットして圧縮率を高くしていきます。例えば私の自前のレコーダーの仕様によると、MP3 192kbps:60~20,000 HzMP3 128kbps:60~15,000 HzMP3 64kbps:60~ 7,500 HzMP3 32kbps:60~ 6,500 Hz人間の耳は単独の20キロHzの音なんて全く聞こえません。15キロがやっとかな。だから私はビットレート 192kbpsと128kbpsの違いは、人の声限定で言えば、そんなに変わらないのではないかと思っています。(音楽は別ですよ。楽器が出す周波数はもっと広範囲ですから)ただ、64kbps、32kbpsぐらいまで高帯域をカットすると、実際に聞いていて違うのがわかります。で、今回しみじみ思ったのは、「意外と低音が聞きにくい」。どういうことかと思ったのですが、男性の低い声が80Hzだと言っても、それは単独の80Hzの波長ではなく、その中には倍音のもっと高い周波数が混じっています。いわゆる「響く声」「通りのいい声」というのは倍音が入っていて、きれいに共鳴している声のことで、そこがカットされてしまった声は、「肉声」からはかけ離れていく。そういうことなのではないかと思います。ビットレートの問題とは別に、お客さんからWMAでいただいた音声、再生するのにはMP3のほうが便利なので、(単純に自分が使用しているソフトの問題としてですが)MP3に変換して使ったことがあるのですが、これもあまりよろしくない。WMA、MP3はともに良質な圧縮形式ですが、音楽をWMA→MP3に変換するとやはり劣化します。よく「WMA→MP3はどうやって変換するの?」という質問がネットにあがっていて、それの答えに、「そんなことやるな」というのがあります。答えになってませんがな。(笑)私たちが聞くのはあくまで人の声ですから、音質よりも使いやすいソフトを優先して、WMA→MP3なんてことは躊躇なくやってしまうわけですが、最初のWMAが、ビットレート16kbpsで来ました。じゅ、じゅうろく……。それをWMA→MP3に変換するととんでもないことが起こりまして、男性の低い声はもはや人の声ではない。最近、皆さんも聞いたことがあると思いますが、ほら、あれです。『20世紀少年』の“ともだち”の声。ちなみに自分で録音に行く場合は、ちょっと前までは64kbpsで録音していました。最近4GBのメモリのレコーダーを入手して、安心して128kbpsで録音しています。