十二月に入ったとたんに、どこか忙しない心地がしてきます。
年内に、一段落つけたいことのひとつが自分の不用品の処分。
年のはじめに一大決心で始めたものの、これがなかなかはかどらず、
いまに及んでしまっているのです。
洋服は型が古いとか派手になったとか、
本は文字が小さ過ぎてとかインターネット検索で間に合うとか、
案外思い切れるのですが
どうしても処分できないのが着物です。
ゴミの日に出すことはおろか、
人さまに差し上げることも、古物屋さんにもっていくことも出来ません。
母の形見だとか懐かしい思い出があるとか、理由はいろいろありますが
一番の理由は、
もっと年をとったら着物を楽しみたい、
展覧会やコンサートにも着物で出かけていきたい、
つまり、いつかもう一度、
今ある着物の袖に手を通したいということなんです。
私が最後に着物を着たのは、
今は昔、猫や犬が一匹もいなかったころ。
いま、家の中には6匹の猫、庭には2匹の犬。
彼らには、エプロンも一張羅の着物ももちろん区別がつきません。
着物を着れば、その日のうちに二度と外に着て出られなくしてくれるでしょう。
え、どなたですか?
「そうなったら、着物も処分しやすくなるでしょう」
な~んておっしゃるのは―!
ま、
これから先、着物が着られる日がこなくても、
夢が夢のまま終わっても、
それはそれでいい。
いきものの幸せを何より優先。
みんな可愛くてかけがえのない子らだから…。