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カテゴリ:日常の風音。
近所の花屋さんが、今日、店を閉じた。 -------- 15年もココに住み続けている私。 コノ街が大きく変わっていく様を目の当たりにしてきた。 15年前は、この辺も畑が多かった。 農作業を終えたおばあちゃんが、 道端で採れたての野菜を販売していたりしたもんだ。 思えば、コノ部屋のベランダから見渡す景色は、 キャベツ畑だった・・・。 そんな畑たちも、5年後には次々とマンションに様変わり。 昔ながらの一軒家も次々と新築のおしゃれな外観に。 駅前の細い道も区画整理で大きく変わり、 30数階建てのタワーマンションまで登場している。 15年ってすごい。 そんな中、 建て替えで場所が変わり、規模が大きくなったりと変化はあったが 近所の花屋は、ずっとそこにあった。 愛嬌の無い穏やかなおじちゃん。 今も変わらず、優しげなおじちゃんのまま。 ずっとずっとそこにあった。 -------- 15年前、私は学生だった。 学校の絵の課題で、花をモチーフにしようと、 バラの花を買いに行った事があった。 バラって高いでしょ。 1本でよかったの。 おじちゃんに、『絵を描くんだ。』っと説明し、 見栄えの良いバラを選んでもらった事があったっけ。 懐かしいなぁ。 日常の切花。 母の日の花の注文。 いつもコノ、近所の花屋だった。 最近、植物を枯らさずに育てられるようになった私。 土を買い、鉢を買い、さりげなく・・・いろんな事を教えてもらった。 カネノナルキにカビが生えた時・・・・お世話になりました。。。 これからは、野菜を育てようかと・・・・ とりあえず、ハーブでも始めてみようと 頼りにしていたのにな。。。 -------- 10日ほど前から、閉店全品30%OFFセールをしていた。 またどこかに移るのかな? ぐらいにしか考えていなかった。 そして、いよいよ最終日の今日。 ふらりと立ち寄ってみた。 おじちゃんの姿は無かった。 奥さんがいた。 『どこかに移転されるんですか?』 思い切って聞いてみた。 『いえ、もう辞めるんですよ。』 っと・・・・。 それ以上プライベートな事を突っ込むことは出来なかった。 動揺しつつも、 残念だという気持ちと、今までの感謝を伝えた。 そしたら、なんだか悲しくなった。 お別れなんだぁ~~ っと思ったら、寂しくなった。 奥さんに抱きつきたくなってしまった。 奥さんの目に光る物を見てしまった。 ・・・・心が通じ合った気がした。 笑顔でさよならを交わし、店を出た。 花屋の夫婦も、これから第二の人生をはじめるのかな。 山の中で植物を育てる夢の暮らしが実現するのかな。 っと、勝手に想像して楽しんでみた。 -------- あぁ。 私が立ち去る前に、馴染みある光景がまたひとつ立ち去った。 変化が加速しているような気がする。 クルクルまわっている。 変化は進化。 おめでとう。 ありがとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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