星に願いを
病院の待合室に足の不自由な老女が4・5歳の少女の手を引いてやってきた。何かわけ有りらしい。老女はイスにかけるとすぐ、少女に語りかけた。「お母さん、帰ってきて欲しいか?」「お母さん、好きか?」・・・・少女は、首を横に振り「きらい!ブタ!!」と無表情に答えた。・・・・「お母さん、ブタか!」老女は大きな声でそう言った。・・・・少女は、その老女の孫でその少女の母親は、難病と戦っているその子を残し家を出た。何回も繰り返される同じような内容の会話・・。無表情の少女・・大人びた顔。胸が締め付けられる思いがした。それぞれに色んな事情があると思う。誰も責めたり、批判する事はできないように思う。それぞれの立場にたってみると複雑な思いがあるだろう・・と。その場所で私は・・どうかもうこれ以上・・この少女の口から悲しい言葉が出ませんように。そればかり、そればかり願っていた。彼女と会って何日経っただろう・・彼女の事が忘れられないでいる。神様・・・彼女の顔に子供らしい笑顔が戻りますように!愛に包まれたやさしい言葉が明るい声で話せます様に!