ひとりごと♪

今日は、最近読んだ本、

内田亮子著
「生命をつなぐ進化のふしぎ－生物人類学への招待」について。


生命をつなぐ進化のふしぎ



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先日、見た“ＮＨＫスペシャル「女と男」
第３回　男が消える？人類も消える？”という
ＴＶ番組が面白かったので（１／１８ブログ）、

少し生物学（生物人類学）の本を読んでみようと思いました。



そこで手に取ったのが、この本。



私、元々、「生物」という教科が好きだったこともあり、
楽しく読ませて頂きました。




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読み終わってまず、
「浅く広く」って感じを受けました。


この本の目次をみると


第１章　いのちの説明
第２章　食べる
第３章　みんなと生きる
第４章　連れ合う
第５章　育つ・育てる
第６章　いのちの坂
終章　　いのちの終りとつなげる知


となっており、

「いのち」の誕生から、その終りまで、

生命の一連の流れが
２００ページにまとめて書かれてありました。



だから、どうしても広く浅くなってしまう。
これは仕方ないんだろうと思います。



この本の副題？に、
「生物人類学への招待」と付けられたのが、
よく分かります。



興味が出た分野に関しては、更に
専門書を読んでくださいねって感じ





平易な文章、
多くのイラストや図、写真、

そして、生物人類学に隣接？した学問のこと
（例えば、心理学・民族学・社会学・医学・哲学など）も
絡めて書かれてあり、

多くの人が興味を持てるように、
工夫されていたと思います。




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以下、興味をもった箇所を
少しだけ挙げておきます。



・生命の真髄＝偶然性と妥協



・資質と精糖の割合の高い食事、高度不飽和脂肪酸などが
学習活動に関係する遺伝子の表現に影響を与えることは
すでにネズミでは明らかになっており、長期間の食事習慣と
脳機能との関連性の研究も今後注目されている。



・社会生物学
人間は社会的な動物であるが、他の動物でも、
それぞれの社会で「みんなとうまく生きるため」に
心と身体で様々な仕組みが進化してきた



・それぞれの動物群内で雄雌のつがい（ペア）が
ユニットとなって生活している種が他よりも身体の
大きさに比して顕著に大きな脳をもつ傾向が明らかに
なった。

これらから、異性のパートナーと上手く暮らす、
連れ合うということ自体が、脳にとって大変な負荷のかかることで
社会的情報処理の必要性が高いという可能性が
浮上してくる。



・人間では胎児期の鋤鼻器（フェロモンを感じる部分）が
未発達のまま退化器官となる。

・霊長類、類人猿、人類の出現という進化の過程で
化学的シグナル（フェロモン感知）への依存度が減ったことが
示唆できる。
その代りに、視覚が発達したと考えられる



・人間以外の動物には「積極的に死を選ぶ」行為は
観察されていない。おそらく人間だけが死の概念を
理解し、自らの意思で能動的に死を選ぶことが可能



・愛の目的は美しさではなく、美しさを生み出すこと。
生殖は命に限りのあるものにとって不死を獲得する
唯一の方法　　（プラトンの言葉より）
　

などなど。

ここには挙げませんでしたが、
様々な動物たちの生態も紹介されていて、

面白かったです。




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最後に、この本の中で私が
一番好きだった箇所を挙げておきます。




・生産には繁殖とは別に精神を介したものがある
つまり「知」　（プラトンの言葉より）



「生き物の個体はわずかの間だけ地球上に存在を
許される。身体を通過する命。形をかえ途中で
消え去るものも多いが、その生き方を含めどこかで
過去と未来につながっている。心のありよう、
そして「知」も個人を通過し、過去から未来へと
つながっていく」



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私も、過去の人たちが積み重ねて、
手渡してくれた「命」と「知」を、
何かしら未来につなげていけたらと思いました。