カテゴリ:本・マンガ
村山由佳著「野生の風」
野生の風 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 色に魅せられた染織家・多岐川飛鳥、 野生動物のいのちを撮るカメラマン・藤代一馬。ふたりが出会ったのは、 ベルリンの壁崩壊の夜。運命的な恋の予感はそのまま、 アフリカでの再会へと結びつく。 サバンナの大地で燃え上がる愛、官能の炎。しかし、思いがけない事実が発覚して―。 運命の出会いから慟哭のラストまで胸を揺さぶる恋愛小説。 * 「色」と「空気(風)」を強く感じさせる本。 「色」: この小説を読む進めるだけで、 同時に色見本帳を眺めているかのよう。 桜鼠色、茶鼠、紫苑、鶯、薄紅、青藤、紅藤・・・ 「色」に関する言葉をたくさん持ち合わせている 「日本」という国に生まれてきて、ホントよかったと思った。 「空気(風)」: サバンナの雄大な風景、 そして、そこに悠々と流れる時間。 その風景を想像するだけで 自分の心も大きく大きく滑らかに広がる。 サバンナの草と土の匂いを包み込んだ「風」を感じながら 深呼吸したくなる。 * ストーリーにおける“切なさ度”に関しては、 この本は、 同じ村山さん著の「翼」や「星々の舟」には 全く及ばなかった。 また、ストーリー展開も、 あまり好きではない。 けれど、彼女の作品は私の心に合う。 何故、村山さんの小説が私にしっくりくるのか。 そのことが、この本を読んで、よくわかった。 彼女が描く主人公の女性の内面と、私自身が 似ているからなんだ。 この主人公の飛鳥は、 「嘘がつけないけど、本心を明かすのが得意じゃない。 仕方ないから当たり障りのないことしかしゃべらない」 「なりふりかまわぬみっともさを自分に許すことが できない。だから最後にはいつも一人になるほうを 選んできた」 「いつも心の中に深い哀しみを抱えている」 ↑ この飛鳥の性格に関するセリフを読んで、 まるで私のことを書かれているのかと思った。 つまり、自分自身に対して「プライド(誇り)」が高い。 「君はもっとエゴイストになっていい」 ”なりふりかまわずしがみつけばいい” ↑ これができないから苦労している。 この小説も結局ハッピーエンドで終わらなかった。 こんなところも、私の生き方と重なっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/06/20 08:25:41 PM
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