カテゴリ:本・マンガ
福岡伸一著「できそこないの男たち」。
できそこないの男たち 福岡さんの著書は、「生物と無生物のあいだ」(4/26ブログ)に続いて、 2冊目。 前作に続いて、面白い 後半(第10章~エピローグ)部分は、 ガクンとスピードが落ちたように感じたけど、 前半、Y染色体に関する部分 (特にZFY遺伝子とSRY遺伝子の攻防部分)は、 まるでジェットコースターに乗っているような スリルとドキドキ感を私に与えてくれました。 そう。 著者が、この本のエピローグに書いている 「加速感(速覚)」を、 実際にこの本を読みながら感じたんです こりゃ、癖になる。 <加速覚> 巡航する時間を一瞬でも、追い越すことができれば、 その瞬間、私たちは時間の存在を知ることができる。 時間の風圧を感じることができる。それが加速覚に他ならない。 加速されたとき初めて私たちは時間の存在を感じる。 そしてそれは最上の感覚なのだ。なぜならそれが最も 直截的な生の実感に他ならないから。 ~できそこないの男たち・エピローグ章より~ * Y染色体と言えば、 今年見たTV「男が消える?人類も消える?」。 (1/18ブログ) あの番組にも驚いたけど、 この本にも色々と驚かされました。 ・生命の基本仕様は、女性。 ・男性を男たらしめる遺伝子、それはSRY遺伝子。 ディビット・ペイジ(ZFY遺伝子)対 ピーター・N・グッドフェローら(SRY遺伝子) ・男性は、生命の基本仕様である女性を作り変えて出来上がったもの。 アダムがイブを作ったのではない、イブがアダムを作った。 ・男性は、ママの遺伝子を、誰かほかの娘のところへ運ぶ 「使い走り」。 ・地球が誕生したのは46億年前。最初の生命誕生は、 そこから10億年後。その後、10億年もの間、 生命の性は単一で、全てがメスだった。 ・その後、オスが誕生。地球環境が大きくなり、生命に 多様性と変化が求められたから。 ・メスは、太くて強い縦糸であり、オスは、そのメスの 系譜を時々橋渡しする、細い横糸の役目を果たしている。 ・1年に1度だけオスを産むアリマキ。それ以外の季節では メスしか産まず、クローン状態。 オスが存在する季節だけ、それらが運ぶ遺伝子により、 遺伝子の多様性が生まれる。 ・Y染色体多型解析から見ても、日本人は全くと言っていいほど “単一民族”ではない。アフリカを出た3つのYの系譜が 流れ流れて様々に分岐した後、もう一度落ち合った特別な 場所として日本列島が現れる。日本列島こそが“人種”の るつぼ。 * 著者は自分が男性だからか、 結構、生物学的に「男性」を下げて書いておられるように 感じました。 でも、私は、逆に「男性」ってすごいなぁ~と 思いましたね。 遺伝子に多様性をもたらすのは、 男性がいて初めてできること。 単色を虹色に変えることは、 男性がいないと出来ない。 布も縦糸だけじゃ、成り立たない。 横糸があってこそ。 * また、Y染色体をもった男性は、 高濃度の男性ホルモン・テストステロン(体内の免疫システムに抑制的に働く)に 生涯、さらされて生きているので、 必然的に?免疫全体の機能が 低下することになるそうです。 女性よりも男性が短命なのは、 これも原因の一つじゃないかとのこと。 むむむむ。 こうやって考えると、 一姫二太郎っていうのも 理にかなった産み方なんだと納得。 * Yがもたらす「多様性」。 いいですね、「多様性」。 私の好きな言葉。 いいやん、色々あって。 その方が、ポキッと折れないのよ。 そんな仕組みを、連綿と 自ら作りあげてきた「生物」って 本当に素晴らしいなぁと思いました。 その“仕組み(命)”をもらって、 今、存在している私。 私も、次の多様性を広げる努力を しなきゃ?! * 追: ・生物系の本を読むと、顕微鏡が欲しくなりますね。 楽天で見てみると、意外と安くて、色々なタイプがあるんですね。 買ってみようかな(笑) ↓ ■PANASONIC【パナソニック】リチウムライト付顕微鏡 BF-959★リチウム電池CR123A1個用【BF959】 ニュートンスコープ 一台二役 顕微鏡 & 望遠鏡子供の好奇心を満たす、スゴイアイテム!30倍の顕微鏡で、肉眼では見えない世界を体験してみよう! ニュートン スコープ 最高倍率600倍!! プロジェクターに投影できる顕微鏡!2way ライト付顕微鏡 MS-05【楽天ポイント10倍UP中!2009/11/10 10:00 ~ 2009/11/13 09:59】 ・最近、遊園地で久しぶりにジェットコースターに乗った。 めっちゃ怖かったけど、加速感、感じまくり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/11/14 10:53:16 PM
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