カテゴリ:本・マンガ
この前、読んだ本「朽ちていった命」(11/22ブログ)が
あまりにもハードだった為、 久しぶりに小説を読むことにしました。 フィクション小説なら、 重くないだろうと目論んだのです。 そこで、選んだ本は、 東野圭吾著「手紙」 手紙 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、 獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、 直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が 立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。 犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。 。。。 軽いのかと思っていたけれど、 小説のテーマがテーマだけに、結構、重かった。。。 * この小説の全体テーマは、 「差別・偏見」。 主人公は、兄が強盗殺人犯という「差別・偏見」によって 過酷な人生を歩むことになります。 それは、本当にそんな差別・偏見が存在するのか、 とびっくりするような酷さでした。 主人公は、それを乗り越えようと、何度も何度も 挑戦し、あがき、戦い続けるのですが、 「差別・偏見」という見えない壁は 立ちあがってきた主人公を都度、 容赦なく奈落の底に突き落とすのでした。 全体的に とつとつと流れる物語構成でしたが、 最後の最後に、ぐぃっと心を ひっぱられるような終わり方をします。 涙。 * 毎年、12/4~12/10を人権週間として 政府などが、差別・偏見をなくす運動・活動を行っていますが、 この本を読むと、その反対のセリフが出てきて びっくりします。 「差別や偏見のない世界。そんなものは想像の産物でしかない。 人間というのは、そういうものとも付き合っていかなきゃならない 生き物なんだ」 「差別はなくならない。問題はそこからだ」 「我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。自分が罪を 犯せば家族をも苦しめることになる-すべての犯罪者に そう思い知らせるためにもね」 「(自分が罪を償えばいいだけではない。 自分の周囲の人が)受けている苦難もひっくるめて 君のお兄さんが犯した罪の刑なんだ」 「(犯罪者の弟とは)本当は関わり合いになりたくない。 しかも露骨にそれを態度に示すのは道徳に反することだと 思っている。だから必要以上に気を遣って接することになる。 逆差別だ」 “逆差別”。 初めて知りました。 私自身、差別や偏見など一切していないつもりでいるけど この本を読むと、果たしてそれが本当なのか 怪しく思えてきました。 自分では気が付かないところで、 誰かに悲しい思いをさせているのかもしれない。 怖い。 自分の言動を思わず振り返ってしまいました。 * 差別・偏見問題って 非常に根深く難しい。 私の会社の人権研修よりも この本は遥かに、差別・偏見・犯罪のことを 考えさせる内容だったと思います。 人権週間に関するHP 人権擁護局 HP お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/11/29 01:13:25 AM
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