カテゴリ:本・マンガ
毎日寒くて、ヤな感じ。
早くあったかくならないかな。←って今から言ってどうする?!(笑) さて、今日は、 奥田英朗著「邪魔(上・下)」について。 邪魔(上) 邪魔(下) 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。 スーパーのパート歴一年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に 足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。 日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。 主役級の登場人物(警官・高校生・主婦・夫)が数人いて、 どの視点で物語を読むかで、読み終わった時の 感じ方が変わりそうな作品。 悪く言えば、 複数の主役級登場人物のせいで、 ちょっと焦点がぼやてしまった感を抱きました。 とまぁ、 とりあえず私は、女性だからか 恭子という主婦の視線で物語を読み進めました。 * あたりまえ(平凡)のありがたさが よくわかるストーリー。 「あたりまえ」「平凡」、そして「他力本願」 という堤防が決壊した時、 人はかくも簡単に落ちていくのか・・・ う~ん。怖いなぁ。 私も“他力本願系”だから、注意しなきゃ。 自分の足で立てるだけの強さを 身につけなきゃ。 * ただ、ここに登場していた“恭子”という主婦は、 依存的だった人生から最後の最後で抜け出し、 ようやく自分の脚で、自分の人生を歩みだします。 それが、例えどんな形であっても。。。 * 「邪魔」というこの本の題。 ストーリーと、どう関わっているのだろうと 読み終わってから改めて考えてみました。 “居場所がない=邪魔” ってことだったんですね。 普段は、そんなに意識していない自分の“居場所”。 しかし、この存在が危うくなった時、 人は改めてそれを意識します。 そして、人はその場所を必死で守ろうとしたり、 新たな受け入れてくれる場所を探そうとしたりして、 もがき苦しむことになります。 この本の主役級の登場人物は全員、 “居場所”を失いかけている人たちでした。 「邪魔」 その痛々しさが、 読んでいる方も妙に苦しく感じられた作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/12/21 01:02:56 AM
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