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先日「海の翼」という本を買いました
この話は、明治に和歌山県の紀伊半島南端の大島で、大シケにより遭難したトルコ軍艦の乗員を命がけで、島民全体で救出し、その後現在に及ぶまでのトルコとの心の交流を書いたものです 歴史ものの本でこんなに感動したことはなかったし、今まで余りよく知らなかった国と国民をこれほど深く尊敬することになるとは思いませんでした 話は、明治23年に日本国を訪問したトルコの軍艦「エルトゥールル号」 まず、横浜で停泊中に船内で伝染病が起こります その際、横浜市民は船外から乗務員を励まし続けます 当時オスマン帝国(トルコ)は、豊かな国ではなく、軍艦はおんぼろでした しかし滞在費も底をつき、軍艦は台風の中紀伊半島沖を母国に向かいますが、転覆してしまうのです 命からがら大島にたどり着いた乗員は、当時外国人など見たこともなかった島民に発見されます まだまだ荒れた海 断崖が切り立った海岸から一人また一人と助けあげることは、命がけの作業でした しかし、せっかく救出しても力つきて息絶える乗員は数え切れませんでした そこで、島民は冷えきった乗員の身体を裸になって肌身をあわせて温め、助けるのです この事故で多くの船員を亡くしましたが、助かった船員たちは、言葉が通じなくとも島民の暖かい思いは通じました そこで日本帝国政府は、帝国海軍の軍艦で乗員をトルコまで送り届けます 島を去るときは、船員も島民も涙涙で別れを惜しみました その後、トルコまで送り届けた人の中に、皇帝から、このようなすばらしい日本精神を教育してほしいと請われてトルコに残った人がいました 当時、トルコはロシアの南下政策に脅かされていました このままでは、いずれロシアの属国になりかねない それは、当時の日本も同様のことでした ロシアは当時の日本を攻めることを虎視眈々と狙っており、もしロシアの艦隊がトルコの領海のボスポラス海峡を越えれば、大船団が日本をおそうことになりかねませんでした トルコに残った日本人は、日本教育の傍ら、ロシアの動きに注意をしていましたが、商船を装った軍艦が海峡を通過してしまうのを認め、祖国に打電します そこで、東郷平八郎率いる帝国海軍が立ち上がり、バルチック艦隊を迎え打つ「日露戦争」が起こり、日本帝国海軍はこれに勝利を収めます この戦いに破れたロシアは、戦力を使いきってしまい、トルコを攻める力をなくしてしまったのです トルコでは「遭難船に続き、日露戦争でも日本に助けられた」と、国民こぞって感謝の意を表し、この恩は忘れまいというのが、トルコ国民の合い言葉となり、その後子孫曾孫とその話は語り継がれ、遭難事件は教科書にまで載っており、知らない国民はいませんでした(現在も同様です) 1985年、イランイラク戦争が勃発します このとき、イラン国内には多数の日本人が残されていました イラクのサダムフセインはある日二日の猶予の後、テヘランの上空を飛ぶ飛行機は容赦なく撃墜すると宣言 テヘラン在住の外国人は、一刻も早く国外に脱出しようと空港に集まります どの国の航空機も自国民を最優先に脱出させようとします(これは極めて当たり前のことです) しかし、その当時日本とイランの間に航路を結んでいる航空会社はありませんでした また、自衛隊が救出に行こうにも、海外で活動出来る法整備が出来ておらず(現在政権の一翼を担っている憲法(9条だけ)大好きな政党の大反対のため)、更には日本の航空会社の労働組合の大反対に遭ったため、日本の航空機は飛ばせない、閉塞状態に陥っていました そのような中、日本人の救出の為に飛んだ航空機があったのです 「トルコ航空ボーイング727」 私たちは、決してエルトゥールル号と、日露戦争での日本に対する恩を忘れない トルコ航空がテヘランに飛ぶと言うことは、たやすいことではありませんでした 少しでも離陸が遅れれば撃墜される そのような中、航空会社が乗務員の中から、日本人救出の希望者を募ったところ、機長、操縦士の全員が名乗り出たというのです 危機一髪、日本人はトルコ航空機で脱出します しかし、その陰でトルコ人は飛行機を日本人に譲り、陸路で厳しい国境を越えるのです トルコ航空機は、国境を越えます 「日本の皆さん、ようこそトルコへ」 機内でアルコールが振る舞われ、乗員乗客全員の涙の中、イスタンブールに着陸するのです これは、すべて実話です こんな、素晴らしい話が教科書にも載らないばかりか、大したニュースにもならず放置されています 僕は、本を読んで電車内で泣いたことはありませんでしたが、この本は格別でした いつか定年を過ぎたなら、妻とトルコへ行ってみたい こんなにも信義に厚い国があり、自分達以上に日本人を守ってくれた国があると言うことをしっかり後世に伝えなくては申し訳ない そんな風に感じました ちなみにこの本は 新人物往来社 秋月達郎著 「海の翼 トルコ軍艦エルトゥールル号救難秘録」 という本です 子供達に是非呼んでほしい1冊です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年03月30日 22時17分56秒
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