カテゴリ:パパのひとりごと
4月1日
ふと死んだ父を思い出した 私が小学校低学年の頃だったと思う 実家は、僕が生まれる前に農業を辞めて、父が大阪でサラリーマンをしていた 山奥の集落に他にその様な家は無く、母は毎朝4時半に起きて父を会社に送り出し、日中は独りで農作業 男手が無かったので、どんな力仕事もした 子供ながらに、母の男っぷりに感動したこともある ある日、会社の父から電話がかかった どうやら、名古屋に転勤になるという内容らしかった 母は顔色を失っていた それで無くとも、山奥で野良仕事に子供や姑の世話 夫の帰りを毎日待ちわびていたに違いない その頼りの夫が名古屋に転勤 ついて行けないのは、自明だった 母は、魂が抜けたみたいにしばらく座り込んでいた 15分位した時、また電話が鳴った 「ええ加減にしてよ!」 母は、怒って電話を切った 母が父に声を荒げたのは、後にも先にもこの時だけだった様に思う どうやら、父から、さっきの転勤話はドッキリのいたずらだとの電話だった様だ 母はしばらく泣いていた この冗談には、決して笑わなかった 父は、時々人を担いで、笑わせる事があった でも、いつも相手が驚いた瞬間に 「嘘や嘘や!」 とネタばらしをして、周囲を大笑いさせて終わりだった 多分この時も、すぐにネタばらしするつもりが、別の電話か用事が舞い込み出来なかったのだろう ドッキリをフォロー出来なかった時には、人を本気で傷つけてしまう だから、私はそれ以降ドッキリの類いは、不愉快さを感じてしまうのだ 父のいたずらが、エープリルフールだったかどうか記憶はさだかではない 父が死んで間も無く30年になる 母は今もあのことを憶えているだろうか? 今度顔を見る時、確かめてみよう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年04月02日 07時09分18秒
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