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シングル母のアメリカ暮らし

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さく408

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2004.09.13
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Corkを後にして、バスの旅に切り替える。
バスの中でおじいちゃんに出会った。
Dublinに住んでいるという。
私が何を言っているのか今ひとつわからなかったみたいだが、
私の方でもやっぱりわからなかった。
意思の疎通がうまく図れないながらも、
私たちの支離滅裂な会話は3時間も続いたのだ。
彼が降りる前、私たちは住所を交換した。
そしてその後7、8年ほどクリスマスカードを交換したのだ。


Galwayという港町に着く。
淋しげな、小さな街だ。ぐるぐる歩き回って
あっという間に「街」が終わってしまう。
ここからアラン諸島の島の一つ、
イニシュモアに行くのだ。


翌日、フェリーに揺られて島に向かう。
揺られてなんていうものではない。
嵐が来そうだったので海が時化ていたのもあるが、
普段からここは海が荒いと言う。
ほとんどローラーコースターのような揺れ方。
乗客の3分の2は配られたビニールを握りしめ、
椅子にしがみついていた。


このフェリーの中で香港からロンドンに留学に来ていた
二人の女の子と会う。私たちは3人で馬車に乗った。
島内を巡ってもらい、お昼を一緒に食べた。
残念ながら彼女らは午後のフェリーで帰ってしまった。
私はどうしてもここに1泊したかったのだ。
このふたりのうちのWとは文通を続け、
その後香港で1回、サンフランシスコで1回会っている。


自転車を借りた。
嵐がいよいよ近くなり、空が真っ暗だ。
でもとにかく自分の足で島をいろいろ見てみたかった。
何もない。
あるのは石垣に囲まれた草野原、朽ち果てた古い遺跡、
断崖絶壁のむこうの荒く打ち寄せる波だ。


なぜこんな、ヨーロッパの北西の果ての
こんな小さな島に佇んでいるのか。
観光客もほとんどいない。
香港の彼女たちが「なぜこんな寂しい所に1泊したいの?」
と驚いたのも無理はないかもしれない。
小さな食堂にはいり、スープで体を温めた。


夜中吹き付ける風と雨、
明日船はでるのかなあと思いながら、
いつのまにかぐっすり寝込んでしまった。


翌朝はきれいな青い空に迎えられた。
自転車をこいできのう通り過ぎた古い遺跡、
ダン・エンガスまで行ってみる。
紀元前3000年頃の古代国家の跡だと言われている。
愛蘭居士さんの日記で、アイルランドがアトランティス大陸だったかもしれないと
そういう説が出てきたのを知った。
あのダンエンガスの、誰にも顧みられず荒れ野の中で、
それでも威厳を失わずに佇んでいた姿を思うと
その説がそう突拍子もないものには思えない。


人っ子一人いないその遺跡で、風に煽られながらしばらく立ちすくんだ。
そこに流れた気の遠くなるような時間を思い、
宇宙の不思議を感じる事が出来た。


港に行く途中にアランセーターのお店によった。
荒い縄編み模様のこのウールのセーターは
フィッシャーマンズセーターとして良く知られている。
それでもそのセーターが何故存在したかはあまり知られていない。


もともとは漁師が寒さと水から身を守るために着られた
このウールのセーター。
編み込んである模様はそれぞれの家独自のデザインだという。
この荒い海では遭難事故も多い。
打ち上げられた漁師の死体を判別するための模様なのだ。
迷ったが、1枚買った。素朴で温かいセーターだった。


Galwayに船で戻り、そこにもう1泊して
バスでさらに北へ向かう。
Sligoという街についた。
詩人イエーツが青年期を過ごした街だと言う。
町中の古い寺院などを冷やかしながら、
ひたすらブラブラ歩いた。
宿を決めてなかったのでユースホステルに飛び込む。
いろんな国からの若いバックパッカーが
ベッドに荷物を置いていた。私の隣はドイツからきた
レズビアンのカップルだった。
夜、彼女たちとパブにでかける。


旅の目的の一つが、パブで近所の人達が演奏する
アイリッシュミュージックを聞く事だった。
このパブはいろんな人が集まって毎夜のように音楽を楽しむと言う。
最初は3人くらいの人が思い思いの楽器を持って演奏を始めた。
パブの客が囲んで酒を飲みながら聞き入っている。
ひとり、またひとりと加わって、終いには10人以上の
人々が音楽を奏で、歌を歌い、酒を飲み、楽しんでいた。
本当に音楽を愛する人達が集い、自分のために演奏する。
音楽や芸術というのは本当に生活に密着したものであるべきなのかもしれないな、とふと思った。
少なくとも私には、着飾ってホールで緊張して聞くクラシックよりも
ずっと素敵なものに思えたのだった。



(3に続く)





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Last updated  2004.09.13 16:23:41
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