シングル母のアメリカ暮らし

ここ最近は雨続きだ。
雨期なので仕方がないが、
雨の季節にはこまったことがおきやすい。


それは蟻の大発生だ。


別に雨で繁殖するわけではないのだが、
どういうわけか雨期になると家の中にでてきやすいようだ。
もちろん夏の乾季でも何でもでる事はでるのだが。


この一帯は地面の下が巨大蟻塚だという。
そう考えるとかなりぞっとするのだが、
確かに今まで「うちには蟻が１匹もでた事はありません」
という人には会った事がない。


清潔にしていようと、
汚くしていようと、
お金持ちだろうと、貧乏だろうと
分け隔てなく侵入して来るこの蟻はかなり民主的だ。
必ずしも食べ物にたかるとも限らないのだ。


バスルームのゴミ箱に捨てた
ヘアジェルの容器にたかっていた事もある。
キッチンに置いておいた子供の風邪薬にもたかっていた。


でもやはり、シンクまわりの食べこぼしやら、
くずやらに集まってくる事が多い。
砂糖と炭水化物には目がないようだ。
甘くてもフルーツにはそれほど魅力は感じないようだし、
生野菜は見向きもしない。
あまり健康的な食生活とは言えないかも知れない。
蟻の世界に「糖尿」という言葉はないのだろう。


蟻がでたときはどうするか。
今まではシンク周りはお湯でざっと流し、
ひたすら洗剤を含ませたペーパータオルなどで拭き取った。
以前蟻の大群が床を這い回っていたときは
（その時は次男が床に落としたヨーグルトのかたまりに群がっていた）
掃除機で一気に吸い取り、そのままゴミ箱行き。
そのあと床の拭き掃除。


一度出始めると、後から後から押し寄せる。
本当に癪な存在なのだ。
そんな蟻との日々の戦いに疲れ果てていた私に
元義姉が不思議なものをくれた。
その名も

Biorganic Safety Brands!


ボトルには、「子供やペットに安心」だの
「厳選されたハーブから作られた」だの
「蟻やゴキブリをさっと殺す」だの書いてある。
材料は水、ローズマリーオイル、ウィンターグリーンオイル、ミネラルオイル、二酸化炭素、レシチン。


？？？？？？？


本当にこんなもので虫を殺せるのか。
それに安心と書いておきながら、「手についたら洗い流せ」だの
「目に入ったら流水で１５分」などと書いてあるではないか。
ナーンか怪しい。


と思いつつ、さっと蟻にかけてみた。

蟻、即死。

すごい威力である。
阿鼻叫喚、生き地獄などというものではなく、
かけたとたん蟻は身動き一つせずに死んでいる。
本当に安心なのお？これー。


それにこの匂い。
強烈に部屋中残るこの匂いはいわゆる、
サロンパス、トクホン、サロメチールに代表されるあの匂いそのもの。
肩こりや筋肉痛を和らげるあの匂いが
害虫駆除にも役立つとは知らなかった。
ますますもって怪しい製品だ。


だがこんなに効くんなら使うより他はない。
少なくとも「毒です」と自ずから告白している製品よりは
ましかもしれないし。


朝おきて、または外出先から帰って、
キッチンのどこかに群がっている蟻どもに狙い撃ちをする。
蟻は大量に一気に殺されていく。
あまり気分のいいものではないので、
さっさと学習して、ここに来るのはやめろ、と思うが
あんな小さな蟻に脳みそを期待する方が間違っている。
こんなに毎日やられているのにちっとも学習しない蟻。


もうすでに私の鼻はトクホンでバカになっている。


誰か助けて。







本日の献立 : 子供のいない金曜夜の超情けないごはん「豪華ピリから丼」
残りご飯に、明太子・キムチ・メンマラー油漬けをのせたもの。
和韓中の違った味わいがお楽しみいただけます。