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シングル母のアメリカ暮らし

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さく408

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2005.01.13
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カテゴリ:カテゴリ未分類
今夜は子供たちが父宅にお泊まりしているので、
私は前からの約束だった友人を訪ねた。
彼等は何年か前の景気のいい時代に成功し、
丘の上に大きな新居を構えた。


希望通りに設計された瀟洒な家、広い庭、
大きなプール、高い天井のダイニングルーム。
夢のように広いキッチンには大理石のカウンター。


彼女は私とたいして年も変わらない。
でも上の子供は高校生になっているので、だいぶ手も離れている。
あとは小学生の男の子がいるだけだ。
今夜も出迎えてくれたのは彼女一人だ。


とってくれたピザをつまみながら、話をした。
「ご主人は?」の問いに
「ううん。」と首を寂しげに振る彼女。
「今夜も何処にいるんだか」


東ヨーロッパからの移民である彼女は、
アメリカ市民になってもう長い。
同じ国出身のご主人と結婚し、ふたりであくせく働いた。
子供も生まれ、普通に幸せに結婚生活を送っていた。


ご主人の仕事がヒットしてから、彼等の生活は変わった。
彼女も相変わらず仕事は続けていたが、
あくせく働く必要はないほどの莫大なお金が転がり込んだ。


長年住み慣れた小さな借家を離れ、
高級住宅地の一角に家を建てた。
新しい車を買い、旅行に出かけ、
贅沢な暮らしもだんだん身に付いて来た。
誰もがうらやむような生活だ。


「もう3年になるのよ。」と彼女は切り出した。
「相手は若いし、結婚したがるわけでもない。
彼はお金を持っているし、今は時間もたっぷりある。
そんな付き合いがいつまでも続くわけがないって思っていたけど、
もうそろそろ3年よ。」


彼女のご主人は浮気をしている。
それがわかったとき、彼は居直ったそうだ。
「こんな生活が手に入って何の不満がある。
僕は君たちを捨てるつもりはないよ。
家族は大切だ。でも彼女の存在も大切なんだ。」


何を寝ぼけたことをいってやがるのだ。


「彼女の存在を認めて欲しい。
決して家族をないがしろにするつもりはない。
それが嫌なら、この家を出て行けばいい。」


彼女はよっぽど家をでようと思ったが、
子供たちの事を考えてとどまった。
そのうち、壊れるだろう。ただの浮気なんだから。
そうこうしているうちに3年が経ってしまった。


「このままじゃいけないってわかっているのよ。
最近は顔を合わせれば喧嘩になる事も多いしね。
怒鳴り合いになる事もある。
この間は息子に泣かれてね。」


「せっかく手に入ったドリームハウスなのよ。
ここに来た時は本当に幸せだった。
夢が叶ったんだからね。
でもそれと引き換えになくしたものもたくさんあるような気がする。」


「ふたりであくせく働いていた時は楽しかった。
彼の仕事が成功しそうな時は、本当に二人で支え合った。
彼が、あの頃の事を忘れてしまったとは思えない。
思いたくない。」


私にはかける言葉が何もなかった。


ぽつりぽつりと涙も流さず話す彼女の顔には
苦痛が浮かんでいて、
ただ抱きしめてあげる事しかできなかった。


今夜はとても無力な気分だ。





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Last updated  2005.01.13 17:32:50
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