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初恋の同級生の話を前に書いたが、
よーく考えると一番最初の私の初恋の相手は、 人間ではなかった。 でも今思うと、あのトキメキは 恋以外の何者でもなかった。 私の初恋の相手は、 ムーミンのスナフキン。 昔から、私は「頭のよさそうな男」が なんとなく好きだった。 で私のイメージの中の「頭の良い男」は たいてい無口だった。 考えてみるとものすごく単純だが、 小学生なんていうのはそんなものだ。 ムーミンを見て、スナフキンがでてくると 「素敵な人だー」とときめいた。 周りにはいないタイプの男だった。 (あたりまえだ、アニメなんだから) ムーミンが出て来ると、 「カバはいいから早くスナフキンを出せ」 と思っていた。 小学生時代の私が、他に憧れたのは、 木枯らし紋次郎。 仮面ライダー(たしか藤岡弘)。 子連れ狼。 こうやって見ると 小学生の私はきっと無口でニヒルな男が好きだったのだ。 無口でニヒル、というのは「馬鹿」のイメージからほど遠い。 だからお笑い番組を見て笑ってはいたけれど、 お笑い系芸能人のファンになることはなかった。 男は無口でシブくなくてはいけない。 私が結婚した男は けっこうおしゃべりだった。 しかもうすら寒いジョークで周りを凍らせた。 何故そんな男とのデートの誘いに乗ったかというと、 やつは「おいしい焼き鳥やさんを知っている」と 食べ物で私を釣ったからだ。 彼の痛々しいジョークや会話も、 焼き鳥屋の喧噪の中ではあまり気にならない。 むしろ受けを狙おうとする真摯な姿勢に 誠実さまで感じてしまったほどだ。 やはり私の弱点というのは食べ物なのだ。 彼に限らず、それまでつき合った男も 決して無口ではなかった。 けっこう無類の話し好きだったり、 「明るくて面白いボク」を演出するやつだったり、 たまに口ベタに見えても、口を開けば 自分の事を話すのが大好きな「オレオレ君」だったり。 私が心惹かれたS君やYさん、つんちゃんやOさんなどは スナフキン属ニヒル科もの静か無口タイプの典型だったが、 女がいたり、女嫌いだったり、変人だったりで 私のところには属してはくださらなかった。 そうなのだ。時にこういうタイプの人は、 孤独を愛するか、どうしても孤独にならざるをえないほど、 人付き合いが苦手だったり、 実は口を開くと馬鹿丸だしだったりする事も少なくはない。 私の息子たちも、実は私の理想からは どうもほど遠い人間に育ちそうだ。 よかった。問題なく子離れできそうだ。 だって気持悪いでしょ、「息子を理想の男に育てたい」なんて。 彼等の子育てが終わったら、 私はゆっくり理想の男性を探すさすらいの旅に出よう。 枯れた茶飲み友達でもいいから。 むしろその方が実害が少なそうでいいかもね。 本日の献立: TJ'sドウを使ったチーズピザ、ラバーシュのハーブ&チーズ巻き(中東の薄いパンにフェタチーズとバジル、ミント、ネギなどを巻いたもの)、 トマトサラダ、ベイクトチキン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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