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シングル母のアメリカ暮らし

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さく408

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2006.04.16
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カテゴリ:茶の湯の心
今日はサンフランシスコのジャパンタウンで開かれた、
桜祭りに行って来た。
といっても遊びに行ったわけではなく、
そこの会場のひとつで開かれた、
茶道のデモンストレーションのお手伝いに行ったのだ。


午後から1時間刻みで4つのデモンストレーションがあり、
私はそのうちのひとつで、お正客の担当だった。


朝からバタバタと着物に着替え、
子供達を日本語学校に連れて行った。
それから他の人たちと待ち合わせをしていた場所に行き、
カープールでサンフランシスコまでの小1時間の道のりを
車に乗せてもらって皆で行った。


出るときも小雨まじりだったが、
サンフランシスコでも空はどんよりと曇っていて
時折霧雨がフロントグラスをしめらせた。
桜まつり、という雰囲気ではないな。(笑)


でも会場となったホテルはすでに人で溢れていて、
茶道のデモンストレーションと同じ階には、
文化紹介、カルタ取りの部屋などもあったが、
何よりも盛況だったのは民謡や踊り、和楽器演奏などが
おこなわれていた部屋だった。
あまりに賑やかで楽しそうだったので
ちょっと覗いてみたかったのだけど、
そんなところでアブラを売っていては叱られる。
おとなしく自分の部屋に戻った。


お茶のデモンストレーションというのは実に地味だ。
必要なときを覗いては終始無言でおこなわれる。
そのせいか、会場もシーンとしているのだ。
本来ならば、掛け軸やお花、香合、そしてお茶やお菓子などを
目で舌で、楽しむ際にいちいちコメントを残したり、
褒めたりたずねたり、そういった事もあるのだが、
紹介のためにシンプルに省かれたその過程は、
茶銘問答以外はほぼ省略され、
無言でいかめしい「セレモニー」になってしまう。


たぶん「退屈だ」と判断した何人かの見物客は
席を立ち、途中で消えてしまったりもするが、
大多数の人はその場に残り、最後まで楽しんでくれた。
終わった後にはお茶やお菓子も振る舞われる。
これは限られた人数の人だけなので、
早い者勝ちになってしまうのだが、
おまんじゅうもお茶もほとんどきれいになくなったのだ。


日本では趣味の域をでないこの茶道というものが、
アメリカのいくつかの大学では文化を学ぶという事で、
クレジットが取れたりするそうだ。
面白いものだ。
アメリカ人の先生や茶名取得者も決して少なくはない。
日本人にさえなかなか覚えられない道具の名前や
作家名など、すべて日本語で覚えなくてはいけないのだから、
彼等に取ってはなかなか根気のいる作業だろう。
それでも茶道の奥行きの深さに魅せられる人は、
日米を問わずたくさんいるのだという事だ。





ところで、今年で100周年を迎えるという
サンフランシスコの日本町だが、
この桜まつりも今年で最後かもしれないという噂が流れている。
この土地をどこかのデベロッパーが買い取ったのだそうだ。
ジャパンタウンの存続が不可能となってしまった場合、
アメリカに残されるジャパンタウンは実質上、
LAのリトル・トーキョーだけだろう。


私の住むエリアにあるサンノゼにも日本町はあり、
これが現在アメリカに残されている3つのジャパンタウンのうち
ひとつに数えられてはいるけれど、
そうは言っても名ばかりのたった1本の通りの数ブロックだけ、
という規模の小ささであり、栄えているわけでもないのだ。


リトル・トーキョーほどではないかもしれないけれど、
サンフランシスコのジャパンタウンはそれなりに賑やかに栄え、
毎年の桜まつりなど、多くの人出があるものだ。
ここがなくなるのは本当に寂しい。
1時間南にある、現在のサンノゼ日本町が
あれに取って代われるとはとても思えない。
自然消滅の傾向にあるとも言われているくらいなのだから。
ちなみにhttp://www.savejapantown.com/で
署名運動などもおこなわれているようなので、
興味のある方はぜひ見ていって欲しい。


こういう町が振興したのはすべて遠い昔に
この地に降り立った移民1世達の努力によるものだ。
世代が変わり、彼等の子孫や私たちが、
それを受け継ぐ努力はせずに、
ただ時の流れで消えていくものを他人事のように眺めているのだ。
こうして文化を伝える場がひとつひとつ消えていく。


アメリカで浸透している日本文化と言ったら
スシとフトンとカラテくらいになってしまうのか。
それではあまりにも寂しいじゃないかと思う。


それでもあの地味な茶道のデモンストレーションに見入り、
ほろ苦い抹茶を和菓子とともに楽しみ、
民謡や楽器の演奏に聞き入って帰った人たちのうちの一人でも
ああ、この町をなくしてはいけないなあと
惜しんでくれるかもしれない。
日本を離れた日本人達の多くの心のよりどころとなった町が
どうか消えてなくなりませんようにと
願いながら。





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Last updated  2006.04.16 13:10:25
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