いつもの繰り返しだろうが。・・・・・
天災、戦争、犯罪、暗い影ばかりがよぎり瀬良の未来ですら不安にさせる。ということは精神的ないたぶりを好むマゾにとっては絶好の時期なのではないか!世の中には沢山のマゾを拘束する好材料が広まりわたっている。わざわざ自分の体を不遇にしてしまいお慈悲をもらうというのは社会的な身分戒律が健在の一部の国だけのことではなく人体改造マニアの間ではアンビテーションと称する肉体切断を自ら望むものもいるようだ。命のための健康とはもはや意味を成さない世の中になっているようだ。精神的健康のためには肉体の欠損、危険な病気に冒されるリスクを承知でみな危険な肉体改造に励むのだ。いまだ冷め遣らぬ戦火の袂には劣化ウラン弾など放射能汚染を伴う兵器も多用され、地域住民への影響はその体を立てぬほど変形させ日常生活もままならない援助物資に頼るだけの細々とした日々に追い討ちをかけている。モダンプリミティブに総称される変身マニアたちは生理食塩水を頭部に打ち込みトランス状態を楽しむという、また性器を本来在るべき形状から甲状腺異常の患者のように肥大させその豊満感を快感につなげているという。まさに神をも恐れぬ愚行が平然と日常を闊歩しているのだ。100年に一度起こるとされている大型の地震が赤道直下で起きた。可能性がゼロであったとしか思えないような無防備の中被害は甚大なものになっている。戦争級のダメージの被害者は戦火も犯罪、変態も関係ない一部のブルジョアジー階級にその大半を占めているとのこと。避暑のための休日が悪夢と化してしまった。しかしながら刺激を求めていなかったわけでもないだろう。いずれこうなるなってみたいとおもっていたのではないだろうか?平常心を保てる日常に物足りなさを感じていたものも何人かはいたはずだろう。今までどおりに老い朽ちていく人生に希望を無くしていたものもいたのではないだろうか?死にながら興奮してエネルギーをみなぎらせているマゾはかならずいるはずだ。不謹慎な事に気が付いていると瀬良は思う。しかしながら不謹慎なものの存在に気が付かないものが不謹慎変質者に捕食されてしまうおそれが十二分にあるくらい世の中が今なのだ。トンネルを抜け出し人類として進化するためにはマゾの精神構造を多少なりとも判らなくてはならないはずだ。みずからを差し出し鞭打たれることにより、怒りと理解しがたさと実際に存在する痛みにあきらめてこそ人間として自立するのだろうか。