ＳＡＬＯＮ　ＤＥ　ＪＩＮ

学生時代、学生寮に入っていた私は、小田急線を使い通学していた。
友人が骨折したある日、自転車を調達して来て！と叫ぶ。「だって駅まで歩けない」、「そうね」。。。
「自転車は？」｢貴女が私を乗せて駅まで行くの～」と。
普段から我侭な人でしたが、此処にきて止まりません。恐らくストレスがそれを誘発していたのかもしれませんが。

さていかなるものか？？？
お金は無いだろうし。。。
タダデ貸してもらえるわけも無く。。。
思案し、ふと立ち止まった先が交番前。「そうだ、お巡りさんにたのめばいい！」
｢われながらGOODなアイデアにニッコリ♪

さり気ないふりをしながら、「あの～自転車を借りたいのですけれど～」、｢何故？」、「友人が骨折して。。。歩けないのです」｢ですから、自転車に乗せて私が連れて行かなければ。。。」、｢えらい！今時！」。商談は成立し自転車やさんに連れて行ってもらいました。
お巡りさんの紹介ですから、鬼に金棒です！
料金も特別ただに。
幸せでした。。。友人も喜ぶに違いないと。。。

幸せはもろくも崩れました。
それもお巡りさんの手で！！！
お巡りさんに一目ぼれされた私は毎日お巡りさんに追いかけられ、一日中です。
学生寮にまでTELがかかり、取次ぎ時間外にもかかわらず、お巡りさんの印籠を持った強みで、毎日です。
あの時｢ストーカー」という流行言葉があったなら。。。私はすくわれたのに。

一ヶ月続きました。肝心の骨折した彼女は「ドンくさい」と怒るし。。。
私もお世話にはなったけれど、好みではない。
取り合えず｢困ります」と伝えてみたものの効果なし！
二ヶ月目に突入したある日、困ったお巡りさんがいない日がやっと判明し、上司に直談判しました。
｢困ります！！！何とかしてください」｢何を？」。。。
「お巡りさんです！」「えっ？」｢私追い掛け回されて迷惑してます！」

しばらく沈黙が。。。
｢真面目ないいやつで。。。東大でだよ」と力なく上司のお巡りさんはいいました。
「私は迷惑です！飛ばして！」気付いたら叫んでいました。
次の日からかのお巡りさんの姿は消えました。。。
本当に飛ばされたそうです。
少し薬が効きすぎたかしら？
やっと平和な日々を取り戻せましたが。。。そのつけが、災いしたのか男運がすごく弱い事を知る羽目になりました。