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私は、ひどく当惑していた。この女性とは、過去に何度となく音信不通になっていた。だからすっかりうんざりしていたのだ。しかしそんな勝手気ままでわがままな女性でも気に入ってしまうとどこかしら期待してしまった。その魅力とは何なのか・・・
多分その存在の危うさなのだろう。男と女の間においてこの危うさということがけっこう魅力だったりする。あんなやくざな男に、魅了されてしまった乙女なんていう設定がドラマにある。それはドラマだけのものでなくて結構、身の回りにも存在する。それが男女の計算しきれない生理的動物的なむすびつきのような気がするのである。 がしかしもうふりまわされるのはごめんだ。会いたい、いややめとけという心の綱引きの中 わたしは意を決して 「付き合っている人がいるんですよ」 とやっとその一言をいった。思い出はいっばいあった。その一場面一場面が鮮明に脳裏に焼きついている。そのときめきや息ずかいを失うことは大変なことだとおもった。思い出の中に逃げ込みたかった。しかし私は新たな物語を作り始めていた。だから逆戻りはできなかった。そっと思い出は、しまっておこう。今は彼女がいるのだから・・・ いつの間にか頬を涙が伝っていた。 一ヶ月半後、私は、ずうっと固定されていた左腕の包帯と支えをはずした。右手で左腕を慎重にささえた。運動機能の停止した左うではずしりと重かった。多分骨折箇所は生命力で充分くっついているはずだった。私はおそるおそる右手を離してみた。やったー。つながっている。あとは少しづつあせらずリハビリだ。マッサージ等自分で左腕の試運転に向けてがんばればいいのだ。どうだわたしだってまだ若いんだ。えっへんと自慢したくなっていた。 その夜ロシアの彼女に電話をいれた。 「もうすこしだよ」とわたしが言うと 「早く会いたい」 分かってるて、もう少しだよ。なかなかあえないってことがわたしたちの場合二人の距離をちじめた。そういえば、♪ あえない時間が愛育てるのさ・・・ っていう郷ひろみの、よろしく哀愁 という歌の歌詞にあったなぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月16日 17時04分02秒
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