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カテゴリ:小泉純一郎元首相
9月の退陣まで2ヵ月余りとなった小泉純一郎。最近、彼の大胆なパフォーマンスが目立っている。7月15日から3日間、ロシアで開催されたサンクトペテルブルク・サミットでは、16日夜(日本時間17日未明)、ブッシュ米大統領に「少しおとなしくした方がいい」とチクリと刺される一幕があった。前夜のオペラ観劇の際に歌手をねぎらう首相のはしゃぎっぷりに唯一の盟友がジョークで一喝した形だ。6月の訪米でもプレスリーの物まねを披露するなど“奇行”に走り続ける首相。政権末期ということで、気が緩んでいるからかも知れない。
見ている方が恥ずかしい小泉首相のスタンドプレーに、ついに盟友もあきれた。首脳討議でブッシュ大統領から「あなたは常に場を支配する」とにやけて指摘され、「小泉首相は少しおとなしくした方がいいのではないか」と冗談交じりで苦言を呈された。 大統領が指摘したのは、15日のプーチン露大統領主催の非公式夕食会の出来事。オペラを観劇した首相は率先して舞台に上がり、オペラ歌手をねぎらい、ロシアの民族舞踊まで披露したのだ。 政界屈指のオペラ好きで知られる小泉首相。本場の観劇に興奮したに違いない。ブッシュ大統領もそれを分かっていながら、盟友の場違いなノリノリぶりにツッコまざるを得なかったようだ。しかし、小泉首相は「大統領も続いて一緒に踊ってくれたではないか」と意に介さず笑顔で返答。この一幕に各国首脳は笑い「まさに同盟国だ」と口々に感想を漏らした。 また、米国の雑誌『ニューズウィーク』によると、小泉首相はサミットで「熊」(Bear)に端を発した「ジョーク」を英語で連発し、各首脳の笑いを誘っていたことが分かった。 同誌によると、16日に行われたサミットの夕食会で、ドイツのメルケル首相が珍種の野生の熊(英語でベア)がドイツ国内で最近撃ち殺された話を始めた。夕食会場の外では緑色のバレエの衣装(チュチュ)を身につけた熊の着ぐるみがダンスのパフォーマンスを行っており、この姿を見て熊の話を始めたようだ。 しかし、この話が小泉首相を触発したようで、「テディベア」(熊のぬいぐるみ)と突然言い出し、「われわれは批判をベア(耐える)しなければならない」「アンベアラブル(耐えられない)」と「立て板に水のように」(同誌)ベアのつく言葉を並べた。首脳らはくすくす笑っていたという。 夕食会ではブッシュ米大統領が「小泉首相はウオツカを飲むと英語がぺらぺらになる」とからかう場面もあり、ウオツカが効きすぎた可能性もあるようだ。 このところ小泉首相の大はしゃぎは、とどまるところを知らない。6月の訪米では大ファンの故エルビス・プレスリーの邸宅を見学。遺品のサングラスをかけ、ギターを持つ手を振り上げるプレスリー得意のポーズを披露。米国のマスコミに「首相らしからぬ行動」と報じられた。 政治評論家の浅川博忠氏は「一種の安心感と『燃え尽き症候群』が、短絡的なパフォーマンスに走らせているのでは」と分析。首相は9月で任期が切れるが「後継も安倍官房長官が有力。小泉改革もやり尽くし、総仕上げに外交で自分の存在感を示そうとしている。だが、最近のパフォーマンスで長期政権の重みを自ら軽くしてしまっている」と語った。 それにしても最近のはしゃぎぶりは目に余る。日本大学の森昭雄教授(脳神経科学)は「長期間、重責にある首相は理性や道徳心をつかさどる前頭前野(脳の額部分)の機能に負荷をかけてきた」と説明。「首相の性格もあるが、(任期終了目前の)開放感が周囲も予想しない行動に走らせる可能性はある」と指摘した。 小泉首相の任期切れまであと2ヵ月余り。「ポスト小泉」レースが一段と激しさを増す中、「想定外」のパフォーマンスはまだまだ続きそうだ。だが、くれぐれも緊張感だけは維持し続けてほしい。 ●「セグウェイ」で出勤 2005年12月16日、日米首脳会談でブッシュ米大統領から贈られた電動2輪車「セグウェイ」に乗って公邸から官邸に出勤。「おおっ」と声を上げ右往左往しながらも、何とか約150mを走って首相官邸に到着すると、小池百合子環境相らに「少し練習したらできるよ」と。 ●荒川静香選手の金メダル獲得に「やったな」 2006年2月24日、トリノ五輪での荒川選手の金メダル獲得を「メダルを取ってくれればと思っていたけど、金(メダル)はうれしいね」と称賛。閣議前には、各閣僚に「金メダルやったな」と語り、谷垣禎一財務相から「ずっとテレビを見ていたのか」と尋ねられ「ああ、面白かった」。 ●子どもたちに「空気砲」 2006年4月20日、科学技術館(東京都千代田区)に視察に訪れた小泉首相は、遠足に来ていた小学生とともにサイエンスプロデューサー・米村でんじろうさんの実験教室に参加。段ボール箱を利用した「空気砲」に線香の煙を入れ、「煙にあたると算数や物理が良くできるようになるぞ」と子どもたちに向けて発射。 ●プレスリー邸で「夢がかなった」 2006年6月30日、ブッシュ米大統領夫妻とともに米テネシー州にある故エルビス・プレスリーの邸宅「グレースランド」を見学。遺品のサングラスをかけ、ギターを持つ手を高く振り上げるプレスリーのポーズを披露。プレスリーの娘リサ・マリーさんの肩に手を回しながら「強く抱き締めたい」と歌詞の一節を語り掛けた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.07.24 20:58:00
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