「加藤の乱をもう一度」

2006.08.19

テーマ：政治について(20236)

カテゴリ：政局

　民主党の鳩山由紀夫幹事長は8月19日朝の民放テレビ番組に出演し、17日夜の超党派議連「国立追悼施設を考える会」幹部らの会合で、自民党の山崎拓元幹事長や加藤紘一元幹事長らに政界再編を促したことを明らかにした。

　鳩山氏は、自民党総裁選で独走状態にある安倍晋三官房長官が次期首相になった場合、「アジアとの関係がますますおかしくなる」と主張。山崎、加藤両氏が森喜朗内閣に反旗を翻した2000年の「加藤の乱」を念頭に、「ここでもう一度、決起でもしたら」と持ちかけた。しかし、山崎、加藤氏らの反応は「必ずしも『分かった』という話ではなかった」ことも認めた。

　さて、この「加藤の乱」だが、一種のクーデターのようなものだ。「乱」という語があるため、「壬申の乱」「承久の乱」「応仁の乱」などのように歴史教科書に登場してもいいと思うのだが、残念ながらない。

　「加藤の乱」というと、今回の自民党総裁選への出馬を表明した谷垣財務相とも関わりが深い。

　谷垣氏は2000年11月21日、山崎氏と2人だけで本会議に不信任票を投じに行こうとする加藤氏を、「加藤先生、あんたが大将なんだから、行っちゃダメだ！」と、涙ながらに慰留するシーンがお茶の間に流れ、話題となったのである。

　私自身は残念ながらこのシーンは見ていないが、あの谷垣氏ならこのようなことをするのも納得できる。

　さて、果たして加藤氏は「加藤の乱」を再び起こすのだろうか。そのためにはまず安倍氏が首相に就任し、さらに何らかの原因で野党が内閣不信任決議案を提出しなければならないが。

「加藤の乱」の概要　「加藤の乱」は、2000年に第2次森喜朗内閣打倒を目指して与党・自由民主党の加藤紘一・山崎拓らが起こした一連の政治行動。別名は加藤政変・YK革命。2000年11月20日の衆議院本会議に向けて、野党が森内閣不信任決議案を提出する動きを見せると、与党・自民党の加藤紘一元幹事長（当時宏池会会長）とその同志の国会議員が、賛成もしくは欠席すると宣言した。山崎派などが同調すれば不信任案が可決され、森内閣は総辞職か解散を余儀なくされるが、党幹事長の野中広務氏による党内引き締めにより、加藤氏の意図は失敗した。森内閣への国民の支持率は発足当初から低迷しており、加藤氏は「国民の75%が信任していない」と発言していた。

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最終更新日 2006.08.21 05:55:55
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