鈍感力

2007.02.20

テーマ：政治について(20236)

　小泉純一郎前首相が2月20日、国会内の自民党幹事長室を訪ね、中川秀直幹事長と塩崎恭久官房長官に対して、与党幹部らから安倍晋三内閣の閣僚への苦言や安倍首相の指導力不足を指摘する声が相次いでいる問題について、「目先のことに鈍感になれ。鈍感力が大事だ。支持率が上がったり下がったりするのをいちいち気にするな」と述べ、結束を促した。「鈍感力」は作家、渡辺淳一氏が今月刊行したエッセーのタイトル。政府・与党内に不協和音が広がっているのを見かねて、収拾に乗り出したものとみられる。

　小泉前首相はこの後、記者団に「支持率は40％でも30％でも十分だ。批判は必ずある。批判するのはマスコミだ」とメディア批判を展開した。

　小泉前首相は退任後、マスコミの取材を断り、公的な活動も控えている。党や政権への注文が公になるのは、昨秋、郵政造反組の復党に反対の“刺客議員”を「使い捨て」と一喝して以来だ。

　小泉前首相の指摘について安倍首相は20日夜、首相官邸で記者団に「小泉（前）総理らしい言葉だと思う。鈍感力というのは必要かも知れない」と語った。

　一方、同日午前に開かれた閣議では、中川幹事長の18日の「（首相が）入室したときに起立できない、私語を慎まない政治家は内閣、官邸から去らなければならない」との発言を気にしたのか、各閣僚は、閣議室隣の大臣室で首相を迎え入れる際、普段より機敏な動きで一斉に起立した。

　ただ、閣議前の撮影時間になると「互いに仕事の話を意見交換しているのが実情だ」（柳沢伯夫厚生労働相）との声が漏れ、首相も「これをおしゃべりととられちゃうんだよね」と苦笑した。

　一方、中川幹事長は小泉前首相との会談前に行った会見で、「閣議前の懇談の場で連絡調整があるのは当然の話だ。その限りで細かいことを言ったつもりはない」と釈明した。

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最終更新日 2007.02.24 11:22:00
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