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2007.02.28
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カテゴリ:教育
 小中一貫校の魅力を紹介するにあたって、昨春に開校した東京都品川区立日野学園を例に用いたい。

 「品川区立」とあるように、この学校は公立である。教育特区として公立の小中一貫教育を推進する品川区では、この日野学園を皮切りに、全6校の施設一体型小中一貫校をつくる計画。

 品川区周辺には、慶應中等部、麻布、頌栄女子学院など「名門私立」が多い。約4割が中学受験をするという土地柄だ。

 品川区立の小中一貫校の特色は、9年間を「4・3・2」の3つに区分する点にある。1~4年生は学級担任制で、基礎・基本の定着を図る授業を展開。5~9年生は教科担任制で、個性・能力の伸長を図る授業を展開。

 日野学園の魅力は、私立顔負けの設備。校舎は区民体育館などとの複合施設として新設される。また、可動床のある温水プールなども設置。さらに、1年生からブレザーの制服がある点も、従来の公立校とは異なる。

 公立小中一貫校の設備や教育内容が充実すれば、超難関校を目指す一部の成績上位層を除き、中学受験をする児童は減少するのではないだろうか。

 公立小中一貫校では、適性検査などは実施せず、基本的に地域の子どもをそのまま受け入れる。日野学園では、他学区からの志望者が多い場合は学区域の子どもたちを優先して人数調整をするというが、少子化もあるのだから、今後定員を大幅に上回ることは考えにくい。

 公立小中一貫校が、私立校や公立中高一貫校と大きく異なるのはどのようなことなのか。公立小中一貫校は、様々な子どもたちが集まる地域の学校である以上、難関高校合格者を増やすといった目標を掲げることはしない。それぞれの生徒に合った進路先を考えていくという、公立中学校と同様の進路指導を行うことになるだろう。

 私は基本的に、小学生はそんなに勉強をする必要はないと思う。学校では授業に取り組み、家庭では学校の宿題をする程度でいいのではないか。塾に通うなど論外と言いたいくらいである。もちろん勉強が趣味のように大好きで意欲的な子どもは自主的に勉強をしてもらって構わないが、そのような子どもはごく少数だろう。大半の子どもたちは嫌だと思いながらも我慢して勉強をしているはずだ。小学生が中学受験のために深夜まで勉強させられることが、果たして本当に子どものためになるのだろうか。好奇心が旺盛な時期を勉強に奪われてしまっていいのだろうか。

 わが子を中学受験させたい、とお考えの方々、子どものためを思い、考え直してみてはいかがだろう。中学受験を回避するための選択肢は色々ある。その一つとして「小中一貫校」というものがあるのだということを、ぜひ頭に入れておいてもらいたい。





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最終更新日  2007.02.28 21:09:00
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