老婆の再出現

2007.06.11

カテゴリ：非政治

　以前，「老人に対するイメージ」という日記を書かせていただきましたが，今回は老婆の話です。非常に奇妙な話なのでご紹介します。

　今日，私は路線バスに乗りました。やがてそのバスはある停留所に停車，一人の老婆が乗車しました。年齢は70代後半だったと思います。この老婆は「老人に対するイメージ」でご紹介させていただいた老人とは対照的に背中を丸めていましたが…。まぁ，そのことが今回の核心ではありませんので具体的な見解は省略します。

　さて，その老婆はスーパーのレジ袋を抱えて乗車，そして私の隣に座りました。その停留所の前にはスーパーがあるので，きっとそのスーパーで買い物をしてきたのでしょう。私の隣に座ったのは，他に座席が空いていなかったからでしょう。やがて数名の乗客が降車して空席ができると，まもなく老婆はそのうちの一人掛けの座席に移動していました。私の隣では苦痛だったのでしょうか(笑)？

　やがてある停留所で老婆は降車しました。ここから自宅へ帰ったのでしょう。

　ここまでは何ら奇妙な点はありませんね。もちろんこれで話は終わりではありません。これで終わるくらい単純な話ではないのです。

　私は老婆が降車した2つ先の終点の停留所で降車しました。ここからショッピングセンターへ買い物に行き，約2時間後，帰るためにバスに乗りました。

　やがてバスは2つ先の停留所に停車しました。一人の乗客が乗ってきました。その乗客は，何とあの老婆だったのです！

老婆再出現!!

　「なぜ帰ったはずなのにまた乗ってるんだ!?」その時，そのバスにはただ混乱する私がいました(笑)。

　買い忘れた物でもあったのでしょうか？でもそれなら普通，翌日にするんじゃないでしょうか？そんなに緊急的だったからなのでしょうか？(見た目が)80歳目前でいつ倒れてもおかしくない老婆に，そんな体力があるものなんでしょうか？

　その時は午後6時半頃でしたが，老婆が乗車した停留所からスーパーの前の停留所までは約40分も要します。したがってスーパーに着くのは午後7時過ぎ。そのバスは1時間に1本しかありませんから，帰宅できるのは早くても9時頃になるはずです。

　さて，ここで新たな疑問が生まれましたね。それは，「そもそもなぜ老婆はそんなに遠いスーパーまで買い物に行くのだ？」ということです。

　老婆の家があると思われる地域は田畑が多く，確かにスーパーなどお店はありません。少し足を伸ばせば，今日私が行ったショッピングセンターに行けますが，80歳目前であろう老婆にとっては負担でしょう。自動車の運転もできないのでしょう。家族がいればその人に任せられますが，昨今は核家族が大半で，老婆の家も例外ではないのでしょう。恐らく夫にも先立たれ，一人暮らしなのでしょう。

　いや，ひょっとしたら単にバスに乗ること自体が楽しくて，スーパーとかは関係ないのかも知れないと思ったんですが，それは考えすぎですかね(笑)。でも，私が見ていた限り，そういえばそんな風にも見えたなぁ，とも思うのです。「どうせ自分も先が長くはないのだから，元気なうちに少しでも楽しいことをしておこう，そのためなら年金をバスの運賃に消費したっていいじゃないか」とか思っているのかもしれませんね(笑)。

　いろいろと勝手に自分で想像していますが(笑)，とにかく謎ですね。そうです，あの老婆は謎なのです。あえて結論を言うならそういうことになります。

　時に高齢者の行動には，若者にとって理解に苦しむところがあります。が，今回の私のように，いろいろと推測してみることで，理解するに至る場合もあるはずです。今回のケースは残念ながら失敗に終わりましたが，今後，類似したことに遭遇した際は理解できるといいと思っています。やはり，何も考えないよりは，何か考えた方がいいのではないでしょうか。それが高齢者理解への原点であるということを，老婆が私に気付かせてくれたような気がします。

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう

最終更新日 2007.06.11 23:54:00
コメント(0) | コメントを書く

[非政治] カテゴリの最新記事

三一太福

カテゴリ未分類

安倍晋三前首相

谷垣禎一政調会長

麻生太郎元外相

福田康夫首相

小泉純一郎元首相

額賀福志郎財務相

山崎拓元幹事長

自民党総裁選

政局

教育

非政治

映画

その他

老婆の再出現