262280 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

居酒屋こはる

居酒屋こはる

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

2010年08月30日
XML
カテゴリ:徒然

日中の猛暑も 

日が暮れる頃には幾分和らぎ

高くなった空は 秋が近い事を教えてくれます

 

もう程なく、あちらこちらで紅葉の話題を聴く事になるでしょうね

夏が始まる前に ふと 目にして

心に残った文章を

今日はご紹介しますね

 

「芸術新潮」2月号 5P

【恋】   小池昌代/詩人

紅葉に目を奪われる心は、「恋」のようだな、と私は思う。

若い頃の恋は、動物的な発情だった。

歳を重ねると、恋の対象は、さまざまなものに拡大していく。

それにつれ、恋の中身が、淡く観念的になっていくかというと、そうでもなく、

その心は案外、激しいものである。

数年前の冬、代々木公園で、一本の異様な高木を見つけた。

赤や黄に色づく樹木が多い中、その木は見たこともないような、濃淡のあるピンク色に色づいていた。

異様な美しさはそれだけではなかった。

葉っぱの裏側が白いのだ。

風が吹くと、裏、表、裏、表、と葉が翻り、

その「白」に化かされているような気分になる。

木とその周りだけが、まだ誰かに(私に?)夢見られているような、

幽玄な雰囲気が漂っていた。

それで今年も、会いに来た。

季節は少し、遅かったようで、枝に残る葉っぱは少なかった。

木の下に入り、上を見上げた。

葉っぱのなかを、光が透過する。

そのとき、色づいた葉っぱの「色」が、葉っぱの「形」から分離して、

抽象的な命のエキスとなり、わたしの身体に、私の命に、

ダイレクトに染み込んできた感じがした。

「色」と交合する、なんてことある?

でも、あるんだ。

紅葉を見ることは、見ることを通して、樹木と性的に交信することではないか。

 

私が恋した、その樹木の名は、

クルマミズキという名前であるらしい。

―引用終わり―

 

銀行での待ち時間  コーナーに置いてあった本を手に取りました

目に留まったのは その真っ赤な表紙と

「源氏物語」―天皇になれなかった皇子のものがたり

のタイトルでしたが、パラパラとページを繰っている時

見つけた文章です

 

この秋

私も クルマミズキに会いたい、と想いました






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年08月30日 20時54分15秒
コメント(5) | コメントを書く
[徒然] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X