「自殺について考える」
自殺者の背景について●自殺者が少ないケース(1)経済的・政治的に混乱し、困窮の度合いがあまりにも高い国では、自殺はあまり見られない。 何故か。 要は食っていくことイコール生きていくことが最大の関心事だからである。 発展途上国や内戦などで困窮している国ではあまり自殺は見られない。(2)経済的に拡大途上にあり、様々なチャンスの多い国でも少ない。 これは、高度経済成長期の日本が該当するのかもしれない。 「頑張って働けば豊かな生活を送れる」という確固としたビジョン・展望を個人の頭の中でスローガン的に持つことが出来る状態であれば、自殺は少ない。●一方、自殺者が多いケース(1)元々は経済的に豊かであったのに、不況になり失業や就職難が深刻になった場合。 これは、バブル崩壊後の日本が該当する。(2)価値観の崩壊又は転換をした国。 例えば、東西冷戦の終結。ソ連の崩壊などにより、ハンガリーなど元共産圏の国々などが例として挙げられる。 要するに自殺の背景として、絶対的幸福よりも相対的幸福を感じられなくなった人々が自殺しやすい状況にあるという皮肉な結論がここにある。