気分は乗々

外出から戻ったとたん、電話が鳴りました。

受話器を取ると、「Ｍです。あのぉ～、Ｙ大学で化学だったＴ君ですか？」

４０年ぶりですが、もしかしたらあのＭさんかも？と思いました。

「ＳＧＫのＭさんですか？」

大学に入って、長崎出身の先輩から強引に勧誘されて男声合唱団に入部したんです。

そのときの先輩がＭさんでした。

「そうです。Ｍです。あのときの仲間が年に一回山口に集まって歌ったり飲んだりしてるんですよ。」

「Ｔ君になかなか連絡が出来なかったけど、ネットで調べてやっと判りました。」とのことでした。

いやぁ～、ビックリしました。

「来年は、是非きてください。今回の写真などを送りますから。」

「ありがとうございます。来年は、お会いしたいですね。」

近況を話して、受話器を置きました。

それにしても、長い時間が経過しているのに、Ｍ先輩の優しくて穏やかな口調はちっとも変わっていませんでした。

タイムマシンに乗ったように、あのころのことがいっぺんに蘇ってきました。