カテゴリ:ちびたいずむ
今日私は1つのシェルターから出た。
要するに旅立ちの日。 シェルターの中はいつも温かくて、居心地が良くて、私が欲しいと思うものはすべて用意されている、そんな場所だった。 私をかくまってくれてた人はとても優しくて、大人で、穏やかで、だけど情熱的で、聡明で、 おちゃめで、言葉ではとても表現できないような人だった。 だからなかなか抜け出せなかったんだ。 いつもの隙のない、しっかりした自分ではなく、 何にもできない、使い物にならない自分でも必要な存在だと認めてくれた。 だからただ何もできないどうしようもない自分でいたかっただけだった。 だけど最後はやっぱり出て行かなくちゃいけないって事はわかってた。 ただ今まででる勇気がなかっただけ。 出る未遂で数回機会を逃した。 傷つきたくなかったし、傷つけたくなかったし。 それにシェルターの外は苦しい現実の世界だから。 憎しみ、悲しみ、寂しさ、怒り、 知りたくない、触れたくないものが渦巻いているこの世界に シェルターに別れを告げて、 身を落とし、これからは本当に一人で歩いて行かなくちゃいけないんだね。 その覚悟がようやくできたんだ。 本当に長い年月をかけて。 もうきっとシェルターには戻れないけど、 だけど、心の中にはシェルターにいた想い出ともらった言葉全部を刻んでおくね。 ずっと忘れないように。 さて、旅にでなくちゃ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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