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カテゴリ:随筆
ただ感じるのだ。それだけの感覚。僕は呼ばれることがある。空間に招待されることがある。
先週、札幌は西区のジャスコで買い物を楽しんでいた。すると何故か無性にコーヒーを飲みたくなった。 それも2Fにあるスターバックスでなければならないとおもう。 大好きなアイスコーヒーを受け取って奥のボックスへ行く。もう、僕が座るであろう座席が焦点が合うように目だって招いている。 まるで予想されていたかのよう。僕は傍らの灰皿を手に、その席についた。 「なぜ?僕はここに来たのだだろう?」タバコに火を灯して吐息を吐いた瞬間のこどだ。 「失恋」と言う文字がタバコの煙にくゆって消えた。 隣のボックスには24、5歳の女性が座っていた。 もう、どれくらいいるのだろうか?灰皿のタバコ殻は山になっていたよ。黒いパンツで茶色の素敵なシャツ。薄化粧で栗色の長い髪が美しかった。 でも、下を向き携帯の画像に見入っていた。 「この人は失恋したんだ。きっと兄弟二人のおねえさんで、病院に勤めている。とっても優しい人だ。」 そんな言葉浮かんできた。 僕は子供のころから変わっていた。 まず最初は、地震がが来る事。人が死ぬこと。それを予感できた。でも、怖くって言えなかった。 見えない物も見えたし、聴けない声も聞こえた。 だから植物がとっても好きで、誰もいなくても一人で遊ぶことができる幼児だった。それがあたりまえの事だとも感じていたし、普通の子供が僕からは普通には見えなかった。 小学生になっても皆が熱狂することは、僕にとっては「あたりまえ」のことになっていたし、すでに自然たちと共有していた感動だった。 そして、5年生になったある日。それは起きた。 ラジオのチューニングが合っていないような雑音が頭から離れなくなり、壁に頭をぶつけたり、振り回すのだが取れない。 僕は心配になり母に相談しよう!決めた瞬間だった。 いきなりチューニングが合い、静寂が訪れた刹那、耳元で声が聞こえた。僕の名前を何度も。 低くしっかりした声。聴いたこともないような立派な声だった。「力をあげる。人のために使いなさい。」と。 それで僕はわかった。いままで苦しんでいた「違い」がわかったんだ。それは神でもなければ魔物でもないことがわかる。人だった。 5年生の僕は、生かされている事にすでに気がついていた。 きっと、栗色の髪が美しい彼女は優しい人だ。 人を大切にして、病院でも頼りにされている。でも、今は悲しい。 信頼し、愛していた彼に二股をかけられたんだと思う。 そして彼女の夢が伝わってくる。 大きな大きな夢が伝わってくる。マザーテレサの顔が浮かんできた。彼女の、美しい彼女の望みが浮かんでくる。 背の高い、イケメンの彼も浮かんできた。 「女性に依存して生きている男は、一生その癖は治らないよ。」 「君は君の大きな夢を追ってください。君にはできる。必ず。」 「よかったね、そんな男の人と決別できてね。」 僕はいつものように右手を握っては開き、彼女に力を与えようと思う。名まえも知らない素敵な未来ある人に。 彼女は助けを必要としていないことは知っている。でも彼女の素晴らしく聡明な潜在意識は「来て!」と僕を呼んだと思う。 時間を超越すること。過去も現在も未来も普遍化して大自然が、星と川と炎が僕を包みこんだ。空間が生まれた。 彼女は僕の2メートル横にいる。 僕は彼女の魂を「ハグ」してあげることに成功したんだ。 「未来は、君の未来は素晴らしいと思う。君の人生観も素晴らしいよ。でもね、我慢しないで。泣きなよ。」 僕は彼女の悲しみをハグした。とっても強くハグしていた。抱きしめたかった。 きっと彼女は、そのときまで、携帯の思い出の写真を何度も見ていた。 そして、スピリチュアルハグ。彼女は携帯を机の上に投げ出して、、、 肩を大きく前後させては泣き出した。声を殺して手を噛みながら泣いてくれた。 時間はとまっていた。どれだけたっただろうか。僕はハグしながら彼女の夢を織り込んでいった。 彼女は涙を拭いていた。 何度も深呼吸をした瞬間だった。急に立ち上がり長い髪をたくし上げるようにして、一度だけ手櫛で髪を梳かしたよ。 もう大丈夫。彼女は「つげ」のように固い意思と夢に生きることを決めたことがわかった。そんなことを決めて手櫛で髪を梳かした。 そして、彼女は去るときに、ほんの少し僕を振り向いた。 僕は下を向いてしまった。 飲まなかったコーヒーを、今はのもう。僕はしばらくして店を出て、欲しかった本を買いにいった。 レジに並ぶとまた、彼女がいた。 買っていた本に目がいってしまった。 「ケアマネージャー基礎講座」だった。安心した。 ************* 今日のポエム ************* urlクリックして音楽と読んでくださいね。バイバイ。 「つ な が り」 野を駈ける馬でさえ ふるさとをかえりみる 立ち止まることを知る あなたの瞳の向こう側 そこにある悲しみに 辿りつきたいと思う 流れる川と満天の光り 焚きつける温もりに 君よいま立ち止まって なにも欲しがらない人 愛と悲しみを背負う肩 その身をいとわないで 愛はこの川のように流れ いまここにある悲しみは 遠く未来へ辿りつく あなたの頬をこの胸へ 瞳の向こうの悲しみを 僕の身体に流しこんで 森よ 川よ 炎よ ここに命を与えて 静かにしずかに 立ち止まるつながりへ カムイ あけみさんにあいたくってかいたの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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