【送料無料】その愛はみだらに [ コートニー・ミラン ]
うーん、タイトルはなんだか凄いのだが、骨子は真面目な内容なので、いいのか悪いのか、ちょっと考えてしまう。
原題は「Unclaimed」なので、タイトルにするのは難しいとは思うのだが。
哲学者のマークが高潔さを世間から賞賛されているのに対し、14歳で家を追い出され身を持ち崩したジェシカは高級娼婦。ジェシカは他人に頼らない生活を手に入れるために、マークを罠にかけようと画策するが、哲学者らしからぬマークの言動に振り回されることになる。
時はヴィクトリア朝なので、男女の格差はいかんともしがたく、ジェシカの辿った運命は当時は珍しくもなかったのだろう。
ただ、マークの考え方がジェシカを救い、ジェシカによってマークが救われる過程は、説得力がある。
コートニー・ミランの長編は、今回で2作目だが、繊細で誠実な筆運びは好感が持てる。
是非、続編であるマークの次兄スマイトの物語を読んでみたいものだな。