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父の遺影に姪がハイチュウを3つお供えしました。 といっても、バレンタインのチョコと同じで、パパやじーじにプレゼントしても、食べずにちゃんと自分にくれることを知っている我が家のプチクイーン。 はじめは2つのつもりが、置いてみて3つのほうが見栄えがいいと判断したらしく、自主的にひとつ増やして3つ。 帰り際 「あ、ハイチュウもらってっていい?」 と聞くので、 「じーじに聞いてみなさい。」 と、私はいいました。 「じーじ・・ハイチュウもらってもいい?」 姪は父の写真にいいました。 「じいじなんていってる?」 と聞くと、姪は首をかしげて 「・・・うーん・・わかんない・・」 と、困って私を見ました。 「もう一回ちゃんとお願いしてみてごらん。」 と言うと 「じーじ・・ハイチュウもらってもいい?」 姪は父に問いかけました。 私は、 「じーじだったらこんなとき、なんてまゆちゃんに言ってくれると思う?」 少し首をかしげ静かに姪は考えて、 「・・いいよっていうと思う・・」 と私を見ました。 「うんそうね、ねーねもそういうと思うよ。いただいて帰りなさい。」 姪の中にちゃんと息づいている私の父の優しさが切なくうれしくて、姪をぎゅっと抱き寄せました。 姪は安心したように明るい顔をして、 「じーじ、ありがとう。」 といいながら、ハイチュウを3つ手に取り玄関に向かいました。 ところがすぐに小走りで帰ってきて 「1つじーじのところにおいていく・・・・また明日もらう・・。」 いいことをしているのか、そうでないのか、自分では判断しかねるような目で私にいいました。 「うん、そうしなさい。まゆちゃんはやさしいね。」 不器用な姪の中に芽生えた思いやりに幸せを感じ微笑むと、安心して1つハイチュウを父に預け、おやすみの挨拶をして帰っていきました。 おしまい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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