一歩。

彼はよく家事を手伝ってくれる。
妊娠発覚前から、掃除だったり洗濯だったり。

掃除機を掛けたりしてくれているが、その度に愚痴る・・・・
もともと私が使っていた掃除機はサイクロン式のスティックタイプの掃除機だ。
それこそシングルになって金銭的余裕がないので、安いものを買っていた。
スティックタイプには拘る。
まず収納場所の少ないアパートでもスッキリ立てておける。
だから気付いたらすぐ掃除機を掛けられる。


ところが彼はこのスティックタイプの掃除機に文句をつける。
フィルターはなるべくコマメに洗って細かい埃をとってはいるが、すぐに目詰まりして吸引力が落ちる
それが気に入らないらしい････。


「ボーナス出たら、もっといい掃除機買っていい？」
彼は聞く。
「目詰まりしたら、その時に埃を落とせばいいんだから、新しいのは必要ないでしょ？」
私は言う。
「だって、掃除機かけてるとイライラするんだもん」
「イライラしない。気にしない。ボーナス出ても掃除機買わないよ？」



続いて気に入らないのは洗濯機だ。
我が家で使っているのは4.2kgの小さめのタイプだ。
家族４人ともなり、それこそ週末に子供が体操服だったり給食の白衣だったりを持ち帰ってくると１回の洗濯では終わらない。

「もっと大きい洗濯機が欲しいボーナス出たら買っていい？」
またおねだりしてくる。

「今の洗濯機でまだ大丈夫でしょ。２回洗濯が必要なら２回すればいい。お風呂の残り湯を使っているんだから、すすぎで水を使う程度だし。大きい洗濯機なんて置けないかもよ？」

「だって大きい洗濯機があったら、一回で洗濯も済むしすすぎの水も一回で済むじゃん」
言ってる事はごもっとも。


「ボーナス出ても買わない
買うとしたらハラコが産まれてからだねぇ」




続いて
「ポットが欲しい」
という。そう、電気でお湯を沸かすあのポットだ。ちなみに我が家にはヤカンはあってもポットという存在すらない。お茶が飲みたかったら、ヤカンでお湯を沸かさないとまず飲めない。
カップ麺を食べるにもインスタントコーヒーを飲むにしてもいちいちお湯を沸かすのが面倒だという。
「ハラコが出てきたら、ミルク用の温度に保温設定できる電気のポット買おうよ」
「えー。ポット～～～？」

「お湯なんて朝沸かして水筒に入れておけばいいじゃん。
夕方とかになると冷やさなくても適温になるよー？
寒くなったら湯冷ましとしてミルク作る時にも使えるし。
そんなに必要性を感じないなぁ・・・
カップ麺なんて私は食べないし。
コーヒーも豆があるんだからドリップしたのを飲めばいいじゃん？」


奥様がご主人に「ボーナス出たら、コレが欲しいの～」とねだるケースは良く聞くが、決定権は私である。
いくら彼が「ボーナス出るから･･･」と言っても必要ないものは買わない。
今あるもので出来るのならそれを使うべし。




そもそも彼は浪費家ではない。
だから衝動買いも全くない。ギャンブルもしない。
クレジットカードも金銭感覚がなくなるのが一番怖いと１枚だけ保有。
ＥＴＣにも使えるカードのみ。
ローンもなし。
だからこそ、貯蓄できるうちに貯蓄しておきたい。
貯蓄できるのは子供が小さいうちだけだ。



主夫として８０点以上の高得点を出す彼ではあるが、その望みは叶えてあげられません。
ま、ハラコが産まれてからの状況で一つ位は叶えてやるか
そのちょっと後に冬のボーナスも出るだろうし。
それまで頑張れ兼業主夫