宮廷画家ゴヤは見た観賞
まるで家政婦は見たと同じか(笑)と思う邦題の宮廷画家ゴヤは見たを観賞いったいゴヤは何を見たんだ???とそれが気になっていました。ある意味考えさせられる映画で面白かったです。この映画の背景は、18世紀後半から19世紀初頭のスペイン教会の力を見せ締めるべく全く罪の無い人々が捕らえられ、罪を科せられ、勝手に裁かれて、死刑を宣告される。居酒屋でただ「豚肉を食べなかった」と言う理由で裕福な家の若い少女イネスは捕らえられ拷問にかけられ15年もの間閉じ込められる。フランスがスペインに侵略したお陰でイネスは無罪放免となるが彼女の過酷な運命が待ちうけ・・・ゴヤは普通の裕福なお嬢さんだったイネスを描き、彼女の運命を見届ける。ゴヤの絵を言えば「裸のマハ」「着衣のマハ」「巨人」などとても有名ですね。宮廷画家なのでもちろん王様の絵も描きますが、人々の苦しみ、悲しみを描いた絵のほうがリアルで時には気持ち悪く思うことさえあります。丁度20年前にプラド美術館を訪問し何点ものゴヤの作品を見たり、日本でも「ゴヤ展」を見ました。ゴヤは民衆の味方だったんだと思います。作品に顕著に現われていると思います。映画の中でもゴヤは版画で当時の教会の力を風刺したりしていますが、ゴヤの版画も見て見たいと思います。でもやっぱりちょっと怖い気もするなぁ。彼の黒い絵14作は人間の奥底の部分を描いているようで怖い。特に「我が子を食らうサトゥルヌス 」は本物を見たがその場を逃げ出したかった。揺れ動く激動の時代のスペインそんな時代が生んだ作品、そしてゴヤなのだ。なんだか映画の感想から離れてしまいましたが・・・さて次は前売り券を買ったのにまだ見ていない「P.Sアイラヴユー」と「ブロードウェイ♪ブロードウェイ」「ブーリン家の姉妹」を見なくては。