1982年暮しの手帖春号・ミシンの商品テスト
古書市でまよわず(笑)買いました。100円。1982年暮しの手帖第二世紀77、3・4月号。家庭用ミシン市場から足踏みは、はるか昔に姿を消してミシンはポータブル家電のカラーが強くなった時代(すでにミシン業界は斜陽になり、各社ともOAや家電の新たなジャンルを模索していた)。現在の家庭用ミシンの源流をみるようです。なつかしいなあ。当時から現在まで愛用されているかたはいらっしゃいますか。シンガーの『モナミ』は有名な銘柄で、リニューアルされた後続機が続々いまも発売されていたと思います。10万円以下のフリーアームミシンをテスト、とあるものの最高値のジャガーが102,800円最安値のリッカーは92,000円と価格も均質。まだ消費税は導入されていませんでした。均一に、それぞれのミシンで縫いテスト2000メートル、さすが暮しの手帖らしい厳しさ。重量は10キロ前後。価格も本体も、ちょうど現在の職業用ミシンに匹敵します。ただし物価の上昇等考えれば(1982年当時の大卒初任給平均が127,200円、物価が現在の1/2として換算すればテストされた家庭用ミシンの価格20万円前後?)機能性能ぐんと割安になり、いま現在は当時の1/4の価格でより高性能ミシンが購入できる計算になります。2016年現在ブラザーやジャノメ、ジューキ等有名メーカーの主流の家庭用ミシンで自動糸調節、ボタンホール(ネムリ・ハトメ)ができ、フットコントローラー付きとして実売価格5~8万円ほど、ミシン本体の重量ほぼ6~8キロ程度。・・・本文より・こんどテストしたミシンは、これまで暮しの手帖がとり上げてきたものよりは、どれも軽く小ぶりで、持ちやすくなっています。以前テストしたミシンは、平均して約20キロあったのが、こんどのは10キロ半でした。・振り幅、針目のダイヤル、模様選択ダイヤルなど合わせなければならない箇所が多すぎるのに、ほとんどのミシンに充分な表示がありません。・糸かけも調子を合わせるのも、いまだに人の手やカンに頼っているのも、ほかの電気製品がどんどん進歩しているというのに、フシギな感じです。・使い勝手を総合してよかったのは、ブラザーとリッカー、わるかったのはジャガーです。このテストからいえること・新しいミシンを買うときは、だれしもさぞラクに、きれいにぬえるだろうと期待します。それにしては、今度テストしたものは、糸のかけ方や、糸調子の合わせ方など、面倒なところはほとんど改良されていません。・ジグザグのフチかがりと、ボタン穴かがり以外の模様ぬいも、あまり使いみちがありません。 ↑現在も、これはかわらないかも(PC連動で刺繍機能を多用するかたは別格ですが)。・また、フリーアームも役に立たないことがハッキリしました。このために買いかえることはないのです。こんな見せかけだけの小細工よりも、はじめての人がラクに、気軽にぬえる使いやすいミシンを、メーカーは研究開発してください。 ↑はい、まったくおっしゃるとおりです。お願いしますよー。・そういう点から考えると、まだまだ満足できるものではありませんが、なかで買うとすればブラザー、ついでリッカーがお買い得でしょう。この商品テストからわずか2年後にリッカーミシンは和議申請、戦前の創業から高度経済成長時代の華々しい功績、アスリート育成やホテル・美術館等文化事業にも尽力した産業史に輝く光芒の記憶が残りましたね。ジューキが特許をとったロータリックス天秤(独特の糸かけがむずかしく、縫い目の美しさに定評あるとされる)も暮しの手帖でテストしてほしかったと思います。ぜひ商品テストの再開希望したいですね。おまけ、暮しの手帖商品テストとは無関係ですが1977年刊の『暮しの設計』別冊「木綿」(中央公論社刊)の裏表紙広告。『電子のお針箱』キャッチフレーズでロングヒットになったリッカー『マイティ』シリーズのA-303。現在のポータブルな電子ミシン、コンピューターミシンのさきがけでしょうか。なつかしいなあ。ハンドメイド(洋服) ブログランキングへ本・書籍 ブログランキングへにほんブログ村にほんブログ村にほんブログ村