年末は『忠臣蔵』。
12月14日は四十七士討ち入りの日にちなんだ日だそうです(史実では旧暦12月14日だったらしいので、現在の1月? )。忠臣蔵赤穂事件赤穂事件を題材とした作品実際の赤穂事件が起こった1703年から、300年以上たっても人気衰えず演劇に小説に映画にTVドラマに多彩な名作を輩出している、きわめて日本的な出来事といえるかもしれません。つきつめると論理ではなく感情、「忠心」の美名のもと「仇討ち」が美化されてしまう(困)、エモーショナルな民族性がよみとけそうです。実父に、「『少年倶楽部』には『忠臣蔵』が載った?」と聞くと「毎号載ってた」そうで、まさしく時代、日中戦争から太平洋戦争と戦時色濃い時局の下、国家に忠誠を誓うことになぞらえて戦意高揚のナショナリズムに『忠臣蔵』は利用されたのでしょう。実父に「吉良さまがした悪い事ってなに?」と聞くと「知らん。具体的に悪いことをしたのかしないのかなんてことは(執筆陣には)どうでもよくて、ただひたすら『吉良は大悪人だ悪者だ』というニュアンスだった」史実の吉良さまはインテリで名君、家臣領民に慕われていたといいます。吉良さまの浅野さまいじめも、ほとんど後世の創作(その起源は、市井の井戸端会議に尾ひれのついたゴシップ?)で、史実の確かな根拠は無いのだそうで。逆の立場で考えれば、「さかうらみのはてのストーカー殺人」は、21世紀現代にはじまったことではないのだな、と。実父「(実際の吉良さまは)最期まで、なにがなんだかわからなかったんじゃないの?吉良さまは単なる被害者で、かわいそうだよ」仇討ちといっても、合意?の上で1対1の果し合いでもなく47人もの偉丈夫がたったひとりの老人を夜襲で邸内に乱入して殺害する・・・といったらむしろ士道にもとりそうですね。物事は、みる側面からしてがらりと変わる。というべきでしょうか。こんな説もあるようです。「忠臣蔵」の美談は、ほとんど大ウソだった! 赤穂義士、仇討ちは「就活」が目的?なるほど。もっとも、吉良さまは高家筆頭すなわち将軍家の礼儀作法・マナーの先生というべき立場で、その吉良さまを斬殺してはたしてお召し抱えの口があるのかという疑問は生じますが。昭和30年代の傑作映画『忠臣蔵』や『赤穂浪士』では吉良さまはいかにも憎々しく、これでもかと浅野さまをいじめぬき殿中の人前でも罵倒する悪役ぶり、まるで「さあ斬れ、」「斬ってすててくれ」とリクエストしているかのようなわかりやすさです。忠臣蔵(の名称の由来は、近松門左衛門のヒット作『仮名手本忠臣蔵』)はあくまでドラマであり、「史実」と切り離してたのしむのがベストのようです。とくに主要な三役(浅野内匠頭、吉良上野介、大石内蔵助)は当代の人気スターが扮するので、視聴者としてもみる楽しみは大きいですね。・・・個人的に、進藤英太郎さん扮する吉良さまは素敵だったなあ。ハリウッドの大作、キアヌ・リーブス主演の『47RONIN』も奇想天外なエンターテイメントで面白そうです。人気ブログランキングへにほんブログ村