かつて光村図書の
小学校高学年用の国語教科書にも
一部抜粋が載った『リア王』。
黒澤明監督の映画『乱』では
日本の戦国時代の領主の物語にアレンジされていました。
シェイクスピア悲劇の中でも
わが国になじみ深い作品ですね。
シェイクスピアが題材にした
古代ブリテンの伝説の王レイア
の原典では、実は悲劇ではなく
老王が王座に返り咲く結末なのだそうです。
四大悲劇『リア王』じゃなくて、ハッピーエンドでした。
シェイクスピア没後、
原典に忠実に?
『リア王』をハッピーエンドに
改作したのが、ネイハム・テイト。
テイト版の『リア王』は好評で、
19世紀まではさかんに上演されましたが
現代ではあまり再演されないといいます。
・・・人生の深淵をえぐる不条理な悲劇を
無理やりハッピーエンドに改めることで
作品の質がおち品格が下がる
・・・というのが現在(20世紀以降)の主流な考え方
なのでしょうか。
それでも、シェイクスピア四大悲劇中でも
『リア王』は、もっとも改作しやすい作品
(けっきょく悪しきものが滅び正しいものが勝つ、孝行娘が最後に幸せになる)
と思うので、
ハッピーエンドの『リア王』、
いつか機会があれば、ぜひ視聴または観劇したい
と、願うばかりです。
テイト版『リア王』
こちらで戯曲が読めます。
高価な書籍なので、読んでみたいかたは、どうか図書館へ。
(私も、また(笑)借りに行こうかな😊)
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