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2024.09.12
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カテゴリ:読んだ本いろいろ

​​​​​​​​​​​京極夏彦先生の再話で、
シリーズ刊行されている『えほん 遠野物語』。
各話ごとに、イラストレーターも異なりますが
やまびと』を図書館にリクエスト。

原作​の3段と7段で構成されています。

イラストは、​中川学​さん。
デジタルなのに、どこかレトロで懐かしい画風は
『和ポップ』と呼ばれ、海外でも高い評価うけていらっしゃるそうです😊。




始まりは3段のあらすじ。
猟師が、山奥に入り込んで目撃したのは・・・




髪をくしけずる妖しい女。
髪長く、丈高く、色白く・・・




勇敢な猟師が発砲すると、命中した。




身の丈よりも長い髪をすこし切り、
山女に遭遇した証拠に
持ち帰ろうとすると・・・

なぜか、下山途中に猛烈に眠くなり・・・




まどろんでいる猟師から
何者かが女の髪を奪い取って、消えた。

(山奥であやしい女性に遭ったというだけで、
危害を加えられたわけでもないのに
いきなり発砲するほうがよほど乱暴で恐ろしく
感じるのですが😵‍💫・・・
得体の知れないものに対する、無意識の恐怖感からくる衝動?)

後半は、7段を再話。




遠野では、毎年、娘やこどもがさらわれる。
(こどもがさらわれるのをおそれる里人には、
さらう「物の怪」は、『天狗さん』のイメージ?)




栗拾いに山にいった娘が、帰ってこなかった。
捜索の甲斐なくついに見つからず、
家族もあきらめて彼女の形見のまくらを身代わりに、葬式をだした。

(しのびよる巨大な影と、気配に気づいてふりかえる娘、
サスペンスのようです、ぶるぶる😖。)

それから何年かして・・・




娘と同じ里の猟師が、獲物を求めて山に入り、山麓あたりに
大きな岩屋をみつけた。




そこで出会ったのは・・・行方不明になった、村の娘。



「なぜこんなところにいる」
「山でおそろしい人にさらわれました」
「さらったのはどんな男だ」
「普通の人とかわらないけれど
 ものすごく背が高く
 瞳の色がちがっていて」

​「おそろしいのです」

(彼女の黒髪は身の丈を越えるほどに長く伸び、
容姿もまさしく、前半の話にでてくる『山女』にうりふたつ。
人里からみるとすでに「異形の者」となっているらしき彼女
の、口元のホクロのみが、行方不明になった娘
と同一人物と読者に認識させる、画家の心にくいテクニック。)




「いまは出かけているけれど、
もう帰ってくるかもしれない」

こわい。

猟師は急いでその場から去った。

(この絵本の、クライマックスですね!!
ほんとにこわい。
私的には、『山の怪』というより
ウルトラセブンの宇宙人を連想してしまう😅、
怖いにはちがいないけれど。)

そして、エピローグ。



​・・・遠野を囲む山々に棲む山人とは、そうしたものである。​

(現在の感覚だと、どうも納得ゆかない。
里のむすめが山にいる何者かにさらわれて、
その場所もわかっているならば
屈強な村の衆を組織して、彼女を救い出すべきなのでは!?
と思いますが、

あるいはこのお話じたいがほんとうか、そうでないのか??

住む世界の異なる、
村里の民が侵してはならない
山奥の『怪』への恐れと戒め、
またはそれを隠れ蓑にした
べつの悲劇やタブーがあるのかも???
と、かんぐるのも興味深いですね。)

不可解や不条理もふくめた異世界への畏怖。

私的には、
「山人」は西洋人、漂着したロシア人の末裔??
という気がします。

(身の丈高く、色白く、瞳の色がちがう、女性はこの世の者とは思われぬほどうつくしい)

彼らは独自のテリトリーに生活し、
種の存続のために
人里から子供や若い女性をさらった・・・

(もっともそれだと
「・・・我に似ざれば我子にはあらずといいて食らうにや殺すにや、
みないずれへか持ち去りてしまうなり」
とつじつまが合いませんが、
近親婚をさけるために同族の別グループに連れてゆくとか??
・・・と、無理やりなこじつけ😅)

みなさまの意見も、ぜひ聞かせていただきたいところです。




表紙はずばり、むすめをさらってゆく山人。

赤くてまん丸いビー玉のようなお眼々
が、こわいけどファンシー😅。

・・・遠野を囲む山々に棲む山人とは、そうしたものである。

​こわい​

こわい。

これが、作品の真骨頂ですね。

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Last updated  2024.09.18 08:42:12
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