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• 日々の暮らしを楽にする（１３）

    日々の暮らしを楽にする（１３）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行 二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。 １　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。 「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。 この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。 「実践」が日々の暮らしを楽にする現象はゼロ、感情は別「現象はゼロ、感情は別」なのです。脳腫瘍だと宣言されたという「現象」が一つ。その現象について、どう思ったのかは「感情」の部分であり、現象とは別のものなのです。「現象」に対する「感情」は、自分の捉え方によって決まるため、何を言われても、どんなことを突きつけられても落ち込まない自分をつくったら、とても楽に生きられます。 現象を自分がどうこうするのではなく、感情の部分をコントロールできるように「私」をつくりあげていくと、生きるのが楽になります。 心の幅の広い人扇子を九十度に広げた状態が、今の自分の許容度・寛容度としましょう。その九十度の中に、両親、夫、友人などが入っています。仮に、姑が許容度よりも外にいるとします。その姑に対して、「許せない」と思うとストレスになります。しかも姑は簡単に許容度の枠に入ってくれそうもありません。 そのときに、もう一つの解決方法があります。それは、相手を変えるのではなく、自分の許容度・寛容度を九十度から百二十度まで広げてしまうという方法です。相手は全く変わっていないのに、自分の許容度・寛容度が拡がって受け入れられるようになります。 このように自分の許容度・寛容度を広げることで、どんどん範囲が広がっていきます。早く現れてくれることで、若くして許容度・寛容度が大きな人になり、現れてくれてありがたいと感謝できるようになります。一言で言うと、これを「受け入れる」といいます。 知恵のある人と賢い人の違い第一段階は、「知識」。情報を集める、知ることです。その情報を手に入れて、それを日常生活に取り入れ、応用していくのが第二段階の「知恵」。「頭のいい人」というのは、通常、記憶力のいい人のことです。その知識を日常生活に埋め込みながら、実践していくことで「知恵のある人」から「賢い人になります。 「トイレ掃除」「笑い」「感謝」この三つを実践していくと面白いという話を聞いたとき、面白そうだと楽しみながら日常生活の中に取り入れていく人を「賢い」といいます。世の中で役に立つ人や喜ばれる人は、頭のいい人ではなく、すべてが賢い人です。「知識」から「知恵」という段階になると、周りから称賛されるようになります。 そのときには、けして威張らない、うぬぼれない、慢心しないこと。称賛されればされるほど頭を垂れる人は、第三段階の「知性」を持ちあせていきます。「知性」の段階までいくと、周りの人から尊敬されるようになっていき、その生き方が品のあるものになり、「知性」＝「品性」となります。 称賛されたときに、偉そうに威張る人は、知性の段階で止まってしまい、尊敬から離れていきます。神が上から見たときに、「賢い」と思うような毎日を過ごそうと意識して行動するのも、一つの生き方なのかもしれません。 皆さんに、百パーセント、いや、それ以上幸せになってしまう方法論をお渡ししました。それらを実践することで、嬉しい・楽しい・幸せ溢れる人生が広がっていくでしょう。 つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月13日

• 日々の暮らしを楽にする（１２）

    日々の暮らしを楽にする（１２）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行 二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。 １　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。 「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。 この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。 「感謝」で「味方」が増えていく すべてが仲間鉱物、植物、動物、人間は、宇宙のチリやガス、地球の中にある物質からできています。すべて宇宙に存在しているもので、それをどう組み合わせたかの違いであって、組成構造物質には何の違いもなく、すべてが兄弟になります。 鉱物、植物、動物、雲、人すべてに感謝をして大事にしていくと、すべてが味方になってくれます。丁寧な言葉を使っていると、言葉も味方をしてくれます。目の前に存在するものは、すべてが仲間であり、私たちの味方なのです。 カラスへのお願いカラスに向かって、カラスさん、私たちはスイカを出荷して生活をしています。その日に収穫する中の二割をカラスさんに差し上げますので、どうぞ召し上がってください。他は出荷しますので、傷をつけないようにお願いします。 そうしたところ、翌日から、カラスたちは二割だけを選んで食べるようになったというのです。この農家の方はとても驚いていました。すべてを独り占めするのではなく、共存するという申し出に、カラスたちも喜んで、味方についてくれたようです。 天気も微笑む「晴れないと嫌だ」というのは、執着になります。いつも感謝をして、「晴れたらいいな。そうならなくてもいいけど。晴れたら嬉しい、楽しい、幸せ」と執着を持たず、喜びの上乗せだけをしていくと、天気も味方になってくれるでしょう。 「お金」も意志を持っているお金に入っている魂も、喜ばれるために存在します。ですから、喜ばれるように使ってもらおうと、喜ばれる使い方をしている人のところへ集まっていいきます。 富豪の伊藤家は、どうやってお金を貯めるかを一度も考えたことがないそうです。ただ、「どうやって使うか」ではなく、「いかに喜ばれるように使うか」を常に考えていたようなのです。 「出入り口」という言葉も、出るほうが先で、入るほうが後です。電車も出る（降りる）ほうが先、入る（乗る）ほうが後になっています。そうすると、お金も入ってくるよりも、出すほうが先ということがわかってくるのではないでしょうか。喜ばれるように使うということは、このようなことです。 例えば、流行っている店の三軒となりにある、流行っていない店にお金を使う。友人が何か新しい仕事を始めた時に、その人に仕事を頼むようにする。近所に新しく花屋さんが開店したら、買いに行ってあげるなど、その人が喜ぶように、潤うようにと使っていきます。そうすることでお金が喜び、「私」のところへ集まってきてくれるようなのです。 つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年05月13日

• 日々の暮らしを楽にする（１１）

    日々の暮らしを楽にする（１１）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行 二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。 １　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。 「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。 この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。 「占い・予言」を見極めるには 霊能者、占い師、霊媒者の一言神が見込んで、「このようにすべきだ」というメッセージを伝えたいような人だとしたら、必ず直接伝えます。神は、他人経由などと、面倒なことをすることはありません。ここは、重要なポイントです。誰かから、「あなたに対して、神からの特別なメッセージがある」と言われ、それを信じた瞬間に、その人から百パーセントコントロールされるようになります。 「神がこう言っています」という内容は、ほとんどが自分にとって心地いい話です。「ああ、私にはこういう使命があり、そんなにすごい役割があるんだ」と信じたくなります。その結果として、神のメッセージを届けてくれた人に毎回指示を仰ぎ、その人の言いなりになっていきます。二、三年経ったときに、「神が、○○に一千万円寄付しなさいと言っています」と言われたとしても、その時点ではもう抵抗できなくなります。 神は、本人が望まない限り、人を介して連絡するというシステムを持っていません。特別にメッセージを与えたいと思うような人に対しては、必ず直接伝えます。霊媒師、占い師、預言者が、「私のところには有名人が通っている」と言うことがありますが、その人が正しいメッセージをもらっているという保証はどこにもありません。 妙なおだてられ方をして、あなたは特別な存在だと言われたり、持ち上げられたりしたときには、「そんなことはない」と思ったほうがいいようです。 悪い予言は信じなくていい聞いて楽しくない予言を言っている人は、悪魔の側にいて、正しい情報が入ってきません。このような人の言うことは、聞く必要がありません。 反対に、自分が心地よくて幸せだと思えるような予言を聞いたら、たとえそれが百パーセント嘘に思えたとしても、信じたほうがいい。聖なる側にいる人は、聞いていて、楽しくて心地良い予言しかしません。 聞いていて心地のよい予言をする人は本物です。今日から、聖なる側の預言者になってみてはいかがでしょうか。 外見がすごい人宗教の教祖などで、ヒゲ・髪を伸ばす（男性）。人前に出るときは普段着から作務衣（普段着ている人は除きます）や法衣に着替えるなど、普通の人と違う格好をしている人がいます。 自分が言っている内容に本質がなく、「それは本当なのか」と聞かれるのが怖くて仕方がないため、ハッタリをきかせている場合があります。格好があれらしい人（偉そうで、立派そうな人）は、逆に危ないということを覚えていてください。 その人が本物かどうか、見抜く自身がないときは、その人が周りにいる人が明るく楽しそうにしているかどうかで判断するといいようです。周りの人が楽しそうでないようなら、何かのトラブルがあったり、偽者という可能性もあります。身近な人に対して、怒鳴りつけていないかどうかということも、その人を判断する材料になります。 占い師を見極める本当に宇宙と繋がっている人は、絶対に「盗」「姦」「死」の三つに触れることはありません。この三つを言わないことが、信用できるかどうかの証明になります。 作り話かどうかもしウソをついたり、作り話をして信じてもらいたいのならば、小さな女の子や小鹿の妖精だったというように、誰もが共感しやすい話をするのではないでしょうか。一番信じてもらえないような「豚」を持ってきて、ホバリングしていたというからには、本当だったということです。 どのくらいの人物か「大酒を飲ませたとき」「大金を持たせたとき」「権力を持たせたとき」に人が変わるかどうかで、どのくらいの人物かを見抜くことができます。酒を飲んで威張ったり、からんだりする人。大金が入ると金遣いが荒くなる人。三番目の「権力」とは、例えば車のハンドルを握ったときに、普段おとなしい人が、急に運転が荒くなったりする人かどうか。一つでも当てはまる人は、幼児性が抜けていません。遅かれ早かれすべてが出てくるようです。 神社・仏閣「あなたの仰せに従います、あなたの望むように生きていきます」というのが、本来の「祈り」の意味でした。「願い」とは、もともとの意味が「ねぎらい」からきています。「ねぎらい」とは、「いつもありがとうございます」とお礼を言うことです。つまり、「祈り」と「願い」は、「ありがとう」ということでした。 神社・仏閣は、要求やお願い事をするところではなく、本来「感謝」をするところなのです。 目が見えること、自分の足で歩けること、話を聞いてくれる友人がいること、ありとあらゆることに感謝して、喜び、楽しんでいる人に、神はたくさんの恵みを与えてくださるでしょう。 墓参り肉体を持っている今でさえ、子供や孫はかわいいはずですから、先祖がたたるということは絶対ありません。「私」が生まれるまでに、たくさんの先祖が関わっているのです。魂はすべて、喜ばれるために存在しています。今、生きている「私」が喜ばれる存在なら、先祖も喜んで味方になってくれるでしょう。仮に、喜ばれるような生き方をしていなくても、先祖がたたるということはありません。 人相・手相・家相・墓相人相・手相・家相・墓相は絶対ではないことがわかりましたあ。しかし、絶対のものが一つだけあり、入ってきた金額によって、食べるものが違う人は運気が下がっていく。反対に、どんなにお金が入ってきても、生活態度や食べるものが変わらない人は、運が上がっていくようなのです。 厄年数年に一度、健康に留意することも大事ですから、「厄年」が存在することに意味はありますが、怖がったり、恐れたりすることはありません。悩み苦しみを抱えている人は、必ず悲しみがあります。そういう悲しみを「訳」して、周りの人に伝えていく。温かい言葉や笑顔を「薬」として投げかけて、人の「役」に立つ存在になる。その結果、飛「躍」して、活「躍」できるのではないでしょうか。「前厄」「後厄」も同じように考えれば、前後三年は「人の幸せを考え続ける三年間」となるでしょう。 姓名判断親は、子供が持っている何かを察知して名前をつけています。その人に一番足りないようなものを、親が見抜いてつけています。ですから、その名前を改めないようにしたほうがいいのかもしれません。親がなになくつけている名前は、その人にぴったりな生き様をつけているようなのです。 アナグラムアナグラムとは、日本語に訳すと「字謎」。名前には、とても重要なメッセージが込められています。私たちは、一人ひとりがその家を選び、生まれ、親を通して自分がその名前をつけているようなのです。 子供に名前をつける場合子供のことを本当に考えるなら、わかりやすい名前にしてあげるのも、一つの優しさではないでしょうか。 つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年05月12日

• 日々の暮らしを楽にする（１０）

    日々の暮らしを楽にする（１０）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行 二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。 １　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。 「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。 この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。 「霊」は恐れず味方につける 金縛りこれまでに百回くらい金縛りにあっている、という人がいました。今までは怖くて目を開けられなかったけれども、私の講演会で、「ありがとうと言うと雑霊が一体、あの世（四次元）に戻る」という話を聞いた後だったので、生まれて初めて目を開けて見てみたそうです。 そうすると、体の上に、真っ黒い布団のようなものがのしかかっていました。その黒い物体に向かって、「ありがとう」と言うと、ピカーッと光って消えたそうです。これからは、金縛りにあったとしても怖がることはありません。「ありがとう」を言うことで、雑霊をあの世に送ることができるようです。 発する言葉が、霊の方向性を決める雑霊には、自分の方向性というものはありません。これは重要なポイントです。実は、「私」自身が発する言葉により、とりついてしまった雑霊の方向性を決めることができるのです。 雑霊たちには、方向性がないため、良い、悪いという区別はありません。ついた人が好きな言葉（「ついてる」又は「疲れる」）をたくさん言えるような現象を起こしたら、喜ばれるだろうと思い、ただセットされた通りに動いているのです。 「ついてる」と言っていたら「ついてる」と言っていると霊体（雑霊）を味方につけることができ、人間技ではないことをたくさん起こしてくれます。その結果、また「ついてる」と言いたくなるような現象がたくさん起こってきます。 ついてることに感謝雑霊がついてくれたときに、「ついてる」というと、ついてる現象がたくさん起こります。ついてくれたことに対してありがたいと思ったら、その雑霊に対して「ありがとう」と言ってみてください。「ありがとう」を一回言うと、雑霊が一体、あの世に戻っていきます。 うつを持ち込む霊体うつを持ち込んでくる霊体も存在します。この霊は、不機嫌で全然笑顔がなく、楽しいという感覚を持たない人にくっつきます。ですから、徐々にうつになるということはありません。霊がつくとポーンとうつになり、霊が離れるとポーンと改善されます。 「嬉しい」「楽しい」「幸せ」「愛してる」「大好き」「ありがとう」「ついてる」この七つの言葉を「七福神」ならぬ「祝福神」と名付けました。バカ笑いをすることプラスこの七つの言葉を三千組言っていると、うつを持ち込む霊体がいたたまれなくなり、離れていきます。このような方法で、うつを脱出することもできるのです。 「ありがとう」と言っていると「ありがとう」をたくさん言っていると守護霊がよく働いてくれます。守護霊は「私」が書いたシナリオをそのまま舞台設定するために、飛び回っているのです。 「私」が望んだ通りにしたにも関わらず、その状況設定に文句ばかり言っていると、守護霊は「私」から離れて、部屋の隅でうずくまって落ち込むこともあるそうです。そうすると、全部自分の力でやらなければならなくなり、面倒な人生になってしまいます。 守護霊に戻ってきてもらうには「ありがとう」と言うこと。そうすると、すぐに戻ってきてくれます。起きていることは、すべて神の承諾があってなされたこと。雑霊がついてくれることも生まれる前からのシナリオ通りで、今日、この話を読むこともシナリオ通り。 自分の背後にいる方が、守護霊でも、雑霊でも、うつを持ち込んでくる霊体でも何者でもいいのです。その方々に対して、笑顔で「ありがとう」と言っていると、否定的なエネルギーを持っていた霊は、全部光になって天上界へ帰っていきます。 喜んで、楽しんで、面白がって「ついてる」「ありがとう」をたくさん言っている人には、何かすごい方々がついてくださり、ますますついてる楽しい日々になっていくようです。 つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月12日

• 日々の暮らしを楽にする（９）

    日々の暮らしを楽にする（９）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行 二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。 １　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。 「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。 この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。 「死」から見えてくる生き方 あの世までの構造肉体から魂が抜けると、トンネルを抜けるそうです。そのトンネルを抜けると、林が広がっていて、そこを進んでいくと、お花畑が広がっています。そこは、雲、花などすべてが半透明に見えるそうです。 事故にあったなど、あまりに唐突すぎて、自分が死んだことに気がついていないということもあるようです。もし、近くにいる人に話しかけても何の反応も示さなかったり、コップなどをもてないようなど、物体を通り抜けるようでしたら、肉体から魂が離れた（死んだ）又は仮死状態と思ってください。あの世までの構造を知っていると、いざ自分がそうなったときに、迷わないですむかもしれません。 人生を楽しんできたか私たちの生命・肉体は、「楽しむためにこの世に生まれてきている」という結論に至っているそうです。人生は「修業」で「乗り越えるもの」と捉えている方がたくさんいます。それは「人生は辛く悲しいもの」という考えよりは、はるかに進歩しています。しかし、修業だから我慢をして辛いことも乗り越えていくという考えも本質ではありません。実は、人生は「楽しむため＝喜ばれるため」に存在するものなのです。 楽しんでいる人は、観音様の化身観音様の生まれ変わりである私たちは、この世を楽しむために生まれてきました。世の中には、人生を楽しまないで、不平不満、愚痴、泣き言だけを言って死んでいく人もいます。それは、人生に対する見方・捉え方の問題らしいのです。 輪廻転生右脳の４５度４０センチメートル上に、守護霊がいます。その方は、「私」の魂を宇宙上で一番好きだという方がついていて、それを「ついてる」といいます。私の守護霊と、あなたの守護霊がお互いに連動し共鳴共振しあいながら、お互いに良かれと思う働きかけをしている、という関係を、「つきあう」と呼んでいます。 「輪廻転生が存在すること」「私は知らないのに、過去のことを守護霊が知っている」「前世がこの人だった」という三つのことが同時にわかりました。 魂の履歴ある一つの魂は、鉱物、植物、動物、雲、人間にそれぞれ十万回ずつ生まれ変ります。魂の成長とは、自由度が増すということです。人間として十万回生まれ変ると、そのあとは肉体を持たずに、白いモヤだけになります。これを守護霊（神の最下級生）といいます。 「楽しい」という言葉は、「魂」が喜びにあふれる、という意味です。「魂がうち震えるような」体験を、「楽しい」と表現してきたようです。次の肉体に入るまでは、魂だけで過ごします。その期間は、人により二百年から三百年ほどです。 貸衣装私たちは、肉体という「貸衣装」を着ています。人として生まれてくるときに、三つの部屋のいずれかにいざなわれて、自分で今の体「貸衣装」を選んできました。神は、肉体という「貸衣装」のレンタル会社の社長のようなものです。 体のどこかが痛んだり、不調という時には、その不調な所に文句を言うのをやめ、不調ではないところのすべてに「ありがとう」とお礼を言い、感謝することで、その一ヶ所が消えてしまうという宇宙の法則が存在します。 生まれ変りにおける現象の捉え方の違い人間として十万回生まれ変りますが、生まれ変りの回数により、死ぬ間際に自分の人生を振り返ったときの捉え方に、いくつかの段階があります。 幼くして亡くなる子供天使のような子供と過ごした年月は、とても温かく、楽しい日々だったのではないでしょうか。たくさんの笑顔と喜びを与えてくれた子供に対し、感謝することもできるのです。両親は、生まれる前に子供を亡くした悲しみを乗り越えて笑顔になるということを、自らに課して生まれてきました。この体験を通し、同じ悲しみをもっている人へ笑顔でアドバイスができたら、その人の悲しみを和らげ、励ますことができるでしょう。もしかすると、亡くなった子供たちは、その日がくることを天国から見守っているのかもしれません。 三日後に死ぬと言われたらこの世に生まれてきたのは、「頼まれごと」をこなして「喜ばれる」ためです。目の前に現れる友人を大事にして、感謝をしながら最後まで淡々とにこやかに生きていこうと思います。 四十九日四十九日というのは、肉体を離れた魂が、最高四十九日間、私たちが生きている三次元と、あの世（四次元）の間にある３．５次元に留まっている状態だそうです。悟っている人（この世に自分の思い入れだとか、思いをどこにも示す必要がない人）は、２，３秒であっという間に、あの世に行ってしまうようです。 二つの死人間の死には、二種類あります。ひとつは、「肉体の死」。これは、葬式を出すものです。もう一つは、「存在の死」。その人が存在したことを、地球上のすべての人が忘れたときに、存在の死が訪れます。存在したことを誰かが覚えている間は、その人はまだ死んでいないと言ってよいのかもしれません。 自分の死についてと同様、人の死についても同じことが言えます。肉親や親しい人が亡くなったとき、その亡くなった人を本当に大切に思うのであれば、すべきことは嘆き悲しみ続けることではなく、「その人の存在を忘れないこと」です。「死」というものを考えたときに、どう生きるかが見えてくるのではないでしょうか。 つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年05月12日

• 日々の暮らしを楽にする（８）

    日々の暮らしを楽にする（８）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行 二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。 １　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。 「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。 この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。 「笑い」で「体」が楽になる 穏やかな家庭が病気になりにくい笑わない人ほど、寿命が短いようです。命をかけて、笑ったほうがいいかもしれません。どうも、近代医学の最先端は、「笑うこと」のようなのです。 医療に携わって五十年になる医者が、このようなことを言っていました。「どうしたらガンになるかという因果関係が今もってわからない。どうしたらガンが治るかもわからない。しかし、五十年やってきて、おぼろげにこういうものなのかと浮かび上がってきたものが一つある。実は、ガンが自然治癒力で治ってしまう人というのは、温かい空気、温かい雰囲気に囲まれているようなのだ」 和やかな穏やかな家庭で生きている人は、ガンになりにくいということ。そして、もしガンになっても治る人は、穏やかな温かい雰囲気に囲まれている人が多いということです。 近代医学を突き詰めていくと、医者も薬も病院も全く関係のない、「和やかで、穏かな雰囲気」に行きつくようなのです。 自然治癒でガンが治った人たちの共通項全部受け入れて、思いどおりにすることをやめる。そして、目の前にいる人に対して、笑顔や温かい言葉を投げかけていき、最後まで喜ばれる存在として生きていく。 家族、職場、友人を含めて、みんながニコニコし、その人を温かく見守っていったら、その人も嬉しいのではないでしょうか。あれもやってみたらどうか、これをやってみたらどうかなど、ストレスを与える方向に追い込まないほうよいのかもしれません。 新しいがん治療（免疫細胞療法）今のがん治療は、外科療法、抗がん剤治療、放射線治療法、免疫細胞療法の四種類がありますが、免疫細胞療法は副作用がないと言われています。 自分でできる治療法ひとりで居るときは「感謝」をして、誰かと居るときは「笑って過ごす」といいかもしれません。療法できる人は、笑いながら感謝をしていくことをおすすめします。 笑うことで、能力を発揮できる人間の能力を高めていくには、「リラックスすること」「笑顔になること」「冗談を言い合うこと」が肝心 監督や上司が、常に笑える環境、穏かな環境を作っていくことで、周りの人がどんどん能力を発揮できるようになります。リラックスして日常を楽しんでいくと、どんどん体が元気になっていきます。 「今の自分で十分だから、ありとあらゆることをニコニコ笑顔で楽しみながら生きていく」というように切り替えると、体中が生き生きと活性化し、ありとあらゆる能力が高まっていくようです。 つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年05月11日

• 日々の暮らしを楽にする（７）

    日々の暮らしを楽にする（７）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行 二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。 １　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。 「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。 この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。 「お金」に困らなくなるには トイレ掃除で臨時収入「トイレ掃除をすると、なぜか臨時収入が入ってくる」という宇宙の法則があります。ここ数年、トイレ掃除についての記事を書くことが多くなり、ご存知の人も多いかもしれません。トイレ掃除をしてから、お金に困らなくなったという報告を、たくさん頂くようになりました。 アメリカの大富豪が、十年間十人くらいを世界中に派遣して、三つのテーマについて調べさせたそうです。「不老不死の薬、食べ物、方法はあるか」「貧乏人が必ず金持ちになる方法があるか」「金持ちが金持ちでいられる方法があるか」十人が必死に世界中を探し回った結果、一つ目の不老不死の薬、食べ物、方法はないという結論にいたったそうです。 さて、「貧乏人が必ずお金持ちになる方法があるか」「金持ちが金持ちでいられる方法があるか」については、「お金持ちになる前はどうだったかはわからないけれど、今、お金持ちの人は、トイレのフタがすべて閉じている」という報告をしたそうです。 ただフタを閉めればいいというものではなく、必ずトイレをピカピカに磨いてからでないとフタが閉められないということ。フタを閉めることには、トイレ掃除をすることも含まれていたのです。 社長自らトイレ掃除を始めると、お金と仕事がどんどん舞い込んできて、会社が潤うという事実がいくつも報告されています。社員にトイレ掃除をやらせると、その社員に個人的にお金が舞い込んでくるようです。 信じられないかもしれませんが、入れた覚えがないのにお金がわいてくるということがあるようなのです。なぜそうなるのかはわかりませんが、楽しんでトイレ掃除をしている人には、臨時収入が入ってきたという話しが多いのです。 繁栄の共通項何十代と続いているヨーロッパの貴族・王室でも、王子様やお姫様に子供の頃から徹底的にトイレ掃除を教え込み、手でピカピカに掃除をさせているそうです。トイレ掃除をしている貴族・王室は、全く途絶えずに続いています。 自我を取り除くトイレ掃除は、どうも宇宙と繋がっているようなのです。その「我欲」「執着」「こだわり」を取り除くのに最良・最短の方法が、トイレ掃除なのです。トイレ掃除は人から評価してもらうためにやることではありません。トイレを磨いているのを見ているのは、「私」と神だけ。そのため自己満足度も高いようです。自我がなくなっていくと、宇宙から無限のエネルギーが流れ込んでくるでしょう。 トイレ掃除は損得勘定で損得勘定で楽しみながらトイレ掃除をしていく人には、神や宇宙も味方になり、楽しい現象が起こっていくようです。 つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年05月10日

• ブッダの集中力（１２）

   ブッダの集中力（１２）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行 役立つ初期仏教法話９ ブッダが教えた「集中力」の秘密 善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。 禅定の境地 仏教の瞑想でいたるサマーディ状態とは「サマーディ状態」とは、先ほどから何度も繰り返して強調してきた、とてつもなく「楽しい」状態です。 サマーディの「楽しさ」は、脳の反応だけにとどまりません。「楽しみ」「喜び」が身体全体に行き渡ります。サマーディ（禅定）のいちばん軽い第一段階でさえ、「喜びに満たされていないところは、身体のどこにもありません」と説かれているほどです。 第一禅定　泥団子の水のように楽しさが行きわたるサマーディ瞑想による「楽しさ」とは、楽しさが身体のすべてにくまなく行きわたっている状態なのです。ちょっと「集中力」を育てると身体全体に喜びを感じるということです。他の宗教でいう梵我一如の状態です。「ヨーガを完成しました」「真理・個我・至福を体験しました」などという人がいますが、それはこの第一禅定に入ったことを表しています。 第二禅定　ただこころだけが回転する静かな喜び東西南北のどこからも水が流れ込まない大きな湖があるとします。また雨も降りません。そうなると、その湖の水の涼しさはどこでも一定しています。第二の禅定に入る人が感じる喜びは、このようなものです。団子の水と、湖の水を比較すると、第二の禅定の至福感の多いことが理解できると思います。 第三禅定　喜びに完全に支配される「楽しみ」がひとりで勝手に歩いて、自分をおさえてしまうところまでいくという感じです。もはや、感じる「楽しみ」は、こころの中で起こる「楽しみ」という程度ではありません。自分は「楽しみ」に潰されます。それくらい「楽しみ」のエネルギーが大きくなります。 私たちがいま味わっている「楽しみ」は本当に小さなもので、脳の中での微妙な微笑みくらいで終わっています。きちんと「集中力」を育てると、そんなものではないのです。喜びが巨大な湖になって、自分が小さな存在になってしまいます。 第四禅定　喜びを突き抜けて冷静へいたる「自分がいる」という煩わしい苦しみさえもない、冷静な状態です。至福感もなく、なにもない、ただ冷静なこころです。喜びも、苦しみも感じない、ただ単に「いるのみ」という状態です。ここまでこころがたどりついたときの「集中力」は、文字通り「なんでもできるようになる」ほどです。三次元を超えてしまっているので、物質を自由自在にコントロールすることができます。その気になれば神通力を育てるようなことができるようなこころの状態です。 サマーディを知って、幸せに生きる世間で幸せに、成功の道を歩むのであれば、「サマーディ瞑想」はとても役に立ちます。第一禅定だけでも、仕事はめちゃくちゃ楽しくこなせますし、いつもこころ明るく、家族があったら、みんなが笑顔で暮らせます。 集中力は楽しいという真理「集中力を発揮しなさい」と言われて嫌な顔をするのは、本当は間違いなのです。このことが、もうおわかりいただけたと思います。「集中力」＝「楽しみ」が本当なのです。「集中力」がないのは、集中力を勘違いして、感情的に頑張ったり、本能のままに、感情のままに生きようとするからです。 「集中力」さえあればたくさん仕事ができるのだと思うとしたら、そのときのこころにはたらいているのは、貪欲です。貪欲がこころに混乱を引き起こし、こころを弱くします。「集中力」さえあれば、他人に勝てるだろう、優勝するだろう、と思うときは、他人を敵にまわした怒りの感情がはたらいています。怒りは自分のもっているわずかな精神力も壊すものです。しかし欲、怒り、嫉妬、憎しみなどが「集中力」の敵なのです。 「こころを清らかにしなさい」ということです。言いかえればこころの汚れを、いろいろと工夫して落としなさいということです。仏教心理学にもとづいて、高等な「集中力（禅定）」について説明してきましたが、それに達するためには、「瞑想修業」する必要があるのです。念仏、念法、念僧、不浄随感、死随感、などの瞑想は日常生活をしながら果たせるものです。しっかりした「集中力」が生まれます。 みんなにあやしまれる神秘体験を欲張って期待するよりも、理性にもとづいて得られる精神の安定感は、なによりも優れていると理解していただきたいのです。なにが起きても動揺しないで冷静でいられること、冷静な判断ができること、こころが悩み苦しみに陥らないこと、つねに明るくいられることが、神秘体験を得るよりも、比較にならないほど優れた能力です。その能力は誰にでも身につけることができるのです。 神秘体験が万人に現れないのはなぜでしょうか。神がある人々にだけ語りかけるのはなぜでしょうか。文献などにある預言者たちのはなしは、客観的にみると精神的に異常といわざるを得ないのです。精神的異常者になるよりも、冷静な人間になることのほうがかっこいいのです。霊能力があるのだといって、無知な人々を驚かせるのは評価できる行為ではありません。他人より自分が優れた人間だと、優越感で戯れたがるのも精神的に異常です。誰にでもできるという可能性があれば、それこそが事実です。 人間ならその気になれば、誰にでも達することができる、またこころの幻覚作用を打ち破る「集中力」について、少々説明いたしました。「集中力」とは喜びであり、こころの安らぎであると理解していただけましたら幸いです。 つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月10日

• ブッダの集中力（１１）

  ブッダの集中力（１１）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行 役立つ初期仏教法話９ ブッダが教えた「集中力」の秘密 善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。 サマーディ瞑想法の実例 サマーディ瞑想とは「サマーディ瞑想」には、慈悲の実践・呼吸瞑想・無常の観察・不浄観など、いろいろなものがあります。なにかを観察する、考えたりする、念じたりする。共通しているのは、思考の荒波を無くして行くということです。思考の荒波が無くなれば、ひとつのことを冷静に考えることができ、みるみるうちに「集中力」が生まれてきます。「集中力」が生まれると、楽しくてたまりません。これが「サマーディ（禅定）」状態です。世間で暮らすみなさんにおすすめの「サマーディ瞑想」を、一つ一つ、ご紹介していきましょう。 瞑想法１　念仏瞑想なにを念じるかというと、お釈迦さま個人を念じても悪くはないのですが、テーラワーダ仏教では、お釈迦さまの「徳」を念じています。たくさｎあるお釈迦さまの「徳」のなかなら、自分に理解できるものを選んで、それを念じます。いちばん人気のあるのは「お釈迦さまの九徳」の一部を念じる念仏です。 お釈迦さま個人が修業によって達した徳を念じると、その徳の世界にじっと集中していくことになります。すると、「集中力」はもちろん、実践する人の人格はかならず向上していきます。 念仏瞑想の例　「天人師」いちばんかんたんな、やりやすい方法をご紹介します。お釈迦さまの徳のひとつである「天人師」を念じる瞑想です。お釈迦さまの徳を観察しながら。「お釈迦さまは、神々と人間の偉大なる師である」と念じていきます。 念仏瞑想の例　「世間解」「世間を知り尽くしている」という意味です。世間とは生命のことです。世界の宗教は迷信にもとづいて人間について語りますが、それは事実にまったく合わない思考なのです。他の生命について世界の宗教は無関心です。しかし仏教経典を読んでみると仏陀が生命について語っていらっしゃるとわかります。 理性的に勉強しても、こころが向上するこれは普通の知識人としてブッダの教えを学んでみることです。学ぶ場合は初期仏教経典を選ばなくてはなりません。経典というタイトルであっても、お釈迦さまが涅槃に入られてからずっと後に、お釈迦さまの名前を使って書かれたものは、他の人々の作品であって、仏説ではありません。人々の作品が不完全であることは決まっているのです。 瞑想法２　念法瞑想「念法」は「お釈迦さまの教え」を瞑想対象にします。「念法」では仏教を勉強してみるのです。勉強したら、すべてのものごとを仏教の考え方でとらえる練習をします。たとえば、なにかを見たり、聞いたりしたときに、「ここに私はいない。あるのは色受想行識だけです」と、仏教の基本的な考え方で世の中をみて、それを頭の中で念じたりします。 または、「この世のすべては絶えず変化しつづける現象だ」と、無常を念じてもよいのです。あるいは、日々起こる社会のできごとを、お釈迦さまの教えの観点から観察するというのも、「念法」です。 そのとき、教えを完全に理解していなくても大丈夫です。とにかく仏教の教えから世の中を「みよう」と練習してみます。お釈迦さまの教えに対して理解が進むごとにこころが向上し、「集中力」も育ってきます。 瞑想法３　不浄観と死の瞑想「不浄観」の瞑想対象は、自分の身体です。「この身体は臭くて、汚くてたまらないものだ」と、徹底的に念じます。生きている上で欲におぼれたり、怒り、嫉妬、憎しみに陥ったり、戦ったりするのは、気持ちとして「わが身は最高に清らかで、守らなくてはいけない」と思っているからです。そこで、この肉体を外から観察します。他人の身体のように観察します。他人の身体の中身を見るとどんなにその身体に愛着がある人も気持ち悪くなるものです。 そして、「この気持ち悪くなる部品で自分の身体を構成しているのだ、威張ったり、怒ったり、他人を見下したりする気持ちは無知もいいところなのだ」と、理解していくのです。この方法でこころは清らかになり、「集中力」は向上します。言い換えれば、こころの集中力を壊す煩悩が減っていくのです。「集中力」がおのずから生じます。 瞑想法４　念僧瞑想ふつうは「念僧」というと、「サンガ（僧）の九徳」というものがあり、そのなかから理解しやすい、なにかこころにピンとくる徳をひとる選んで念じます。ここでは私は自ら実践してみたことがある別の方法を、みささんにおすすめします。 先ほど、「仏教が楽しみをハイライトする」というエピソードをご紹介したときに、「阿羅漢」のお一人が出てきました。「阿羅漢」とは、悟りの最終段階まで到達した偉大なる僧たちのことです。その方たちは、経典にたくさん登場します。ですから、仏教を勉強するときに、この「阿羅漢」たちを観察するようにします。これが私のおすすめする「念僧」です。 瞑想法５　念神瞑想仏教ではどういうふうに「神」を念じるかというと、「神々」を念じます。。「神々はあちこちにたくさんいる。この部屋の中にも、なにか見えない存在がいる」と念じます。これは、「いつでも自分の行いや本心は神々に知られている」と、こころに思わせるためです。 神々とは、善行為を行い、その結果、人間の次元より苦しみが少ない、楽しみが多い次元に生まれた生命のことです。その神々も善行為の力が尽きたところで亡くなります。また別なところに生まれ変わるのです。絶対的な神、不死なる神などあり得ません。 神秘体験は幻覚こころはかんたんに暗示にかけられて、実際にはありもしない幻覚を引き起こしてしまいます。それは幻覚です。しかし見ている人は、夢の中で夢を区別できないように、事実と幻覚の区別がつきません。「絶対神」などの幻覚はかなりの迫力で迫ってきますから、架空のものを瞑想対象にするのはそても危険だと理解してください。 不思議なことが起きても、冷静でいる瞑想によって期待通りに「集中力」が高まると、認識がまるでちがってきます。ふだん聞こえている音が、あまりに明確に聞こえたり、ふだん見ている壁が光って見えたり、かすかな音が大音量の雷鳴のように聞こえたり、いろいろなことが起こります。 しかし、それらは幻覚とは違います。自然な現象です。「集中力」がアップしたため、それまで目で見ていたものが、高倍率の顕微鏡で見たように見える、という感じなのです。「自分は頭がおかしくなった」などと思わないでください。そう思ってしまうと、そちらの方向へ行ってしまいます。 神秘体験はありえることですが、それが本物であれば自然現象として説明できます。かなり不思議な感覚を体験したとしても、それにこだわらないでください。「神秘体験をした」「自分は覚醒した」などと舞い上がると、もうそこから成長はできませんし、あやしげな世界にひっからないとも限りません。これらのことには、細心の注意を払いましょう。 仏教の瞑想法はサマーディとヴィパッサナーこのサマーディ（禅定）の瞑想法は、インドにお釈迦さま以前からあった瞑想法です。お釈迦さまはそれを心理学的に分析して、宗教や信仰に関係なく、誰にでも実践できるように解説してくださいました。ヨーガの瞑想はヒンドゥー教にはずっとあとになってから入ったものです。 つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月10日

• 日々の暮らしを楽にする（６）

    日々の暮らしを楽にする（６）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行 二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。 １　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。 「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。 この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。 「仕事」がどんどん楽しくなる 「働く」ということの意味「仕事」という漢字は「事にお仕えする」と書きます。私たちは、喜ばれる存在になるために生まれてきていますから、「事にお仕えする」ということは、「喜ばれる存在になることにお仕えする」ということへ置き換えられます。 仕事とは、「いかにお金を稼ぐか」ということではなく、「周りの人を楽にするために、いかに頼まれごとをこなしていくか」ということです。いかに儲けるかではなく、いかに頼まれる存在になるかです。そして、頼まれごとをごなしていき、「喜ばれる存在」になるために、私たちは生まれてきました。 人生も仕事もスムーズに流れる方法スムーズに流れるための、宇宙の法則があります。スムーズに流れていくには、条件があります。それは、「好き嫌いで物事を選ばない」という生き方をしていくことです。 頼まれごとから「使命」が見つかる「やる羽目になったことに対し、文句を言わずに取り組む」というポジションに自分を持っていかない限り、楽しい仕事には出会わないでしょう。ですから、自分にとって心地の良い、理想的な職場というものを求めるのではなく、どんな職種や職場にもあわせられる人のほうが、人生が楽になるのではないでしょうか。 「自分が何をやりたいか」ということを振り回すのではなく、自分がやる羽目になり与えられたことを、ただひたすら淡々とやり続けていくということです。それを見ている人が、応援してくれるようになっていきます。そして、その人がやっていることを見下ろしている何者かがいるようなのです。 その存在を、神や宇宙と呼んでもいいかもしれません。上からジーッと見守っていて、不平不満、愚痴などを言っている人には、味方をしないように思えます。 立命頼まれごとがきたら、基本的には全部引き受けます。頼まれごとは「適当」にやることをお勧めします。「適当に」というのは、「適度に」ということです。 頼まれごとを引き受けていくと、三年くらい経ち、ある方向性でこき使われていることに気がつきます。「どうもこういうことをするために、この世に生まれてきたみたいだ」というように、自分の使命がわかる瞬間があります。それを「立命」の瞬間といいます。 頼まれごとがあるということ自体が、人間としてとても幸せなことなのです。「ヒトは一人で生きているとヒト。人の間で生きることが人間」死ぬまでに人間として何をするか、何のためにこの世に生を受けたのか？それは、「いかに人の間で喜ばれる存在だったか」を残すことなのでしょう。業績や実績を残すことではありません。 断ってもいい他のまれごと「お金を貸してほしい」というときは、、自分ではなくお金に用事があるということですから、断っても構いません。ただし、次の条件によって変わってきます。 お金に余裕があるときん、借金の頼まれごとを断ったとします。貸したほうが、自己嫌悪が少ないのなら貸してあげる。自分の生活を犠牲にしてまで貸すと、自己嫌悪が大きくなります。「私」のレベルが変わると、自己嫌悪のレベルも変わります。 自分はできないと勝手に判断して断ることを「傲慢」と言います。基本的に、できない頼まれごとは来ません。「一度断ってしまうと、三年間頼まれごとが来なくなる」という宇宙法則もありますので、自分の能力を自分で量らないほうがいいようです。 宇宙は裏返し構造何か意気込んでやろうとしている人ほど、どうも宇宙が味方をしないようです。反対に、執着がない人ほど、宇宙が味方をしたくなるようなのです。こだわればこだわるほど、自分の望んでいることから遠ざかるようです。 自分の発した言葉が未来を作る「私は、ついていて、楽しくて、とても幸せです。ありとあらゆることが喜びで、ありがたい」と言っていると、そんなに言うのなら、来年も同じ数だけ言うようにセットしようというのが、宇宙の構造のようなのです。 流行る店には、共通項がある流行っている料理店には一つの共通項があります。それは、お客さんが来た順番に必ずメニューを出して、商品を運ぶ店です。効率を上げる方法よりも、頼まれた順番に、コツコツと目の前の一人ひとりを大切にしていくことが大切らしいのです。 売り上げよりも、いかに喜ばれるかお客さんに対して、笑顔で、「この場所に移動してから、一人ひとり丁寧に応対できるようになって嬉しい。皆さんに喜ばれるようにやっていきたい」と言っていたら、お客さんも増えていくのではないでしょうか。お客さんがたくさん出入りするような所では、そのようなサービスはできません。売り上げを考えるより、「どうしたらお客さんに喜ばれるか」を考えていくことに、切り替えてみてはいかがでしょうか。 「努力」「がんばり」だけでは成り立たない社会を観察していった結果、スムーズに流れる人には、一つの法則がありました。それは、「周りの人に感謝をしている」ということです。何もかもうかくいかない人は、自分の努力やがんばりだけで生きていると思い、周りの人に感謝していません。 努力やがんばりを、やめなくても構いません。そこへ感謝を上乗せしていけばいいのです。皆さん自身が喜び、いかに幸せかということを言い続けていくことで、とても楽しい人生へと展開していくことでしょう。 発展させる方法の一つとして「掃除」ある現役の銀行員の方が、倒産する会社に共通しているｋとおを教えて下さいました。倒産する会社は、すべて駐車場や庭にゴミが散乱していたようです。倒産した会社は、すべてゴミが散乱しているという事実があるそうです。散らかっている会社や、荷物がたくさん置いてあるところは、繁栄しないようです。驚かれるかもしれませんが、掃除をしているところが伸びています。営業成績を上げようと努力するよりも、掃除をすることが近道のようです。 倒産・リストラ倒産やリストラにあった、または、今その場面に直面しているという方がいらっしゃるかもしれませんが、それは、「あなたは本来、そういう仕事をしている場合ではありませんよ」という宇宙からのメッセージかもしれません。 愚痴を言わずに淡々と過ごしていると、新しい仕事が舞い込んできます。その結果として、天命・使命というものに出会う可能性があります。もし、前の会社にいたとしたら、天命・使命には出会えなかったでしょう。 そうすると、倒産やリストラは、不幸な現象ではなく、幸せの前半分の現象だったということに気がつきます。「新しい仕事をするために、倒産、リストラが必要だったのかもしれない。今の仕事のほうが、自分にとって嬉しい、楽しい、幸せなことだ」このように思えたなら、倒産やリストラに感謝することもできます。現象は何も変わっていません。自分がその現象に、幸・不幸という色をつけているだけです。 つながっているすべての人にありがとうございます！  

  2009年05月10日

• ブッダの集中力（１０）

    ブッダの集中力（１０）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行 役立つ初期仏教法話９ ブッダが教えた「集中力」の秘密 善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。 サマーディ瞑想への準備 準備１　「サマーディ瞑想」のこころがまえ「サマーディ瞑想」を実践するにあたって、必要な準備のひとつがこころがまえです。五欲に依存して楽しみを得ることを、ちょっと横に置いておきます。ご飯を食べたり、映画を見たりという、行動することで得る楽しみ、感覚的な楽しみ、なにかものに依存して成立する、感情的な楽しみをひとまず横へどけてしまいます。 五欲を捨てたからといって、人生や毎日が暗くなるわけではありません。五欲を捨てれば、レベルの高い楽しみが得られます。 準備２　毎日の基本姿勢をととのえる次に具体的な「集中力」の育て方の方法論です。まず、次の三つのことを実践します。１　無関心をやめて、関心を持つ人間になる。２　日常のことに「つまらない」と怒りをつくるのではなく、なんでも真剣　　　に面白く行う。３　なにかをするときは、「やりたい」「やりたくない」ではなく、「必要かどうか」という基準で判断する。 準備３　「無関心」を育てる「無関心」を育てるとは、どういうことでしょうか。先の準備２とも矛盾するように感じるかもしれません。これは「感情的なことや不必要なものに無関心になる」という意味です。ですから、「理性的な関心を育てながら感情的には無関心を育てる」ということなのです。 自分にとって必要なもの、自分を成長させるものなら、本当につまらないことであっても興味をもってやりこなすようにします。と同時に、すごく楽しいことであっても、自分のために必要でないものには無関心になります。この「関心」・「無関心」の使い分けが大切です。たとえば、「今日はこの本を読もう」と決めたら、誰かが「面白い映画を観にいきましょう」と誘っても、無関心になって断ります。 準備４　理性を育てる「理性を育てる」ことを、難しく考える必要はありません。わかりやすくいうと、データから判断してものを考えるとか、感情的にならないよう気をつけるとか、そのようなことです。 理性でものごとをみると、世の中の面白みがとてもよくみえて楽しいのです。コマーシャルのマインドコントロールぶりや屁理屈がよくわかったり、宗教の矛盾点がわかったり、世の中がクリアーに理解できます。全知全能の神という考え方も、おはなしにならないものだとわかったりします。 理性は、論理的に、具体的にものごとを観察すると自然に現れます。理性は正しくて、面白いのです。そして人は、理性でけっこう集中するようになります。 「サマーディ瞑想」のこころがまえである五欲を捨てることも、理性を使うと楽にできます。感情、つまり欲や衝動にこころをまかせてしまうのをやめるのです。むやみにグルメを追及するのは、無駄なことです。不倫は、いけないことです。毎日のストレスを発散したいからをいって、ぐてんぐてんになるまでアルコールを飲めば、余計に具合が悪くなってストレスがたまります。冴えた頭で考えれば、ぜんぶわかりきったことです。「ついつい、やってしまう」ことも含め、自分の毎日を理性からとらえ、律するようにします。 ぜひ、理性を基準に、生活を送ってみるようこころがけてください。 つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月09日

• ブッダの集中力（９）

    ブッダの集中力（９）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行 役立つ初期仏教法話９ ブッダが教えた「集中力」の秘密 善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。 禅定・集中力トレーニング法 「集中力」が抜群に育つ「サマーディ瞑想」ふつうにしていると、私たちが集中すること、つまり、「楽しい」と思って夢中になることは、結果的に不幸になることばかりです。だからといって自分のためになることは、楽しくないし、難しいし、まったく「集中力」が出てきません。ですから、好きなことでも嫌なことでもない、感情がはたらなかいことに意識を集中させるのです。それが「瞑想」です。のちほど具体的なやり方を解説します。 「瞑想」で「集中力」が育つメカニズム「瞑想」とは、こころを落ち着けてひとつのことに集中するトレーニングです。「集中力をどんどん発揮していく」トレーニングですから、つづければもちろん「集中力」そのものが育ちます。より協力な「集中力」を体感することですから、「集中力」をより理解して、会得し、操れるようになります。 本物の「サマーディ（禅定）」は仏教だけ主観で、自分の好みで、自分勝手にものごとを認識するという「こころの誤作動」をそのまま放っておいて、別な主観を与えて統一させても、それは間違いのない正しい方法だといえません。科学的な、客観的なアプローチとはいえないのです。ですから、心理学的にこころを育てる方法を教える「仏教の実践方法と統一した境地」を本物だと申し上げたのです。 究極の「集中力」を目指しましょう誤解しないでいただきたいのは、音楽や踊り、ハタヨガやマントラをやってはいけないということではありません。ただ、それらを通じて、本物の「集中力」は生まれることはないのです。 ヨーガにしても、こころが落ち着いたり、こころとからだのバランス感覚がよくなったり、深い気持ちになったりとよいことはあるでしょう。音楽やほかのことも同様です。しかし、仏教がすすめる「サマーディ瞑想」によって得られる「楽しみ」「喜」という領域は、そんな程度のものではないのです。途方もなく巨大な「楽しみ」です。言葉でいくら説明しても、しつくせないほど奇跡的な世界です。 たとえばある特殊な音楽を聴いてこころを落ち着けてもらう方法があるとしましょう。その音楽を聴いているあいだは精神集中できますが、日常生活に戻ると「集中力」がなくなるのです。また、宗教儀式を行っているあいだは我を忘れた一体感がありますが、儀式が終わると落ち着きのない、ふつうの人間にもどるのです。ですからその「集中力」は一時的なもので、なにかのしきたり・習慣を行うときだけ生まれるものになるのです。 しかし人につねに高いレベルの「集中力」が身についているならば、そのほうがよいのではないかと思います。誘惑や困難にあけくれる社会の中にあっても、冷静にいられる落ち着きが必要です。災難や不幸に遭遇したときも、冷静に対応できる落ち着きが必要なのです。年に一度行う宗教のお祭りに参加するとき、神の存在を味わって至福感に満たされるのだとすると、年に一回しか集中できないことになります。それでは日常生活の役には立ちません。 なにかに依存して、一時的に得られる精神的な安らぎを、仏教は高く評価しません。心理的な方法で高いレベルの「集中力」を身につけて、それからその「集中力」が失われる原因も理解して、つねに冷静でいられる方法が必要なのです。 つながっているすべての人にありがとうございます！   

  2009年05月09日

• ブッダの集中力（８）

    ブッダの集中力（８）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行 役立つ初期仏教法話９ ブッダが教えた「集中力」の秘密 善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。 究極に楽しい集中力 集中力の秘密 「集中力」は誰にでも必要「集中力」は、こころが成長するために必要なエネルギー源です。誰にとっても必要です。しかしそれは「先天的な集中力」や「感情的な集中力」ではありません。「理性による集中力」です。ここからは、「理性による集中力」について、お話していきます。 幸福になるためのポイントこころを強くして「きのうよりきょうのほうが善い人間になろう」と思って生活するべきです。また、幸福になるためには、知識や智慧も開発しなくてはなりません。 夢を叶え、よいことだれけの「集中力」たとえば、仕事や勉強なども、いつでも実に楽しくできて、ちゃんと時間内に、やるべきことは終わってしまいます。こころはいつも元気で、やる気に満ちています。頭もとても活発で、あれこれアイデアが湧き出します。そういう毎日です。実現したら、人生はとても有意義になります。 集中力の秘密　１、能率を気にしない実は「能率・効率」を気にした途端、集中力は消えてしまいます。こころの汚れが入るので「集中力」は減ってしまうのです。これは、かなり重要な秘密です。仏教以外ではどこの世界も「集中力」を研究していませんから、誰も口にしない真理です。 集中力の秘密　２、集中力は楽しい「能率」はどうでもよいのです。「いましている、これがとにかく楽しいです」というのが集中力です。ですから、「集中したら頭がよくなる」というのは、ちょっとちがいます。そうではなくて「集中したら面白い」「楽しくなるんだよ」というのが正解です。 「集中力」はとても楽しいお釈迦さまが「集中力」について語る場合は、「集中力」という単語はあまり使いません。ハイライト（強調）するのは「楽しみ」のことです。「楽」「喜悦」「喜」を中心に、「こんな楽しみがあるのですよ」「こんな楽しみもあるのですよ」と、いかに「集中力」が楽しいかを語ります。そしてみんなが「集中力」を養えるようにするのです。 楽しくてたまらなくなる、解脱への道仏教は「解脱しなさい」「執着を捨てなさい」といっている世界です。そして、「解脱をしようと頑張っている途中に楽しさが現れますよ」といいます。まったく苦しい世界ではなくて、無執着になろうと頑張ってみると「楽しくてたまらない状態になる」、というはなしなのです。だからといって、「楽しみ」を目指せとはいいません。しかし、かならず「楽しみ」が際立ってくるのが、仏教です。「楽しみ」をとても大切にしているのです。 楽しさに満ちている仏教こころはとても穏やかで、恐怖感は微塵もなく、夜に眠れないなどの精神的な問題は何もなく、つねに穏やかに過ごしています。ですから、樹を見ても山をみても川を見ても、川の傍らに腰を掛けてご飯を食べるときにでも、とにかくいつでも、「いま、なんて幸せなのか」という思いが出てきます。そうすると、「なんて楽しんだろう」という言葉がついて出てしまうようです。このように、仏教の解脱へといたる道は、実に楽しいものです。 世間の楽しみは依存で成立するみなさんが知っている「楽しみ」とは、対象や行為に依存して得られるものなのです。美しいものを見たら、その対象物に依存して「きれいだな」と楽しむ。その対象や行為にひっかかって「楽しい」と思う場合、楽しさはあまり深くありません。「たかが知れている」程度です。 世間の「楽しみ」による集中力には限界がある同じ本でも読んでいるときの心境などに左右されるでしょう。楽しくて、どんなに集中して本を読んでも、その楽しさがいつまでも続き、読めば読むほど「集中力」が育つ、ということはないのです。ある程度の「集中力」は育てられますが、そこまです。 ふつうの「楽しみ」は赤ちゃんレベルなにかにひっかかって、依存して得られる「楽しみ」は、すべて「喜」の足元にも及ばない程度のものです。ですから、「集中力」も、ある一定のところまでしかはたらきません。本を読んで、読んで、究極に「集中力」を育てよう思って、それはできないのです。 見極めが大事楽しくて集中力がはたらくことに出会った場合、そこに悪感情が関係していないかどうか、チェックしていただきたいのです。 感動したら、悪感情か理性かをチェック感情は悪いものですが、映画を見たら、人は感情が揺れ動くものです。要注意なのです。映画を見て、こころに湧いた感情を、きちんと判断すべきです。 自分のためになることは、楽しく感じない人は、自分のためになることは楽しく感じないで、堕落するものばかり楽しいと思うものです。そのことをしっかり知って、「工夫しましょう」と仏教ではすすめます。 わざと楽しく感じる工夫が大事なんとか工夫して「楽しい！楽しい！」となるようにすればよいのです。楽しくなる方法を自分で発見していきます。 退屈な本を楽しく読む工夫例１　いろいろな角度から読んで見ます。２　一つひとつ分析してみます。３　自分の意見を考えて見ます。４　誰かに教えるならどうするかを考えます。このようにすれば、楽しくなります。難しい問題が載っている数学の本でも、フランス語の複雑な動詞の変化なども、楽しく学べます。本に限らず、必要があってやらなければならない仕事などの場合も、このようにそれなりの工夫で楽しみを見出すようにします。 チャレンジ精神でいつでも楽しくたとえば、難しい仕事をやり遂げることを、ゲーム感覚で「チャレンジ」ととらえれば、気持ちが違ってきます。嫌だと思わず、楽しく思えるようになります。ちゃんとやり遂げたときには、さらにそのときにも「上手くいったぞ！」「ああ、よかった」という「楽しみ」をフィード・インします。「楽しみ」を脳に送ってあげるのです。「楽しみ」は脳の栄養ですから、ますますやる気が出てきます。 なにをやっても楽しくやりましょうポイントは、「わがままでもよい」「なにをやっても楽しくやる」「あれこれ工夫して楽しみを見つける」ということです。「そんなこと、無理だよ」と思うかもしれませんが、それはちょっと年をとって頭が鈍っているだけです。小さな子供なら、なんのことなく「大丈夫、まかせて!」と言うでしょう。 ずっと「うれしい」は無理いつも「楽しくいる」ことはできても「うれしい」は偶発的なできごとによりますから「いつも」は無理です。ですから、「うれしい」ではなく、いつも「楽しい」状態で生きることをこころがけてください。 「楽しみ」を越えて「冷静」へいたり解脱する「善い楽しみ」は、発展していきます。どんどん楽しくなります。そして、どこまでも楽しくなった、その頂点で、「楽しみ」を捨ててしまいます。「冷静」になります。「冷静」になって、解脱に達します。この順番は、狂いません。解脱への道とは、こころの成長過程とも脳の開発過程ともいえます。そのプロセスでは、まず「楽しみ」が現れるのです。 楽しく生きていると健康でいられるずっと楽しく生きていると、その影響が身体にも現れるのです。最初は脳だけの反応ですが、「楽しい、楽しい」とたくさん感じていると、単なる感覚的な楽しさを超えて、身体への作用にまでなり、病気が減ったり、老けるスピードが遅くなったりするのです。 お釈迦さまは、病気も減って、老けるスピードも穏やかになるような「楽しい生き方」をすすめていらっしゃいます。お釈迦さまが推奨されるのは、私たちが日常的に感じる、ちょっとした脳の反応である「楽しさ」より、格段に深みがあるものです。そして、「楽しさ」を感じる方法と「集中力」を育てる方法は、まさに同じことなのです。 つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年05月09日

• ブッダの集中力（７）

    ブッダの集中力（７）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行 役立つ初期仏教法話９ ブッダが教えた「集中力」の秘密 善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。 感情的な集中力 感情的なとき、「集中力」を発揮している感情がなにかを決めると、それは揺らぎません。はっきりしていて、優柔不断にはなりません。「集中力」とは、「こころが対象にくっついて離れないこと」ですから、感情は、「集中力」と相性がよいのです。 感情で集中力をつくってはいけない感情と理性は正反対です。この本の最初で、「集中力は人を幸せに導く素晴らしいもの」とお話しました。しかし、いくら「集中力」が欲しいからといっても、感情で「集中力」をつくることはいけません。まったく成功につながらないのです。これは、注意しなければならないポイントです。 よい感情でつくる集中力も危険「感情」と一口にいっても、いろいろな感情があります。「よい感情で集中力をつくればよいのではないか」という疑問が生まれるかもしれません。しかし、中身がよい感情であってもやはりいけないのです。理性がないので、安全とはいえません。 生命には不幸の源の感情が先天的にある生命には生まれつき備わっている三つの「先天的感情」があります。すなわち「欲」と「怒り」と「無知」です。煩悩、つまりは不幸の源です。これが生まれつき備わっているのですから、どんな人間、どんな生命であろうとも、放っておけば不幸になるようにできています。それが自然法則です。人が不幸になるのは、自然法則なのです。非科学的にものごとを考える人は、福が自然法則だということを発見できずに、神さまをもちだして不幸の理由などを考え、ありもしない物語を語ります。 「感情的な集中力」は、たいしたことがない世間でいう「集中力」は、この「感情的な集中力」がほとんどです。貪欲や怒り・憎しみ、無知という感情から頑張っている状態です。そして、この「集中力」の程度は、たかが知れています。達することのできる「集中力」のレベルが、あまり高くないのです。 感情的な集中力の結末は「悪い」「感情的な集中力」の場合、基本的に感情は「悪」なので、短期的に良い結果があっても、長期的には悪結果です。「お金が欲しいから銀行強盗をする」ことと似ています。 感情はコントロール不能感情で生きていると「これはちょっとまずいからやめておこう」などという調整が難しいのです。感情的になっているときは、理性が機能しません。ですから、夫婦のあいだでも、言ってはいけない言葉を言ってしまう。いろいろなトラブルが起こる。そのとき理性は機能しなくなっています。 たとえば、ライバル意識から勉強することは、よくあるでしょう。「あいつに負けたくない」という気持ちで、一生懸命、頑張りはじめます。それは、怒りの感情です。怒りがエネルギー源になって「集中力」を発揮して、勉強に励みます。しかし、怒りというのは、そのうち下がります。そうすると「まあ、いいや」「どうでもよくなった」「やーめた」となって、勉強をやめてしまいます。このように、感情とはなにか一定の、安定した力をもちません。ですから、ちゃんとした成果が出るまで「集中力」が保てるかどうか、まるで保証されないのです。 感情は、より悪いほうに置き換えられる「感情的な集中力」の問題点は、まだあります。それは、人は感情で頑張っても、そのうちほかの感情に置き換えてしまうものなのです。これが、またさらに不幸へとつづく、くせ者のメカニズムです。 間違った集中力、宗教のマインドコントロール「感情的な集中力」は、「邪定」であり、「正しくない・不幸になる・悪行為になる集中力」と定義されます。そして「邪定」のひとつが、宗教の世界で行うマインドコントロール行為です。「集中力」は、間違った「感情的な集中力」であっても、気分がよいものです。宗教に入る場合も、気分が悪くなるということはほとんどなく、逆に気持ちよく過ごせるから入信するのでしょう。結局マインドコントロールされているのですが、気分よく過ごすことはできるのです。 苦行や儀式は病みつきになる心身に苦しさを継続して与えると、あるときからそれは快感につながります。苦行をすると、すごく気分がよくなるのです。この「気分がよい」と感じるのが、「感情的な集中力」です。 儀式の「集中力」が生み出す本末転倒チベットの人々は、観音菩薩の呪文、マニ車を一回まわすと、すごい徳が積めるといわれています。そこで、みんな喜んでまわします。しかし、マニ車をいつもまわしていながら、ふだんの生活では喧嘩をしたり、いろいろ欲しいままに買い物をしたり、「ぶん殴ってやるぞ」などの暴言を言いたい放題だったりします。ただまわすだけで徳が積めて、ふだんの生活態度とまったく関係がない宗教儀式だなんて、どういうことでしょうか。ですが宗教とは、そもそもそんなものです。 聖典もマインドコントロールのツール宗教がすべてマインドコントロールですから、その教えを集めた聖典がマインドコントロールであるのは、当然です。しかし、その聖典を読んだ人が、一人でも戦争をはじめたり、テロリストに育ったりするならば、やはりその中身に問題があるのです。なにか危険な考えに導くからくりが盛り込まれているということです。 理性で屁理屈や矛盾を打ち破る皆さん自身でしっかり屁理屈に気づいてほしいのです。仮に、ある宗教の聖典で、ほかは完全に語っていても、たった一行、「ほかの神を信仰したら、ただではすまされません」という文章が入ったとしたら、それでぜんぶ崩れてしまいます。それは「私だけを信じなさい」ということです。つまり「私が唯一の神だ」ということになって、ほかの神はいないことになります。ですから、屁理屈なのです。ほかのなにかを信じるとしたら、ほかにも神がいることになります。 仏教には、いまあげたような屁理屈はありません。ひじょうに科学的な世界です。しかし、ほかの宗教の世界は屁理屈にあふれています。ですが、みなさんは「先天的な集中力」や「感情的な集中力」でマインドコントロールされ、そのおかしなからくりを発見できません。ですから、ぜひ、「先天的な集中力」や「感情的な集中力」ではなく、「理性」を使っていただきたいのです。理性によって強い「集中力」も生まれますし、誰かに管理されたりしない、たいへんかっこいい生き方ができるようになります。 悪い感情は迷惑な自己破壊で終わる戦争やテロ行為は、悪感情をどんどん強化してしまいます。しかし、どこまでも強化するということはできません。かならずどこかで自ら滅んでしまうのです。 「感情的な集中力」の成長は限られるここまでお話したように、悪感情によって少しは「集中力」を育てられますが、その先は成長させることができません。反対に、よい感情の場合にはいくらでも、それこそ無限に成長させることができます。 よい感情というのは、世界を、みんなをよくする素晴らしいものです。みなさんに育てていただきたいと願うのは、このよい感情です。つまり「理性による集中力」です。いよいよ次章から、そのメカニズムと鍛錬法をご紹介します。 つながっているすべての人にありがとうございます！  

  2009年05月08日

• ブッダの集中力（６）

  ブッダの集中力（６）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行役立つ初期仏教法話９ブッダが教えた「集中力」の秘密善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。  集中力をゆだねても安心な人 注意しなくても大丈夫な管理「自分が困ったとき、だめになったとき、すぐに無償の気持ちで助けてくれる」、そのような関係は、母と子のあいだでは微妙に存在します。母親にマインドコントロールされることは、けっして悪いことではありません。なぜなら、母は自分の子供に不幸になってほしいなどとは思わないからです。 親を素直に信頼しない人間は社会でむちゃくちゃにマインドコントロールされます。とくに反社会活動にはかんたんに利用されます。親を信頼する人々は社会でマインドコントロールされて操られても、犯罪を起こすまでにはいかないのです。親のしつけを忘れられないのです。 お釈迦さまは、仏教は、管理しないもう一人、親以外で管理されても大丈夫な人がいます。それは完全たる慈しみの存在であるお釈迦さまです。しかし、お釈迦さまは、人をマインドコントロール・管理しようとはなさいませんでした。 お釈迦さまは、放っておくと不幸になってしまう人間を心配して、幸せになれるような真理、教えをお説きになりました。それは、なんの見返りも期待せずに方法を教えることであって、宗教への「勧誘」ではありません。 寄付は糞、信者はうじ虫お釈迦さまがブッダになり悟ってからは、世間はあらゆるものを寄付したり、お布施したりするようになります。それによって人々のお布施がブッダのまわりにはあふれんばかりになります。しかし、それらはブッダにとっては糞なのです。 お釈迦さまが悟ってから説教すると、大勢の人々が仏教の教えを聞くようになります。仏教を信じて実践する人々がたくさん登場します。そんな在家の人々が、お釈迦さまにとってはうじ虫です。 糞やうじ虫を獲得しても、気分が悪いだけです。財産や名誉や、信仰する人々に対して、執着も期待も正覚者にはどれほどないものであるかを、ドラマチックに説明しているのです。 出家しなさいと言わない仏教お釈迦さまは「あなたは出家しなさい」とはおっしゃらず、真理を教えてあげて、どのように解脱に達するのかを教えてあげます。そのときに相手が「これをやろうとすれば、出家しないと無理だなあ」と本人が思って出家するのであって、説法もマインドコントロールにならないようにと、細部にわたって気をつけていらっしゃいます。 息子一人だけは例外お釈迦さまが、相手の意志を確かめないで出家させた例はこれだけです。しかしこの場合は、父親が息子を出家させたことになりますから、誰も文句を言えません。父親がまだ幼い自分の子を、本人に確認せずにある学校に入れたとしても、誰も文句を言う権利はないでしょう。 自らの意思で修業する仏教出家した人々も、一人も、微塵にも「マインドコントロールされている」などとは感じません。恐怖感を感じたり、自己嫌悪に陥ったりすることは、まるっきりありません。いつでも自分の意思、自分の気持ちで、「自分がやりたいのだから」と、修業の道を進みます。 「先天的な集中力」をきちんと活かそう集中力の一分類として、私たちが「先天的に持っている集中力」があります。それは、人間誰もが備えた力ですが、国によってもちがうし、歳によって、男性・女性によってなど、それぞれの条件によって変わってしまいます。そして、世の中のあらゆる仕組みが、その「先天的な集中力」を悪用して、われわれを動かしています。 無知があるからわれわれの「先天的な集中力」は悪用されやすいということを知っておいてください。マインドコントロールに使われやすいという弱みがあるので、そこを握られて危険なことに陥らないよう、注意が必要です。そのようなことを理解したうえで、「先天的な集中力」をきちんと活かせれば、幸福に生きる道が開けるのです。 つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月07日

• ブッダの集中力（５）

  ブッダの集中力（５）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行役立つ初期仏教法話９ブッダが教えた「集中力」の秘密善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。世界はマインドコントロールで覆われているマインドコントロールで人は幸せにならないマインドコントロールとは、どういうものでしょうか。それはかならず「自分のために他人を支配・管理する」目的で行われます。人は、他人に管理されて幸せになりません。すべては、管理される側ではなく、管理する側のために行われるのですから。政治家は、立派な政治家といわれる人であろうと、マインドコントロールにはものすごく力を入れるものです。指示されなければ当選できませんし、自分の政策を了承してもらわなければものごとが動きません。インパクトのある語り口で新鮮味のあるスローガンを掲げ、みんあに歓声をもらえればそれで成功です。肝心なのは政策の中身や実行力ですが、たいていはアピールが派手なばかりで中身がありません。自分のために信者を管理する宗教宗教の世界は、きまって独裁的です。上はもう、絶対的に上。神はもう、絶対的に神です。もしもなにかの宗教組織に入ったりしたらたいへんです。入りたての自分はいつでも身分が低い状態で、気軽に教祖様に「こんちにはー」と言うわけにはいきません。宗教組織も独裁政権と同じで、世襲制を好みます。はじめの詐欺師が死んだら、次にはそれなりに訓練をした詐欺師の子孫が受け継いで、世代を超えて人を管理し続けるのです。自分のため、自分の家族のために、ほかの多くの信者を管理するのです。信仰によってこころを鍛えるための組織ではなく、人を管理することで自分や自分の家族が幸せになることが目的にあります。日本の新興宗教には、よく見られるケースです。宗教は脅しを使う宗教組織は、「信じない人は永遠の地獄に落ちる」と脅します。たとえば「神を信じない人は永遠の地獄に落ちるのだ」と言われたら、どう思いますか？ちゃんと考えてみれば、どこにも根拠がないし、変な話だときづくはずなのです。生命は幸福になりたいのです。苦しみは嫌なのです。死にたくはないのです。自分の家族や子孫の繁栄を期待するのです。「先天的な集中力」はそのためにあるのです。それを消すことは誰にもできません。宗教や商売をする人々や、政治家はその状態を悪用します。脅されると、従う以外何もできません。「これで儲かりますよ」と言われると、すぐそれに手を出してしまいます。孫がたいへんなことになったと言われた瞬間に、振込みを決断しているのです。そういうわけで「先天的な集中力」が私たちの弱みであることは確かです。ですから理性で、客観的に物事を判断するなどの能力を育て、その弱みをなくすのです。弱みがなくても先天的にある「幸福になりたい」という気分だけは消えません。つまり、「神を崇めないと永遠の地獄に落ちる」「信じないと不幸になる」などということは、誰か詐欺師たちが、自分の収入を得るために人々をバカにして、独裁気分になるためにつくったフレーズです。人をマインドコントロールするフレーズは、大げさな仕掛けで、大げさな言葉で、大げさな伝え方であるほど、効果的です。先のテレビショッピングのときと同じです。そして、弱い人間はすぐに乗ってしまいます。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月05日

• ブッダの集中力（４）

  ブッダの集中力（４）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行役立つ初期仏教法話９ブッダが教えた「集中力」の秘密善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。「振り込め詐欺」と集中力の心理学家族間のコミュニケーションは特別しかし、なぜ振り込め詐欺が起こるのでしょうか。家族関係が希薄になって、家族の声の波長を忘れているからです。電話で「たいへんなことになっている」と言われただけで、子供の声だとまず勘違いします。これはとても不自然なことです。それから、家族を心配する先天的な能力がはたらきだします。あるいは、互いの愛情がほとんどなく、なんでも金でごまかせば家族関係は解決だと思っています。それで愚かにも言われるとおりにお金を振り込むのです。不自然な環境が集中力を狂わせる現代社会という人情に欠けている環境では、われわれの先天的な能力がなくなっているのです。動物園で生まれ育ったトラと同じです。息子の声さえもわからないほど家族関係が希薄になっても、「困っているのだ」と赤の他人の声でも聞こえると、息子のためにお金を振り込まずにいられない状態に陥るのです。人間は自ら不自然な環境をつくって先天的な能力を発揮できないようにしています。それでも、その能力をきれいに消すこともできないのです。詐欺師は、先天的な能力を発揮していないにもかかわらず家族のことを心配する人間のこころの性質を悪用します。巧みな言葉や仕掛けを使って、人々の「先天的な集中力」を引き起こして詐欺をはたらきます。家族にはたらく先天的な感情現代人は家族的なつながりの中ではなく、自分だけの世界に閉じこもって生きています。動物がなんの不安もなく贅沢しながら動物園で生きているような感じです。不自然です。家族であっても、お互いの顔や名前は覚えていても、無意識的に、先天的にお互いの心配をする必要がなくなったのです。人間が人工的につくった環境によって先天的な能力が抑えられたということです。抑えることはできても消すことは不可能です。詐欺師は人間のこの未熟な感情に噛み付くのです。感情に振り回されたときの対処法この「先天的な感情」「先天的な集中力」の存在とメカニズムを知って、なにかに夢中になったとき、「ちょっと待てよ、本当かな。なにかおかしくないかな」と冷静さを取り戻してください。「本当に家族の声だろうか？」と、しっかりと相手の言っていることに集中して、あやしさに気づいてほしいのです。本当は家族を守るためにはたらくはずの感情が、詐欺師のために引き出されているのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月05日

• ブッダの集中力（３）

  ブッダの集中力（３）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行役立つ初期仏教法話９ブッダが教えた「集中力」の秘密善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。集中力は悪用される悪用される「先天的な集中力」「先天的な集中力」は、いまの世の中ではかなり悪用されています。これは非常に大きな問題です。マインドコントロールや、振り込め詐欺などがもっとも顕著な例ですが、「孫が事故を起こしたので、３百万円をきょう中に振り込みなさい」と言われたら、あわてて走っていって振り込むのです。人間の先天的な能力、「集中力」を悪用されたのです。大げさで甘い言葉は暗示をかけるこれは本当に危ないのです。言葉にひたすら酔うだけで、意味はどうでもよくなります。理屈がまるっきり崩れていても、気がつきません。かなり耳ざわりのよい言葉を、ものすごい迫力でたたみかけられると、圧倒されてしまいます。すぐにマインドコントロールされてしまいます。こころがその言葉の魅力から、離れられなくなります。暗示を使う、世間の宗教世間の宗教は、多かれ少なかれみんなマインドコントロールをしています。暗示をかけて、人間を人間でなくなるようにしているのです。宗教の人たちはそのために、人間の「先天的な集中力」を悪用しています。ですから私は、仏教を宗教だとしたくありません。教え込んだら、人はそれに慣れていきます。これがマインドコントロールです。マインドコントロールは、犬にも効きます。カラスにも効きます。鳥も「先天的な集中力」でマインドコントロールされるたとえばカラスは人間に飼われると、なんとなく人間の生活に馴染んでいきます。カラスはすごく頭がよくて、言葉もしゃべります。わかっているかどうかは疑問ですが、対話もできます。マインドコントロールや暗示というのは、すごく強引なことです。暗示をかけられるときには「先天的な集中力」が必要になります。このとき利用される「先天的な集中力」は、何度も同じ言葉を繰り返し教えられると、鳥が言葉を覚えて話すように、自動的に機能するものなのです。条件反射のようなものとして、身についてしまします。ですから、世の中では、けっこう暗示にかけられてしまう人々のほうが多いのです。「先天的な集中力」は危険悪用されると、他人が自分の心の管理をできる状態になってしますいます。明らかに危険です。どこでどうマインドコントロールされてしますのか、誰に暗示をかけられて誰に管理されてしまうのか、わかったものではありません。ですから、やみくもに「集中力」をありがたがるのは、少し危ないです。気をつけたほうがよいのです。詐欺師の甘い言葉は「先天的な集中力」の悪用魅力的な言葉に惹かれ、都合のよい部分だけに「集中力」がはたらいてしまってほかのことがわからなくなります。そして、持っているお金をたくさん出してしまいます。約束の三ヶ月後に、五千万円が手に入るのでしょうか。そんなはずはなく、その会計自体がもうなくなっています。騙されたと気づいたときにはあとの祭りです。あわてて警察に訴えたところで、出したお金は返ってきません。「先天的な集中力」をねらう広告宣伝「美しく」という言葉がどこかに使われただけで、「同じ痩せるのでも美しく痩せたい」と思ったりします。その一言がとても魅力的に感じられて、飛びついてしまいます。商品の競争は、まるでマインドコントロールのコンテストのようです。露骨なテレビショッピングのマインドコントロール手法テレビショッピングを見てついつい買ってしまう人というのは、見事にマインドコントロールされているのです。コマーシャルには国民性が現れるその国のコマーシャルはその国の国民性に合ったつくりです。ですから日本の方々は日本のコマーシャルがいちばん「かっこいい」と思っています。それと同じで、インドのテレビのコマーシャルは、インド人にはすごく「かっこいい」と思えるものなのです。ですが日本人から見たら、とても奇妙なものに感じるでしょう。世の中は危ない罠だらけ結果的に、見ているほうは「つい買わされてしまった」と思ったり、騙された気分になりかねません。「先天的な集中力」を利用したいろいろな仕掛けがはびこっています。罠だらけと思ったほうがよいです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月05日

• ブッダの集中力（２）

  ブッダの集中力（２）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行役立つ初期仏教法話９ブッダが教えた「集中力」の秘密善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。先天的な集中力「集中力」を分類してとらえてみるいろいろな方法で、こころは対象をくっつけます。くっつける媒体、メディウム、つまり糊がいくつかあるということです。まずはじめに「先天的な集中力」について、解説していきます。動物たちの遺伝的な「集中力」野生の状態の猫を考えてみればわかるのですが、本来の猫は、動物を狙って獲ります。動いているものにすばやく反応して、生きるための食べ物を得ているのです。動くものにはものすごく敏感に反応するように、遺伝的にプログラミングされているのです。生きるための先天的なこころのはたらきアヒルに対して「最初に見た動くものが親ではないんだよ」と教えることはできないのです。猫に「わざわざ動くものをねらわなくても食べるものはありますよ」と教えることはできないのです。それが動物本来の姿です。ほかの生き物でも同じです。ミミズはあくまでミミズの世界で生きていて、蟻はどこまでも蟻の世界で生きています。「集中力」は蟻にもあるアリ達はきちんと決められた方法で目的地に到達します。決まりごとから脱線することはありません。「匂いをたどっていく」と決めていたら、その「匂い」からこころは離れません。揺れません。こころが揺れず、対象にべったりとくっついて離れないことが「集中力」だと定義しましたから、「集中力は蟻にもある」ということになります。生物ごとに「集中力」の働き方は異なる動物には、それぞれその動物にとって生きるのに必要な「集中力」があるのです。しかし、その「集中力」は完全ではありません。知的能力の低い人にも「集中力」はある知的な障害をもつ方々は、かんたんな決まりごとをしっかりこなします。私なら面白くもないと思ってすぐに飽きてしまうようなことでも、決められた仕事はちゃんと責任をもって、実にしっかりやり遂げます。ですから社会の中で仕事はありますし、実際にきちんと仕事をしています。誰にでもある「先天的な集中力」たとえば、ものすごく混乱して頭がどうにもならない興奮状態に陥った人でも、道路を歩くときはちゃんと道に沿って歩きます。歩道を割りとまっすぐに、車にぶつからないように歩きます。あれが先天的な「集中力」の働きです。「先天的な集中力」は能力とは言い切れない「集中力」とは、自分の成長に実に役立つ「能力」「宝物」ともいえますが、それと同時に「生きるために必要ではあるが、自分の足をひっぱる困ったもの」ともいえるのです。「無能力」だといえるのです。「先天的な集中力」がはたらくには条件がある「慣れない環境では、集中力を失った状態に陥る」ということなのです。日本人が突然フランスのレストランに行ったときのように、「先天的な集中力」は、場所がちょっと変わっただけでも対応できなくなってしまいます。環境が集中力を左右するどんなに頑張っても動物園で飼っている動物たちの「先天的な集中力」を保つことはできないと思います。動物園という人間がつくり出した環境では、動物たちの本来の能力は発揮されません。そのかわりに怠けてしまって、すべて人間任せにするのです。このように、先天的に備わっている能力は、環境によって変わってしまうのです。本来の環境で「先天的な集中力」は機能する動物たちは森の中で落ち着いて、もともともっている「集中力」を発揮します。本来の生きる力を発揮しているのです。これは、本来の環境だと自分の力を発揮できるということなのです。生き物は本来の環境にあってはじめて能力を発揮します。体力さえも、環境が変わると機能しない生き物にはそれぞれ、その生き物が生き延びるために必要な身体能力があります。先天的に備わっています。そして、それがどんな環境で機能するのかということが先天的に決まっています。「集中力」もそれと同じです。それぞれの生き物が本来生きる環境の中で、機能します。その環境から離れたら、はたらかないものなのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月04日

• ブッダの集中力（１）

  ブッダの集中力（１）　アルボムッレ・スマナサーラ　著２００８年１０月２８日　サンガ　発行役立つ初期仏教法話９ブッダが教えた「集中力」の秘密善いもの、悪いもの、破滅に導くもの。実はこころには「集中力」がいくつもあります。究極の「集中力」を目覚めさせ、こころを成長させる、とっておきの方法をご紹介します。すべての生き物には集中力があります。生きつづけるために、家族を守るために、なくてはならないものなのです。ところがそれは、自分の自由にならず、不幸の原因にすらなってしまいます。また、集中力は感情によってもつくられます。欲や、怒りや、憎しみで生まれた集中力は、自分も、他人も、不幸にしてしまいます。では本当に役に立ち、誰もが幸せになる集中力とは、どういうものなのでしょうか。どうやって育てていけばよいのでしょうか。お釈迦さまが教えた集中力の秘密を、初期仏教の長老が詳しくご紹介します。実際、「集中力はよいもの」ということは、間違ってはいません。「集中力」があれば、勉強はすごくはかどります。さまざまな知識をスムーズに身につけることができます。「集中力」は、それほどよいものです。ですからどんな人にでもこの素晴らしい集中力があればよいのに、と思います。みなさん誰もが幸せになって、世界中が幸せになります。素晴らしい世の中になることでしょう。しかし、問題はあります。どれほど素晴らしく約に立つ「集中力」であっても、それはなかなか手に入れることができません。そして自由に扱うことができないのです。これはかなり大きな問題です。思うように手に入らず、自分の自由に使いこなすことができない。まったく自分の自由にならないのが「集中力」です。では、なぜ「集中力」は自由にならないのでしょうか。それをこの本でしっかりご説明したいと思います。そして、そもそも「集中力」とはなんなのか、その実体を明確にご説明します。大きく二つのテーマに分けてお話します。まず最初に、なぜ「集中力」は自由にならないのか、自由にならない「集中力」はとても危険であるということについてです。次にどうすれば「集中力」は育てることができるのか、その方法を具体的にお話していきます。危ない集中力集中力とはどういうこと？「集中力」とは、こころが対象に釘づけの状態「こころに入ったものがべったりとくっついて離れない状態」、これが集中力の正体です。もう少し詳しくご説明しましょう。なにか「対象」がこころに入ったとき、その「対象」がべったりとこころにくっついてしまいます。そういう状態を「集中力がある状態」というのです。「集中力」がないと、なにもできないこころが激しく揺れると「集中力」はまったくなくなります。「集中力」がなくなると、対象をきちんとつかめません。まさに「揺れるこころにはなにもできない」ということになります。「集中力」はこころの大黒柱こころにとって「集中力」とは、基礎に建てられた柱のようなものです。家を建てる場合を考えてください。こころにとっての「集中力」も、柱と同じなのです。揺れ動いたり、すぐに倒れてしまうようではいけません。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月03日

• 日々の暮らしを楽にする（５）

  日々の暮らしを楽にする（５）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。１　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。優しさを伝える「子育て」成績と優しさの関係自分の子供を見たときに、成績の悪い子供がいるとします。その子供を観察すると、必ず優しい子供です。優しい子供は、人間の価値が、成績や闘うこと、人より抜きん出ることではないと本能的にわかっています。優しいとは、「圧倒的に強い立場を持っている人が、圧倒的に弱い立場の者に対して、その権力を使わないこと」を言います。子供たちが大人になって、社会に出たときのことを考えてみましょう。人を蹴落としながら生きていく人は、いくら優秀でも愛されず、生きるのが辛くなるかもしれません。優しい人は能力が低いかもしれませんが、たくさんの人に支えられて、笑顔で生きていけるのではないでしょうか。みんなが素晴らしいものを持っているお釈迦さまは、一芸に秀でているものが天界の住人であると、２５００年前に言いました。人間に、優れている人、優れていない人はいません。スポーツが得意な人はスポーツの選手になれるかもしれません。花に興味がある人は、「花屋」で生活が成り立っているように、一人一人が、とても優れた才能を持っています。学校教育では、総合点で優秀な人がいい思いができるんだというシステムを作り上げていますが、一芸に秀でることが「天」なのです。誰かと比べたり、総合点で追いつく必要はありません。それぞれが、自分の良いところを伸ばすようにしてみてはいかがでしょうか。世の中の人間が、「みんな同じ顔」「同じ性格」「同じ能力」だったとしたら、つまらないでしょう。一人一人が違うからこそ、それぞれの良さがわかってくるというものです。不登校自殺という方法を選ばずに、我が家を最後の安らげる場所、拠り所として選んでくれた子供に対して、「自分が何とかなると思うまで、好きなように自分の判断を大事にしていい」と言ってあげるのが親ではないでしょうか。引きこもりの子供「好きなだけ家に居なさい」と言った以上、子供は働いても働かなくてもいいわけです。子供を変えようとした瞬間に、変わって欲しいというトゲトゲした気持ちが相手に伝わり、免責されます。人間関係の心の有様を覚えておくと日常生活が面白くなります。ただ淡々と自分が生きていくだけなのです。キャーの遺伝どんなことがあっても、子供に対して、強権、強圧的な態度をとらないこと。、何度でも笑顔で伝え続けること。この方法だけを教えていったら、子供はこの方法だけを身につけて、大人になっていくかもしれません。私たちは、競い合い、比べあうためにこの世に生まれてきたのではなく、お互いに助け合い、支えあって生きていくものだという価値観を教えていってはいかがでしょう。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年05月03日

• 日々の暮らしを楽にする（４）

  日々の暮らしを楽にする（４）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。１　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。穏やかな「夫婦関係」を築くには夫婦の役割分担「夫婦としては、家の中でなるべく問題が起きないようにするのが妻。問題が起きたときに解決するのが夫」ケンカが起きない方法「感謝」という概念をはさんでいる関係には、ケンカは起きないようなのです。「感謝」が潤滑油となり、人間関係がスムーズに流れていきます。十二時過ぎないと帰ってこない夫夫が夜遅くに酒を飲んで帰ってくる。それが気に入らないから必ずイヤミや皮肉を言う。夫はその言葉を聞きたくないので、電気がついている間は帰らない。「何が問題なのですか」と尋ねると、原因をいろいろ挙げる方がいます。しかし、それを気にしていること自体が、一番の問題なのかもしれません。「主人」と「家内」の関係夫婦は同等なものです。お互いに、何年、何十年とかけて、それぞれの友人関係を築き上げてきたはずです。結婚したからといって、夫が妻の友人関係を断ち切る権利はありません。夫のことを「主人」と呼んでいる女性は、同じところで悩み苦しんでいます。「主人」「家内」という主従関係から抜け出さない限り、「逆らうと不機嫌になる」という状況で苦しみ続けるでしょう。夫の暴力もちろん、暴力を振るう夫の側に責任があるのです。それを根源的に解決する必要があるのですが、とりあえず「今の私にできること」をやってみましょう。女であることを楽しみながら、ニコニコ笑っているほうが「得」な生き方かもしれません。子供が授からない場合足りないことに文句を言うのではなく、周りにいる温かい存在に、一つ一つ感謝をしていく。その結果として、何の問題もなくなっていることに気がつきます。何かを追い求めるのを止めると、神が味方をしてくれるようなのです。介護「親の介護をさせてもらってありがたい」と思って取り組んでいくと、たくさんのポイントが貯まっていくでしょう。年利がたくさんついて、神が抱えきれなくなったとき、突然に楽しい現象が降ってきます。何が降ってくるのかはわかりませんから、毎日が楽しくなりそうです。特別な人はいない家族と、それ以外の人を差別して、扱いを分けなかった、ということが重要なポイントです。家族や恋人などの特定の人だけが大事だという意識があればあるほど、悩みや苦しみが増えていきます。その優先順位や優劣を取っていくと、生きるのがずいぶん楽になることでしょう。隣人木を大切に思うのはよいことかもしれません。しかし、木が原因ということがわかっていたなら、自分が意固地になるのをやめ、すぐ移動すれば、どこにも問題がなかったのではないでしょうか。問題だ、問題だと言って、何年も多大なエネルギーと時間を費やすよりも、原因がわかった時点で対処していけば、すぐに片付いていきます。つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年04月30日

• 日々の暮らしを楽にする（３）

  日々の暮らしを楽にする（３）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。１　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。「恋愛・結婚」の意味を知る片思い楽しい話だけをしていると、自分の周りに明るい人が集まってきて、惚れられるようになります。特定の誰かを追い求めるのではなく、追いかけられるような人になるのが近道です。嫉妬彼女を手に入れたいという気持ちを「愛欲」と言います。それは、自分の欲求、欲望だけです。相手のことを全く考えていません。いかに自分が楽しい思いをするかを考えています。そこには、嫉妬、焼きもち、独占欲などが出てきます。自分の自我百パーセントの状態です。脅しへの対処法の一つ「大変なときに支えてくれるいい仲間」がたくさんいてくれたら、それだけで心強くなれるのではないでしょうか。結婚結婚とは、幼児性と決別するために存在します。ある言葉を他人から言われたときに、怒らずに他人に対して踏みとどまれるならば、それだけの能力が備わっているということです。長年研究してきた結果、一番価値観の遠い人同士が結婚するようです。「私」の魂を向上させるために、結婚というものがあるのかもしれません。「価値観が違う、それでも感情的に好き」という関係が、夫婦だったり、恋人だったりします。だから削りあう価値があり、削りあう状況になります。それでも一緒にいるのは、好きだからです。結婚は、一番素敵な砥石を手に入れたということなのです。愛情は三年距離感が保てない関係ほど、ケンカが多くなります。人間関係は、小さなしこりを積み重ねずに、その時点で対処していくことが大切なようです。帰ってきた夫気持ちを安らげて、帰りたくなるような家を作るというのも、もう一つの方法かもしれません。離婚家族や友人は、悩んでいるあなたを見ているより、毎日を楽しく幸せに生きているあなたを見るほうが嬉しいはず。何かを決断するときには、どちらに向かって物事がスムーズに流れているかを見てみる。そうすると、自然に答えが出るようです。迷ったときの考え方同じ比率だから選べないという考え方をするから悩んでいきます。しかし、同じ比率だからこそ、どちらを選んでもいいという捉え方もできるのです。そうすると、この時点で悩みが解消したことになります。どちらも同じ比率なら、コインを投げて決める方法もあります。このように考えていくと、すぐに答えが出るかもしれません。子供が傷ついて帰ってきたら子供が、同棲、離婚、（不登校も含みます）など、ボロボロに傷ついて家へ帰ってきたとしましょう。そのとき、親に、「居たいだけ居てもいい」と言われたら、子供はとても救われると思います。楽しいときには思い出さなくてもいいけれど、辛いときや悲しいときに、戻れるところ、それが家庭というものであり、親子というものなのではないでしょうか。つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年04月30日

• 日々の暮らしを楽にする（２）

  日々の暮らしを楽にする（２）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。１　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。「他人の問題」で悩まないすべての人が、今の「私」にちょうどいい２５００年前、お釈迦さまは、自分のことについて相談されたときには、親身になって相談に乗りアドバイスをしました。しかし、自分のこと意外の問題を持ち込まれたときには、急に口と目を閉じて、瞑想に入ったそうです。相談事のほとんどは「他人の問題」「悩み苦しみという話は、他人を思い通りにしたいということ」という話をしていました。人間関係が悪いとか、自分の周りに明るい人がいなくて冷たい人ばかりだとか、手厳しい言葉や態度の人ばかりだとか、それは、「この人のそばにいても、楽しくないから近寄るな」という意味での手厳しい応対なのかもしれません。周りの環境も、目の前の人も、自分が投げかけた結果の現象どんな人が来たとしても、「私」が、笑顔で受け入れていくこと。そうすると、穏やかな人に囲まれていきます。悩みと苦しみは、思い通りにしたいということ「悩み」「苦しみ」が多い人は、思いが多いから「悩み」「苦しみ」が多い。「悩み」「苦しみ」がない人は、思いを持たないで済んでいる。その因果関係の方程式を紐解いているのです。ついている人の考え方一般的に運が悪いと思えることも、自分が「運が強い」と思うことによって、運が強い方向に変換されるようです。捉え方によっては、その現象がバネとなり飛躍することができる、恵まれていることなのかもしれません。何も起こらないという幸せ今日一日、病気や事故にあわず、何ごともなく過ごすことができたのは、軌跡の連続と言ってもいいでしょう。目が見える、自分の足で歩けるなど、体が支障なく動き、普通に生活できることが、どれほどありがたく幸せなことか。そして、見守ってくれる家族や、温かい友人がいてくれることが、どれほど恵まれていることなのか、気がつくかもしれません。何かを手に入れようとあくせくするのではなく、すでにたくさんの幸せに囲まれていたということがわかったら、ありとあらゆることに幸せを感じ、感謝することができるのではないでしょうか。幸せの本質目の前に起きる現象には、「幸」「不幸」はありません。ただ、自分がその現象に対して、「幸」「不幸」という捉え方をしているだけです。幸せの本質に気がつくと、今すぐ、百パーセント幸せになれるのです。肯定的な言葉を発する口から出てくる言葉を肯定的に変えた人を、これまでにたくさん見てきました。そのままつまらない人生だった人は一人もいません。すべてがあなたにちょうどいい。自分にとって、一番心地いい人が自分の周りに集まってきます。つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年04月29日

• 日々の暮らしを楽にする（１）

  日々の暮らしを楽にする（１）　小林　正観　著２００９年３月２０日　学習研究社　発行二千五百年前、お釈迦さまがこんなことを悟り、後世に教え残してくれました。１　人生は苦に満ちている。これを「苦諦」と言います。２　苦の本質は執着である。これを「集諦」と言います。３　苦から解放されるには執着を滅すればよい。これを「滅諦」と言います。４　執着を滅する最高の訓練の場が日常生活。その中で実践を続けることが「道」、行うこと。これを「道諦」と言います。「苦集滅道」の四つを「四諦」と呼びました。その結果、「悩み苦しみから解放されるよ」とお釈迦さまは教えて下さったのです。この本では毎日の問題をどう捉えたら楽になるかをまとめてみました。楽に生きることのお手伝いが少しでもできたら嬉しいことです。「神」は、宇宙の法理・法則をつかさどる番人四十年間、超常現象や社会現象を研究してきた結果として、目に見えている世界とは違う世界があるらしいと思うようになりました。そのように日常生活を見つめてきたところ、どうしても「努力やがんばることにより人生が決まるのではなく、大きな意志による大きな世界があり、確固たるものが決まっているみたいだ」という結論になってしまうです。どんなに否定をしても、どうしても違う世界があり、「神がいるみたいだ」という結論に至りました。「自分探し」をしているあなたへ本当の自分は「今」の姿本当の自分とは「今」の姿であり、仮の姿というものはありません。今の自分が、これまでの人生の中での最高位・最高峰にいるんだと再認識をすることで、いろいろなものが見えてきます。毎日が楽しくなる方法幸せをより味わうために、常に三年後を目指して投げかけ続けることをお勧めします。死ぬ三年前に投げかけたもの実は、死ぬまでの三年間に投げかけたものは、次に生まれたときの状況や環境で返ってきます。自分が前世で投げかけた通りの環境のところに生まれてくるようなのです。投げかけたものが返ってくる時間を短縮する方法どうも「ありがとう」を言う数の多さと連動しているらしい。その他、掃除をしている人、笑っている人も、早まるようです。笑って「ありがとう」を言いながらトイレ掃除をしていくのが、一番効率のいい方法かもしれません。「強さ」とは本当に強い人は、打たれ強い人です。自分の思い通りにならないものを、何十、何百と味わってきたとしても、すべて受け入れて「そういうこともあるよね」と笑っている人でしょう。夫や上司から「バカだよね」と言われたら、「そうなんです。私、実はバカだったです」と認められること。認めてしまえる人のほうが、はるかに強いのです。たくさんの友人に囲まれる人宇宙の法則に、「投げかけたものが返ってくる」というものがあります。自分から投げかけていくことで、次から次へと、友人が増えていくようになっていきます。目の前の人を大事にすると、人間関係がスムーズに今、目の前にいつ人だけが大事なのです。過去の人も、明日会う人も、目の前にはいません。今、目の前にいる人とだけ、握手をしたり、笑いあうことができます。今、目の前にいる人・物・事に対して、今できることをやっていくことです。落ち込む人は有頂天になる人の評価評論に一喜一憂する人が、有頂天になったり、落ち込んだりします。そして、年間に三、四回有頂天になる人は、同じ数だけ落ち込みます。そして、有頂天になった高さと、落ち込んだ深さが一緒です、。笑顔が広がる方法音叉というものがあります。片方を叩くと、叩いていないほうの音叉にも振動が伝わり震える。これを共鳴共振といいます。人間関係も同じことが起こります。「私」が楽しくニコニコ笑っていると、「私」の楽しさと笑顔が、周りの人へ伝わっていきます。ありがとうで穏やかな関係へ相手に対して直接的に言わなくても、その人の魂へ「ありがとう」という気持ちが伝わっていくようなのです。思い出の場所悲しい記憶が残る場所があるなら、楽しい仲間と共に訪れることをお勧めします。「辛い場所」であればなおさら、すぐにでも楽しい仲間と訪れて、楽しい記憶で塗り替えてしまうのです。そうすることで、何年も辛い思いを引きずることはなくなり、楽しい記憶に体が反応して、元気になっていくでしょう。つながっているすべての人にありがとうございます！  

  2009年04月29日

• 宇宙方程式の研究（８）！

  宇宙方程式の研究（８）　小林正観＆山平松生２００１年６月２５日　風雲舎　発行「未知世界の旅びとシリーズ」ー２本人の私が読みたい小林正観論山平さんのインタビューに私が存分にお答えするという形でまとめようということになりました。こうしてできたのがこの本です。本人の私が一読し、これはおもしろいと感じました。他人の手による小林正観論をご一読ください。「ありがとう」の時代「今」を生きる目の前に来るのは「今」だけ。今、今、今なんです。そこにしか解決策はないんです。過去に解決策はない、未来にも解決策はない。解決できるのは「今」を通してだけだなんです。ですから出来ることは、いま目の前にある人、いま目の前にあることを大事にするということに尽きるんです。私たちは過去を修正することはできないし、未来を構築することもできません。できるのは目の前に積み木を重ねていくしかないんです。それが分かれば何も考える必要はありません。目の前の人、目の前のことしかないんです。いちばん大事なことなんてありません。一番も二番もないのです。それしかありませんから。風が吹いているか、川が流れているか「全部」が感謝の対象です。その「全部」に対して「ありがとう」って手を合わせられたら、局面が変わります。ぜんぶが味方になります。神、仏、守護霊、精霊、友人、知人、家族、そして私の体が全部味方につきます。あれがよくてあれが悪いというのはやめた方がいい。神が好むのは謙虚さでしょうね。謙虚であるというのは、たとえば人前で話ができないとか、いつも陰に隠れているというような意味ではなく、自分がすごい人だと思わないこと、特別だと考えないこと、選ばれた人だと誤解しないこと。たとえば空海は「一木一草、師ならざるはなし」と言いました。親鸞は「弟子はいない。すべてが師匠だ」と言いました。自分は大したものではない、ろくな者ではないと認識していること。そういう人を好むようです。超能力に留まらなかった人格論でもいいし、滝に打たれて成長していってもいい。どんな道から入ってもいいのですが、たまたま私は超能力の研究から入った。イライラしてるとスプーンが曲がらないことが分かった。そうしたら、イライラしなければ自分の８５パーセントの潜在能力が動員できるということが分かった。あるいは、私はいろんなことが読み取れるようになった。じゃあ、イライラさせることに満ち溢れている世の中で、どうしたらイライラしないで済むかというのが次のテーマになったわけです。つまり人生論、宇宙論にも踏み込まざるを得なかったのです。お釈迦さまとの出会いなんと二千五百年前に、お釈迦さまが「色即是空」という一言でポンと言い切っているのに気がついた！ああ、すごい人だなあ、私が五十年かけてやっと分かったことを、この人は二千五百年前も気がついていたんだとショックを受けたのです。第三の方法は、同じ「空」なる現象に対して、何者かがそうしてくださったのだから、「ありがとうございます」と思うことが、自分にとって楽しく幸せなんだったら、そのように思ってもいい、そう思ったわけですね。捨てる解脱って結局捨てることですからね。難行苦行で得られることというのは、求めてもどうしようもなくって、最後には結局捨てるしかないじゃないかということではないでしょうか。得ようとして頑張っているうちは、修業の方向が違うのかもしれない。捨てることがイコール人間が解脱すること、悟ることである。それが分かったら、難行苦行はいらないと思います。得ようとすることはすごく大変なことだけでお、捨てることは楽ですよね。捨てればいいんですから。人生の目的この世を生きるということは、雨あられのように降ってくるありとあらゆる現象に対して、いかに不平不満を言わないようになるか、これが第一段階です。さらに同じ現象に対して不平不満を言わないどころか、いかにその現象の中に「嬉しい・楽しい・幸せ」を見つけるか、これが第二段階です。最後に同じ現象の中で、いかに「ありがとう」と感謝することができるか、これが第三の段階です。人間は結局これが問われているのだと思います。次から次にこれでもかこれでもかといろいろな現象が降ってきます。それを三つの段階に合わせ、一事処理し、二次処理し、三次処理できるように訓練していくのです。ただその訓練のためだけに、人間は肉体と魂を与えられたようなのですね。だから、この三段階処理をひたすら続けていけばいい、ということになります。ただ淡々とこの作業を９９パーセントに至るまでやっていけばいいのです。私たちは結局、その見方の訓練をするために生きているのですね。そうしますと、最後の一パーセントは何ですか？それが「徳」です。「ありがとう」と万物に感謝し、それを続けていった先に「徳」があります。徳とは感謝されること、他人から喜ばれることです。何かをしてあげたからその代わりに感謝されるのではなく、ただそこにいるだけで感謝される。そういう存在になることが徳なんです。そうなると人が集まってきます。人として生まれたからにはこの至福の状態、最後の一パーセントの境地を味わってから逝きたいものです。ジャプトーバーの時代二十一世は、どんな時代になるのでしょうか？二十一世紀は架け橋ですね、二十世紀と二十二世紀の。この百年で西洋文明から東洋文明へと価値観が変わって、それがその後三千年続きます。その礎がこの百年で出来上がります。釈迦が言ったジャプトーバーですね。ジャプトーバーとはもちろん日本ですね。そうです。その国の人々は争うこと、闘うことが嫌いな人たちで、その考えと自分の教えが正しく理解されることが相まって、融合して平和な世界が始まる。そこから三千年間、平和が続くだろうと釈迦は言ったのです。ここ二、三年は。日本人の心の有様というのがまったくそれ以前とは違う。お釈迦さまの二千五百年前の遺言はほんとうんなんではないでしょうか。だから私は環境問題とも闘わないし、世の中が悪くなったなんて一言もいわないのです。そうではなく、三千年王国に向けての第一歩が始まったと思っています。「ありがとう」の時代小林さんはそういう確かな手ごたえを感じています？ありますよ、明らかに。だって「ありがとう」を一億八千万回言っている人が人類史上初めて生まれてるんですよ。伝説の人ではかう、いまその人は生きているのですから。いま第三の道があります。みんなと協調しながら、喜ばれる存在としてやっていけばいいんだ、ドロップアウトするんじゃなく、闘わないことをはっきり認識した上で、みんなと笑顔でやっていくという選択肢もあるんです。そういう手ごたえが自分の中で確かにあります。おもしろい時代なんです。つまり、生まれる前に魂がちゃんとシナリオを持っていて、そのシナリオに関わっている人たちが小林正観のところに来てくれるんです。おもしろいですね。わくわくしますね。なにより小林さんに驚いたのはその明るさでした。ジョークを飛ばしながら、いつもニコニコ明るく、笑いを誘います。構えてもいません。それらしくもないのです。やっぱり、不思議な人なのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月27日

• 宇宙方程式の研究（７）！

  宇宙方程式の研究（７）　小林正観＆山平松生２００１年６月２５日　風雲舎　発行「未知世界の旅びとシリーズ」ー２本人の私が読みたい小林正観論山平さんのインタビューに私が存分にお答えするという形でまとめようということになりました。こうしてできたのがこの本です。本人の私が一読し、これはおもしろいと感じました。他人の手による小林正観論をご一読ください。自分が太陽になるある母親の悩みある中年のご婦人が、不登校の息子さんのことについてこぼし、どうしたらいいかを一生懸命に小林正観さんに訴えています。正観さんの処方箋はただ一言、「放っておきなさい」です。この対話には前史があるらしく、小林正観さんの言い分は、そのご婦人が母親として打つべき手、信頼できる医者を手配した、学校の手配を終えたなどをすべて打ったからには、もう息子さんにはかまわなくていいというのです。自分が太陽になる自分が太陽になっていつもニコニコしていればいいんです。そうなると、あなたのそばにいると明るく暖かな気分になるといわれますね。それでいいんです。まず自分が明るく楽しくなる、それが問題解決の第一歩です。解決策は自分にある人生相談の問題を含め、全部を一言でいうと、自分に解決策があるということなんです。問題を解決するのは自分ですよということですね。他人の問題でも社会の問題でも景気の問題でもない。責任を転嫁してはいけないということですね？そうです。自分の問題ですよね。自分が悟ればいい自分で悟って太陽になればそれでいい、というのがお釈迦さまの考え方でした。この立場は小乗仏教の考え方です。自分が悟ればいいんです。解決策は自分にあるんです。小乗仏教と大乗仏教中国に入った大乗仏教は、困っている人、苦しんでいる人を救えという立場に変わりはありませんが、日本にやってくると、日本の僧侶たちは肩に力が入ります。世の中の困っている人々すべてを救わなくてはいけない、という具合に。空海はなるべく世間と角を立てず融和的に事を進めようとしますが、空海と対極の立場に位置していたのが最澄でした。物事を究極まで論じなくてはいけない。極めなければならない。したがって最澄にとっては、ことごとく物事に黒白をつけずにおられなかったし、その主張も論理的で哲学的でかつ非妥協的でした。こうした背景の下で、仏教は国家を動かすような力さえ持ってきます。「使命感」というやっかいなものこうして生まれたのが使命感です。使命感や正義感に溢れ、それを声高に振り回す。そういう構図はこの国の至る所に充満していますね。その「使命感」にはすさまじいものがあります。この呪縛から逃げ出さないかぎり、この世の悩み苦しみのすべてが自分の中にまとわりつくようになります。私がそのことに気がついたのが三年ほど前でした。使命感や正義感はとかく他人を糾弾するからです。使命感が争いと憎しみと敵をつくることが多いのです。こうしてはいけない、ああすべきだ。達成目標が提示され、目標に向かっての進捗度が表示され、ある価値の実現に向けての競合関係が出現します。誰かに較べてお前はどうだ、お前は力が入っていない、お前はさぼっている。こうして他人を糾弾する構造が出現します。私たちは正しいことをしている、生き方を説いている、しかるべき姿を再興するのだ。それに合わせて妙な理論武装をしているだけ、おかしな人相になっています。こういうエゴの主張、使命感の突っ張りは、周りにとってはけっこう迷惑なのかもしれません。足下ができていないのみ大義を説く、そういう図式が多いようですね。できないことはできないと言うそのいい例が私に持ち込まれる人生相談です。自分に解決できないことを、まるで熊手で集めるようにしてかき集める、それが人生相談の９８パーセントの内実です。人生相談のほとんどが自分のことではありません。できもしないことを、なんとかしようとかできるというのは、思い上がりです。おごり昂ぶりなんですね。二段階革命論つまり小乗仏教でいう「自分が悟ればいい」のです。自分が太陽になればそれでいいのです。自分が太陽になれば、その結果、周りの人が安らぎを覚えて暖かくなり、楽しくなり、なにかやる気が出てくるかもしれません。自分で笑顔もなく、楽しくも暖かくもないのに、誰かの氷を溶かしてあげようなどと発想するのは、どこかおかしい。それではあの永遠の呪縛に戻ることになり、時代劇のヒーローになってしまうのです。自分がまず太陽のような人に変身してニコニコしていれば、人が寄ってきます。それが徳、人徳でしょうね。ちょっとアホな太陽になる私にとっての関心は、私がどう生きるかということに尽きます。その結果として、周りの人が嬉しい・楽しい・幸せといってくれることを拒否はしません。私の目的は、結局、喜ばれる存在になるということになります。自分が明るく楽しく、ちょっとアホな太陽になることが、いちばん周りに喜ばれるという方法論を知ったからです。もともと幸福も不幸もこの世にはない、成功も失敗もないんだということが分かったら、濃く生きる必要なんてありません。淡々と生きるだけです。人の役回り人にはテリトリーがあって、そういうことをしなければならない立場の人は、自然にそういう羽目になるのです。そういう状況がひとりでに生まれます。お釈迦さまは、目の前にいる苦しんでいる人を救うことがお釈迦さまの関心ごとだったそうです。自分の目の前にいる人が悩んでいる問題については、逃げも面倒くさがりもしないで、一生懸命に自分の時間を割いて相談に乗ったそうです。ところが、その人のことではない他人のことを持ちこまれたときには、いきなり結跏趺坐して黙り、脇を向いたそうですね。この一事を見ても、お釈迦さまという人はいい人だなあ、なんとも魅力的な人だったなと思います。徳川家康の徳家康の座右の銘というのがこれまたすごいのです。「水はよく船を浮かべ、水はまたよくその船を覆す」といいます。船は自分の力で浮かんでいるのではない。浮かべてもらっているんだ、だから感謝しなくてはという認識です。人質としての暮らしの中で、精神を健康に保つには、なまじ生きる望みを抱くことが許されません。ふつうだったら発狂するかもしれません。それでも生きるためには、目の前の一人ひとりを味方につけ、誰一人からも嫌われない人物をめざすしか方法がありませんでした。それは媚びることではありません。誰をも公平に扱い、一人ひとりに尊敬の念で接し、自分が生きていられるのはこの人々のおかげによるものだという考え方に至ったのです。「胆力」というこの座右の銘は家康の禅の師匠が教えた言葉だそうです。一夜づけの付け焼刃の認識ではありません。こういうのがほんとうの徳というのかもしれませんね。未知なる世界への旅人世の中の動きを見るのが好きなんですね。自分の世界を広げるものが三つあると思います。一つは読書、一つは旅、一つは人の話です。どんな立場だろうと、この三つは自分の中でやり続けますね。私は未知なる世界への旅人だと思います。だから物事に興味があり、ものの仕組みや構造に興味がわくんですね。音楽の話でもいいし、絵の話でもいいんです。葉やけでナスを作っているおじいちゃんがいて、ナスというのはこういうものでねという話が出れば、それに耳を傾けるでしょうね。驚いたりうなずいたりしながら、世の中がいったいどうなっているか、そこに興味があるんですね。脅かしたら人間は動きますね。脅かしで動くのが十分の二だとすると、誉めてたたえると十分の七くらいです。おもしろくてしょうがないというところにいったら十分の十ですね。いちばん役に立たない関わり方が、努力しなさい、頑張らなくちゃいけないというもの。これは十分の一ですね。人間の心というのはそういう方向性を持っている。そういうのが仕組みなんですね。こうしたらこうなるという方程式を発見するのがおもしろいんですね。それが分かったら次に行こうというのではなく、それを使ってみるのです。自分の人生の中で、その推論が当たって、その通りになったら、それはそれでおもしろいいですよ。つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年04月27日

• 宇宙方程式の研究（６）！

  宇宙方程式の研究（６）　小林正観＆山平松生２００１年６月２５日　風雲舎　発行「未知世界の旅びとシリーズ」ー２本人の私が読みたい小林正観論山平さんのインタビューに私が存分にお答えするという形でまとめようということになりました。こうしてできたのがこの本です。本人の私が一読し、これはおもしろいと感じました。他人の手による小林正観論をご一読ください。超能力から「ありがとう」へスプーン曲げ超能力は本来すべての人が持っています。すべての人が本来みんな超能力者ですが、ほとんどの人がこの力に気づいていません。人間のもつ意識のうち、顕在意識が１５パーセント、潜在意識８５パーセントというのが通り相場ですが、よほど優秀な人で２５パーセント、アインシュタインでさえ４０パーセントぐらいしか使っていないそうです。超能力は、スプーン曲げにかぎらずいろんな点で不思議な能力を発揮するため、誰でも乱用できないように神さまがカギをかけたのです。そのカギが「人格」です。人格が向上しそれが身につけば、使ってもいいよと神さまがご褒美をくれるらしいのです。「う・た・し」の原理人格を高めるためには具体的にどうするか、それが「う・た・し」です。「嬉しい・楽しい・幸せ」です。そういう気分になりきること、それを持続すること、それがリラックスし、アルファ以下の脳波に切り替えることの意味なのです。ここらあたりに小林正観ワールドの入り口の秘密がありそうです。「ありがとう」の効能「こうならなくてもいいけど」というのはきちんと押さえた上で、「こうなってくれてありがとう」と、完了形で先にお礼を言ってしまうことです。いらだっていてはダメ。こだわって必死になっていてもダメ。執着して頑張っていてもダメ、。「こうならなくてもいいけど」と一度捨てておいて、「そうなってくれてありがとう」とお礼を先に口にするのです。一日千回の「ありがとう」医者の宣告に落ち込んでいた母親は、もう手の打ちようがないのなら奇跡に賭けてみようと、一日千回、「ありがとう」を言おうと決心します。もたらされた結果は、がん細胞が全身から消えているというものでした。末期がんが治ったのです。「笑いの療法」帯津先生の療法の中に、「笑い」の療法があることを思い出しました。患者さんをうんと、時には徹底的に、笑わせるのです。噺家、落語家などのプロを招き、つらい思いでいる患者さんをつかの間、笑いでのびのびと解放させる方法です。「笑い」も「ありがとう」もなんかしら関連があるのではないか、などと素人は連想するのです。子供のアトピーが治った「ありがとう」の一言を言った瞬間、そのあたりにあったコップ、皿、机、箸などの一つ一つがすべてお母さんに向かって「ありがとう」と言っています。いえいえ、私の方こそありがとう、と心をこめて言った瞬間に、子供のアトピーがぜんぶ消えました。その後ずっと「ありがとう」を繰り返しているそうです。脳波の変化脳波は想念によって変えることが可能なのだそうです。そうならなくてもいいけど、そうなってくれたら嬉しい。こちらの想念をアルファ波に変え、アルファ波を相手に浴びせたとたん、状況は一変します。自分が持っている力を使いこなせばいいんです。「ありがとう」のステージ二万五千回ぐらいを超えたところが第一のステージ。心をこめなくてもよし。ただ口先だけでも損得勘定からでもいいから、二万五千回ぐらいまで「ありがとう」を言っていると、涙がどっと出てきます。神様がちゃんとカウントしてくださるらしい。さらに五万回を超えると第二ステージ。この段階になると、心の底から「ありがとう」と言えます。さらに十万回を超えると第三ステージ。五十万回を超えると第四ステージ。百万回を超えると第五ステージ。一千万回を超えると第六ステージ。一億回を超えが究極のステージです。自分の頭上にいる神さまとつながるなにも考えずただひたすら「ありがとう」をくり返す。これが人間の持っている潜在能力の開発に役立つ。なにかいいことが起きるらしい。さらにそれが脳波を変えていくらしい。そんなことが分かってきました。同時にもっと大事なことが分かりました。「ありがとう」をくり返していくと、じつは自分の神さまとつながるらしいのです。自分の守護霊とつながることはじつは大変な進歩なのです。自分の神さまに感謝する成果が上がらないのは、苦労や努力が足りないからではなく、足りないのは周りの神々や周りの人々への感謝の気持ちです。自分の周囲にもっと感謝したらどうですか。人にはそれぞれがたくさんの味方がついているんです。その方々が深いところでちゃんと見てくれているのです。四者とは、神、仏、守護霊、精霊です。生まれ変わりも間違いなく存在します。この四者に対する感謝、これが大事なことだと思い至りました。自分の体に対する感謝目に見えない四者への感謝があるとすれば、目に見える四者への感謝も忘れられません。目に見える四者とは、友人、知人、家族、そして自分の体です。友人、知人、家族は分かりますね。忘れがちなのが自分の体に対する感謝の気持ちです。自分の体に対して感謝する人はあまりいませんね。体は空の箱、空霊からきました。魂の入っていない箱、というのが語源です。つまり自分の魂を入れてくれる容れ物です。この世に生きている間、この体が自分の魂をあっちこっちへ運んでくれるのですよね。この容れ物に「ありがとう」を言い続けると体はどんどん元気になります。この体を含め、目に見える四者に感謝すると、魂の容れ物である体はとても元気になります。なぜ、トイレ掃除かトイレ掃除の話の始まりは、アメリカの富豪たちが世界中に人を派遣して、三つのことを調べさせたことに起因するのだそうです。最初の不老不死についてはそんなものはない。第二、第三については、貧乏か金持ちかを問わず、金持ちには共通項があった。共通項とは、トイレの蓋が閉まっていたというものです。トイレは汚いもの、という執着がまだこびりついていたのです。見栄も残っていました。こだわっている自分ですね。だからトイレ掃除は、そういう自分の執着をほどいてくれる絶好の場なんだとあらためて気がつきました。この執着が消え失せたときに、いろいろ楽しいことが起きてくるようなのです。懐かしき人々自分の歴史を振り返ってみれば、そういう人はいました。いつもニコニコして、「ありがとう」を口にし、トイレ掃除もやっていたような人たちは、確かにおりました。親父の実家の縁側でいつもニコニコしていたおばあちゃん、自宅で書道を教えてくれた小学校時代の優しい女の先生、帰省のたびに訪ねていくと、いつもニコニコ笑って東京での暮らしを静かに聞いてくれた親戚のおじさん。橋の近くまでやってきて懐かしい人々に出会い、一刻も早くその橋を渡りたいのですが、そのとき後ろの方から、帰ってきてという声が聞こえたりすることがあります。それを聞いてこの世に戻る人がいます。これが臨死体験です。神さまのような人結局私たちは神さまになるための予備軍なんですね。ただ神さまになるための道を歩いているだけなんです。あっちへ行ったり、こっちにぶつかたりしますが、結局はその道をまっすぐ歩いているんです。一言でいうと、どんなことがあってもいつもニコニコしていられる。これはもう神さまでしょう。「神さまのような人」と言いますね。それを一回ごとに人生で訓練しているのです。私たちは、神さまはどこか遠くにいると思っています。なにか遠い存在だと考えていますよね。そうではありません。そういう神さまのような人は、すぐ近くにいるんですね。悟った人人生は自分が書いたシナリオ通りだ。それが納得できると、やってくる現象一つ一つに対して、あれこれ論評や文句を言わなくなります。逆に、自分が書いたシナリオが今日どんな形で現れてくるのか、わくわくしながらその現実を見られるようになります。このシナリオは、いい悪いがありません。何が起きても何が来ようといいんです。淡々と過ぎていく現実を見ていればいいのです。自分が書いたのですから。実践者威張らず怒鳴らず、「ありがとう」と言い、トイレ掃除をすることですね。少し分かってきました。小林正観さんの不思議さは、長い時間をかけてつくり上げてきたその認識が、単なる知的なそれに留まらないことです。小林さんのユニークさは、あることに気がつき、それがおもしろいと思ったらまず自分で確認し、その上で実践までもっていくことです。大事なことは実践だというのです。小林さんは説教者ではなく実践者としてあり続けたいようです。おそらく６０歳になっても７０歳になっても、おもしろい実践者であること、顔も知られたくない、金持ちにならなくてもいい、すごい人と呼ばれたくない、有名人でなくていい、名前が出なくてもいい、金と権力を与えられても威張らない、ハンドルを握っても居丈高にならない、酒を飲んでも狂わない。ひたすらどこかで実践する人であること、それが小林さんの願いのようです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月25日

• 宇宙方程式の研究（５）！

  宇宙方程式の研究（５）　小林正観＆山平松生２００１年６月２５日　風雲舎　発行「未知世界の旅びとシリーズ」ー２本人の私が読みたい小林正観論山平さんのインタビューに私が存分にお答えするという形でまとめようということになりました。こうしてできたのがこの本です。本人の私が一読し、これはおもしろいと感じました。他人の手による小林正観論をご一読ください。生まれ変わり人生のシナリオを描いたのは自分です自分の体内にいる「自分の魂」が、今生、おまえはこういう人生を送れと指示を出し、そのプログラムに従って生きているのだというわけです。生まれた瞬間から死ぬまで、すべてのプログラムをシナリオ通りに送るように決まっている。たとえそれがどんなに（一般的には）悲惨でつらいシナリオであろうと、どんなに呵呵大笑のそれであろうと、そう決まっているというのです。その魂がそのつど、いろいろな人間の姿を借りて、この現世になにかを学びに生まれてくる。つまりこの人生で生きている自分は、これ限りで終りになるのではなく、それ以前からもこの先にも存続し続けるというのです。生まれ変わりです。魂の進化私たちの魂というのはもともと水晶玉のような存在です。きれいで透きとおっている。生きていくというのは、これも人間は誤解しているんですが、闘ったり、較べたり、競い合ったり、人よりぬきん出たり、そうすれば幸せがくると誤解しているんですね。じつはそれがドロなんです。教育と言う名の、闘いという名のドロがつくんです。そのドロに気づいた時点からドロを落としていく。もともと水晶玉は透明で完璧で、一点の汚れもない。それが本来私たちが持っている水晶玉の本体です。それが魂の本体。そのドロを落としていく、それのくり返しでしょうね。うーん、人間にはいろいろな想いがあります。少し人生を誤ったかなという反省も、あのときあっちではなくこっちを選べばよかったかなという悔悟も、ある選択をして恥ずかしくて顔も上げられなかった羞恥もあります。我が身に照らして省みれば、年を経るということは恥を重ねているようなことが多いものです。それもころもすべてが自分の魂が書いたシナリオ通りだとしたら、そんなに切歯扼腕して反省したり後悔することもないんだよと納得できそうです。そうか、それでいいのかと少し心が落ち着くのです。前世療法のこと輪廻転生といえばブライアン・ワイスというアメリカの精神化のお医者さんが書いた「前世療法」という著書を思い出します。神経症と強迫観念に悩むキャサリンという患者が、ワイス博士の催眠療法で自分の前世にさかのぼり、自分の病の原因を突き止めていくストーリーです。過去をさかのぼっていくといろんな自分が出てきます。過去生を思い出すごとに症状は消えていきます。思い当たる原因を知ることで人はつっかえを解消する。それがワイス博士の見解でした。退行催眠の途中で出てくる精霊たち（マスターたち）の存在も興味ある点でした。この書が示したのは、命には終わりがない。人は決して死なない、ただ異なるいくつもの場面を通り過ぎていくのだ、というものでした。印象的なのは、我々の肉体はこの地上にいる間の乗り物なのだ、永遠に存在し続けるのは我々の霊魂なのだという論理や、もう死ぬことは怖くない、人はいつまでも生き続けるのだからという考え方でした。これは人々に希望を与えるのでしょう。だから輪廻転生の考え方が多くの人々に喜ばれたのでしょう。夜寝ることもできなほどに悩んでいたキャサリンは、心の平和が彼女に落ち着きと光を与え、はっとするほど美しいまでに回復します。人はいろいろな状況を背負って生きています。そのおのおのが今生でそれなりの宿題を抱え、カルマの解消のために生きている。人生のシナリオを書いてたのはおまえ自身なのだと言われると、ああ、人間というのはすごいなと深く感じ入るのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月24日

• 宇宙方程式の研究（４）！

  宇宙方程式の研究（４）　小林正観＆山平松生２００１年６月２５日　風雲舎　発行「未知世界の旅びとシリーズ」ー２本人の私が読みたい小林正観論山平さんのインタビューに私が存分にお答えするという形でまとめようということになりました。こうしてできたのがこの本です。本人の私が一読し、これはおもしろいと感じました。他人の手による小林征韓論をご一読ください。ある転機不幸や悲劇は存在しない。そう思う心があるだけ若い頃に読んだフランスのある思想家の一節ですが、多くの人たちの悩みや相談事を受けるにつけ、この文章に込められた真理が気に入ってよく引用し、それを相手に向かって言っていたのです。三十三歳のとき、小林さんはこの言葉が試されます。結婚して三年、やっと授かった最初の子供が知恵遅れの障害児でした。その言葉の重みがわが身に降りかかってきました。あなたはほんとうにそう思うのですかと問われたのです。悩みながら半年たって分かりました。その子がわが家を選んできてよかったねと納得できました。そういうように考えた瞬間、これまで話してきた「不幸や悲劇は存在しない。そう思う心があるだけ」という方程式が本物になったのです。事実を受け入れた瞬間、色が戻りました。私にとってそれがたぶん「悟り」だったと思います。悟りとは受け入れること悟りと言うのは三秒でできます。一秒目は過去のすべてを受け入れること。二秒目は現在のすべてを受け入れること。三秒目は未来のすべてを受け入れること。受け入れた瞬簡に、どうしようと思っていたその子の問題が一挙に消えてしまったのです。目の前に立ちふさがっていた壁をどう乗り越えるかという問題ではなく、壁自体がなくなったんです。この子はこの子でいいと思った瞬間に「悟る」ことができました。コペルニクス的転回この子には争うという概念がまったくありません。それまでの価値観をガラリ変えさせるような四十代半ばのこの出来事は、小林さんにとって「コペルニクス的転回」でした。人よりぬきん出るという価値観から、のちに小林さんの考え方の主柱になる「き・く・あ」（競わない・較べない・争わない）というそれに大転換したのです。偶然はない、すべてが必然考えてみると、穏やかな空気を渇望する気持ち、そして旅行作家への道、この二つの道を私に与えてくれたのは両親でした。喧嘩の絶えないわが家、家出、結婚、生まれてきた子供、旅行作家、その一つ一つが欠かせないんです。全体の流れの中に余分なものはなに一つありませんよね。ドラマにするとしたら、どの部分も削れません。どの部分を削ってもつながりが消えてしまいます。つまり全部が必然だったんですね。すごいでしょう。人間というのはものすごいドラマを演じています。自分ではない別の力自分が自分がという意識がなくなると、上からの力が私の体を通過していくだけ、向こうからの邪気も私の体を通過していくだけなんです。自分がやってあげていると思っている間は、その邪気も自分にくるらしい。一言でいうと「我」がないことが大事なことなんです。投げかけたものが返ってくる人に喜ばれるように生きていくと必ず自分も喜ぶようになります。簡単ですよ、この法則は。較べない人間は較べられるために生きてきたのではなくて喜ばれる存在として生まれてきたんです。ありとあらゆるジャンルで。一芸に秀でる要するに、人間はなにか一つ、一芸に秀でればいいんではないですか。それが喜ばれることだから。「天」は一芸に秀でている。一芸に秀でている者は、お釈迦様に言わせると仏の世界の住人なんです。ここが重要なポイントですね。神田の古本屋街で、地上げがあり、さらにバブル崩壊があって、本屋がだいぶ潰れました。生き残ったところがあるんですね。それには共通性があります。ほとんどが、専門店だった。美術書の、地図の、古文書の、そういう専門店だった。一芸の店が生き残ったのですね。そうです。特色のなかったところが廃業した。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月23日

• 宇宙方程式の研究（３）！

  宇宙方程式の研究（３）　小林正観＆山平松生２００１年６月２５日　風雲舎　発行「未知世界の旅びとシリーズ」ー２本人の私が読みたい小林正観論山平さんのインタビューに私が存分にお答えするという形でまとめようということになりました。こうしてできたのがこの本です。本人の私が一読し、これはおもしろいと感じました。他人の手による小林征韓論をご一読ください。不思議な人々この時期、小林さんの人生に大きな影響を与える人物が二人現れます。一人は、中西旭先生という「精神科学研究会」の指導教授でした。小林さんが「念力」や「テレパシー」の研究から、ちょっと回り道をして生死の世界に関わるようになったときなど、「あまり深入りしない方がいいですよ」と重要なアドバイスをしてくれます。小林さんはこの一言で危ない道から引き返したそうです。中西先生はいまでもお元気で、毎朝３時に起床しては、水垢離をされるほどの壮健さだそうです。もう一人はGLAという宗教団体を設立した高橋信次さんです。高橋さんは３８歳で悟りを得て４８歳で亡くなりました。活動した時期はわずか１０年ですが、この道ではとても著名な方です。ある日ヘブライ人が現れ「おまえは３日後に死ぬ」と高橋さんに告げます。驚いた高橋さんは霊能者などに相談しますが、誰にも分かりません。すべての問題を整理し一切を家族に任せ、従容としてその時を待っていると３日後に、くだんのヘブライ人が現れ、「おまえは悟った」と告げて姿を消したそうです。その日から高橋さんは突然、ヘブライ語とサンスクリット語を、話し、聞き、読めて、書けるようになったといいます。むろん誰かが教えたわけでも、自分でひそかに勉強していたわけでもありません。しかしいった何でしょう？この不思議な出来事は。高橋さんが遠い前世で釈迦であったこと、その記憶がよみがえったということでしょうか。いろいろな逸話に満ちている人ですが、現在心の研究をしている人で、この方の影響を受けなかったという人は少ないかもしれません。小林さんも影響を受けたようです。自我がなくなると望みがかなうほんとうに困ったとき、自分の力がどうしても及ばなかったとき、近くに樹木があったら、そのうちいちばん大きい樹木に手を当ててお願いしなさい。この話は信じても信じなくてもいい。ただ覚えるだけ覚えておきなさい。完全に「自我」がなくなると、望みがかないます。空気がわかる人は腹を立てると毒素を吐くのですが、そういう状態で吐いた息の中にハエを入れておくと、通常の１０分の一ぐらいの時間で死んでしまう。そういうことが実証的に分かってきました。旅館の空気も同じ。館内での不和、夫婦喧嘩、上司と部下との言い争い、そういうことが日常的にくり返していると館内に毒気が満ち、それを吸った客は入館したとたんに気が重くなり、体調を崩す。そうしたら客は寄り付かなくなりますね。これは家庭でも会社でも同じです。人が放つオーラやパワーも、ちょっとその気になれば誰だって分かりますよ。気力で大木を倒すというメカニズムは何でしょうか？否定的な言葉は内部の水を変えます。その結果、細胞も変わり、細胞が死に、生命が終わるということですね。こう考えたらどうですか小林さんは、それはほら、こういうことでしょう、こう考えてみたらどうですか、などと軽く言います。悩む人が抱いているような常識的な考え方ではなく、「ちょっと違った考え方」で問題を見直してみませんかというわけです。生命力のない笑い何か抜け出いるような笑顔でした。あらゆる現世の問題から断ち切られて、後は死ぬだけと言うような表情でした。一言でいうと生命力のない笑いだったのです。しんじゃだめですよと声をかけたら、３秒ほどしてわっと泣き出しました。とてもすごい状況をかかえていて、生きる希望もなにも失って、死ぬことばかり考えていました。そういう状況がお顔に出ていたのですね。そういうのが分かるのですね。ええ、分かりますよ。誰でも。たくさん観て来れば誰でも読み取れるようになると思います。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月23日

• 魅力的な人々

  魅力的な人々　小林　正観　著２００９年４月６日　弘園社　発行こんな楽しい生き方もあった「魅力的な人」は心でもなお、周りの人を幸せにします。この本ではそんな人々を集めてみました。こんな風に生きてみるのも楽しそうだ、と思っていただけたら幸いです。「悩みがゼロ」になったら「喜びの上乗せ」をする釈迦は２，４００年前に、「悩みがゼロになる方法」を説きました。悩みがゼロになった人のことを「悟った人」といいます。悟った人にのみ、さらに次のステップを上乗せして教えてあげてもよい、と、その後１，２００年経って私たちに「上乗せの楽しいこと」を教えてくれたのが、空海だったようです。執着をなくした人にだけ、教えてあげましょう、というのが空海の伝えたもの（密教）でした。ですから、望みを叶えるために密教を学ぶ、というのは、方程式として違うということになります。悩み、執着がゼロになったら、あとは「ありがとう」という言葉をたくさん言っていると、人生が面白く展開していくというのが、「ありがとう」の不思議な力です。空海は、２３歳の時に、「三教指帰」という本を書きました。３つの教え（儒教、道教、仏教）を比較し、仏教がいちばん優れている、という結論を書いています。このころ、空海は山岳修業の日々の中で、役人になること、出世することという生き方に、完全なる訣別を決意したようです。来る日も来る日も虚空蔵菩薩への真言を唱え続け、百万回唱えたころ、洞窟の奥に座っている空海の口に、明けの明星（金星）から光が注がれて、体の中に入ってきました。それが「悟った」と感じた瞬間でした。世界のすべてが輝いて見えたそうです。このとき洞窟から見えた風景は「空」と「海」だけ。これ以後「空海」と名乗るようになったということです。出会う人出会う人みんな、味方につけていったということです。空海がたいへん「誠実」な生き方をしていった、ということだろうと思います。声を荒げないとか、自分が立場が上だからといって威張らない、怒鳴らない。人格者ということです。約１２００年の年月を経た現在でも、四国遍路巡りや高野山参詣の人々の姿が絶えず見られるのは、空海がいかに慕われる存在だったかをあらわしています。空海の「存在の死」は、まだ訪れていないということなのでしょう。根絶やしにしない宮本武蔵の魅力どんな相手に戦いを挑まれようとも、武蔵は決してとどめをさすことはしませんでした。武蔵は、後年、兵法の極意を「五輪の書」としてまとめますが、剣道の奥義に達した武蔵が悟ったこととは、「本当に強いものは、戦わない」ということでした。戦いつづけて、次々に相手を打ち負かしていく、たたきのめすことが「強い」ことだと思われていますが、しかし「本当の強さ」というのは、目に見えて戦ったり、争ったりしないこと。そうならないように、事前に回避し、笑顔で解決していくこと、との結論に至ったのです。事前に危険を察知できたのであれば、それを避けて通ること。あえてその中に身を投じる必要はない・・・それが、本当の優れた武将・武芸者の選ぶ道である、というのが、晩年の武蔵が達していた心境でした。吉田松陰の教育松蔭の人を見る目は、「比べる」のではなく「一人ひとりに素晴らしい天分がある」という優しいものでした。いけないところを指摘するのではなく、良いところを教えてあげるという教育に、門人たちはどんどん花開いたのでしょう。推察すれば、はじめから優秀な人たちが集まっていたというわけではなかったのかもしれません。このように、良いところを見つけてそれを伸ばす、というやり方で育ってきた人たちが、明治維新の原動力となっていったわけですが、ここで気づくのは、「明治維新」とは「維新」であって「革命」ではなかったということ。「明治維新」という語は、当時の志士たちが自ら言った言葉であり、後世の歴史学者が作った語ではありません。この時代に起こったのはいわゆる「革命」ではなく、「古き良きものは維持し、さらに新しいものを上乗せする」という意味で「維新」なのでした。良寛さんの「愛語のこころ」自分は貧しい一人の修業僧なので、人に何かを与えたくても、あげられるものが何もない。だからせめて心を温かくするような、心を安らげるような言葉を贈ろう。それならば、いくらでもあげることができるから。これが良寛さんの「愛語のこころ」というものです。子育てについて親や教師は、「人生がうまくいっているときは、先生や親を思い出さなくていい。失敗や挫折をして、壁にぶつかってどうにもならなくなった時にだけ、思い出して、相談に来なさい。」と言ってあげたらどうでしょう。「感謝」「笑顔」「賞賛」「人間にエネルギーを吹き込むものとは何か」という角度から考えると、「感謝」「笑顔」「賞賛」の３つが挙げられます。私はこれらの頭文字をとって「かえしの法則」と名づけました。人間も誉められればエネルギーが充電されます。誉められた人は「賞賛のエネルギー」で充電され、元気になるということがわかると、人間関係がよりスムーズになるのではないでしょうか。「ほめっぱなしメガネ」で人を見つめ、いつも温かく優しい言葉を投げかける人の周りには、常に温かさが満ちて行くでしょう。人間っていいもんだなあ自分だけの問題であったならば、自分の問題だとうそぶいて、ひねくれた方向にいくこともできる。しかし、他の人に迷惑をかけるとなると、それまでタバコが好きでやめなかった人が、やめてしまう。人間の心とは、こんなふうに素晴らしいものとしてはたらくものだったのです。他人に迷惑をかけるぐらいだったら、危害を加えるくらいだったら、自分のワガママをやめようと思える。「自己嫌悪」とは、そのように人間の心に働きかけるもの。昨日まで平気でやっていたことが、ぜんぜん違うものになってくる。それは神が人間に与えた「究極の損得勘定」ではないでしょうか。「自己嫌悪」が生じてくるようになったら、あとは本来の魂の目的「喜ばれること」をやっていくようにプログラムされているようです。植物にも意志や感情があるらしい。植物は、人間に声を掛けられるのが大好きです。ですから、プランターの植物は声を掛けられないと枯れてしまうことがあります。植物は、人間が近寄ってくると嬉しくて、声を掛けられると、もう天にも昇る心地。ドキドキするそうです。賞賛されると、その人の味方になって、なんとか協力してあげたいと思うらしい。ですから、日常生活の中で、植物を味方につけている人は、自然の多いところへ出掛けていった時には、天候などいろいろな面で、非常に恵まれた状態になっているようです。しかも植物は量が多いですから、彼らがコミュニケーションをとっているとすると、行く先々で晴れにしてくれたり、雨が降ったほうがいい時には雨を降らせてくれるようです。遠足または運動会の前日と「人間」の定義執着を捨てて受け入れるということが、なかなかできないといいますが、運動会の前日、「明日は、絶対晴れてくれないといやだ！」ところが、もうひとりの子供は、「晴れたらうれしい、晴れたらいいな。」と思っているとする。その子にとっては、晴れたら「プラス」、雨や曇りだったら「ゼロ」です。二人の違いがわかりますか。これが「執着」というものの姿です。「執着」があると、プラスを感じることができないという、たいへんに損なタイプになってしまうということがわかると思います。「ヒト」は一人でいるときは「ヒト」、「ヒト」の間にいるときは「人間」。「感謝」は神によって「ヒト」だけに与えられたものでした。「感謝」ができたとき、「ヒト」は「ヒトの間に存在するヒト」＝人間、になるのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月20日

• マスターの教え

  マスターの教え　ジョン・マクドナルド　著２００１年６月２７日　飛島新社　発行「富と知恵と成功」をもたらす秘訣この小さな本にはあなたが思いどおりに生きるためのたった１つの法則が書かれています７０年以上にわたって世界中で読み継がれている成功哲学の古典　「運命の貴族となるために」新装版本書が伝えているメッセージは他の誰でもなく、あなた自身に向けられています。何が起こるか、心を開いてこの本を読んでください。そのあとでどうするかは、あなたの自由です。僕は自分の運命の主人だ。そして、僕は自分の人生を、自分が望むとおりにすることができる。僕は自分の運命の主人だもはや、僕にとって、不可能なことはなくなった。僕は何でもできるんだ。そして、僕は自分の人生を、自分が望むとおりにすることができる。不思議なことは誰の人生にもよく起こるものですしかし、私たちはそれを無視します。それはよくわかっていないからです。そしてそれが単なる偶然にすぎないと思ってしまうのです。しかし、今は、それが単なる偶然ではなかったということがわかっています。人は誰でもすばらしい力をもっている私たちは自分の中にあるその力を十分知らないために、眠ったままにしていると言うのです。彼は、彼が開発した力のいくつかを実際に使って見せてくれました。彼が見せてくれたものは実に驚くべきことでした。あなたの可能性には限界がないあなたが宇宙の法則をマスターするに従って、あなたの成功は何倍にも、大きくなってゆくだろう。また成功すれば、法則に対する信頼がどんどん強まり、やがて確信という域に達するであろう。そうなると、あなたはもう無敵と言ってもよいのだ。始める前から結果を知ることができる僕は確固とした間違いのない法則に従ってやっているのだから。仕事に関してもまったく同じことなのさ。学ぶ価値のある最も効果的な法則なぜなら、この法則を実行すれば、人生は生きる価値のあるものになるからです。何ごとにも心を開いて取り組みなさいまず第１にしなければならないことは、あなたが成功するためにどうしても必要な家具の他は、一切、処分してしまうことです。意識に保たれた心象は、必ず実現します意識はどんな形のものであれ、あるイメージと心象とも言うべきものを持っています。意識の中にどんな形であろうと、しっかりと保たれた心象は、必ず実現します。これこそ、偉大でかつ不変な宇宙の法則なのです。あなたという存在は、実は「意識」ですあなたの体はあなたが人間として機能することを可能にする車のようなものです。あなたが主人で、あなたの体は従者なのです。体は表現するための道具なのです。それだけです。「内なる心」は、あなたを動かす最大の力ですその本質として、「内なる心」には自ら判断して良し悪しを決める機能はありません。その結果、意識の迷いもありません。確固とした目標を打ち立てればよいもし、何かを立派にやりとげたいと思ったら、あなたは確固とした目標を打ち立てればよいだけです。個人を超えた無限の宇宙の力あなたの体はあなた個人のものですが、あなたが発する「私は」という言葉は宇宙のものです。その目的とは、あなたにもっと深く、真剣に考えさせる、ということなのです。ここで「真剣に」と言っているのは、精神とエネルギーを目標の方向に向けることで、結果はとても建設的です。あなたが進歩するか否かは、目標に向かって「真剣さ」をどれだけ保つことができるかにかかっています。貧乏はこの世で最大の罪悪ですあなたはお金持ちになり、地位も得て、しかも健康で、幸せになることができます。それは、あなたが自分の存在の法則を知り、それと協力しさえすればよいのです。貧乏はありがたいものだ、などと言っている人に、私はがまんができません。貧乏はこの世で最大の罪悪です。体に栄養を与える言葉集中力、平和、博愛、無抵抗、平静、一致、好意、正直、知恵、親切、理解、直感、謙遜、聡明、決断力、記憶力、公平、思慮深さ、自由、指導、活動、寛大、生命力、思いやり、力、落ち着き、愛、忍耐、同情、法、優雅、信仰、自信、豊富、価値、気力、健康、調和、強さ、誠意、やさしさ、想像力、いのち、若さ、礼儀、成功、幸福。鋭敏さ、才能、持続性、目的、達成、元気、能力、熟練、信頼一日の活動が終わり、日常的な勤めや仕事であなたの生命力が少し減退した時、３０分か、できれば１時間、毎晩誰からも邪魔されない１人きりの時間を作り、自分の存在そのものと静かに対峙します。その時あなたの必要としている言葉をいくつかリストの中から選び出します。毎日この瞑想をできるかぎりきちんと実行してください。そして次の日の夜の実習まで、実習のことは忘れてください。言葉はあなたの気がつかない深いところでその仕事をやってくれます。そしてまもなく、あなたとあなたの日常生活に効果が現れてくるでしょう。何かに抵抗すると自分自身が弱くなってしまうあなたがこの宇宙の法則の助けを引き出せるようになると、あなたが心に思ったことを実現するためのお金や友人や有力者は、もはや必要ではなくなります。世の中でのあなたの地位は、少しも重要ではありません。まず必要なことは、あなたの中にしっかりとした目標を定める、ということです。次の真理を忘れないでください。あなたが、誰かに、あるいは何かに抵抗すると、あなたは必ずその相手を助け、しかもそれに比例して、自分自身を弱めてしまいます。なぜでしょうか？あなたは自分の進歩のためにとても大切なあなたの生命力の一部を、その人や物に、わざわざ移転させていますからです。あなたはこの知恵を学ぶことができて、とても幸運な人です。それはともかく、実行に移ってください。あなたはあなたという存在の主人ですあなたの邪魔をする者はあなたを助けてくれているのです。彼らこそあなたの友だと考えてください。これは最も高度な知恵なのです。あなたの野心をしっかりとあなたの心の内にしまって、人に話さず、秘密にしておいてください。こうした時、あなたの「外なる心」は敵愾心を燃やします。「外なる心」は自制や規律に常に反抗するからです。自由が阻害されそうになるやいなや、「外なる心」は囲いの中に狂った牡牛のように、何とかしてあなたが与えた方法以外のやり方で、外に逃げ出そうとあばれます。そしてあらゆる論法を持ち出して、あなたの目的がいかにくだらないかとあなたを説きふせようとします。そして、あなたの計画と向上心のことを、他人に話すように誘惑し、もっとゆっくり働くべきだと言い、あなたのために働いている宇宙の力に疑いの念を持たせようとします。考えられるあらゆる手段を使って邪魔しようとするのです。こうした動きに対して、あなたは次のように答えなさい。「私に服従せよ。私が主人なのだから」あなたという存在の主人であるという地位を確保しなさい。そして、ゴールに向かって力強く進みなさい。するとどういう結果が起こるのでしょうか？あなたがゴールをいつもしっかりと保持し、しかも完全に秘密にしておくと、「外なる心」は次第に高まってゆくエネルギーの出口を見つけられず、ボイラーの安全弁から蒸気が放出するように、絶望にかられてどこかへ行ってしまいますい。そしてあなたの目標は達成されるというわけです。あなたは世間から見て、とても不思議な存在となります。だからと言って、慢心してはいけません。ただ謙虚な態度で、こうしたことを可能にしてくれた至高の力に対して、感謝の念をささげなさい。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月17日

• 怒らないこと（２）

  怒らないこと（２）　役立つ初期仏教法話１　アルボムッレ・スマナサーラ２００６年８月２０日　（株）サンガ発行注目の初期仏教長老が平明に説くブッダの教え怒らないこと。これが幸福の秘訣です。「自分は偉い」というエゴを捨てる「私は何者でもない」「大したものじゃないのだ」と思ってしまえばいいのです。東大を卒業した人であろうとも、誰かが「あんたはこの部屋を掃除しなさい」と言ったら、すぐに「はい」と言って掃除すればいい。それだけのことです。「自分はダメな人」というエゴを捨てる「この人にはいろいろな能力があるが、私にはそんな能力がないから悔しい」と思うから、相手をねたむ気持ちが出てくるのです。自分に能力がないことが嫌で、能力がある人に対して怒りを感じるのです。何ごとにおいても、各人が能力に応じた仕事をすればいいというだけの話です。「私が」「私が」というエゴを捨てれば、なんの問題もないのです。エゴを捨てれば自由になれるエゴがなければ、自分の上司がいくつ年下であろうが関係ありません。いい仕事をすることだけに集中して、気楽に仕事ができるのです。「他人に負けたくない」というエゴを捨てる人間は、自分がやるべきことを精一杯やれば、それでいいのです。他人との勝ち負けなど、一切考える必要はありません。小さな「成功」をつなげて人生をつくる怒るべきことがいっぱい出ているのに怒らない場合、その人は確実に勝っているのです。いつもの毎日の中で、いつもならここで怒り出すはずの瞬間に、怒らないように心掛けてみてください。そのあとの状況は、必ず自分の希望通りに運ぶはずです。やりたい放題の人には鏡を見せるののしている相手に対して「ああ、そちらはすごく怒っているのだ。苦しいでしょうね。手も震えているようだ。簡単に怒るような性格みたいです。これからもいろいろたいへんなことに出会うでしょうね。それで大丈夫ですか？心配ですよ」のように、とにかく相手が言うことに反論せず、相手の心境を善悪判断しないで心配する気持ちで説明してあげればいいのです。ののしっている相手が予測していた反応ではありません。ですから相手の戦略は的外れになるのです。ののしられた側もおだやかな心でいられるのです。このやり方で、両方幸福になります。鏡を見せるということは、こういうやり方です。笑えば怒りは消える怒っても、すぐに笑ってしまえばいいのです。それでかなりの怒りが消えてしまいます。いつでも、よく笑うことを忘れないでください。笑える人ほど智慧がある怒るのはすごく無知なときだということは何度も話していますが、正しい笑いが生まれるときには知識が働いているのです。笑いのストーリーをつくった人々が、人間の生き方やらいろいろなことをきちんと勉強して、理解して、面白おかしくしているということが見えてくるはすです。「笑い」を目的にしてはいけない私が勧めるのは「家の中にいても、家の外にいても笑える。仕事がうまくいっても、仕事が失敗しても笑える」という、自分の心ひとつでいつでもできる笑い方なのです。ですから、笑うためにわざわざどこかに行く必要もありません。笑う力を鍛えると、世の中は面白い不思議なことに、強引に笑ってみると、そのうち何かおかしいことを自分でどんどん見つけられるようになるのです。いわゆる智慧が冴えてくる状態ですね。だから、２４時間楽しく生活する人には、何を見ても何か面白いことが見つかってしまうというわけなのです。おかしいことを見つけるのは簡単不思議なことに、すべての現象には必ず、変なところがあります。世の中に完全なものは何もないのですから、変なところがないものはないのです。本当に、笑いたければ笑う対象はなんでもいいのです。怒らずにいられない人とのつき合い方相手と一緒になって怒るのではなく、「この人には自信がなく不安だから、人をいじめよう、けなそう、無視しようとしているのだ。私の能力をバカにしようとしているは、この人に能力がないからだ。この人は自分の怒りを表しているだけで、かわいそうな被害者だ」と、その人の心を観てあげることです。「怒らないこと」は奇跡をもたらす怒っている人や、自分をののしった人に対して怒らないことに１回でも挑戦したら、相手が味方に変わり、誰も損することなく勝てることに驚くはずです。誰もが幸福に生きられる我々の不幸をつくり出す「怒り」だけは、けっして心の中に入らないようにすることです。そうすれば、すぐその場で、その瞬間に、我々は幸福を味わうことができると思います。それと同時に、怒りを治める訓練を積むことによって、確実に智慧も成長して、物事がどんどん見えてくるようになります。「怒らないこと」を実践することは、智慧を追及して、もっと幸福になるための道でもあるのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月05日

• 怒らないこと（１）

  怒らないこと（１）　役立つ初期仏教法話１　アルボムッレ・スマナサーラ２００６年８月２０日　（株）サンガ発行注目の初期仏教長老が平明に説くブッダの教え怒らないこと。これが幸福の秘訣です。昨今では、怒って当たり前、ややもすると怒らないと不甲斐ないとでも言わんばかりです。ブッダは、これに真っ向から反対します。怒ってよい理由などない。怒りは理不尽だ。怒る人は弱者だ。怒らない人にこそ智慧がある。怒らない人は幸せを得る。人類史上もっとも賢明な人は、なぜ怒りを全面否定したのでしょうか。最初期の仏教であるテーラワーダ仏教の長老が、その真意を解き明かします。「怒り」は、人間の不幸そのものです。私は、人間みんなに素晴らしく幸福に生きていてほしいと思います。たとえ１分、２分でも、３０秒でも、困ったり悩んだりする必要はありません。悔しがったり、「ああ負けた。こん畜生」と思ったりするのは不幸です。ですから、心は常に喜びを感じながら、常に明るく、常に楽しく生活していただきたいのです。短い人生ですから、苦しがったり、悩んだりする必要はありません。心構えしだいで、誰もが幸福に生きられるのですから。そのためには、我々の不幸をつくり出す「怒り」だけは、けっして心の中に入らないようにすることです。「怒り」とは何？怒りというのは愛情と同じく、心にサッと現れてくるひとつの感情です。この世の中にある、ものをつくり上げる創造の源泉は愛情であって、創造したものを破壊していくのは怒りの感情です。それは普遍的な、世の中にある二種類のエネルギーの流れです。ですから、強いていえば、愛情と怒りはひとつのセットなのです。世の中には、そういうふたつのエネルギーの働きがあります。「どのような感情が生まれるか」は、生まれ育った文化によって、大きく異なるものなのです。感情は、教育とか、育てられる環境とか、マスコミから流れてくる情報とか、そういうものの影響を受けます。我々の善悪判断や、ものを認識する能力は、そういうものにもマインドコントロールされているのです。自分を直せば、幸福に生きられる自分を直せば、怒りの感情を完璧に追い払ってしまい、愛情の感情、あるいは幸福の感情だけで生きていられる。その可能性が十分あるということです。人間として生まれてきたからには、そのような本物の幸福を目指すべきだ、というのが仏教の考えです。「私は正しい」と思うから怒る「相手が正しい」と思ったら、怒ることはありません。それを覚えておいてください。「私は完全に正しい。完全だ。完璧だ。相手の方が悪いんだ」と思うから、怒るのです。「私は間違いだらけ」だとわかると怒らない「自分が正しいという考え方は、非合理的で、非真実で、嘘で、あり得ないことだ。このあり得ないことを頭で徹底的に信じている自分ほどの大バカ者は、世の中にいない」とはっきり理解したら、もう怒らなくなってしまうのです。「私は正しい、とは言えない。私は不完全だ。間違いだらけだ」ということが心に入ってしまうと、もうその人は二度と怒りません。言葉は正しくない言葉は不完全ですから、完全に正しいということはあり得ません。その言葉を、不完全な我々が精一杯に選んで話したところで、これまた不完全な相手にうまく伝わる保証など、どこにもないのです。努力はしても、結果は求めない「自分は完全だ、完璧だ」と思う無知な人は、自分の思いどおりに事が運ばないからと始終怒って、そのたびにひどい目にあっています。それはバカバカしいでしょう？どう見ても、すごく無知な生き方をしているのです。怒り癖はなかなか取れない「私は課長だ」とか、「私は女性だ」「私は男性だ」などと、「私」に対していろいろな概念を使っているから、他人と接触して、そういう概念が壊れたときに怒りが生まれます。そして、この怒りがやがて「怒り癖」として身についてしまうと、もうなかなか取れないのです。怒りが幸福を壊す「怒り」が生まれると「喜び」を失う。ですから、その人はずっと不幸を感じることになるのです。せっかく人間に生まれたのに、わうかな喜びもまったく感じない、文句だらけの不幸なのです。「怒り」が気づかないうちにからだを壊す怒るということは、自分で自分を燃やし始めたということです。いずれ細胞が破壊されて、グチャグチャになってしまいます。すごく疲れやすかったり、眠れなかったり、病気がちで悩んでいたりする人は、心にも問題があると思ったほうがいいですね。そういう人は、怒りの性格をかなり持っているはずです。怒らない人我々も、余計なプライドを捨ててとことん謙虚になれば、怒らないと思います。「面子」は醜い「面子」などという言葉を使う人々は、空っぽです。生徒に「これは違いますよ」と言われたら、自分も「ああ、本当にそうですね。あなたはよく知っていますね。しっかりしています」と言って、その生徒を褒めてあげる。そういう人が立派なのです。アインシュタインの謙虚アインシュタインは、小学生の彼女になんのことはなくぜんぶ教えてあげました。相対論を発見した人なのだから、この小学生の子供とは比べ物にならないほど智慧があるはずです。それなのに「いろいろなことを教えてもらった」と言うのです。本当に謙虚なのです。怒らない人だけが勝利者になれるいつでも、リーダーになるのは怒らない人です。何を言われても、かなり落ち着いてニコニコしている人でしょう。だから、大臣や総理大臣やら、そういう立場になれるのです。ですから、ちょっとしたことで怒ってケンカしてしまうと、議員の立場もなくなってしまいます。ですから、本物のリーダーはけっして怒りません。怒らない人は、みんなの手綱をつかんでいるのです。壊れた鐘のようになれお釈迦さまは「自分の心を、ひびがひとつ入った鐘にしてみなさい」と言っているのです。ひびが入っていたら、叩いても鐘の音はしません。どんな攻撃を受けても、こちらからは怒りの音は出さないことです。それも、エゴを捨てることと同じです。怒る原因がないときは誰でも立派怒る条件が揃っていないときに怒らないのは、べつに褒められるほどのことではありません。本当に「怒りがない」ということは、怒る条件が揃っていても怒らないことなのです。みんなにけなされているときでも、ニコニコできることなのです。怒りの治め方自分の心にある「怒り」に気づくこと自分の心の怒りに気づいたら、怒れなくなってしまうのです。ぜひチャレンジしてみてください。怒りを観られた瞬間、怒りは消えるすぐ自分の心を観ること。心を観ることで怒りはすぐに消えます。いちばん大事なことは、「自分を観る」、ただそれだけです。このことをしっかり覚えておいてください。「何をされても怒らない」を自分に課す怒りは人間にとっては猛毒だからです。それくらいお釈迦さまは、怒りというものを人々にコントロールしてほしかったのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年04月05日

• 宇宙方程式の研究（２）！

  宇宙方程式の研究（２）　小林正観＆山平松生２００１年６月２５日　風雲舎　発行「未知世界の旅びとシリーズ」ー２本人の私が読みたい小林正観論山平さんのインタビューに私が存分にお答えするという形でまとめようということになりました。こうしてできたのがこの本です。本人の私が一読し、これはおもしろいと感じました。他人の手による小林征韓論をご一読ください。不思議な人透視小林さんが記憶しているその第一歩は、おそらく中学校二年生のころに読んだ、雑誌でPRしていた「君にもできる催眠術」という小冊子です。人間は不思議な潜在能力をもっていること、それにもかかわらず、じつは人間たちのほとんどがその力を使用していないという著者の指摘がまず驚きでした。催眠術師によるこの書物は、中学生向けに編集されたとはいえ、しっかりした考えと内容で構成されていました。人間には防衛本能というものがあって、自分の身に危害を加えるそういう指令は本能的に拒否するものだ、とはっきり書いてありました。どんなに催眠術のテクニックが上達しても、結局、その人間の人格の信頼性がすべてなんだよ、つまり大事なことはその人しだいなんだよ、という著者の結論でした。少年の心をかすめたこの結語は、小林少年の人生に不思議な余韻を残すことになります。大学時代、「精神科学研究会」に入った小林さんは、念力、テレパシーの研究に明け暮れ、超能力にもかなり目覚めたようです。何ごとであれ千回やってみるとそれが身につく、それを起点にして別の何かが見えてくる・・・、それが小林さんが得た収穫でした。「千」は「仙」を連想させます。人が谷におりると「俗」、人が山に登ると「仙」なのです。なんとなく小林さんはひと山越えた気分です。人の死が見えたところが不思議なことに、それと並行して妙なことに気がつきます。出会った人の死期が感じられるようになったのです。この不思議な感覚は、同じ頃にやっていた人相の中でも感じはじめます。他人の人相を観て行く中に死相が見え始めました。「死の世界」に向き合うことは、人の寿命とはなんだろうという疑問を呼び起こします。小林さんは多くの人の死を予見することで、ある疑念が頭の中に芽生えます。どうも、人の未来は決まっているようだ、死ぬ日も生まれる前から決まっているらしい・・・。後年、小林さんはこの疑念をつきつめめ、人の未来は確定的に決まっていると結論づけます。もしそれが正しいのなら、何がそれを決めているのか、そんなシナリオを書いたのは誰だろう、神さまだろうか、いや、書き手は自分以外には考えられない。その書き手とはいま生きている自分ではなく、「生まれる前の自分の魂」が今生の設計図を描き、その設計図通りに人生を送っているのだ、と確信するようになります。元気だった人が、私の予測通り死を迎えたときが大ショックでした。その人の死は交通事故だった。ということは、その人の未来が決まっていたということになります。しかもそれを私が事前に認識していたのですからね。全共闘の時代小林さんの後ろをついてきますと、とても唯物論的なというか、実証的な部分があることに気がつきます。ある概念が浮かんだらそれを丹念に実証するような部分です。しかしその対極に、すっと天空に溶け込むように「見えている人」、「想起する人」の部分とが混ざり合っているのを感じます。小林さんが講演するとき、その力は自分の力ではない誰かに大きく依存しているのだろうといいます。天上の何ものかがその力を小林さんを通して付与するのだそうです。そのとき自分は単なる伝声管かもしれないと認識します。実証の世界にこんなケースはあまりありません。唯物論の世界にも同様です。実証から出発したとしても、小林さんがどこか「見た来た人」の印象が強くなっていたのは、あながち僕一人の誤解ではないでしょう。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月25日

• 宇宙方程式の研究！

  宇宙方程式の研究（１）　小林正観＆山平松生２００１年６月２５日　風雲舎　発行「未知世界の旅びとシリーズ」ー２本人の私が読みたい小林正観論山平さんのインタビューに私が存分にお答えするという形でまとめようということになりました。こうしてできたのがこの本です。本人の私が一読し、これはおもしろいと感じました。他人の手による小林征韓論をご一読ください。小林さん、あなたは何を見ているのですか井深さんと「目に見えない世界」のことだんだん、目に見えるこの世界のもう一歩奥のところで、世界の本質がどう形成されているのか、これまでに信じてきた常識世界がどこかうろんなものではないか、などと感じるようになってきたのです。そういうこちらの弱点を見透かしたように、君はいったい何をしているの、君の人生の目標は何なの、というストレートな問いを発してくださった人が井深大さんでした。こんなはずではない、人間はこんなことをしていていいのだろうか、もっと人間が本来持っている心や意識といった内面を考えないといけないのではないか・・・、井深さんは深く考え込みます。幼児教育から東洋医学の研究を経て「モノ」から「心」へ、時代のパラダイムを変えようという井深さんの信念はますます高まります。そういえば井深さんはいつも遠くのどこかを見ていました。現実世界のことについて考え込む時間はもろんあったのでしょうが、僕が知っている井深さんはなにかじっと遠くに視線を当てていて、たとえば「気」についてごちゃごちゃ問いただす僕の質問に、ふと我に返って、それはね、ほらこう見ればよく分かるでしょう、などと答えてくれたものです。十年間ぐらいのそんな時間を経て、しだいに目に見えない世界のことが深く僕の意識の中に根を下ろしたのです。岡田多母さんのこと岡田多母さんという秩父の山中でヒーリングをやっているご婦人は強烈でした。いわゆる「チェネラー」と呼ばれる一人なのですが、ヒーラーとか覚者と呼ばれることもあるようです。自分の過去生がよく見えていて、三度にわたる転生をはっきり記憶しているのです。岡田さんはどちらかというと天上界、神々の世界に強く、夜ごと夜ごと天空を飛翔しては神々に会い、この宇宙の成り立ちと地球の行く末について学び、それを地上界の人々に語るのです。その洞察力の鋭さを、あの船井幸雄さんが、「岡田多母さんの特性は直観力に特に優れた人。どんなことについても瞬時に正しい答えの分かる能力を持っている」と評しました。小林正観さん、あなたの正体は何ですかまるで宇宙人のような不思議な人でした。なりこそふつうの地球人ですが、僕がずっと気にしていた「目に見えない世界」のことを、まるでそらんじているように、何でも見えているのです。視線がどこか遠くの方をじーっと見ています。こういう目をした人にはおっかない人が多いのです。おっかないとは、喧嘩が強いとか凶暴だというのではなく、何かを見てしまって、その何かの世界を知り尽くしていて、その世界とこの世を行ったり来たりしている人・・・、そういうおっかなさです。意識もどこか遠いところにある様子です。確かにこちらの顔は見ているのですが、しかし見ていません。小林さんの脳波車の運転という現実にすばやく対応しなければならない状況の中で、小林さんは隣席の友人と会話をしながら、これらの現実作業をほぼよどみなく、流れるようにこなします。小林さんの脳波は、ベータ波（普通の人の日常状態）が０パーセント、アルファ波（リラックス状態）が９パーセント、シータ波（深い瞑想状態）が９１パーセントだったそうです。ほとんどこれではまどろみ状態です。小林さんはほとんど日替わりのように講演会をこなしています。準備をしない・・・。なんとかしなくちゃという概念がない・・・。それはベータ波に支配されていないという証拠なのかもしれません。その日の具合、会場のみんなの顔、その場の雰囲気から、前の方に座っている人を中心に自然に語りかけます。すると自分の脳細胞の近くにある小林さんの神さま（小林さんはそれを守護霊と呼びます）が勝手にしゃべりだすというのです。それでいて同じパターンになることも繰り返しになることもなく、結果的には上手にバランスが保たれるのだそうです。ふーん、やっぱりおかしな人なのです。脳波をベータ波からアルファ波、シータ波に上げていきなさい。脳波をアルファ波のほうへ変えていくと楽しいですよ。そうすると人生が変わりますよ、というのが、「小林正観の世界」の中でもとても重要なテーマです。「向こうの世界」を見てきた人々本当の世界「イデア世界」の記憶をもっとも色濃くこの世に持ち込んだ人は誰だろう、と考えてみます。私が思うに、モーツァルトがその最右翼。４歳から作曲し、５００百曲も曲を書いたモーツァルトは、不出来な曲がひとつもない。天才といわれるゆえんですが、モーツァルトの総ての曲が人の心を安らぎに導くというのは、やはり「神の領域」の人であったのだろうと思います。超能力者が見てきた世界と、プラトンの「イデアの世界」とがよく似ていることを、頭に入れて下さい。プラトンも「見てきた」人だったのかもしれません。いやいや、小林正観さん、あなたも「見てきた」人ではないのですか、あなたも「想起している人」ではないのですか、というのが最初のころの僕の直感でした。小林さんは「胸の内にいつもほかほか燃えているものがあった、それが私を静かに動かしてきたのです」と言います。あのまどろみの脳波状態から小林さんがふと口にした言葉ですが、僕が知りたいのはそこです。ほかほか燃えているもの、そのエネルギーの正体は何ですか。３０年間じっと見つめてきたものがどんなものなのか、それを知りたいと思いました。小林さんは僕の知らない世界をずっと以前から見ていて、そのはるかな地平からどきりとするようなことを、少しけだるそうに、顔色一つ変えずにぽつりぽつりと、ときには速射砲を連発するようにコメントしてくれました。つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年03月25日

• 人蕩し術（１１）

  人蕩し術（１１）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成「かねもうかるの伝授」脇坂義堂　著そもそも出世する事や、銀もうける事は、誰もかれも上皮には好むように見ゆれど、真実心底には、世の人の嫌うものの故に、今日は来る人も少なかろうと思いの外、未明から仰山な群衆じゃ。よくよく世間には遊山事もないのかして、いやな事にもおびただしく御出でじゃ。世の中は貧乏と困窮を望む者多くして、富貴出世を好むものは至りてすくなき故に、隣家の毒薬カネノウナルを日ましに買う人多く、我方の良薬カネモウカルは売れゆき次第ににぶきなりつつあるなり、朱にちかよれば赤うなる、墨にまじわればくろくなる、唯よき人に近よりてしたしくすれば、我は呑むとは思わねど、いつとはなしに良薬をしんどもせずくろうもなく、カネモウカルをのまされてしまう故に、立身出世をするものなり、又此うらにてあしき人に近より、あしき友を友とすれば、我も知らずいつとなくカネノウナルの毒薬をのまされて身を害する也、此道理を合点して、かの良薬を呑まんとおもう心切ならば、善き人に近よりしししみよき友のたすけを得たまうべし、是良薬の呑みやすき伝授でござる。お示しの段よくよく納得つかまつってござる。この上は善き人にしたしみ、その仁の徳をもって良薬を服用する所存。これは誠によき思い入れ、そのお覚悟で、カネモウカルを日夜服用するなれば、日ならずして立身出世は疑いなき所、貴殿のさきゆきは万々歳ときわまってござる。あとがき還暦を過ぎた頃から、つくづく思うことがあります。それは、出会った大勢の人々の中には、どこか魅力のある人間と、まったくつまらない奴がいる。それは、年がいけばいくほど顕著になる、ということです。言い換えれば、私の好きなタイプと、嫌いなタイプということの裏返しなのかもしれませんが、とにかく、会っていて、退屈な人物と、退屈しない人物がいることは事実です。特に、退屈するタイプには、優秀で立派であることをもって、最高に尊敬すべき人物であると信じて、自分がそうなりたくて、現実社会で滅茶苦茶に頑張っております。そして、つまらない奴になってしまっています。そうかと思うと、学校を中途退学して、何かの商売を始めて、大儲けした男がいます。また、絵描きになって、ずいぶんと有名になった者もいます。その反対に、一生懸命頑張って芸大には入ったが、卒業後まったく鳴かず飛ばずというのもいます。何も中途退学したから成功したというわけではないんですが、結果は、真面目一生懸命の方が負けてしまっています。ただ、ここで言えることが一つあります。それはこの場合、勝者となったのは、プラス思考でしまも性質が明るかった、ということなんです。そして、真面目で頑張り屋だった敗者は皆一様に暗く、気分が不平屋であったのです。部下に対して、取引先に対して、友人に対して、奥さんに対して、親類縁者に対して、勢い、皆に対して感謝の気持ちが皆無のようです。私が人生を見回すかぎり、敗者の最大の原因は、陰うつな不平屋であることでした。つまり、敗者は陰うつで不平屋なるが故に敗れる。そうです、重要なのはこの点にあります。すなわち、勝利は常に陽明なる者の上に輝いたのです。皆さん、どうも、人生における、成功不成功の原因は、才能とか努力の多寡にあるのではなく、一口に言って、それは「気分の在り方」にあるようです。それに気がついたのが、還暦も過ぎてからでした。まさに遅きに過ぎた感なきにしもあらずなのです。だが、なあにまだまだ遅くはない、それと気がついた今からでも、わが人生に立て直しにとりかかりましょうか！最近、古い雑誌を見ているうちに、ふと、岡本かの子（歌人・小説家）の言葉を見つけました。そこにはこう書いてありました。「人間はさとるのが目的ではないです。生きるのです。人間は動物ですから」いかにも、かの子らしい、人間のきれいごとを皮肉に見放したところのある一文であります。人間的な理想を求めつつも、もがきながら生きている、彼女の姿を見るようです。「さとり？そんな悠長なことを求めているヒマはない。なにしろ、私は生きるのに忙しくて、一生懸命なんですからね」そんなことを、彼女は言いたかったのでしょうか？ここを読んで、「人間は生きることと、考えることのはざまで、この両方を上手にあんばいしながら生きなければならないんだなあ」と思いました。では、そのあんばいは、どうすれば良いのでしょうか？「それは、何かの希望を持ち、かつ、それを失わないこと」です。すなわち、「人間生きるとは、何か希望を抱き続けることではあるまいか？」それがどんな希望であろうとも、その内容は問うところではない。またそれが叶う叶わざるも同じく問うところにあらず、必要なのは、その希望を抱き続けることに他ならないのです。このような思いは、私の心の中で、だんだんに増大し、やがてそれは確信に近いものに変化していきました。さて、こんな考え方をするようになったのも、私の年齢が老境に入り、櫛の歯を挽くごとく、古い知人が世を去っていくという幾つかの訃報に接したからなのです。こうして、昨今到達した私の結論は、次の一語となりました。「良く生きるとは、死の直前まで、希望を失わないことだ」こうして、現在、私の最も欲しているのは、「良い気分で生き続けること」これじゃあないかな、とそんな気がします。では、そんな気分とはどんな気分なのでしょうか？それはどういうこともない、「ラクで楽しく生きること」と、この言葉に集約されているような気がするのです。すなわち、「坊主のさとりも、賢人の教えも、そんなことは、もうどうでもいい。わが残りの人生は、でき得れば、ただラクで楽しく生きたいな」と思うようになったのであります。私はこれからの人生を、すべてこれにのっとって生きていくつもりです。こうすることによって、悔いのない残りの人生が得られるかどうかはわかりません。でも、少なくとも、今がラクなことが私にはベストなんです。何にせよ、苦労でつらい人生は敬して遠ざけたいもんですな。そして、ナウ・アンド・ヒアを楽しく生きたいんです。最近つくづく思うのは、「楽は苦の種、苦は楽の種」という諺です。こりゃ嘘です。これはこう換えるべきだと思います。「楽は楽の種、苦は苦の種」だってそうじゃありませんか。ハッピー・タイムに感謝してこそ、ハッピー・ライフが生まれるんじゃありませんか。とにかく人生、プラス思考で切り抜けなきゃなりませんぞ！つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月23日

• 人蕩し術（１０）

  人蕩し術（１０）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成人蕩し術奥儀人生の遊行者たれ愛心の発露無限的資質とは、あえてことばにして言うならば、それは「愛」です。人が自分に対し、無礼な言動に及んだ時、「ああ、この人は自己重要感を自分で充足できずに苦しんでいる人なんだなあ」というように同情の念さえ覚え、その相手を許すだけでなく、かえって慰めてあげようとするその心は、要するに「愛心の発動」であります。いつもお釈迦様では周りが窒息する人間はどこか阿呆なところがある方がいい。人間は悪い心と良い心の両方持ち合わせている。両方の心を満たして人間生活ができるので、良い面だけでは息がとまってしまう。最高の魅力「最高の魅力ある人」とは、人間界にあってなお、空を行く雲のごとくこだわりのない人があったなら、この「空」を体得しえた人ではあるまいか？と私は思うのです。気負いもなく、淡々と自らの生を楽しみ、人々を明るくし、人生をあたかも一場の芝居のように、またゲームのように遊びながら生きている人。このような「遊行者」に、私は心からあこがれ、魅きつけられずにはいられないのです。この人生を即、修業の場と心得て、まず「与える」という実修から始めてみることです。そしてこの「与え」「他人を喜ばせる」技術に長じていくならば、いつの日かその人の意識に、突然、ポカーンと桶の底が抜けて、そこから青空を見上げたような「超絶体験」ともいえるべき変革が起きるのです。この時、この人は、あらゆる二元対立を超え、一如の世界を実感します。こうなれば、この人は市井の内にありながら、もはや神仙と化したような錯覚さえ人に感じさせましょう。雲の行くごとく、水の流れるごとく、ただただこの大自然、この大宇宙の一部と化してしまった人、その人を「最高の魅力を身につけた人」すなわち「仏陀」と私は呼びたいのであります。陽転思考こそ幸福への鍵一切を「遊戯三昧」にしてしまう、楽しい遊び心の現われであります。人生を、自分の人生をおもしろいものにしてしまう、これをもって「陽転思考」と申します。随処に主と作る陽転思考とは、この世の一切を肯定的に捉えようとする思考的努力のことです。すなわち、これを行える人物は、他人の自分に求める利益性を見抜く鋭い目を持ちながら、しかも相手の善意に心から感謝しつつ、その親切を受け取れる人間です。このタイプの人は常に魅力的です。彼は冷徹な分別心を持つ故に、情勢判断を誤ることがありません。しかも、その態度を外面に現さず、温かいほほえみをもって、相手に接します。このような人物は、基本的心構えとして、常に否定的な考えを肯定的に変えようと努めている人であり、こういう人を称して、私は「陽転思考」の人と呼びたいのであります。悟りとはさほど難しものでなし要は陽気になることと知れこのように自分をコントロールするためには、まず、仏教で古来からいわれてきた「解脱心」というものを、ぜひとも取得しなければいけません。この解脱というものは、そう難しく考える必要はないのです。それは要するに、「緊張なき反省」といったようなもので、時には「内観」とも呼ばれる行によって得られる一種の心理状態なのです。すなわち、瞑想ポーズに入り、全身がリラックスしたら、自分の日頃の言動を、他人ごとのように、ボーッとした心境で思い返すことなのです。「自分を他人ごと」として見る。このように心の内に自分の言動を見ることを「観ずる」といいます。この観を行じている瞬間こそ、あなたの心が自分を解脱して、自分を含めた一切の事物を観じている瞬間なのです。人蕩の極意は正にこの解脱の状態の内において体得、自得できるものです。かくて、自己を支配することは、すべてを支配することへと通じて行きます。つまり、それは一切を自在に観ることから始まるのです。これがすなわち、般若心経でいうところの観自在菩薩の姿なのであります。この境地に至れば、あなたは禅家でいうところの「随処に主と作る」の心境を得たことになりましょう。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月21日

• 人蕩し術（９）！

  人蕩し術（９）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成遊戯三昧の心境（好奇心）好奇心を失うな好奇心が強いとは人生は精一杯生きるようにできている。だから好奇心をいつでも生き生きとさせておかなければならない。どんな理由があるにせよ、けっして人生に背を向けてはならない。好奇心の強い人は、自然に知識も豊かになり、また特異な事柄に興味を示す人は特に珍しい、あまり人の知らないことを知っているものです。そしてその珍しい話題は、他の人を魅了することが多いものです。すなわち、他人の好奇心を充足させることができる人ですから、それは「与」の人であり、当然、魅力のある人物ということになります。相手が「好奇心」を起こしている場合において、それを「与える」のが最善であり、これによって、あなたの魅力は倍増するのです。秘密は好奇心に相対するその情報がまだ相手方にあるうちは、こちらの好奇心にとっては、まだ謎であり、またそれは相手方の「秘密」、魅せられたる状態です。つまり、好奇心と秘密は相対した敵対関係にあるといえるのです。「秘密のある人には、魅力があります」何か奥底の知れない人には、人の興味を引く雰囲気があるものです。これに反して、あけすけな人は、好人物であるかもしれませんが、あまり魅力的とはいえません。「与えぬ」とは与えること知られていない部分が多くなれば、あなたに対する相手の好奇心も増大し、そしてそれは魅力の増大でもあります。性欲、好奇心では、相手の欲するものを与えないことによって、逆に、性欲そのものを、そして好奇心そのものを与えるのであります。つまり、「魅は与によって生じ、求によって滅す」の原則はくずれていないのであります。秘するとは惜しむことであるある部分は露出させ、露出してない部分を相手に想像させるところに魅力は発揮されるのです。男性の好奇心は、この見えない部分に向かって、発生します。結論としていうならば、好奇心に対しては「まず与え、そして惜しむ」のであります。しかし、この惜しむは、あまり作為がみえみえであっても駄目です。ごくさりげなく、自然であらねばなりません。この好奇心における衝動をかきたて、自分に対する幻想を描かせることこそ、人蕩し術の極意なのであります。一枚むけるごとに、何が出てくるのかと、わくわくしながら、それを見つめる喜び、そのサスペンス、一つずつ秘密があらわになっていく、これが観客の心を魅きつけて止まない秘訣である、というのでしょう。秘密の種類について能力、才能、特別な技術に秀でている人で、しかも自己重要感がよく充足されている人は、それを他人に喋って自己重要感を高めようという必要性を覚えません。ですから、自然にそれを秘することになります。これに反して、心に劣等感のある人は、すぐに自分の才能について吹聴したがるもので、昔から世人はこれを、「自慢高慢バカの内」などといっております。未知なることは知るすべはない、と割り切っている人は、大きなゆとりを感じさせます。この反対に、未来を恐れ、預言者や占いなどに盲信的にすがっている人は、心の中の器が狭く、恐怖という秘密を解消し得ないでいるのです。善行を積み、それを秘することは大変重要です。なぜなら、それを他人に語れば、それは自慢となってしまい、自分で自分を尊敬することができなくなってしまうからです。秘密空間が持つ意味あらゆる幻想にまどわされることなく、またあらゆる秘密という幻想の空間を一杯に蔵していても、いささかもその空間に狭さを生ずることなく、悠々と生きている人は、いわくいいがたい魅力に満ちているのであります。そして、この秘密空間の広さこそ、一般的にいう「器量」とか「度量」の広さを意味しているのです。一人立つことを強く望みながらも、何かに寄りかかりたくなっています。バイブルも論語も経もマルクスもヨガも座禅もみな松葉杖三日坊主を恐れるな何にでも興味を持ち、何でも試してみる。広く浅く、水平的に知識の対象を探っていってみる、ということは、自分の生命力をかきたてるためには、とてもよい生き方なのです。好奇心をいつまでも失わない習慣的態度は、常に若々しく、たとえ年をとっても、魅力を失わない人間をつくります。「ごく気軽にやってみる」「あきたらやめる」「おもしろかったら続ける」とこれくらいの態度で、人生そのものをゲームのように、楽しく遊ぶつもりで生きることができれば、それでよろしいのではないでしょうか？禅の方では、これを「遊戯三昧」と申します。未来をイメージせよ好奇心はイメージを生む心は未来をえがき出すある事柄に、ふと心がとまり、それを心の中に捕らえ、そのイメージ化が始まる。これが好奇心の出発です。それは細かい部分が次々と明らかにされ、形状化への補足が始まります。そして、心像というものが、より完全か形をおびてくるのです。つまり、それは熟成です。熟成が終われば、アラヤ識は、その人の人生の上にそれを実現化させてくるのです。「好奇心から生み出されたイメージは、新しい人生体験を生産する」ということは、好奇心が積極的・活動的な心の働きであることがわかります。では、このイメージをどのようにしたら、効率よく実現化へ向かわせることができるのかというと、それは古来から世界の各地で行われてきた「瞑想」あるいは「祈り」という方法によって、それが可能になるのです。心の働き心のカンバスに、より良い画像を描き出す最も良い方法は、瞑想を用いる方法だと思います。瞑と想は反対の意味上の「瞑」は、暗く静かになっていくことで、つまりは無へと近づくことです。下の「想」とは、文字どおり思い描くことであり、想像すなわち像を創りだすこと、つまりは有を生み出すことです。消す役目と書く役目「瞑」は消す役目、「想」は書く役目。だから、「瞑」で苦しみを消し去り、「想」で喜びを描き出せばよいのです。因と果の間に、アラヤ識が介在しております。そして、果と因と同類のものとして出現するのです。すなわち、バラ色の種からはバラ色の世界が灰色の種からは灰色の世界が種は因、世界は果因の縁は絶えず生起し、そして、因果は輪になって廻っております。内にかくあるごとく与えるものと与え返されるものは、同じ種類のものなのです。すなわち、喜びを与えれば喜びが、憎しみを与えれば憎しみが与え返されるのです。代理想像が必要相対している人間が、今、自分をどんなふうに感じ、考えているだろうか？ということを相手の立場に自分の身を置き換えて想像してみることです。多くの人はこの代理想像をするなどということに、気がつきもしないのです。そして、相手が言っている内容をすべて鵜呑みにします。そして信じます。相手が、「この手形の裏書をしてください。決してあなたを裏切ることはしません」と言うと、相手の困っている事情など想像せずに、その手形に裏書してしまうのです。こうして悲劇が発生することが、この世の中には随分とあります。人蕩しが効かなくなる時順風満帆すべてがうまくいっており、人々が彼を羨んでいた時に、じりじりゆっくりと、あるいは、突然にそれは発生します。その理由は彼のうまくいっていた自分の人生に対する甘えであり、また、奢りでもあります。あなたは彼らに対してわがままになってきました。それは、世間に対して、あなたの心の中に「甘え」の気分が生じてきたからなのです。これぐらいのことなら、彼らは、あるいは世間は、受け入れてくれる筈だ、と考えて、あなたは無理を通します。すると、そのたびに世間、あるいは彼らは、がっかりします。彼らは、あなたに対して冷淡であり無礼であることさえあります。しかしそれは、かつてあなたが無関心のうちに彼らに与えたものと同じであるかもしれないのです。すなわち、与えたものは与え返されるのです。これは結局、あなたの世間に対する甘えが高じたが故に、人蕩しが効かなくなったというわけなのです。「人蕩し術」まとめ「人蕩し術」の要諦１　魅力とは、他人を自分に引き寄せる力である。２　「魅は与によって生じ、求によって滅す」その魅力とは、他人に何かを与えれば生じ、他人に何かを求めれば消えるものなのである。３　その何かとは五つあり、そのうち、物質的なものは一つだけで、他の四つは無形のものである。４　四つの無形のものを与える機会は、会話という手段における場合が最も多い。５　お金や物などは、四つの無形のものを他人に与えれば、その代償として他人からそれが自分に支払われる６　私たちは、これらの五大本能的衝動についてよく知り、自分のこの本能的衝動を自ら充足し、そして、他人のそれも充足してあげるならば、だれでも、素晴らしい魅力を自分の身につけることができる。そして五大本能的衝動とは、次のとおりです。１　生存本能２　群居衝動３　自己重要感４　性欲５　好奇心ギブ・アンド・テイクで成り立つ世の中すべての生物は「内に何かを取り入れ、外へ何かを出しつつある」という事実です。すなわち、人は他人から何かを欲するとき、その人に何かを支払わねばならないということです。例えば、ケチな人は友情を得られませんし、相手の劣等感を逆なでするような言動をする人は、相手から嫌われて当然です。要するに「やらずぶったくり」はどこの世界での嫌われるのです。ところが、世の多くの人の誤解がここにあります。というのは、人々は「得を求め、損を少なくする」ことが自分の行うべき生活行為だと錯覚しているのです。これは根本的かつ決定的な間違いです。われわれは人に何かを与えなければ、けっして快く相手から何かを得ることはできないのです。自慢とは「他人に助けを求めている」ということです。すなわち、聞いてもらうという助力を必要としているわけです。この求めに支払いなしでやったらどうなるでしょうか。「魅は求によって滅す」すなわち、この人は自分に対する嫌悪感を他人の上に発生させていることになります。すなわち、なにごとも「やらずぶったくり」こそ、自分の魅力を失わせる最大の原因となるのです。収穫は後からやってくる「人生貸越説」という言葉があります。他人の五大本能のいずれかを充足してあげることは「与える」ことであり、これに即効的な報いを求めず、世間に対して与え続けているならば、それは宇宙銀行に定期預金をしているようなものだ、と私は考えます。この定期預金が満期になったとき、富や身分、地位、また友情や健康、そしてあらゆる成功が手に入ってくるのです。それは、たっぷりと利息がついてのち、どっと支払われてくるのです。徳とは魅力ある人のことです。そして、この魅力とはまさに「ギヴ」をよく行い続けた人に生じてくるものなのです。まず自分は豊かになることが大切ここで理解されるのは、物質的にも精神的にも、まず自分が富んでいなければ、他人に何かを与えることは至難の技であるということです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月21日

• 人蕩し術（８）

  人蕩し術（８）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成陽気さこそ成功の源泉性欲衝動について　その二の２寛容さを心内に創造する敵を許すということは、自分の心を縛っている憎しみという否定的な感情から、自分が解放されて、自由な心境を得るということに他なりません。空の哲学私たちが、五感的知覚を通して知る存在の一切は、そもそも私たちが考えているような形や色として実在しているものではない。したがって、私たちが実在していると信じている世界について、これが正しい、とかあれが間違っている、とか断定したり主張したりすること自身さえ、錯覚の中において行われているに過ぎないものであり、この理を知り、一切の是非善悪を超越し得た人を、「悟った人」と呼ぶのです。情欲の表現「情欲は、むき出しの形で表現すべきではない」、これは直接的な求愛法であり過ぎ、この求愛の「求」がすなわち、この書で説く「魅は求によって滅す」の箇条に適合してしまうからであります。性エネルギーをいったん空ずるとは、性欲以外の他の４つの本能的衝動へと、その力を振り替えてみるということです。そして、自分のその４つのいずれかを十分に充足します。こうして、自分のそれが満ち足りたら、今度は、それを女性に対してサービスするのです。つまり「与」です。それは、あるいはお金であり、あるいはお世辞であり、あるいは興味ある会話であるかも知れません。いずれにしろ、彼女の本能的衝動のいずれかがあなたによって充足されるならば、彼女はその代償として、あなたの性的欲望に対して何らかのお礼を支払うことになります。西洋に、「あなた自身を豊かにせよ」という格言がありますが、この豊かというのは、物質的にも精神的にもの意味であり、そして、豊かになったものを人に与えて、あなたの欲するものを手に入れようとするのは、いわば売買の法則、商取引にも似たようなものなのです。「無料では、ものは買えない」のです。そして、支払いなしに何かを求めようとする人間こそ、最も魅力のない人間、つまり、嫌われるタイプとなるのであります。生気が内外から満ちる陽気さこそすべての源泉人々の重要感を高めてあげてやり、その代償としてお金、すなわち富を受け取る、というのも「支払いをして、欲するものを買った」ということになるのです。そして、この点こそ、世の中のほとんどの人が気づいていない、いわば盲点なのです。しかし、繰り返しますが、与えるためには、まず自分が豊かでなければ、それはできない相談です。私たちの周囲を見まわしても、物質的な意味において成功した人々のほとんどは、この陽気さが身についていることに気づきます。しかしこの陽気さも、自らを自らがコントロールし、自分にそれを動機づけることによって、初めて得られてくるものであることに、私たちは深い注意を払わなくてはなりません。陽気さを身につける法１　笑顔２　挨拶３　話しかけあたりさわりのない話題で、会話の糸口がほぐれるように、こちらから話しかけるのです。しかし、ここで厳にいましめなければならぬことは、「調子ににのって話し過ぎないこと」です。相手の話に聞き入るという行為によって、相手の意見を尊重し、ひいては、相手の自己重要感を高めることになるからです。愛の言葉仏教では「布施に七施あり」と言いますが、そのうちの一つ、「愛語施」は、早く言えばお世辞です。最初は歯の浮くようなお世辞からでもいいんです。見え透いたお世辞から練習を始めましょう。であるがごとく「であるがごとくふるまい」「であるがごとく語り」「であるがごとく思う」ということにつきます。この場合の「であるがごとく」というのは「良いこと」「利益あること」「幸せなこと」「成功すること」などの、すべてのプラスであることを身をもって表現することです。人は「心の平和」を得たとき、はじめてそこに陽気の発動を抑えるに至る、ということなのです。そして、この「心の平和」とは「人間の衝動的感情の沈黙した状態」をいうのだ、ということになのです。気づかざる求話すというのは「自己表現」の機会であり、そして、その行為を通じて私たちは自己重要感の充足をはかろうとするのです。しかしこれを常に、そして直接的に、他人に対し求め続けると、相手の群居衝動をスポイルすることになります。「欲望は求をもって外に露すことなく、願をもって内に温むべし」結局のところは、求というも願というも、自分の本能的衝動の充足をはかる点においては変わりありません。しかし、願の方法には、無理やりという感じがないのです。坂道を登るに都合よろしき下駄坂道を降るに都合よろいくない下駄こちらの都合、あちらの都合「人の都合のことは考えず、自分の都合に他人を合わせよう」と常に望んでいる人がかなり多いということです。これは本書でいうところの「求」のあり方の最も強烈なるものです。すなわち、これらの人々は、気づかずして、人に対して常に「求」を行っているのであります。相手の都合について考慮しないということは、相手を尊重していないことであり、また敬意も持っていないという証明になってしまいます。こうして、この人は他人の自己重要感を低下させ、同時に相手の群居衝動も傷つけてしまいます。そして周囲の人々はこの人をしだいに敬遠するようになるのです。これが、「魅力を失い」という行程の正体なのであります。性的魅力の根元その根元は「陽気」にこそあり、その陽気とはことばを代えていえば、「生気」です。そして、この生気が内から外に満ち溢れた時、性的魅力を発揮すべき条件は整ったのだ、ということができましょう。人間関係における魅力とは、ことばによって交わされる感情のパイプライン上に発現されるのが、そのほとんどであるといっても決して言いすぎではないのであります。性的魅力もその一つのケースであることに違いはありません。私たちは、他人に対し、友愛を与えて群居衝動を充足させ、相手を尊重して自己重要感を高めてやるなどの、他の４つの本能的衝動を満たしてやることに助力を「与える」ならば、そこに性的魅力も発揮されるという「与え返され」の自己充足現象も起こり得るのであります。ここで、デール・カーネギーの次のことばを載せておきましょう。「お世辞が上手に言えるようになるまでは、決して結婚してはならない。独身の間は、女性をほめようとほめまいと自由だが、いったん結婚したとなると、相手をほめることが必須条件となる。これは、自己の安全のためにも不可欠である。率直なものの言い方は禁物だ。結婚生活は、外交の場である」つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月21日

• 悩まない！

  悩まない　超「往生」論　ひろさちや　著２００７年１２月４日　小学館　発行「明るい老後」なんて幻想ですあるがままを受け入れればいいのですわが子が非行に走ったようなとき、突然会社をリストラされたとき、不測の事態に遭遇したとき、人間は誰だってショックを受け、呆然自失になります。問題はそのあとなんです。そのショックを受けたあと、「どうすればよいか・・・」とわたしたちに迷いが生じ、そして悩み始めるのです。わたしは、そのような現代日本人のために、どうすれば悩まずにおられるか、いえ、悩んでもいいのです。悩むときはしっかり悩めばいいと分かれば、じくじく悩まずにすみます。そのように悩みをあっさりと悩むことによって、悩まないでおられる秘訣を考えてみました。わたしたちに主体性を持った生き方を教えてくれるものが、本当の宗教です。その本当の宗教を日本人は持っていない。だから、悩むのです。じくじくと悩まざるを得ない。「いつまでも若いままでいたい」という価値観など捨ててしまいましょう「もう自分はこんなに長生きさせていただいたんだ。ありがたいなあ」と、感謝の心を持つということです。そうなってはじめて、本当の意味で人間らしい老い、理想の老いを自分のものにすることになるのです。そう考えたら、老後の心配をする必要なんて、本当はないのです。「生きる権利」なんて考えない「生かしていただいています」がいいのです他者を受け入れる基本となるのは、「人は生きているだけで、迷惑をかけ合う存在なのだ」と認識することです。そして、周りの人に感謝し、人の迷惑は「お互いさま」と受け入れる。人間はみな迷惑をかけ合いながら、許し、許されている存在なのですから。強者ばかりの社会より、弱者、敗者も混在する社会こそ、発展する余地が大きいのです人間は、弱い者も強い者もごちゃ混ぜになって、いっしょに生きていくからこそ、力強く、幅の広い社会を創造できるのです。均一化された社会は一見、効率的に見えるかもしれませんが、結局lは全体の弱体化を招き、いびつになっていくだけです。人の心を金で買うことなどできません。人間らしく心は売らないという決意を持ちましょう多くの人が、お金を親の敵のように探して求めまわり、血眼になっています。お金を手に入れるために、良心も他人を思いやる心を平気で捨ててしまっています。それは自分のお金で売っていることにほかなりません。年寄りは人生の先輩として、「人の心は金で買える」などという発言を非難する前に、「自分は心を売らないぞ」という決意を新たにすべきだと思います。敵を味方にするより、味方を減らさない生き方を見つけましょうよ現実には、われわれは味方に対しても、いや味方に対してこそ、欠点を受け入れず、相手を変えようとしてしまう。年をとればとるほど味方の数は減っていくのに、自らさらに減らし、孤独だ、ひとりは寂しいと言う。矛盾していますよね。せっかくの味方なんだから、ちょっとぐらい嫌なこともがまんして受け入れればいいのです。その味方の第一にいるのが家族です。家族に対して、もっとやさしくなりましょうよ。多少のミスや欠点には目をつぶりましょうよ。日本人の中にある縄文文明のやさしさを思い出しましょうわたしたちは、老人や病人、女性や子供にも平等に恵みを分配するという縄文文明のやさしさをどこかに忘れてきたのではないでしょうか。そのことを考え、次代を築くべき子ども達に伝えていくことこそ、年寄りの大きな役割なのかもしれません。恐れから生まれる信仰心なんて最初からなくてもいいのです祟りがあると思っているから鎮めなければならない。供養しなければ祟りがあると思うから、祟りに怯える。それは自らが作る強迫観念にすぎません。そんなものに囚われて毎日心を悩ませるよりも、仏様を信じてすべてをお任せするほうが、どれだけ心穏やかに暮らせるでしょうか。あなたは癒しを求めていませんか。癒しを求めるのは卑しいことですわたしたちは「老・病・死」の苦悩の中で生きていくしかないのです。それを癒そうとしても苦しみがさらに大きくなるだけです。孤独をしっかり生きる覚悟をし、苦しみをじっくり味わうことが、わたしたちにとって、真に「生きる」ということなのです。明日の心配なんてしないでおきましょうよ。つまり、希望なんて持つなということですわたしたちは今、あるがままの状態を受け入れるしかない。明日のことなんて心配したって、仕方がないのです。あなたは人生を人のせいにしていませんか。自分で責任を取りましょうよ自分の責任をすべて棚上げにして、すべてを世の中のせいにしてしまうのは、いかにも卑怯なことでしょう。まず自分の人生を振り返って懺悔する。もう一度、その意味を考えてみたいものですね。自分が愛おしいからこそ、他人を傷つけてはならないのです自分がいちばん愛しい・・・それはエゴイズムかもしれません。しかし、まず今ある自分を愛することができない人に、人を愛し、よりよい社会を築くことなどできるはずもないのです。アマチュアとして生きましょうよ。「生き方上手」になる必要なんかないじゃないですかヨーロッパの貴族社会において、職業人とは「お金で自分を売り渡している者だ」という発想があり、ある意味では軽蔑されていたのです。わたしたち人間が生きていくうえで、「生き方のプロ」「老い方のプロ」なんて存在しません。一人ひとりが、それぞれに自分の老いを見つめていくしかないのです。一人ひとりがアマチュアリズムに立脚して、下手に生きればいいのです。あなたの祈りは「請求書の祈り」になっていませんか？「領収書の祈り」をしてみましょうよ欲が深ければ深いほど、マイナスも大きくなって立ちはだかります。年をとったら、欲を捨てることです。「～して欲しい」という請求書の祈りをやめ、「生かしていただいて、ありがとうございます」という領収書の祈りを、感謝を込めてあげるべきです。そういうことがだんだんわかってくるのが、「老い」の本質と言えるのではないでしょうか。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月15日

• 人蕩し術（７）

  人蕩し術（７）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成陽気さこそ成功の源泉性欲衝動について　その二の１心の葛藤を乗り越えよう心が病んでいる状態人間の持つ五つの本能的衝動がうまく充足されていない状態を意味するものです。そして、その中でも最も多いケースが「自己重要感の飢渇状態」という心の病なのであります。えらそうにしている男性、弱い立場の人に対してきつい態度をとる男性、怒りっぽい男性、とこういうタイプは、実は内心に劣等感を抱いており、その苦しみから逃れようとして、外部に対し、そのような態度をとるのです。また、夫婦間における浮気によるトラブルには、その心の苦しみとは案外に、「自分のプライドが傷つけられた怒り」というものが主体となっていることが多いものです。これは、自己重要感が大きく引き下げられたことによって発生した苦痛なのです。浮気を破滅に導かない解消法心の緊張が取れれば、あなたの肉体の緊張も取り去られます。そうすると、あなたの病気は、あなたの体内に自然治癒力によって治ってくる。理由のいかんを問わず、敵のあなたにした仕打ちを許してしまうことは、あなたにとって利益があるのです。すなわち、あなたの心のしこりを取り去り、もって、あなたの肉体の痛みや苦しみを取り去っていまうという利益が。「事の固然」を知れ長い人生には、信じていた人に裏切られ、茫然自失という目にあうこともあるでしょう。そんな時には、この「事の固然」の一文をぜひお読みになることを、お勧めします。朝、市に行けば、大勢の人が集まり、大いに賑わっています。しかし、夜には、ほとんど人影がありません。この理由は、人が朝を好むとか、夜を嫌うためではありません。朝は求める品物があり、夜はそれがないからに過ぎません。それは当然の姿です。自然の成り行きです。つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年03月08日

• 人蕩し術（６）

  人蕩し術（６）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成人蕩しの要諦四性的魅力の根源性欲衝動について　その一誇りと余裕をもつ道楽して人間学を学んだ宗一郎酒があり、女がいる遊び場では、誰でも人間性がむきだしになりますが、本田はそこで若いころから人間を学んだというわけです。僕がある程度デザインができるのも、すべてそういった遊びというものをやったおかげだ。デザインというものは、人の心を買うものだから、道楽した人でないと人の心に触れることがむずかしいということになる。どうすれば、女にモテるかを花柳界で一生懸命研究した本田宗一郎は自然と人の心を買う術を学び、それを仕事にいかしたのでしょう。とくに酒席ではみずからピエロになって座を盛り上げ、色街で鍛えたその手の話術は抜群におもしろく、それを聞いた人はどんな人でも笑いころげ、一瞬でお互いの壁を取っ払っていっぺんに引きずりこんでしまう絶妙の才があったそうです。技術屋は人間の研究をすべし。人間を根底としない技術は意味をなさない。人間を理解しなければ、いい商品はつくれない。これらの考え方は本だの信念になって、その後、画期的な商品の開発となって実を結ぶことになるのです。性愛の中の友愛男は女に金を与えて、性欲を充足させようとし、女は男の性欲を充足させる代わりに、金を得ようとします。性的魅力には、ほとんどの場合、群居衝動の充足という問題がからんでいることになります。ナンバーワンの秘訣ナイトクラブのホステスで、売り上げのトップに立つ、つまいナンバーワンになるのは、奇妙なことに、その店で一番美しい女性であるとは限らないというのです。その秘密は、なんと、相手の話に聞き入るという一点にあるのだというのです。それも、真剣に興味を持って、相手の話に聞き入るのです。社会的地位の高い、年配の紳士も、心に悩みはあります。その心に鬱積したものは、カタルシスとなってはき出され、そのあと優しい同情の言葉をもって、その心はいやされるのです。ある時は自慢を、ある時はぐちを、これらの話題をめんめんと語り続けるのを、相手に対し、真に興味をもって聞いてあげるならば、相手の自己重要感は最高に高められ、そして同時にその群居衝動も充足されます。かくて、これらの紳士たちは、その代償として、何百万円もの売り上げを彼女にもたらすのです。そして、この時、女性の性的な優しさをもって、彼らに慰撫が施されているのも見逃せない事実です。こうして、悩める男性は、女性的な性的やさしさによって慰められ、彼らの生命力はよみがえるのであります。肯定暗示を用いることすでに何回も前述したとおり、他人の自己重要感を高めてやるためには、あらかじめ、自分の方の自己重要感が自力で充足されていなければなりません。ですから、前記のような、ホステスのナンバーワンになるためには、特に、人間的に優れた人物でなければできないことなのです。このような女性は、まことに数少なく、またその故に、平凡な容姿でありながら、驚異的な売り上げを得ることができるのでありましょう。自己肯定のやり方自己重要感の充足の仕方の秘訣は、次の一点にあるのです。すなわち、「自己肯定」です。自己肯定とは、自己否定の反対です。つまり、自分を高く評価することです。自己否定は自己卑下にまでつながります。自己卑下の感情があれば、その人は、その苦しみに堪えかねて、他人に対して攻撃的にならざるを得ないようになります。ここは、訂正暗示を自分に繰り返し与える必要があります。繰り返し言いますが、人は暗示の奴隷なのです。しかも、ここが大切なところですが、潜在意識は、その暗示がウソであるか真実であるかの選択をせずに受け入れてしまうのであります。ただし、くり返しますが、その暗示を与える行為は、あくまで自分のうちで、秘密裡に行われなければなりません。そのことは、決して忘れてはならない注意事項であります。プライド（自尊心）男に捨てられたといって泣きついてくる女たちは、一様にブスばかりだというのです。「捨てられた」というこの言葉の意味するところは多分に抽象的なものです。まず、それは「被害者意識」であるといえます。そして、この意識の根元は、自己の心の内に「プライド」が不足していることから発生しているのです。この件を最も単純に表現するならば、それは常に、「未練のある側が、捨てられたという被害者意識を持つに至るのだ」といえそうです。前記の捨てられたと言って泣きわめいた女性は、自分のブスであることに、潜在的な、そして決定的な劣等感を抱いていたのであり、その所業からは自尊の心、つまりプライドといった感覚はうかがい取ることはできないんであります。「捨てられた」といって泣きわめく姿に、人々はあまり同情の念を覚えず、むしろそこにある醜ささえ感じます。なぜならば、そこには、内に秘めた自尊の心が少しも見られないからです。「誇り」と「高慢」誇りを内に秘めた人は、一種の清涼感をもったいさぎよさ、美しさがあり、高慢を他人に示す人は、常に嫌みを発散させるのです。そして、しばしば内に誇りを持てない人は、外において高慢さを発揮し、それをもって、自己重要感を高めるための代償作用を行おうとするものです。人はもし、自尊の心を内に有していたならば、捨てられたなどという被害者意識を持つことは決してないでしょう。被害者意識は、他者依存心から出てきます。そこには、自立自尊の美しさはありません。誇りを内に持つ方法これは難しいことではありません。瞑想か自己催眠を用いて、一種の没我的な精神状態に入り、自分は優れた人間であるという暗示を、言葉にして、口の中で唱えるだけでよいのです。人間の潜在意識というものは、それが真実であるかどうかの判定をせず、繰り返された暗示は、それをそのまま本当として受け入れてしまうのです。マントラ私は山のように落ちついている。私の心は海のように広い。求めずして得ること相手を思いやるとは、大きくいえば「愛」の発露です。すなわち、これは「愛を与える」の意味に他なりません。そして、前にも述べましたとおり、人間の性愛には、どうしても、この意味の愛が伴わねば、相手の心を捕らえることができないのであります。とにかく、相手に何らかの本能的衝動を充足してあげるのです。すると、あたかも果実が熟して、自然に手の内に落ちてくるごとく、あなたはそれを得ることができるのであります。自己の欲望を燃え立たせよ長生きの秘訣一つは、スケベエが長生きするんですよ。中途半端はだめ。ああ、なんでも欲張りじゃなければ死んでしまう。人間は欲張りにできているんですよ。だから無法に欲張りがいい。欲張りが長生きの二つ目。三つ目は、なんでも恐れずに取っ組みあう勇気ですよ。ごく平凡にいえば敢闘精神。欲望の力しかし、そもそも何のために、人に何かを与えようとし、また、自分の魅力を増加させようとするのでしょうか？その答えは単純にして明快です。すなわち、結局は、自分が利益を得るための手段なのです。そして、その利益を得ようとする意識こそ人間の生命力の根元であり、それは「欲望」と呼ばれるものです。これはつまり、欲望が強ければ強いほど、その生命力は強まるという原理を示しております。１　スケベ２　欲張り３　敢闘精神長生きのための３つの秘訣は、それはそのまま、魅力を発揮するための原点なのです。自分に生命的活力があれば、その力は知らずして、他の人々に分け与えられていきます。何ごとも、生き生きとして華やかでなければ、人々はその周囲に引き寄せられません。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月06日

• 人蕩し術（５）

  人蕩し術（５）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成恐るべきアラヤ識の力群居衝動と自己重要感　その三アラヤ識とは何か？因果の法則を知れ「人間の現在ある姿とは、その人がかつて自分について考えていたことの具体化したものである」過去、幾多の賢人、哲人がこの意味の言葉を述べています。「人みなすべて、そお思いのごときものになる」と言っております。人生において成功者と失敗者の分かれ目は非常に単純であり、「成功者は常に成功について考えており、失敗者は常に失敗について考えていたのがその原因である」という分析を発表しております。これはすなわち、日常、心下意識に蓄えれた暗示の総量によって、その人の人生は決められていく、ということについて述べたものでありましょう。「アラヤ」というのは、古代のインド語で、「蓄えておく」という意味で、「識」は日本語の「意識」の意味です。つまり、アラヤ識とは「貯蔵している意識」ということになります。仏教では、このアラヤ識こそ、人間のみならず、万物を造り出した気本体である、といっているのです。人間の運命がよくなるのも、悪くなるのも、このアラヤ識に貯蔵された意識によるのだ、というのです。知覚されない意識「潜在意識」という言葉を、すでにご存じの方も多いことでしょう。そう、私たち人間の無意識の領域のことです。人間の、思考する意識の奥底にあり、本人にも知られることのない秘密の領域、いわば、人間のもうひとつの心である潜在意識、これは別名「真相意識」あるいは「無意識的意識」とも呼ばれています。人生における成功と失敗、幸福と不幸の分かれ目は、この潜在意識をうまく取り扱うｋとおができるかどうかにかかっている、というのです。なぜなら、人間が頭で何か考えると（思考）、その影響は潜在意識におよぼされる。次に、潜在意識は、その人の身体の調子、はては運命にまで影響を与えるのです。だから、その人の幸、不幸は、日常どんな考え方をしているかで決まってくるといえます。そして、それを媒介しているのが潜在意識であり、この３つは切っても切り離せない関係をもっています。私たちの人生の台本は、かつての記憶によって書かれ、すでにアラヤの中に組み込まれてしまっているということになります。強い情動を伴った思考いってみれば、その人の人生は、心の奥深く秘められたアラヤ識によってあやつられていることになります。アラヤに収録されるのは、「強い情動を伴った思考」に限られます。ただ考えただけでは、それは記憶にはなりません。アラヤに収録されるのは、そこに感情の動きが伴った時です。その時初めて、それは業種子となってアラヤの中に植えつけられるのです。アラヤ識の危険性アラヤ識は、人を幸福にする力を持っている反面、人を不運、不幸にする力も持っているのです。それは、まるでロボットのように正確に作動する。成功を指示すれば成功を生み出すし、気づかずに失敗を指示してしまえば、ひとりでに失敗を生じさせるのです。ロボットには、人間のような心がない。その機能は、忠実に、命令を命令どおりに実現することです。ところが困ったことに、私たち人間は、日常、マイナスとなる思考をしたり、否定的な話ばかり好んでするという場合が圧倒的に多い。周囲をよく観察すれば、すぐわかることですが、人間は、未来を憂えたり、病気や災難のことを話すのが大好きなのです。運命をよい方向へ向ける否定的な話題を遠ざけることツキのなさに伝染するのは会話によってです。陰気な話題は人を不幸にするバイキンに満ちています。このような話題や、その話題の主から遠ざかるのは、自分からツキを失わないための第一条件だと考えていいでしょう。ツキのある人と交わるべしツキのない人と交わっていると、自分からもツキが無くなってしまうように、その反対の現象もあるのです。すなわち、ツキのある人と交わっていると、ツキが自分の方へもやってくるのです。富が欲しかったら金持ちと、地位や名声がほしかったら、その道の成功者と、できるだけ接触する機会を持つことです。ツキのある人と相対した時、あなたは多弁であるべきではありません。あなたは、相手から成功の雰囲気を自分の身に浸透させるのが目的だから、できるだけ相手に語らせ、それを拝聴することです。彼はあなたに成功の雰囲気を与えます。そして、そのお礼として、あなたは彼に対し、敬意をささげるのです。これは、彼の自己重要感を高めることです。こうして両者の間には、「友好的」という好ましい気分が作り出されるでしょう。正義を主張しない「口に正義を唱え始めた瞬間から、その人の不幸が始まる」この場合の不幸とは、貧乏とか社会的疎外などの、いわゆる不遇と呼ばれる環境的なものであり、必ずしも、内部的つまり彼の精神的部分まで意味しているわけではありません。私が思うには、正しいことは、なるべく目立たないように、自ら行うべきもので、声高らかに他人に向かって主張すると、危険が身に及んでくると思うのです。それはなぜかというと、その相手の自己重要感を傷つけるからなのです。もし、あなたが魅力ある人になろうと思ったら、ぜひとも次の言葉を記憶する必要があります。それは、「人は自分の不正を指摘されることを好まない」ということです。正義は不言実行型が望ましく、間違っても有言不実行型になってはいけません。また、言うことも言うが、やることもちゃんとやっているという有言実行型もあまり好ましくないのです。なぜなら、この場合の有言は、「相手を正そうとしている」からなのです。とにかく直接説得では、人は動かないものです。そして、福徳円満な人はそのことをよく知っています。そのゆえに、相手を、また世の中を直接的に矯正しようとはしません。むしろ、そういう相手に対しては、まずあきらめてかかるのです。これは換言すれば、まず相手を、あるがままに受け入れる、ということです。といって、そのまますべてをあきらめてしまうわけではなく、その後ずっと、相手の変容を期待し続けるのです。ただし、その期待は、いつも表層意識上において思い続けるということではありません。潜在意識の中にインプットして、それを暖めておく、ということです。そしてときおり、そのインプットを繰り返すのです。すなわち、それはアラヤ識とともに暮らすということに他なりません。現在の思念こそ鍵考えようによっては、私たち人間は、過去の暗示の蓄積によってのみ、自分の運命は形づくられるものだともいえましょう。「現在における思念をよく整える」１　過去の失敗体験を忘れ、成功体験を思い返しては喜ぶ２　未来に対しても失敗を想像せず、成功を想像しては喜ぶ幸福の実態幸福は感覚の問題であって、実態として存在するものではないということです。いずれにしても、人間の魅力とは「幸福感の中にある人」に、より多く存在します。これは明白な事実です。不幸感の中にある人が他人を魅きつけることはあっても、それは同情という感情のもとに行われることに過ぎません。人生を明るく楽しく生きている人は、いわば太陽のようなものです。人々は多く「陽のあたる場所」を求めます。ですから、人蕩しの術の秘訣は、まず「陽気」になるということを、ぜひとも心得ねばなりません。自らを愛せ自慢高慢バカの内自慢とは常に単純な自己礼讃で行われるとは限らず、時には、自己否定という偽装のもとに語られるので、聞き手は何となくわからないながらも、自己重要感が押し下げれたことを感じ取り、興ざめた感情を覚えます。劣等感の苦しみ自己重要感とは、原初的な人間欲求そのものであり、その本能的衝動を否定することは、自然の力そのものを否定することであり、それは「生きる意欲そのものを奪いかねない」からです。自己を愛せこれこそ、「愛」の秘訣です。何にもまして、あなたは、あなた自身を愛さなくてはならないのです。そのあなた自身の肉体に対し、あなたが感謝をささげ、それを慈しみ、それを愛することは、全く当然のことではないですか。愛とは与えること他人の悩みを除き喜びをはかること自分のために働け究極においては、自分のために働くのである。人はだれでも自分の生活をエンジョイしたい。自由になりたいということで仕事に精を出すものだ。動と反動の法則人間はとかく、目に見えるもののみ信じ、目に見えないことを軽視しがちです。ですから、信用とか、愛情とかの重要性も、ともすれば忘れてしまうのです。何回もの仕事上の好機を逃した人、何人もの恋人に去られた人、これらの人々の多くは「不完全な利己主義者」であったのです。現在も将来も、自分に利益あるよう深いおもんばかりをする人こそ、真の意味での「利己主義者」です。これこそ、己の人生を愛し、尊ぶ者の考え方です。そして、この深いおもんばかりとは、具体的にいえば、「相手を尊重する」の一語に尽きます。小さな約束を守り、いつも笑顔で人に接し、ぐちを語らず、他人を非難せず、時間を守り、失意の人を勇気づけ、愛語をもって人を喜ばせ、あなたへの中傷は笑って許す、とこのような行動や態度がそれです。内に愛がよく充満する時、外にもその愛が広く及ぼされるのです。自分の心を高める自己暗示の言葉として、最高のものは、釈迦の言った次のことばでしょう。「天上天下唯我独尊」（宇宙森羅万象の中で、自分ぐらい尊いものはない）要は、これらの呪文を唱えることによって、相手の言葉によって生じたダメージを振り払うのです。そして、自らの心を慰めるのであります。自分の内に住む、この自己重要感を、会話と言う形式で他人の助力を求めることなく高めるこの第三の方法は、予想以上に効果的なものです。もし実際にこの方法を試されるならば、あなたはその力にびっくりされることでありましょう。かくて群居衝動も充足されるこのようにして、あなたは自分を愛し、自分を尊重し、自分を高めて考えるならば、あなたのうちには余裕が生じます。そして、その余裕は、他の人々を愛し、尊重し、彼らの自己重要感を高めてあげる力となっていきます。彼らは一様にあなたに魅きつけられます。なぜなら、彼らはあなたに会い、話を交わすことによって、自己重要感が高められ、心からなる幸福感を味わうことができるからです。こうして、あなたとあなたを取り巻く人々とは、ともに群居衝動が満足されます。これこそが、最高の「魅力の秘密」なのです！自他の自己重要感を高め、もって、共に群居衝動を充足させる。これこそが、自分に魅力をつける最も効果的な方法なのであります。このようにして、群居衝動と自己重要感は切っても切れない相互扶助関係にあるのです。人間は生きている限り、他人とのかかわり合いから逃れることはできないのです。それは、本能的衝動の一つとして、群居衝動を有しているからです。これは厳然とした真実であり、それは宇宙の真理でさえあります。生きている限り、私たちは他の人たちと仲よくして生きなければならないのです。つまり、愛し合わなければ、そこに幸福なる状態は生じないのです。ですから、あなたに魅力があるということは、人々とあなたの間に愛の交流があるということになります。このように考えれば、世界が平和でより住みよい世界になるためには、一人ひとりが、魅力的な人間になろうと努力することであるといっても差しつかえないのではないでしょうか？つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月05日

• 人蕩し術（４）

  人蕩し術（４）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成自己重要感の高め方群居衝動と自己重要感　その二自己暗示をかけよ自らを救うために自分の魅力づくりには、まず、自己重要感を、自分の内で充足させてしまうことが第一に必要であることを、よくよく理解されたことと思います。これは、言い換えれば、他人の助力を期待することなく「自分は優れた人間である」「生きる価値のある人間である」という自己確認を得る、という所業なのです。劣等感の自己補償人間はみな他人と比較した時、自分に何か劣っているところを発見する。そして、その劣等を補償しようとして努力する。この努力する意欲こそ、人間の生きる原動力となるものである。劣等感による絶えざる緊張が続いた場合、人間はいったいどうなるでしょうか？その結果は悲惨です。他人も自分も悩ましながら、それが昂じていき、ついには、１　気がおかしくなる２　犯罪者になる３　自殺するといったことにさえなってしまうのであります。このように、自己重要感を充足させるということは、人生にとって最も重大な課題であることを、皆さんはよく理解されたことと思います。自己充足のやり方第一は、自己の才能を表現し、世間にそれを認めてもらうことです。芸術家は作品をもって、実業家は事業の成功をもって、サラリーマンは地位の昇進をもって、世間のよき評判を得ることです。第二は、他人のために役立つようなことをすることです。これは、例えば、ボランティア活動もこれに当たります。「自分は人のために役立っている」というこの思いこそ、自分の生きている存在理由に自己確認をとる最も有効な方法なのです。足の不自由な人の車椅子を押している奉仕者は、案外、逆に、生きるための助けをそこから得ているのかもしれません。ただし、これも、このボランティアについて、他人に語ったとき、その効力はうせてしまいがちです。それは、何回も指摘しましたとおり、「自慢」となった時、相手の自己重要感を低下させてしまうからなのです。劣等感に悩む人の一大特質は「自分のことばかり考えている」という点にあります。それはまた「自己被害意識」となって、大きな苦痛を自ら製造し、そして自ら苦しんでいる姿でもあります。ところで、この自分のことばかり考えているのを、少しばかり、他人を幸せにすることについて考える方へ振り向けてやったら、どうでしょうか？実にこの時、この人の頭脳は休息を得るのであります。自分のことばかり考え続けて疲労困ばいに達した頭脳は、その反対のことを考えることにより、その緊張からも解法されるのです。なぜならば、人間の頭脳は、一時に異なる２つの事柄を考えることができないからです。その一瞬に考え得るテーマは、常に一つに限られ、それがまた頭脳のメカニズムでもあります。ですから、私たちは、このメカニズムの制約性を逆に利用して、自分の頭脳の緊張を取り去り、休息することもできるのです。アドラーは、うつ病患者に向かって、どうすれば他人を喜ばせることができるか、毎日考えてみればよろしいと言ったといわれます。自分の隣人に興味が持てない人間は最も苦しい人生を歩まねばならず、他人をもひどく苦しめます。人間の犯す過ちはすべてこうした人々から生じます。人間として、ぜひ必要な資格、そして最も賞賛すべき資格は、共に楽しく働ける仲間であること、すべての人間の友人であること、そして恋愛においても結婚生活においても、真に助け合える伴侶であることです。第三の方法第一は、自分の弱点を補償するために、何らかの才能を磨き、それで世に問うこと、すなわち、自己表現欲を満たすこと。第二は、他人に喜びを与えるには、どうやったらよいか、常に考え、思いやること。第三は、「自己暗示」という方法です。まず呼吸を整え、肩の力を抜き、軽いトランス（没我状態）つまり、ボンヤリした感じになります。そして、心の中で、例えば、「私は優れた人間である」という言葉を、ゆっくりと呪文のように、３回以上唱えるのです。これは、いつどこで用いてもよろしいのですが、例えば、あなたの眼前にいるだれかが、自慢かけなしをもって、あなたの自己重要感を傷つけたならば、ただちにこの方法を行うのです。すると、自己重要感はたちまちのうちに充足され、もはや、相手からの刺激に対して何の反応も覚えなくなっているではありませんか！それどころか、余裕を得たあなたの心は、高い位置から相手を見おろし、その自慢やけなしが彼の苦しみの表現であることさえ理解できるようになっているのです。そして、次に、相手の苦しみを軽減してやろうと手を差し伸べてやることさえできるようになっているのです。この時疑いもなく、あなたは偉大なる人間的魅力を相手に対して発揮しつつあるのです。暗示には、信じられぬほど強大な力があります。心の弱い、ノイローゼ気味の人は、テレビや新聞から、しばらく遠ざかった方がよい場合さえあります。なにしろ、それらのニュースのほとんど９０パーセントは、人の心を憂鬱にし、怒りや不安を与える「否定的」なものなのですから・・・。否定と肯定暗示には「否定的」なものと「肯定的」なものとがあります。子供に向かって、何かが上手にできた時、「やあ、うまくやったね。君には才能があるねえ」とほめてやることを習慣としていると、その子供は段々とやる気になってきますが、「お前は何をやってもだめな子だなあ」と言い続けていると、本当に、その子はだめになっていってしまうという、これは教育心理学として今日では広く知られていることです。ところが、これは何も子供だけに限らないのです。私たち大人でも、世間の否定的な暗示にひっかかって、否定的な人間になってしまうことは非常に多いのです。何しろ、この世の中には「憂える人」が圧倒的に多いのです。人々は未来について心配し、警告し、暗い気分に自らもひたり、他人をも、その気分に引っ張り込もうとする所業が大好きなように見えます。これらの否定的な情報について、そのすべてを受け入れたならば、どんな神経の強靭な人でも、暗い気分に陥らざるを得ないでありましょう。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月04日

• 人蕩し術（３）

  人蕩し術（３）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成人蕩しの要諦二、三人々は自己重要感に飢えている（群居衝動と自己重要感　その一）相手の重要感を充足してあげる最高の人間的魅力とは？「四面楚歌」とは、他人を遇する時、その人を自分から追いやることばかりを繰り返していた自信家は、遂には、その追いやった人々によって滅ぼされる、といった教訓を含んでいるのであります。人生における成功の要諦は、魅力にあり、そして、その魅力を得る最大の秘訣は、自分にとって有用なる人物の自己重要感を充足させてやり、もって、彼の自分に対する群居行動をより強く喚起せしむるところにこそある。人の名前を覚える名人たち名を成し、功を遂げた人の共通点の一つに、人の名前を覚える名人であることがあげられます。故田中角栄元首相は、国会議員の名前はもちろん、主な官僚の名前、出身校、入賞年次まで正確にいえたそうです。非常に単純なことですが、私たちはエラい人に名前を呼んでもらうということだけでも感動するものです。それは名を呼ばれることで、群居行動と自己重要感が満たされるからです。人々は飢え渇いている幾人もの成功した経営者に会う機会を得ましたが、彼らに一様に共通するのは、「腰が低い」という点でした。彼らは相手の自己重要感を高めてやり、満足させ、その結果として莫大な報酬を受けているのです。私たちは、もし、自分の自己重要感をあらかじめうまく充足していなければ、決して、他人の自己重要感を充足することに手を貸してやれないでしょう。なぜならば、自分のほうのそれを充足するために、他人の助力を必要とするからです。その助力とは、相手に対し、尊大になったり、また自慢したりして、自分の優位を自他ともにおいて確認しようとする行為であります。そして、このような助力を他人に請うことこそ、自分から魅力を失わせる最も効果的な方法であることに、ほとんどの人は気づいていないのです。プライドの高い者のプライドを高める「議論に勝って説得に成功したためしはない」という格言が西洋にはあります。それは相手の自己重要感を議論に勝つことによって、したたかに低下させてしまったことによります。すなわち、傷ついた相手は、理論が正しかろうと間違っていようと、そんなことは問題ではなくて、要するに不快なのであり、そして、その不快を与えてくれた相手を嫌い、避け、そして無論そんな説得には同意しないのであります。多くの人の錯覚は、他人の自己重要感を押し下げることによって、自分の自己重要感が逆に押し上げられるように感じていることです。人間にとって、プライドつまり自尊心は必要ですし、これが無いと人に馬鹿にされまる。しかし、このプライドが高すぎる者は心が傷つきがちなのです。より多くの自分に対する援助者を得ようとするならば、人におカネを与えるよりも、その人のプライドを高めてやる方がずっと効果的だし、しかも、この方がおカネもかからないのです。競争相手は少ない世の中じゅうの人々は、自分の自己重要感を充足できないまま、飢え渇いているのですから・・・。ごく一握りの成功者とは、まず自力をもって自己重要感を充足し、ついで、他人の自己重要感を満たしてあげることに惜しみなく力を与えた人たちなのです。この世の人生競争の場において、「人の自己重要感を満たしてやること」の競争率は恐ろしく低いのです。なぜなら、９９％の人々は、自分の自己重要感の充足がうまくできないまま、飢え渇いており、その身を焼くほどにもだえている最中において、とても、他人の自己重要感を満たしてあげるだけの余裕はないからです。ですから、もしあなたが、自分の自己重要感を自分の手で充足することができたら、あなたの魅力は一気に増加し、そしてさらに、他人の自己重要感を高めるｋとおに手を貸してやれるならば、たとえ、あなたにさしたる才能や能力がなくても、この世における物質的成功はもう約束されたも同然となってくるのであります。自己の内に重要感を充実せよ自画自賛のすすめ最高の方法は、「自分の内において、自画自賛を行うこと」にあるのです。すなわち、自分を自分でほめ、得意になり、うぬぼれるのであります。しかし、自分のプライドを表現することは、しばしば他人の不快感を買うことも多いのです。この故に、自分のプライドの表現をできるだけさし控えておいた方が安全なのです。いや、と言うよりむしろ、自分のプライドには無関心であるように振る舞った方が無難であると言えましょう。しかし、人間は自分のプライドを表現したい欲望を持っていることｍの事実です。つまりそれは、自己重要感を発揮したがる本能的衝動の現れであると言ってよいでしょう。自分の自慢話は当然聞き手に不快感を与えます。だから、自分のプライドを高めたいという衝動はできるだけ抑えておいたほうが安全なのです。それが自分の身を守る保身の秘訣です。まあ、人との付き合いは、よく言われるように「塩梅」を見てというものでしょう。保身も過ぎれば暗くなりすぎるし、自分のプライドを高め過ぎると、人の不快感をかうのです。他人の助力を請う人々すべての人の心の中には、優越心と劣等感が同居しております。この２者は、共に人間にとって必要なものであり、それ自身、どちらが良いとも悪いともいえません。自信も過ぎれば文字どおり自己過信になりますし、謙虚も過ぎれば自己卑下となります。要は、この優越感と劣等感のバランスが、その人なり、その人の資質に応じて、うまくとれているかどうかなのです。対人関係において、相手の群居衝動を傷つけ、自分に対して不快感を募らせる最大の元凶は、自分の内部に巣くう劣等感であり、そして、その感情の苦しみに耐えかねて、他人にその苦しみをもろにぶつける態度であります。例えば、役所などの職場で行われる会議の席上で、先輩格の職員の中に、必ずといってもよいほど、いつも議事の進行を妨げる人が時折おります。これなども、日常、内心の劣等意識に悩む人が、自己顕示の機会を、そこに求めることから生ずる行為なのです。彼の目的は、要するに「他人の言動にケチをつける」ところのあります。そして、無意識のうちに、自己の優位性を、そこに表現しようとするのです。また学歴を誇り、家柄を誇る人がおります。これなどは最も単純な手口で、自分の才能の貧困さ（と当人が感じている）をカバーするための自己表現法といえましょう。他人をけなすか、あるいは自慢をしている人々は、常に心の中に消しがたい自己劣等の意識を抱いているのです。そして、この悩みを消すために、他人の助力を請うのです。すなわち、けなしも自慢も他人との会話の助けなしには行えないからです。一時的には、この人たちの努力は功を奏します。しかし、それはほんの少しの間で、たちまちのうちに、その優越の快感は崩れ去ります。結果として、人々はこのような症状のタイプの人から離れていきます。なぜなら、この離れていく人々の心、つまり、その自己重要感は傷つけられたからです。こうして、この人は他人に対して、「魅力を失っていく」のであります。そして、この人は「淋しさ」を常に味わうことになります。これはすなわち、この人の群居衝動が深く傷つけられたことを示すものです。このようにして、私たちは非常にきわどい自己コントロール状態において、自分の生活および生命をかろうじて保持し得ている状態なのであります。つながっているすべての人にありがとうございます！ 

  2009年03月03日

• 人蕩し術（２）

  人蕩し術（２）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成魅力の正体とその秘密人蕩の極意　人を魅きつける力魅は与によって生じ求によって滅す与えればよい答えは、恐ろしく単純です。人間の本能を充足させる形なきものを与える人間は群れをなして生きる動物です。つまり、一人では生きられないのです。人はグループを作り、その中にある安らぎを見出します。これがつまり群居衝動です。５つの本能的衝動１　生存本能２　群居衝動３　自己重要感４　性欲５　好奇心本能とは動物的欲望であり衝動とは人間的欲望である人蕩しの要諦一飢えへの恐怖（生存本能）獲得と知足　飢えへの恐怖感人間はすべて、この飢えへの恐怖感を潜在的に抱いており、それが働く力、また財産を保有する意欲の原動力になっているとも思われます。無限に与えることができるもの人に物を与えるのは、結果的にその人をあなたに魅きつける力を生じさせることになります。欲望が「健全」なのか、または「不健全」（つまり汚いということ）であるのかを分ける基準として、それがより「本能的」であれば健康的であり、それが「より衝動的」であれば不健康である。衝動は、現在のあるがままの自分の姿に不満を覚えた瞬間に発生します。未来のその不満が解消された自分の姿、すなわち望みが成就達成されたセルフ・イメージ（自己像）を意識の底に設定するのです。すなわちこれが幻想です。「名と身といずれが親しき。身と貨はいずれが多れる」考えてもみたまえ。名誉などより大切なのは自分という生命個体ではないか。財産と自己とはどっちが大切かは自明の理ではないか、といっているわけです。必要なのは「現在の幸福」私たち人間が、まだ来ぬ未来に不安を抱くのは、すなわち、自己生命の存続がおびやかされるのではないか、という心配であり、そのうちでも特に、経済的問題が主となっているのです。これは、まことに愚かな心配です。なぜなら、これは、まだ来もしない未来のために、現在をだいなしにしているからです。「現在の幸福」、これこそ、人間にとって最も必要なものではありますまいか？自己コントロールの重要性西洋に、うまいことわざがあります。「橋のたもとへ行くまでは、橋を渡るな」というのです。橋とは超えなければならない問題のことを意味しているのですが、その問題は目前に来るまで、くよくよ考えてみても始まらない、というのです。「知足」による自己コントロールは、私たち人間が幸福に生きていくためにには必要不可欠なものです。しかし、これも行き過ぎると、人間はとかく「消極的」になり、しかもそれが高ずると、「陰性」また「否定的人生」へともなりかねないのであります。中道を歩む魅力生命活動とはどういうことか？「生存」とは、「自然発生した緊張」と、その緊張をゆるめるための「人為的な弛緩」の繰り返しに過ぎない。緊張を緩める２つの方法１　獲得する努力と才覚で欲するものを手に入れて緊張をゆるませる２　諦めてしまう得がたいことを知り、それを諦めることによって緊張をゆるめる緊張と弛緩のバランスをとる「時に求め、時に諦めればよい」世のためになる善いことをやってもよいが、名誉が与えられる段階まではしないほうがよい。また、かりに悪いこと、これはまあ他人を泣かせるほどではない、いってみれば、不道徳なことぐらいのことでしょうか、このような良くないこととされていることをやってもよいが、法律に触れるところまでやってはいけない。荘子は、人間的欲望つまり衝動というものも、ある程度は許容しているわけです。未練たらしく、人間くささを残しながらも、しかし、自らの衝動欲に惑わされることもなく、ゆったりと楽しみながら人生を生きていく、こんな具合の自己コントロールがよいのではないか、と思います。悩みと魅力は逆比例する「その人の悩みの量は、その人の魅力の量に逆比例する」のです。すなわち、悩みを多く持つ人には魅力が少なく、他人を魅きつけることができないのです。悩みとは、あくまで主観的なことで、それは要するに、心身が緊張しているという現象にしかすぎません。自己コントロールがうまく行われているということは、弛緩がうまくいっているということになります。悩みの少ない人は、他人の悩みを救ってあげることができ、そしてこれこそが、その人の魅力を発生させる根元的な力なのであります。問題と悩みの量そもそも悩みが多いとは、必ずしも、解決しなければならない問題を沢山かかえている、という意味ではありません。問題とは外部にあり、悩みとは内部にあるものです。そして、問題の量と悩みの量は必ずしも正比例するものではありません。成功する経営者は、常に解決しなければならない問題を山のようにかかえているが、彼は精力的にそれらに取り組み、その解決に全力をあげています。しかし、悩んでいるわけではありません。これに反して、失敗者は、僅かな問題にも、くよくよ悩み、自分の不運を嘆いたり、その苦しみを他人に訴えたりしています。成功者は、その問題を解くのを、むしろ楽しんでいるようにすらうかがえるのです。すなわち、彼は人生芝居という現在進行形のドラマを楽しんでいるのです。一方、失敗者にその余裕はありません。問題に対し、その対応策をさまざまにめぐらし、その解決をはかるということは、問題について悩んでいるということとは異なるのです。私たちは、問題だらけの人生について、愚痴をたれたりしてはなりません。もしそのようなことをすれば、ツキはただちに自分の身から逃げていってしまうでしょう。「自分にとって、中道とは、いったいどのあたりであろうか？」このように自問するところに、初めて、あなたの運命の道は開けてくるのであります。そして、悩みなき人生、魅力ある人柄というものが、ここにおいて同時に得られてくるのです。中道と魅力中道を常に歩もうとしている人は、人間的魅力の基本的なものを身につけている人だということができましょう。なぜなら、この人は、右か左かのどちらかが人間にとっては絶対必要である、といったような強い主張を人に対してしないからです。「自我の強い人」が、特に人に嫌われるのは、自分の意見を他人に押し付けることによります。これらの人は、他人を自分と同じ意見にしたがります。このことは、一見その人は賢く、優位に立っているように見えますが、その実は、他人に、「求めている」のであります。つまり、自分と同意見になってくれるよう、頼み込んでいる姿なのです。中道にあろうと努める人は、常に「相手にも一半の真実を認めよう」とする人です。つまり、相手の意見にも、何か意味があるはずだと注意を払おうとするのです。そしてまた、自分の考えは絶対的に正しいと考えているわけではありませんから、自己の意見を他人に聞いてもらうことを求めたりもしません。一言でいえば、これらの人の心構えは柔軟であり、それが人間関係において、一種の緩衝地帯の役目を果たすのであります。所有欲とは、「自然の一部」であり、人為的なものではありません。ですから、私たちは、この所有欲を別段恥ずる必要もありませんし、かといって開き直って誇示する必要もないのです。私たちは、決して、自然を無視するわけにはいきません。もし、そのようにしたら手ひどいしっぺ返しを食うことでしょう。「所有欲とは生存本能の一部であり、私たちは自他のそれに対し寛大であると同時に、また、自己のその欲望をうまくコントロールしなければならいない」ということであります。このようにすれば、私たちは、「まず、自分の悩みを消し、ついで心の平和と自由性を得、それは他人に何かを与えるための余裕を生み出す故に、その人の魅力の一部となる」という公式を行うに至るのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月02日

• 人蕩し術（１）

  人蕩し術（１）　無能　唱元　著２００５年１２月２日　日本経営合理化協会出版局　発行思いのままにヒトを虜にする著者２０年におよぶ「人蕩術」の集大成無能　唱元氏について２０年にわたって、独自の「人蕩術」を説き、自分の思い描く夢や願望を確実に達成する方法を指導する異色の師。「おかげで、年来の夢がついに実現した」「魅力あふれる顔になってきたとよく言われる」、師はいつも、陽気な人生の成功者たちに、囲まれている。１５年間の座禅修行中に、「自分の人生の成功や幸福はすべて自分の潜在意識が創りだすもの」という悟りを得て、「唱元」の法名を授かる。その後、数多くの仏典や西洋哲学、心理学を学び、アラヤ識を活用した「人蕩術」という、これまでにない願望達成法を完成。全国の説法会を通じて悩み多い人々に、一宗教を超えた「積極的で成功する生き方」を指導。特に経営者層に人気が高く、人生哲学、リーダー学の師として敬愛される存在である。これまで、私が一貫して説きつづけてきたことは、人生における成功とは、自分の陣営に「いかにして良き味方を得られるか」にかかっている。他のすべては、瑣末に過ぎないということです。成功する人間は他の人間を友とし、味方となし得るが、成功できない人間は自分の周囲を敵や無関心者によって囲まれてしまうということでしょう。当然なことに、あなたがこの世で何か事を為そうとしたとき、必ず他の人間と関わらざるを得ない。それは為そうとする事が大きくなればなるほど、他の人間の協力なしに成功できないのです。それ故に本書は、読者に優秀な人間になるよう勧めるほうな本ではありません。ただただ、あなたが人に好かれ、多くの人を味方とし、それをもって人生の幸福あるいは成功への一助としてもらいたい。そのための最良の手段を、「人蕩術」として提唱するものです。真の魅力とは何か　人を魅する術人蕩しの妙術才能は、知識や技術から、気働きといったようなものを含んでいます。才能に対して抱く人々の気持ちは「羨望」であり、「誠実」で「他人のために尽くす」ことに対して抱く人々の気持ちは「人望」でしょう。通俗的に言えば、この世の中における成功とは、いかにより多くの人心を自分のもとに引き付け得たか、引きつけるための魅力をもっているかにかかってくる、と表現しても差し支えないと思います。優秀で立派な人間はつまらない魅力的な人物とは、一口に言って、普通じゃない生き方をしていることが多いです。そういう人たちは、優秀で立派な人物になろうとして、あんまり頑張らなかったんじゃないかと思います。ただし、自分の好きなことには没頭した。それはもう気が狂ったように・・・。魅力の源は真の魅力はリラックスの中にある「頭がいい」「金持ちである」「男前である」というのは、確かに魅力の一要素ではありますが、それは、私の考え方によれば「緊張のサイドにある魅力」であると思うのです。これに反して、リラックスの中にある魅力とは、その人の外部的な特質ではなく、主として、内部的なその人の心の働きによって、外へそれがにじみ出てくるものでありましょう。だからこそ、それはその人の才能の多寡、社会的身分、容姿などに関係なく、人々の心を捕らえてしまうのです。魅力は余裕から生まれる第一印象に対する第二印象ともいうべきものは、その人の自己コントロールの努力の成果である場合が多いものです。そして、それが自分の弱点を矯め直そうとした結果であるならば、それは、その人の「人間的魅力」ともなり得るのです。その場合の第二印象は、人々に安らぎとか、笑いとか、喜びなどの快感を与える余裕のあるものであって欲しいと思うのです。遊行の勧めこのような余裕を得るには、どうしたらよいか、というと、それには、人生を楽しもう、と決心することです。また、自分の人生を一つのゲームである、と思うことです。言い替えれば、あまり真剣に「何が正しいことか？」などということを追求するのをやめて、「明るく、楽しく暮らす」よう考えることです。「遊行者」と仏教ではいいます。この世の旅路を、淡々と楽しみながら生きていこうと心がけることです。人蕩し術奥儀　人生の遊行者たれ愛心の発露人が自分に対し、無礼な言動に及んだとき、「ああ、この人は自己重要間を自分で充足できずに苦しんでいる人なんだなあ」というように同情の念さえ覚え、その相手を許すだけでなく、かえって慰めてあげようとするその心は、要するに「愛心の発動」であります。ですから、魅力の根元は、まさにこの愛心をいかに多く自分の内にかきたてるか、というその一点にこそ、かかってくるのです。「愛」とは「与えること」であり、その与えるということは、他人の五大本能のどれかを充足してあげる、ということになるのであります。それはまた、他人の心配や悩みを除いてあげる作業である、といってもよろしいでしょう。１　飢えへの怖れ２　孤独への怖れ３　劣等感への怖れ４　もてないことへの怖れ５　無知への怖れこのような５つの本能的欲求から生ずる怖れを取り除いてやる、これが愛というものではないでしょうか？私たちは、自分の生命を、まず何よりも大切に、それを愛さなければなりません。そして同時に、自己を愛するゆえに、他の人も大切に取り扱わなければならないのです。いつもお釈迦さまでは周りが窒息する人間はどこか阿呆なところがある方がいい。人間は悪い面と良い面の両方持ち合わせている。両方の心を満たして人間生活ができるので、良い面だけでは息がとまってしまう。最高の魅力「最高の魅力ある人」とは、この「空」を体得しえた人ではあるまいか？と私は思うのです。人間界にあってなお、空を行く雲のごとくこだわりのない人があったなら、その人はまさに「最高の魅力ある人」と私は呼びたいのです。気負いもなく、淡々と自らの生を楽しみ、人々を明るくし、人生をあたかも一場の芝居のように、またゲームのように遊びながら生きているひと。このような「遊行者」に、私は心からあこがれ、魅きつけられずにはいられないのです。「与え」「他人を喜ばせる」技術に長じていくならば、いつの日かその人の意識に、突然、ポカーンと桶の底が抜けて、そこから青空を見上げたような「超絶体験」ともいえるべき変革がおきるのです。この時、この人は、あらゆる二元対立を超え、一如の世界を実感します。悟りとはさほど難しものでなし　要は陽気になることと知れ陽転思考こそ幸福への鍵陽転思考を行える人物は、他人の自分に求める利益性を見抜く鋭い目を持ちながら、しかも相手の善意に心から感謝しつつ、その親切を受け取れる人間です。このタイプの人は常に魅力的です。彼は冷徹な分別心を持つ故に、情勢判断を誤ることがありません。しかも、その態度を外面に現さず、温かいほほえみをもって、相手に接します。だから、人々は、人蕩術をよく使う人に魅きつけられるのです。なぜならば、人蕩術とは、まず、己れ自身を明るく暖かくする術をもって始まるからであります。このように自分をコントロールするためには、まず、仏教で古来からいわれてきた「解脱心」というものを、ぜひとも取得しなければいけません。この解脱というのは、そう難しく考える必要はないのです。それは要するに「緊張なき反省」といったようなもので、時には「内観」とも呼ばれる行によって得られる一種の心理状態なのです。自分の日頃の言動を、他人事のように、ボーッとした心境で思い返すことなのです。「自分を他人ごと」として見る。このように心の内に自分の言動を見ることを「観ずる」といいます。この観を行じている瞬間こそ、あなたの心が自分を解脱して、自分を含めた一切の事物を観じている瞬間なのです。人蕩の極意は正にこの解脱の状態の内において体得、自得できるものです。かくて、自己を支配することは、畢竟、すべてを支配することへと通じて行きます。つまり、それは一切を自在に観ることから始まるのです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年03月01日

• 人生を「やすらぎ」にする仙人の知恵！

  ポイッぽい仙人の人生を「やすらぎ」にする知恵　コー・ムーエン　著2005年8月10日　ゴマブックス　発行人生は自分の思ったとおりになる。素直な人しかこの本は役立ちません。素直な方、レジでお待ちしております。人生を楽ちんにするキーワード「やすらぎ」「愉しみ」「心地いい」これですべてうまくいく！！あなたが笑うとき、あなたの笑顔は伝播します。そして、あなたのまわりにはこの上ない幸せが訪れます。世界に平和が訪れます。「人生は、思ったとおりになる」つまりな、おまえさんの人生は、「これまでも、これからも、自分が思ったとおりである」ということじゃ。人生は、思ったとおり「いいこと」も起こるし、思ったとおり「悪いこと」も起こる。すべては、思いどおりなのだよ。すべての出来事を引き起こしているのは、実は自分自身の意思なのだよ。「よろこび」あふれる人生にするために必要なのは、「よろこび」の意識じゃよ。人生はあらゆる面で自由なのじゃ。人生の選択において、他人の意見や世間の流行に合わせる必要はないのじゃ。そのかわり、人生の舞瞬舞瞬を、自分自身でハッキリと選択する必要があるということじゃ。現代は、情報が世界中から瞬時に流れてくる。情報にあふれた時代だからこそ、しっかりとした判断と選択が必要なのじゃ。世の中に流されず、断固として我が人生を歩むのじゃ。そうすることによって、自分の人生が、より豊かなものとなる。人生のチャンネルを低いチャンネルに合わせていると、人生は制限だらけなのでギスギスしてくる。高いチャンネル（本当の自分）から見ると、下にいけばいくほど自分を見失いがちになる。10チャンネル以降では、意識のなかに「恐れ」や「心配」がまったくないので、そのような現象は起こらないのじゃよ。起こりようがないのじゃよ。人生は、思ったとおりだからね。人生は、（自分の）思ったとおりになるのだから、そのルールどおり、高いチャンネルを意識するだけでよい。意識の中でスイッチングすればよいのじゃ。それにより、チャンネルは一瞬にして変わる。意識には、物理的な距離などないのだから、自分で意識することにより、チャンネルのスイッチは自動的に切り替わるのじゃ。常に高いチャンネルから意識が離れないようにすること。離れたら、それに気づくこと。いかなるときにも、理想の自分、理想のチャンネルから意識をそらさなければ、高いチャンネルから外れることはあり得ないのじゃ。人生のチャンネルを高く保てば、こころの幅が広がり、あらゆる出来事を許容できる。だから、今あるチャンネルにいつも気づいていることが大切なのじゃ。ある日、フッとチャンネルが変わり、観る目（目線）が変わると、本来そのものが持つ美しさやありがたさを感じられるようになる。一つひとつのものに、目を奪われるほどの美しさが秘められていることに気づく。それが「気づき」というものじゃよ。いつも五感を研ぎ澄まし「観る」こと。目だけではなく五感のすべてを使って、いや、全身全霊で観るのじゃ。各分野で一流と言われている物や人を徹底的に観る、感じる。すると、観る目が養われていく。観る目を養うことは、教養を深めることになる。自分の中に確かな文化を芽生えさせることにつながる。観たものは、脳裏に蓄積されて、必ずやあなたがたの人生の糧となるし、知識を知恵として人生に生かせるようになる。そして、小さなことに気づけるようになると、あらゆるものに感謝できるようになる。他人やすべての生物とも同調して進化し、至福を味わえるようになる。いつも自分のこころに目を向けておくこと。怒りを感じているときは、どのような怒りをどのように感じているかハッキリ自覚すること。そうすれば、こころそのものはそれほど動かされることはない。感情の赴くままにこころを動かしていては身（からだ）がもたなくなる。こころをいつも平穏に保っておくこと、。不動心というものじゃな。「人生の目的」とは「しあわせ」であり、「よろこび」じゃな。ただし、何がその人にとっての「しあわせ」かは、その人次第なのであるが・・・。人生というものは、日々の様々な場面で、瞬間的に何を選んでいくか、これの連続なのじゃ。では、「しあわせ」を感じないためのモノサシについて説明しよう。現代人のほとんどが無意識のうちに使っているモノサシとは、ズバリ、「損得、効率、世間体」なのじゃよ。ものごとを選択する際に、損得や効率を中心に考えてみたり、本当の自分は、それを選びたくなくても「人が見ているから」とか、「バカにされたくないから」とか、そういう世間体を気にしながら選択してみたり・・・。あるじゃろ？そーゆーのが。損得や効率が価値の中心に置かれると、文化が希薄になってくる。感性が磨かれず、優雅さも失ってくる。「損得、効率、世間体」をモノサシにして、得ようとするもんが「マネー、パワー、セックス」にあるからじゃよ。大半の者が、人生の目的をお金や権力、セックスにおいている。自分自身のこころが本来求めている「しあわせ」や「よろこび」という目的を忘れ「マネー、パワー、セックス」を追い求めている。それに支配されている。だから、満足感がない。一時的な快楽は感じても、不快満足感は得られない。「マネー、パワー、セックス」という目的を持ち、なおかつ「損得、効率、世間体」というモノサシを使い続けるかぎり、チャンネルは低いままであるし、よろこびにあふれた人生に近づくことは難しい。わしは、「自分のこころがいつもやすらいでいられることを優先的に選び、世の中の常識にとらわれず愉しいことを行い、心地いい満足感に浸ること」を選択しているつもりじゃ。「ものごとを効率や世間体で選んだり判断したりせず、自分に正直に、いつもこころが平穏でいられること」を選択する。大切なのは、世間の評価ではなく、自分自身の人生のあり方であり、満足感なのだよ。「やすらぎ、愉しみ、心地いい」という基準で生活すると、こころは常にやすらいでおり、なにごとも愉しく感じられ、他人との関係はスムーズで気持ちいい。自分の意見を押し通して、相手が不愉快になることは、自分にとっての「やすらぎ」にはつながらないものじゃろ？選択するときに、周りも自分もやすらいだ気持ちでいられるものを選べばよいだけのこと。そして、どうしても都合や折り合いがつかないときには、謙虚に丁寧に「お断り」や「お願い」をしてみるのはどうじゃろう？人間関係はすべて「自分関係」なのじゃ。相手が言ったことが自分にとって都合の悪いことだったとしても、それは、「自分がその人に言わせているのだ」ということなのじゃよ。そういうふうに考えてみる。つまり、相手はあなたの「思い」に反応したにすぎぬ、ということなのじゃ。おまえさんの「思い」が相手にそのことを言わせてしまっている。コントロールしなければいけないのは、おまえさん以外にはいないのだよ。おまえさん自身が変化したとき、初めて鏡のなかの自分も反応を変えることになる。相手はおまえさんの思考や波動や行動に対して反応しているに過ぎないのだよ。すべては、自分関係なのじゃ。すべては、自分自身の鏡なのじゃ。私は、毎日あらゆる面でますます良くなる。私は、すべての人を愛し、すべての人に愛されます。すべてが円満である。意識のエネルギーは、「～を実現したい」と思った瞬間に専用アンテナを立てたかの如く、情報を呼び込み始める。そして、エネルギーは「思ったとおりのことを実現」させる。意識のエネルギーは、確実に人生に変化をもたらすものなのじゃよ。よく御覧なさい。目に見えないと言っても、気がつかぬだけで実際には小さな変化は始まっておるのじゃよ。SOSとは、「心配しない、恐れない、すべてうまくいく」というじゅ文のことなのじゃよ。「人生は、自分の思ったとおりになる」不安や心配を除去して、「私はキレイ！」って思えたなら、あなたはキレイにならずにいられない。心配しない、恐れない、すべてうまくいく（意識の底を引き上げる）私は毎日あらゆる面でますます良くなる私は、運がいい私は、ツイているじゅ文が効果を発揮する段階自分の中の、否定する心理があきらめて消えるまで唱えれば、必ずや変化が現れるのじゃよ。そして、否定する心理が無くなるということは、不安が消え、自信がつくことを意味している。この世は愛だけで成り立っている自分を十分に愛していれば（愛に満たされていれば）、自分には「自信」というものがわいてくるのだよ。そして、自分に自信のあるものは、他へのいたわりの気持ちもわいてくるようになる。実は、人生のチャンネルとは愛の段階のことでもあるのだよ。自己への愛というものは、誰でも持っている大切で基本的な愛なのだが、十分に自己を愛せない者は、愛を渇望し他者を受け入れる余裕もない。恋の悩みは、相手にも自分を愛してほしいと願うところから始まる。何とか自分に愛を向けてほしいと願うところに悩みの発端がある。自分への愛を押し付けるところから悩みが始まる。見返りを求めてる。じゃあ、みんあ条件つきの愛をやってるんだ！本来「愛」とは、見返りを求めないレヴェルにあるものじゃ。このレヴェルでは、決して争いごとが起こらない。何かあれば憎しみに変わったり、もめごとになるような愛は、「愛」のように見えて実は見返りを求める「恋」のレヴェルと同じじゃ。真の平和は、見返りを求めぬ愛、「無条件の愛」に包まれたときにやってくる。たった一人が変わること世の中を変えるには、たった一人が変わればいいのじゃよ。世の中広しといえども、結局は一人ひとりの集まりなのじゃ。何かを始めるのも、最初はたった一人なのじゃよ。大切なのは、意識の入れ替えなのじゃよ。たとえ、たった一人の意識が変化しただけでも十分な影響を及ぼすのじゃよ。すなわち、大切なのは、意識の入れ替えなのじゃよ。たとえ、たった一人の意識が変化しただけでも十分な影響を及ぼすのじゃよ。すなわち、様々な障害や権力、圧力に押しつぶされそうになっても、揺れ動くことのない志さえあれば、最初の一人は誰でもいいのじゃよ。よく考えなさい、先ほどの企業では、社員も工場も物理的なものは、ほとんど変わっていないのじゃよ。大きく変わったのは人の意識なのじゃよ。そういう時代なのじゃよ。すべては、おのおのの「思い」なのだよ。意識なのだよ。「思い」は、いずれ必ず実現する。「思い」が不動のものとなれば、実現は速くなる。世の中はあなたの周りから変化し、全宇宙に波動として伝わっていくのだ。だからあなたは、ひたすら幸せを求め、理想のあなたでいればいい。それが全宇宙の支えとなるのだから。皆さんが、この本を読む前から「続きを読みたい！」という声が仙人には聞こえています。こう思い、こう記すことで宇宙は動き出します。宇宙は瞬間的に動きます。あなたの思い次第で、ゆらぎは明確な現実として表れます。こころがスッキリすれば、生活もスッキリします。これは人生のルールです。これは宇宙のルールなのです。このルールだけは揺らぎません。それは、真理だからです。つながっているすべての人にありがとうございます！

  2009年02月25日

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