簓無案サイト

ルパン三世は好きで見ていた。風の谷のナウシカはアニメージュ連載最初から読んでいて、映画館には三度程行った。
未来少年コナンは、NHKがアニメなんかする必要があるのか？と思いながら、しかし熱心に見ていた。（生意気な子どもだねぇ。）

宮崎駿氏の言っている事には、なぜか子供心に異和を感じていた。

先日のハウルの動く城を見て、嫌いだと言う感情が確定した。原作を先に読んだからだろう。

なぜあそこまで自分の好みだけで作品を変えるのだろう。どこかで見た様な場面ばかり。
ああ、これはナウシカのあの場面、あれはルパンのこの場面、そんな感じが連続した。

そんなに、なんで動くか解らない様な飛行機や戦車や兵隊や変わった動きの下っ端を描きたいのだろうか。
そんなにナウシカモドキを描きたいのだろうか。

原作をあれほどに変えてまで。

自分が好きな車を作品中に出すのとは、次元が違い過ぎる。やりすぎだ。

あそこまで変えるのだったら、原作では無く原案とすべきだろう。原作として名を出された作品や、その作者、そしてその作品のファンが気の毒だ。

ハウルとソフィーの元々の縁に関しては、まるでどこかから取って来て付けた様な理屈。

もはや、萌えーで自己満足作品を作っているそこらの連中と同じだ。パターンを原案に振り掛けパターンで料理し、パターンで盛り付けている。
それが一定量までならば、それなりに「面白味」になるのだろうが、あまりに多すぎる。

もののけ姫や千と千尋の神隠しは、原作があるのかどうかさえ知らないが、それはともかく、ハウル程既視感は無かった。

ハウルは、原作物としては駄作だ。極端に惰性で作られた物だ。そうと感じずにはいられなかった。
宮崎駿氏も歳と言う事だろうか、すでに原作と言う物を大事にする気も無いのだろう。
アニメーション映画としてはそれなりに面白いし人を呼ぶだろうが。

宮崎ブランドが出来上がったらしい今、ご本尊が引退すべき状態になってしまったという事なのだろう。ご本人も引退したがっておられたようだが。

ゲドは見に行かない。せいぜいレンタルだ。せめて原作をまったく知らなかったら、ミーハー風に楽しめるのだろうが、いかんせん、原作がそれなりに好きである以上、それは出来ないだろう。自己催眠でも掛けなければ。（無理）

昔、ランサム全集に関して、宮崎氏が話したのをインターネットで見た。主人公達の家族の立場が嫌いらしい事と、もし氏が作るとしたら、アクション目立ちものになるらしい事が書かれていた。

今、心底、宮崎氏がランサム全集にまったく関わらなかった事を、幸いだと思う。それ以前に日本のアニメ自体がまったく関わっていないが。（笑）

作品を、自身の思想故に斜めから見る人に、自分色に染め過ぎる人に、関わって欲しくは無い。

原作をあれほど見下し「俺が俺が」をひけらかすのならば、原作等と銘打ってはならないだろう。

ルパンとは違うのだよ、ルパンとは。