そこには・・・
なんと、
スズメバチ!!
心拍数はまるでフェラーリのF1エンジン。
でもここで騒いでハチを刺激してはいけない。。。
「ぶ~ん」
いや~な羽音と共に、窓際を行ったり来たりするスズメバチ。
最近の電車は窓が開かない。
推理小説並みの見事な密室状態。
ワタシも含めた人々の、最大限の緊張感を伴ったパニック状態で
およそ2駅を通過した辺りで3人組で乗車していたオジサンが
雑誌を丸めて叩き落とすと言い出した。
パッと見、デブである。
が、自称 剣道7段だそうである(きっと違う)
イチローの打率とかそういったレベルではなく、
ここでは10割が求められる。
外したり、一撃で仕留められなかった場合には・・・
賛否両論の鋭い視線が、丸められた日週刊ダイヤモンドに注がれ・・・
バンッ!!
スズメバチは窓からスルスルと滑り落ち、
足をヒクヒクさせているものの、完全に戦闘能力は失われていた。
ヒーロー誕生の瞬間だ!!
拍手が巻き起こり、隣にいた女性からの熱い抱擁!
・・・などというものは特に無く、
でも
「よくやった!」の視線がオジサンを称え、
安堵の空気が車内に満ちたのでした。
おしまい