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先日近所で火事がありました。
仕事も終わり帰る準備をしようとしていた時の事
ウチから電話があり
少し上ずった声で
『あんたうちの近く火事なんよ～』
と、母親の声。
その携帯の向こうから確かにサイレンやら
メガホンで大きな声で指示を出す消防職員の声がする。
なんでもウチから２軒程隔てた家が家事だとか。。。
昔の家が密集するうちの周りでは
古くからの家には屋号で称される家も少なく無く
この家もその一つだった。
『○○屋が火事なんよ～』
聞いて、ピンとくるような来ないような。。。
確か聞いた事はある屋号だった。
さっさと仕事の片付けを終え
家路についた。
当然ウチの周りは消防車がいっぱいで入れないだろうと思い
少しばかし遠回りな
その火事場が見下ろせる経路で家に帰った。
炎こそ落ち着いているようには見えたが
煙はまだまだ蒸気機関車のように
モクモクと上がっている。
それより何より
まるで何処かの事件現場かと思うぐらいの
明々とした照明は遠目にもすぐにわかった。
素早く町内の名前の入った消防服に着替えて
すでに消火活動をしている中へと走っていった。
『やっぱり・・・・』
『聞いた事ある屋号だとは思ったが・・・・』
『ここか・・・』
『火事・・・２回目だよな。。。』
そう、もう十年程前になるか
一度小火で半焼した時も僕は出動したのを思い出した。
あの時も確か夜だった。
夜通し見張りしたよな。。。
今回はさすがに見るからに全焼だ。
正確には煙で全容までははっきりとはわからないが
煙の出かたでそれはわかる。
しかし肝心の水が足りない。
ホースの量に対して消防車や消防隊員の数が
はるかに多い。。。
消火栓は近くに２箇所。
うちの前のちょっと遠い消火栓からも
ホースを継ぎ足して助勢しても３箇所だ。
大きい農業用水路があるが
今の時期水は殆どない。。。
懸命に消火活動するも
一番被害の大きいところがついに崩れた。
後からわかった事だが
一人じゃ抱えられない程の太～い梁をつかった
築１００年近くにもなろうかというような古い家屋なので
崩れる時の衝撃は
重量物が高いところから落ちるズドンとした音に混じって
瓦が撒き散るかん高い破壊音とで
凄まじいものだった。
消防隊員２人がそれにより怪我をした。
火災発生は１９時頃だったと思うが
結局２３時まで主要な放水は続いた。
その後、市の消防局が撤収、
続いて遠いところの消防分団から撤収していき
僕らの町内の自衛は最後まで残った。
明け方まで見張りをしたが
木の多い古い家屋は
一度消えててもしばらくするとまた赤くなりつつあったので
結局朝まで断続的に放水しなければならなかった。
２社もテレビ中継まで来てて
あんなに騒がしかったのに
この時点では町内の団員と見張りのパトカーが一台のみ。
とても静かで放水するのにも気兼ねな程だった。
『月が出ててよかったよなぁ～』
そう、団員の一人が言う。
『ホンマじゃ～、闇夜だったら気持ち悪いわなぁ～』
言われなければ気にならなかったのに
そんな事言うもんだから
急に気持ち悪くなった。。。
朝までなるであろうと予想していたので
見張りの団員２交代制にしていた。
明け方～現場検証立会い組みがやってきたので
徹夜組はここでやっと退散することになった。
消防機庫へ戻りしばしの一服。。。
火事場で煙草はひんしゅくだもんね（笑）
しばし、そこで子供の話やらスキーの話やらしながら
早目に出てきた明け方組みが用意してくれていた
カップラーメンに湯を入れて食べた。
体中が温まってくるのを感じたら眠くなった。
やっと帰って寝られる。。。。
午前五時半。
果たして朝起きれるのだろうか・・・・
・・・・って
もう朝
だが。。。
何とか何とか
次の日もいつもと変わらなく出勤しましたよ。。。
お疲れさん。。。自分。。。
だが。。。
