三度の飯より音楽三昧

立秋が過ぎてもまだまだ暑いんだけど、
今ごろの時期は象徴的な音が多いよね。

セミの声や雷の音、秋の虫の声や風鈴の音。
どれも季語になるよね。
冬みたいに音の少ない世界も好きなんだけど、
夏もまた感傷にひたれる音ばかりで凄く好きだ。

そんで、風鈴の音についてなんだけど、
風鈴は断然ガラス製じゃなくて鉄製が良いと思う。
音の質感が素晴らしいよね。すごく澄んだ音がするよね。
お寺の鐘なんかもそうだけど、やはり鉄ってのは
楽器の材料としてすごく魅力的だと思う。

んで、そういった美しい音をいっぱい集めた楽器として
パーカッションがあるね。簡単に言えば打楽器の集合体で、
効果音やリズムを担当するパートだよね。

そんなパーカッションが活躍するアルバムってことで、
今日は渡辺香津美の"esprit"を紹介します。

渡辺香津美はギタリストで、もう５０代半ばぐらいになるのかな？
一応ジャズギタリストってことになってるんだけど、この人はなんでもできる。
デビューが１７歳ぐらいのころで、当時から天才と言われてたらしいが、
ほんとだと思う。技術も素晴らしいしセンスも素晴らしい。
あと国際的に高い評価をされてるのも興味深い。

esprit とはラテン語か何かでスピリットを意味してるらしい。
このアルバムはギター、ベース、パーカッションの３人でやっている。
まあどの楽器も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるんだけど、
曲の雰囲気が良いって事を、声を大にして言いたい。
これは何ていうジャンルになるんだろうな、
広義にはジャズなんだろうけど、ジャズじゃないんだよな。
ジャンルでは表現しづらいんだけど、役割的にはボサノバに近いと思う。
夏にＢＧＭとしてかけてると穏やかな気持ちになれるかんじだな。

昔このアルバムをＭＤにダビングするときに、
緑色のＭＤを使った。
そのとき兄に「そうそう、これは緑色って感じだよな」
とかなんとか言われた。
そう、いわゆる澄んだ海の色が合うのだと思う。
そんな雰囲気を持ったアルバムだと思う。

ジャズギタリストに好きな人は少ないけど、
渡辺香津美はその数少ない中のフェイバリットです。
このアルバムは、この人の第何回目かの全盛期を切り取ったアルバムです。