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テーマ:プロ野球全般。(13396)
カテゴリ:NPB、データ関連あれこれ
さて、冬休みに入りましたので、
また私の好きな、NPB関連、数字遊びでネタを書きたいと思います。 --- まずは、この音楽をお聞きください。 …これを聞いて、思い浮かぶのが、 M-1グランプリという方も多数おられると思うんですが、 我々は、やはりこちらの方を思い浮かべますよね。 そう、D-Kat!! …そして、それと同時に、心の中で思うんです、 3点差だから、今日は大丈夫だろう。 1点差の今日は、大丈夫なんやろか…? と。 --- そして、それは選手たちが選んだベストナインでも現れていて、 今期パリーグの最多セーブ投手はD-Katでしたが、 選手達が選んだ最優秀抑えは、Lのグラマン、という結果でした。 …私も、これは同意。 L戦で、グラマン出てきたら、「もうあかんわ」、と思いましたから…。 --- で、この グラマンの安定感と、D-Katの不安定感?を、 数値として比較することはできないかなぁ? と思っていましたので、 それを集計してみました。 元データは、日刊スポーツ そして、今期パリーグで1シーズン通して抑えの位置にいた、 Lグラマン、BsのD-Kat、FのMICHEAL、Mの荻野、の4名について、集計しました。 集計内容は、 全投手 ・リード時の最終回、あと3アウト取れば勝利 ・1~3点差、セーブが付く場面 で、集計。 なので、例えば この試合は、 MICHEALは同点の場面登板なのでノーカウント、荻野は失敗としてカウント。 また、 この試合のD-Katも成功ではなくノーカウント、 イニング頭からの登板ではないからです。 --- では、点差別の集計結果をグラフ化し、以下に示します。 まず、注目すべきは、グラマンの1点リードでの安定です。 被出塁率が.200を切っている、ということで。 ということは、単純計算しても、 (1-0.2)^3≒0.5、ということで、5割ほどのケースでは三者凡退で抑えていることになります。 一方、D-Katは1点リード登板での被出塁率が3割近く… やっぱり、安定していませんね。 ↑そして、実際の三者凡退率を見ても、グラマンはパでNO.1の割合。 ただ… D-Katも、登板の半分は、三者凡退で抑えているんです…!? なのに、1点リードでの被出塁率が高い、ということは やはり打たれるときには大炎上、ということが言えそうですね。 --- で、この点差別の結果を何とか1つにまとめて、 そして、点差が詰まったときほど重要、というのを何とか数値で示したい… と考えまして、 以下のような数式で表した「点差別の被出塁率」という観点で集計をしてみました。 点差別被出塁率=(出塁数/点差)の合計/(打者数/点差)の合計 …具体例で書きます。 ある投手が、1点差の場面で3打数0安打で、3点差では5打数2安打で抑えた場合。 被出塁率で言えば、トータルで8打数2安打なので.250ですが、 点差別被出塁率は、 ((0/1)+(2/3))/((3/1)+(5/3))=.143と低下。 逆に、3点差の場面で3打数0安打で、1点差では5打数2安打で抑えた場合には、 被出塁率で言えば、トータルで8打数2安打なので.250ですが、 点差別被出塁率は、 ((0/3)+(2/1))/((3/3)+(5/1))=.333と上昇。 つまり、点差が詰まったときの結果の方が、 数値として強く反映されるようになります。 --- では、こういう観点で、被出塁率を見てみたときに、どうなるか。 計算結果が、以下のグラフです。 はい、「被出塁率」という観点では、ほとんど差が無かったグラマンとD-Katでしたが 得点差を考慮して計算すると 1点差の場面で安定していたグラマンの方が、圧倒的に被出塁率が低くなりました。 --- 同じように、三者凡退率についても、点差別で計算してみました。 1点差での三者凡退は、1で割り、3点差なら、3で割り。 そして、その総和で算出するやり方は、被出塁率と同じです。 単純計算での三者凡退率で言えば、D-Katが一番でした。 ただ、彼は3点差での三者凡退率も高かったことがあり また、グラマンが1点差登板で好成績だったこともあり、 点差考慮で算出すると、グラマンのほうが逆転する結果となりました。 --- でも、もう1回、グラフ2つ目と、1つ目に戻って考えます。 1点差登板の場面で、被出塁率が高いD-Katなんですが、 1点差でも半分は三者凡退で抑えているんですよね …この三者凡退率の値というのは、グラマンに比べ遜色無い、すばらしい値。 …ということは… 残りの半分のケース、三者凡退で抑えられなかったときの D-Katは、相当走者を許す展開になっているのでは? ということが考えられます。 --- そこで、 点差別の出塁数について、これまでは、「平均」という形の率で見てきましたが、 ここで、標準偏差という形でグラフにして見ます。 標準偏差とは?Wiki ↑私は積分できない人なので、リンク先のことが何を言っているかはわからないですが、 ただ、 ・標準偏差は、値が大きいほど、バラツキ大。 ・そして、値はExcel君が計算して出してくれるということは知っています 恥 具体例。 1) 1回~9回まで、1点ずつとって合計9得点 2) 1回~3回まで、3点ずつとって残り0点、合計9得点 3) 1回に9点とって、残りは0点で合計9得点 の場合、イニング平均得点は、全て1点なんですが、 標準偏差の値は、 1)は0、2)は1.5、3)は3となって、3)の時が一番値が大きくなります。 --- では、点差ごとの被出塁数について、以下に示します。 なお、1イニング(=3アウトを取る)時に許す出塁数、として計算するために、 出塁数/登板イニング数、で計算しています。 (2/3イニングでサヨナラ負け、等考慮) →0で割ることができないので、D-Katのこの試合は計算していません。 ↑まずは、平均出塁数。 傾向としては、先に示した、点差ごとの被出塁率とほぼ同じです。 ↑で、これが標準偏差。 …やっぱりそうでした。 D-Katは、1点差の場面では、偏差が大きい、つまり 抑えれるときは三者凡退で抑えるけど、 打たれだしたら大炎上!! という我々が普段感じている不安が、数字で実証された形になりました。 --- では、安定していたグラマンと不安定だったD-Katの大きな違いというのは何なのでしょう? …これは、恐らく、抑え投手として求められる大事なものとは…? ということでもあり、 はっきりとした解の無い、難しいテーマだとは思うのですが、 解の1つの候補になるのでは?と思う物を、グラフで示します。 …上には「被出塁率」で示しましたが、 登板点差別の「被安打率」「四死球率」です。 そう。 1点リードでの、イニング頭からの登板だけで比較すると、 D-Katも、グラマンも、大した差は無いんですが、 グラマンの方は、1点差登板の場面では、 なんと1つも四死球を出していないんです!! やっぱり、このデータを見てしまうと… クローザーに一番必要なのは、 四死球を出さない制球力では? というのが、今回の私が感じたことです。 --- ただ、以上ツラツラとグラフを出して見ましたけど、 今年のBsの2位という大躍進は、 D-Katがいたからこそ、の物なのは間違いありません。 だから、今契約交渉で上手く行っていませんけど、 D-Katには、何とかもう少し球団も年俸を上積みして欲しい、と思っていますし、 それに応える結果、1点リードでの安定したピッチングと不要な四球を減らすことを、 D-Katには、09年の課題として、見せて欲しいなぁ、と思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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