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テーマ:プロ野球全般。(13392)
カテゴリ:NPB、データ関連あれこれ
この間の続きになります。
前回の補正OPSの話で、 ・打順ごとに、得点に影響する因子が、出塁率、長打率比重に差がある →4,6,7番は長打率、その他は出塁率の方が影響大 というところまで来ました。 ですので、それに適した打順配置をすれば、得点が増加するのでは? そう考えて、計算することにしました。 --- まず、'17年のBsの打席数200以上の選手をピックアップしました。 すると、以下の13選手が該当しました。 ただ、当然野手のスタメンは9人です。 4人分は削らないといけません。 そこで、まず、 捕手:若月+伊藤 外野の1枠:武田+駿太(=守備重視要員) と考え、また 西野、安達、そして大城は、この3名の中で二遊間2つのポジションを占めますので、 二塁想定:西野+大城 遊撃想定:安達+大城 も考えました。 そうすると、選手は以下のケースに絞られます。 ・T岡田 ・小谷野 ・ナカジ ・ロメロ ・大城 ・安達 ・西野 ・駿太+武田 ・マレーロ ・吉田正 ・若月+伊藤 以上の11名で(場合によっては、二遊間を2名平均も加えれば13名想定) 最も得点見込が高くなる組み合わせを、エクセルで計算させました。 --- み合わせですが、単純に考えて、 スタメン9名が決まっても、9*8*7*6*5*4*3*2*1=362,880通りあります。 それをいちいち計算なんてできませんので、 これもエクセルのソルバーで、自動計算させました。 ・9名を選択して、打順を1~9、それぞれかぶらない様に設定 →その上で、どうすれば全員の得点合計、すなわちチーム得点見込数が 最大となるか、計算してもらいました。 もちろん、スタメン9名は、上記13人から選ぶ必要がありますが、 守備位置も考慮すれば、そんなに選択肢はありません。 --- さて、その計算結果ですが、 最も見込み得点数が高くなる面子、打順組み合わせは 以下のようになりました。 詳細はこちらです。 まず、詳細の方の傾きの欄。 この数字が大きいほど、補正OPSが得点に対する影響の大きいことになります。 そして、その順番は、1番打者、5番打者、7番打者の順に大きい。 つまり、この打順に、それぞれ条件に適した打者を持ってくることが重要になります。 1番打者の補正OPSは、xの値が1.589と非常に大きい、つまり出塁率が重視される。 5番打者の補正OPSは、xの値が1.295とやや大きい、出塁率がやや重視。 7番打者の補正OPSは、yの方の値が1.349とやや大きい、長打率の方がやや重視。 そして、そこに当てはまる打者に着目。 ・吉田正:出塁率が最も高く、長打率も高い。 ・ナカジ:出塁率は高い、でも長打率は低い。 ・マレーロ:最も長打率が高い。 ということから、上記の選手が選ばれたのだと推定されます。 得点見積値は589.7。 これは、昨年のチームの各先発打者の打順ごとの補正OPSから計算された 得点見積値である、493.9からは約100点弱up。 また、実際の値である、2011~2017までの先発打者の合計得点数平均の470.9からは 120点近くupする計算になります。 --- では、一方、この先発の面子で最悪の打順にした時、 得点見積値はいくらまで下がるでしょうか? 先ほどのエクセルのソルバーで、計算結果を「最小値」に設定して計算させました。 その結果が、こちらです。 詳細はこちら 打順一見して、明らかに点が入りなさそうです、 5番若月+伊藤、8番吉田正、9番マレーロ。 まぁ、あり得ない打順なんですが、注目すべき個所が2つあります。 それは・・・ 1番:駿太+武田 4番:ナカジ。 上記のとおり、1番打者は出塁率が重要視されるのですが、 駿太+武田、特に駿太の出塁率.275は致命的。 そして4番は長打率のみが補正OPSに影響しますが、 ナカジは出塁率は高くても、長打率が低いので、4番起用はミスマッチ。 そして、この打順での得点見積値は508.9。 80点近くも低下してしまいます。 --- つまり、この計算での結論としては、 打順のミスマッチは、確実にチーム得点力を低下させる。 そして、 そのミスマッチは、ナカジの中軸起用、および駿太+武田(特に駿太)の1番起用 ということです。 ナカジは、西武時代も3番で、ポイントゲッターでもありましたが、 後ろの中村剛達に繋げるチャンスメーカーとしての役割も上手くこなせていました。 そして、彼のデータを見る限り、 昨年は、チャンスメーカーとして起用すれば、機能するだけの成績は残していた。 ただ、彼をポイントゲッターとして、5番、6番等の打順に置いていたので チームの得点が増えなかった。 一方、駿太の使われ方も同じで、 彼はコツコツ起用に当てる打者ではないのに、 出塁が求められる1番、2番等に起用されていた →駿太は小谷野よりも長打率も高く、ポイントゲッターとして、使った方が、チームとしての得点が増える ということです。 --- 1番にナカジを起用したら、 彼のような鈍足打者が塁に出ても・・・という考えもあるかもしれません。 でも、所詮盗塁ができないし、バント重視な戦い方をしているわけです。 だったら、それを貫くのも1つの手です。 例えば上記では西野ですが、2番がバントが上手く足の速い大城なら、 ナカジが出塁して、大城にバント。成功したら1死2塁。 失敗しても、2塁封殺なら、俊足の大城が1塁に残るので、意味はあります。 1番が出塁せず、2番も凡打で二死無走者よりはマシです。 --- さて、上記のような考えで、面子を代えた時の計算を、あと2,3ケース考えてみました。 その結果は、また後日追記いたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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