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昨日のお昼、原書房さんの店頭で見つけた、
「すまう」縮刷版・写真で見る日本生活図引・4集。 これはなかなかのヒット。 うんと古くは明治、大正、それから昭和初期~戦後、所謂高度成長期までの各地方での「すまいかた」を写真で見せる本。 台所や食卓、座敷から味噌作り。野外での昼寝のしかた、ってのには思わず大笑い。その写真に映りこんでいるひとつひとつを取り上げて番号が振られ、いちいち解説してある。これがまた、何だかくそまじめで間が抜けてて面白い。 戦後ちょっとした頃の新潟の農家らしき場所の納屋かなにかの土塀のまえでムシロしいて寝ているばあちゃん。そばに孫3人いておやつとおぼしき白いおにぎりを片手に。孫と一緒の昼寝のはずが孫は全員起きてしまってカメラ目線。知らぬはばあちゃんばかりなり。その向かいの写真もすごいよくって、これは秋田の平鹿郡だって。木造の家(かなり簡素な)の玄関、軒先でいきなり横になっているおやぢ。まわりにだれもいない。この昼ねスタイルはイイ!蚊に食われそうだが、労働のあとには最高に気持ちよさそうだ。きっと彼は目がさめたら井戸水で顔あらいに行くだろうな。などと、写真に映ってないことまでいろいろ想像してしまう。 川での洗濯の写真。 これまた秋田で撮影。 川の岸でまたもやばあちゃんが乳だしたまましゃがんで洗濯。 そうなんだよー、いなかのばあちゃんて暑いとすぐ前をはだけるんだよなあ。(いつからこういうことにびっくりするようになったんだろう?) ちなみに、わたしの本籍がある場所には通りに井戸があって近所のおばちゃんがやっぱり洗濯ものとたらいを連れて来てはばっしばっしとたたいて洗い、おしゃべりしていた。ママの縫ったアッパッパなワンピースにキュウキュウ鳴るサンダルをはいた「東京からきた孫」はけっこうここの時間帯に水を汲みに行くのが、こわかったのでした。この頃はまだね、訛りが聞き取れなかったのよ。 こういう風景はこんな風に、記憶の中でははっきりと再現できるけれど人と共有できるわけじゃないもんね。 でもって、だから、写真。 写真撮影がハレの儀式であった時代が長かったから、こういう日常をあえて残すという行為はなかなか意識しないとできないものだろう。縁側に物売りと大家族がなんだかごっちゃになってる写真とか、いずめこにつっこまれた乳児、渋谷の復興中バラック林立してるのとか。新潟のある一家が「箱膳」でごはんを食べるの図もある。箱膳!使い方によっては」とても合理的。正座がちとつらいけど。 あれこれ見ていて、わたしがずっと撮ってるもののことを思いかえすとやっぱり「なーんでこんなとこ撮るのよう」って撮られる側が言ってしまうような、そのときはどうでもいいようなシーンなのだった。ああそうか!こうやって時間がたつともっと楽しめるものになるんだなあ。イサベラ・バードにその当時写真機を持たせたら、旅した地方をどんな風に撮ったのだろう。民俗学的な感じだと「撮る」より「採る」が近いような気がする。 ともかくどっから見ても楽しめる本。 全部で5巻だそうだけど、ほかの四巻も探求してみよっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 14, 2004 09:13:14 PM
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