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国分寺の朝日や洋品店ていう古着屋さん(10代の頃から世話になってるのだった・・)で幅17cmくらいの荒い毛織りの帯を見つけて、買った。ざっくりした織りのマスタード色。
こういうものは買うとすぐに洗いにかける。 帯なんて普通洗わないし着物の外側に晒されてるからけっこう汚れるもんらしい。40度のぬるま湯に手洗い用の洗剤を溶いてつける。湿気と温度でウールのむわっとした匂いが鼻に来る。丈夫だからがっしがっし洗っても大丈夫。 脱水かけてハンガーに引っ掛けて干す。 それから一年たってしまった。 さすがに帯、長いものって切るのに躊躇する。 でええい、長いままじゃ何にもならんだろうが! またまた例によって適当に4分割してざくっと切って・・さっきまで迷ってたんだろアンタ・・という手つきと勢いになり、そのまま切ったうちの四分の三を革用茶色い麻糸でつなげてしまう。 これで帯のカタチからは卒業。 そのまま二つ折りしてお仕事用のバッグになりそうだ。 でもちょっとへなへなしてるなあ、と冬のコートを縫ったときに使って余った接着芯をアイロンでくっつける。おう、それらしい感じ。 もうどっからみても帯じゃない。 さて、もっとかばんらしくするのにはどうするか。 飯田橋駅前の靴やさんが革をくるっと巻いてバケツに立てて売っていた。靴をつくるのに裁って余したものだとか。これもちょっと前に買っておいた。 両角に両辺とも15cmくらいにして革を縫い付けた。 はじめは革用ボンドで固定して、端から10mmくらいのとこに目打ちで等間隔に穴をあけて麻糸で縫う。しかも返し縫い。かなり根性いる。 こんなことをうちに帰って夜な夜なやっているうちに繁忙期へ突入。10日ばかりそのままの日が続く。 この質感、夏には持ちたくなくなりそう・・・ そう思って思い切って工作にはいる。 裏地はベージュ地にコーヒー・ブラウンのペンシルストライプの、日暮里で買ったハギレの綿ブロード。表はマスタード・イエロウ。地味だか派手だかわからぬ配色ってのが好みだからそうした。組み合わせてみるとなんとなく北欧趣味だなあ。「ざっくり」して「やけにシンプル」。あまりに愛想がないみたいだから革の持ち手の付け根は楕円に切ってみた。ここにも等間隔でブチブチとステッチを入れる。 見返しの内側にはマグネットのスナップ。これは結構気に入ってるやり方。 丈夫なものを手作業で作ると、手も痛くなる。 革用ボンドも換気しながらしか使いたくないし。 ついでに革用のメリケン針は先が三角にとがっててかなりコワイ。ぼんやりしながら縫うわけにはいかない。 でも、ここまで怖い思いをすると出来上がりもうれしいのだった。 さすがに革を縫い付けた角の部分を縫うのはきつい。 縫ったのはいいけど、こんどは裏がえしにできなかったりして。 力任せに裏返したら、その部分を木槌でたたいてなじませる。この時点でけっこう「それらしい」ものになっていく。 件の裏地を見返し部分につけて、いろんな作業時にのりの弱った接着芯にもう一度アイロンをあてる。 まあ、こんなんでできあがり。 帯一本と革でA4サイズの書類とか古本を放り込めるものができた。制作費・・・うーん、不明。 確か帯が500円で革はでかいの一枚で2000円。そのごく一部。 ストライプの裏地もほんのちょっとしか使ってないし。 生地だの帯を見るとすぐに「これはどうしたら楽しいか」を考えてしまう。きっとみな何か作り出すとそういう体質になってしまうのだろうけど。別に商売を目的としているわけじゃないし。ただ自分がそういうものをほしいからわたしは自分じしんに依頼して手で作らせる。時々けちをつけたりこうしたらどう、と注文つけてみたり。そのうち作る側の自分がいやになってきて放っておいたりして。納期や締め切りのない作業をするしあわせはこういう形でも味わえるのだ。 でもって、このあいだも有楽町の骨董市で帯を買ってしまった。こんどは藤色の地に赤と黄色の四角い柄が続いてるやつ。これもすぐに洗ってみた。ついでに糸もほどく。 へんに和装小物くさくならない、「これ帯でしょ」などと言われないように作るのも遊びのひとつだと思う。民芸チックなものって、下手するとヤバイからね。 あ、ついでに味噌やの前掛けも買ったのだった。 これはなんと未使用らしくて、洗うと藍が落ちた。 手織りの厚地帆布らしく布目がちょっといびつでいい。 こーいう「屋号」みたいのが入ってるものも愛想のないつくりにしないと「民芸の罠」にはまってしまう。 じっくり考えよっと。 で、多分帯のほうが先に何か形になるんじゃないだろか。 せっかくだからじぶんの為にブランドネームを考案した。 ”OSAYO"っていうの。 もちろん、あれです。悪大寒が出てくる、帯がほどけて「あ~れ~」。わたしの場合、帯をほどくんじゃなくてバラしてんだけどさ。 もうね、前掛けが材料のほうは決まってます。作るまえから。 ”DECCI" これしかないでしょう。なぜかイタリア語っぽい表記。 だからってタグとかつけるわけじゃなくて、自分でそう呼んで喜んでるだけだったりする。見えないタグはあるってことで。 ことばが先にあると、作業が早いんだよね。こういうの。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 27, 2004 10:15:43 PM
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