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CASA DE SATCH UMINO

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May 15, 2004
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ほんとは昨日の話なんだけど。

平日にだらけてザマミロ感を味わおーぜ、とかなり珍しく定時帰りを続けてるらしい相棒を誘って休暇取得。軽めの(?)フルコースに昼からワインと焼いたばかりのパンなんぞをやって、(このようなお昼ごはんはいすぱにや国での休暇以来ではないか!)それからさあ、どこへ行こう?
今いるのは西武線の単線の駅。
次くる電車がどっち行きであれ、出たとこで乗ってしまいそれからまたそこにいる電車に乗り継ごう。
暫し待つ。
来たのは西武線の奥地へつながる方面行き。
数駅のって、また乗り換え。お向かいに黄色い電車がきている。
これに乗って今度は見慣れぬ電車が斜め向こうに待っている。
「なに?あれ」
青い線の入った電車。
はあ、レオライナー?山口線?
多摩西部にかなりすんでるのに、こんな電車にのるのは初めてだ。
もちろん日本の北緯42度以北にいた相棒も。
「よくわからんけどのってみよう」
行き先?西武球場にユネスコ村?
ユネスコ村って、多摩西部の小学生が遠足にくる場所だ。
でも、わたしは来た記憶なし。兄弟が行ったという話は覚えている。いやあ、遠足の記憶。「高尾山」に「吉見百穴」ならおぼえてるけどなあ。

乗っているのは数人。
にょわあぁあん、という音で電車が走り出す。あれ、モノレールみたいな線路なのね。揺れない。揺れまくりの中央線に乗りなれた身体だから、こういうのをすぐ意外なものと感じるみたいで。
山の中を無理に削って線路を通したような風景で、台風一過の空がまた緑の色を濃くしている。
遠足日よりだなあ。
西武遊園地に下車するのも数秒、検討したのだけど赤い帽子の園児とオカアチャンの集団がたくさんいるのを見て、「ああ降りなくてよかった」・・・結局、西武球場前まで行く。
なんなの、このでかいホームと改札は。
さっきまでわたしたちは「単線」に乗っていたのに。
私鉄のやることはわからん。ああ、そうか、球場もゆうえんちも電車も同じ系列だもんね。作りたいように作ってる。

それでもがらーんとした広いホーム、気が抜けてしまう。
休日らしさが増していく。

いつもは応援団と観客でいっぱいなのだろう。

大きなパラソルのついたテーブルを一人占めして、おばちゃんがお弁当をゆっくりと広げている。その隣のテーブルで我々は遠足らしくアイスクリームとお茶をする。さらに向こうには携帯電話で声高に話す背広の二人組、こんなとこまで来て忙しいらしい。いや、休暇でなけりゃわたしだって「あちら側」の人になってしまうわけで。彼らを見ると余計にしあわせ感が増す。

さーて、どうしましょ。
「ユネスコ村かあ、やっぱり」
何があるのかもわからないまま、誰ともすれ違わない坂を登る。
傍らにはメリーゴーランド、こういう遊具をしげしげ眺めるのも久しぶり。その空き地には大きなぬいぐるみ型の足でこぐ四輪車。毛の生えたクルマ!(エンジンを取り付けてみたいね)それつなぎの制服を着たご老人の職員が整頓して、小さなお客のくるのを待っている。誰もいない平日の、しかも晴れまくった遊園地。
だらだら坂をのぼって、何があるのか見ながら適当にあるく。
「UFO」500円という地味な看板を見つける。
何なの、500円の未確認飛行物体って。
地味な看板の先の細い坂道をのぼる。

券売機と記念メダルの刻印機が立っている。
記念メダルというものの存在について一瞬考える。これは何の記念なのだろう。なんで記念なんだろう。で、誰がそれを記念にするのか。新鮮な体験であったという記憶のための「記念」。とても遠足っぽいぞ。
我々が券を買う姿を見つけると、ひまそうにしていたUFO担当職員と受付嬢はにわかに動きだし、その飛行物体への入場券に刻印し、中に通してくれた。
我々が通された飛行物体は円形で、まわりはすべて窓。
有楽町・交通会館の回転レストランの本体だけ、という感じ。
ひょっとして貸切か?と思ったらあともう一人、デジタルカメラを握り締めた中年男がひとり。
「あと7分ほどで離陸いたしまぁす」、そういって受付嬢は気軽にばたんと飛行物体のドアを閉めた。飲食禁止、歩行禁止。「不思議惑星キン・ザ・ザ」を思い出す。妙な空間に放り出されたりはしないのだろうか。(まさかぁ、たったの500円では無理でしょう)

離陸するらしい。
天井にはBOSEのスピーカーが埋められ、(ちなみにユネスコ村のあちこちに設置されてたのはFOSTEXのだった)無理やりな電子音のBGMがぐわーん、と鳴る。
ゆっくりと離陸する、風景のアングルが急に変わる面白さ。ついでに回転する。45Mまで持ち上げられる。新宿のビル街。それから多摩湖と狭山湖が見える。天気が馬鹿にいいから、すごくきれいだ。(台風一過の日は、なるべく高いとこに行くようにしている。いつもの街が違って見えるから。)
「うわー、多摩湖ってあんななの」
太い橋がかかっていて、そこをのんびりと人が散歩するのが見える。妙な遠近感、水面と森とコンクリートの質感のとりあわせ。
「次に行くとこ、決まったな」
うんうん、そうしよう。湖だ。席から離れて床に正座して数秒、その風景を眺める。

あっという間に着陸し、その物体から放り出される。
いっしょに乗っていた、ひとりで来てた中年男は何を、どんな気分で眺めて帰ったのかなあ。

そのあと、湖へ。
湖面の奥行き、橋の広さ、日陰のない場所。
ゆっくりと歩く人、犬連れで来る人、じっと座って日焼けサロン代わりにしてる若い男。それぞれに思い思いのすごし方をしている。
橋のたもとにあるテーブルには我々と同じように散歩とおしゃべりを楽しみに来ているような人々。2リットルの緑茶のペットボトルが二人のあいだにどぉんと置かれている。そんなのを見ながら、ゆっくりと橋をあるいてみる。
これだけ長い橋は、山形の酒田にある(橋の名は知らない)のを歩いて以来。あの橋は1.5Kmあるらしいけど。

橋の向こう側について、葉だけになった桜の林を抜け、その先はもう埼玉県に入ってしまう。まわりの人々にならい、ゆっくりとお茶を飲んで、それからまた歩いてもとの道を戻る。
そこからさっき我々が乗っていたUFOが持ち上がってるのが見えた。遠くから見るとあんな感じなのかぁ。なんだか、学習机についてる電気スタンドのような姿。いったい、何人載せて回転しているのやら。
湖とUFO。なんだか不思議な場所だ。
こんなところがあるなんて。多摩西部は奥深い。

財布をあけたら、件のUFOの切符が出てきた。
UFOの絵の判子がつけられていた。
ついでにナンバーは0006と0007。
昼過ぎにこれしかのってないとは!さすが休日。

駅に戻ればすでに今夜のナイターに備える青いシャツの人々がどんどん電車から吐き出されてきているところだった。ジャンパーからTシャツまで、レオカラーで徹底してるおじいさんなんかもいる。
特定の球団を応援する、肩入れするという経験も習慣もないわたしにとってはそれがどんな気分なのかよくわからないんだけど、ともかく降りてくる人々は何かとてもわくわくしているようで、力を溜め込んで来ている感じをおぼえる。からっぽだった駅が青いシャツで埋まるころ、わたしの知っていた駅は別のものに変わっているんだろう。
ここがひまな駅でいるうちに離れよう。
で、またもや静かな「レオライナー」もとい山口線に乗って、その先の西武線に乗り継ぎ、中央線の世界に戻った。

こんな近所なのに遠足。
遠足のたのしみは、「距離」じゃなくて経験の有無なのね。







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Last updated  May 22, 2004 08:04:38 PM


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 satchumino@ Re[1]:ぴー&ぷー(11/01) 木枯らし1号カウントされてからのほーが…
 satchumino@ Re[1]:交差点(11/03) うん、多分この場所っていつもこうなんだ…
 ぺんじ@ Re:交差点 空の交差点、きれいだね。 長野の方は、ア…
 ぺんじ@ Re:ぴー&ぷー きれいな色。 木枯らしふいてから、紅葉す…

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