|
全て
| カテゴリ未分類
| 移動する話
| 古本じまん
| うまいもんを食べた
| おんがくの話
| 国外へ移動する話
| 面白いもんに出会った
| ひみつ工作員の告白
| おメカししておでかけする話
| 話をきいてみたい人にはなしをきいてみた
カテゴリ:おんがくの話
天気も頭もさえないのでほんとによく寝ていた、昼前におきて何もないのでこないだの給料日に買ったフェジョアーダの缶を開けて水と月桂樹の葉を加えつつ30分ほど加熱、ついでにクミンが入るほうがわたし好みだからそうして新聞を読みふけってたらフェジョアーダの水分が蒸発しまくり、危ないとこでまた水分を加え。
いかん、鍋のことを忘れるほど本日はぼんやりなり。 うっかり外出したりしないほうがよさそうだなあ。 などと考えつつ、マンジョカ粉とごはんと危機を逃れたフェジョアーダを器に入れてまぜつつはぐはぐとすする。 仕上げはcafe cubano"CUBITA"。 やっぱりここはブラジルの豆を出そうかしらと少し考えたが(神保町・倉木コーヒー商店製なり)すでに挽いてあるほうを選ぶ。きょうは無理をしないでいこう。 うだうだしながらまた部屋に戻り、ビル・エヴァンス本を出して読み始めたら終わらなくなってしまう。 インタビュウなどがやたらと興味深い。 ”wartz for debby"の@ヴィレッジバンガード録音したころ一緒にやっていたドラマー、ポール・モチアンのインタビュウ。聴いているだけの人々には奇跡的な”間”の演奏に聞こえていたけれど、なんと演奏している当人たちもそう感じていた、という発言。演る側・聴く側のうちそとで印象が合致するというのはなんだか凄い現象なのではないか。じゃあいったい何がそれを発生させたのだろう。あの録音じたい何か楽器を、いやバンドの「気分」を経験したことのある人なら感じたことがあるはずの「うんとノリの理解できてるメンバーとの何十分の一回くらいに来るかもしれないinterplayの瞬間」がそこに生々しく連続している。何をやっても打ちあわせなしで「オイ、なんか今のスゲくない??」と演奏のあとで思わず言ってしまいたくなるような。毎回毎回そんなだったら違う力が何か働いてるみたいに思ったっておかしくない。でも、それはうんと時間経ってからそういうふうに見えるものなのだ。40年ちかく経った今だからなのか。 あのライヴ録音をどうにかして上手く再生してみたいと願ってやまないオーディオマニアあり、ジャズ屋さんあり。 音は再現できるけどあの一種こわいような絶妙すぎる”間”のなかにあるものは聴く人が感じるほかなく。 ほかのインタビュウ。 エヴァンスじしんが喋っている部分に 「わたしの曲にもユーモラスなものがあるんだけれど、どれも真面目に評論されすぎて、結局のところけなされてしまう」というようなくだりがあった。 多分、批評を生業としているような人はプロフィール優先で演奏家を分類してしまうところがあるのかもしれない。 エヴァンスには印象的すぎるポートレイトがありすぎる(どれも笑っていない)のもいけないのかも。たしかに、本人を知らない人から見ればとても冗談言いそうな男には見えないから、なぁ。 わたし個人としては、エヴァンスのポートレイトに映りこんでいる「意外にもでっかい手」が好きだ。顔と手が一致しないというとヘンだけど。細面のあの表情にそぐわないような 意外な取り合わせ。平均的なタッチが出るのはああいう長い指とでっかいてのひらのおかげなんだなあ。音をきいてから、あの手を想うとなるほどな、と納得できる。 エヴァンスのユーモアって、彼は自分のそれをどう思ってたのだろう。ああいう風体だから「まじめそうなひと」「つまらないかも」「話しかけにくそう」・・ってな印象を与えたかもしれないし、本人もまたあんまり話しかけられたくなさそうに振舞っていそうな感じもするし。確かに、「一緒にいて楽しそう」な感じは・・ないもんね。ごめん。 それでもこういうコメントを読むと、エヴァンスだっておふろで鼻歌くらい歌ったろうなと控えめに想像してみたくなる。意外とたのしい男だったかもしれない。でも、ダンスは下手そうな気がする。好きな話をわかってくれる人にしだしたらとまらなくなる、そんな人じゃないかな。生きてれば75歳の好好爺。 そんなことを考えつつ、うとうと。 次に目が覚めたら夕方ちかく。 カバーのかかった本が手にふれた。 開いたら「アメリカの鱒釣り」の作家の作品を翻訳していたひとの本。前にも読んだのに。好きな本は枕元に散逸していて、いつまでもそこらにある。好きな箇所を読み、エヴァンスのエクスプロレイションズをかけ、それからまた別の本。今度はポール・オースター。(どうも本日は頭が英語圏の気分だ)ああ、ぐだぐだして幸せな休日だ。これでしっかり晴れてたりしたら「何かしなくちゃ」って何かをやりすぎて疲れたりしそうだもの。ちょうどいい。 低気圧にフラメンコはちとつらい。 やっぱり4ビート。それもブラシで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 17, 2004 09:50:59 PM
[おんがくの話] カテゴリの最新記事
|
|