CASA DE SATCH UMINO

神保町でスターリンと出会った。
それも時計の中に彼はいた。
CSのヒストリー・チャンネルで露ｖｓ独の戦時中の白黒動画像などを見ていた矢先だった。独裁者ブランドのソヴィエト時計だからなぁ、文字盤の塗装がええかげんでも彼の顔だけはしっかりと男ぶりのいい絵で印刷されている。（彼の顔以外はみんなカスレ有！）

手にしたときは気づかなかったのだけど、これが24時間表示の時計だったのね。時間を合わせて寝て、起きてから見たらヘンな時間をさしている。二日目からかよ！とそのショーもなさに笑いそうになりつつ、よく見たら24までの奇数が文字盤に青い字でかいてあった。ああ、そうやって見るのか！
おどかすなよスターリンたら。
ついでに竜頭がふたつある。
横と斜め。
横はまあわかるとして、ななめ。
クロノグラフでもないし。
で、ぐるぐるしてみると。
まわるまわる。
LONDON－GENEVA－MOSCOW－EKATERINBURG－NOVOSIBIRSK－VLADIOSTOK－WELLINGTON-HONOLULU......とものすごく小さな文字（カスレ有）で外側に印刷されている。内側にはBELLINGHAUSEN－ORCADAS－SANAF－NOVOLAZAREVSKAYA－SYCWA-MAWSOV....どうもソヴィエト連邦内の地名のよう。
で、その真ん中には赤く染められたソヴィエト連邦の形を背にスターリン、そこになんだか黄色いMの字がまたがってる。
？？？？
もう一度、よーくみてみよう。
おう、スターリンの下にMcSTALIN'sと書いてある（カスレ有）。
ご丁寧にもTの字は国旗の「鎌×トンカチ」の「トンカチ」の形になってるし。
そーか！
やっと、わかりました。
これって赤と黄色でMcDonaldoのシャレのつもりなんだ～。
独裁者の顔とか、ノボシビルスクなんて地名を見ているとなんだか意味がわからなかったのだけど。いやあ、キビシイぞ。ざぶとん一枚くらいしかあげらんないね、これじゃ！

でも、その寒い国から来たシャレ（マックスターリン！！！ウラー！）よりも赤い大地がスターリンに見守られ（見張られ？）ながらやっと一日で一周する長針と短針がけなげだと思うし、何よりもその背後が世界時計なのだから。この独裁者ぶりはどうだ！
あまりにわけのわからんとこの多い時計なもので、今日一日仕事場の机の目の届くとこにおいて時々ながめていたのだった。で、やっとここまで「意図」が理解できた、ような・・・。

でもね、こういう「独裁者グッズ」は結構好きだったりします。こういうおじさんがミッキーマウスやキティちゃんみたいに「製品化」されて誰かの身に着けるものになったりする・・・独特の価値観じゃない？なんだか。

実は毛沢東の腕時計というのもあったりする。
これは喜色満面のマオさんが秒針のかわりに手をカタカタ振ってくれるのだ。でも、これも手巻きだから私が巻いて「ごはん」をあげないと流石のマオさんでも人民に手を振ることができなくなるのだ。
手のひらに入る、独裁者。
今ではすてきな「キャラもの」だ。
これからの将来、こういうキャラものになりうる人物って、出てくるのかしらん。（もうだまされないけどね！人民はかしこくなったから。いや、そうでありたいと思う）
これは過去のキャラだから、いいのだ。現役だったらかなりこわい意味のある時計。でもどっか間が抜けてて、憎めない。まわりは真鍮の削りっぱなしの色むき出しだ。
きょうの夕方、神保町のディスカウントショップでcordovanのベルトをスターリンに買ってあげて、その場でつけた。
その足で本家マクドナルドに連れて行き、不味いコーヒーをすすってみた。どうだ、マック・デビュウだぜ。

ところで、”McStalin's”では何が食べられるのだろう。
結構好きなんだけどね、ボルシチ＆ピロシキ。

丸善の店頭でロンドンのバーゲン買い物ガイドを買った。
救世軍の店ものってる。
ヘルシンキの救世軍のバザー店に行きたくなった。
去年ここで買ったものはすぐにわたしの日常になじんでしまい、毎日愛用してるものさえある。（swissgoldのコーヒー・ドリッパー、5euro)なにああいうとこはスリルがある。
もちろん日常の昼休みにもスリルはあって、たとえばこんな独裁者グッズを手にしてしまったりするときもある。

久しぶりに「おかいもの」をした気分。