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今日の買い本。「にやにや笑う」という名のミニコミ。
全部で16ページしかないのだ。かばんに入れればくしゃくしゃになり、そこらに積めばフリーペーパー扱いされそうだ。(大体、いまのフリーペーパーのほうが立派すぎるのだよ。もっと遠慮してほしい) でも、「これからなんかしたい」人たちの気分がよく伝わってくる。こういうのはお金と交換して「保護」しないといけない。 巻頭特集:「TADON墓参」 創刊にあたり見守ってちょヨロシクという感じか、多摩墓地へ菊池寛(学生時代のあだ名がタドンだったそうだ。短駆でものぐさであったからとか。初めて知ったぜ)にあいさつに行ったついでにいろんな文豪まいりをした、という記事。交通費と体力、若干の資料代でできているのだがそれ以外から湧き出ている気分がね、けっこういいのよ。三島さんの墓によじのぼって撮る写真・・。創刊号が躁刊号になっとる気配がなくはないけど。 ともかく、菊池寛てひとの豪放磊落なイきぶりをリスペクトしかつその人情味にもたいへんひかれておられるようだ。 「なあ、タドン」筆者は文人菊池寛の墓に話しかけ、応援してくれよな、と。 タドン、きっと照れてるのではないかな。骨の姿で。 この巻頭記事、けっこう味があるなと思った。 菊池寛、教科書の文学史年表だけで出会ってお別れする事だって多いだろうし。大体ね、文人といえば放蕩とボンビーがセットになってついてくる(人ほど面白い)のだ。それを人物をあまり語らずに作品だけで教科書をやり過ごそうってんだから現代国語もつまらないわけで。菊地タドン寛のこの愛されかたは、本人もきっと嬉しいはずよ多分。わたしの10代から敬愛?する人のひとり、尾崎放哉だってサラリーマンの身の上で「酔っ払って暴れて上司をこきおろして」失職、出家、流浪の寺男という年譜を持つひとだ。でもさ、それっくらいやってくらたほうが読むほうも楽しめると思う。 (タドン、よかったな。あんたも。) ここまで書いてて思ったのだが。 明治からの文人の年譜だけを集めた本とか、あったらいいのにな。 近代の放蕩史といふ視点でみてもよさそうだ。 そうそう、今年の夏はわたくしも。 「桜桃忌」のあたりに墓参りしたのだった。 墓石のまわりには桜桃忌気分でそこらの果物屋さんで買われてきたさくらんぼが血のようにあふれかえっていたものだ。それを下から蟻が集まって喰う。からすも上から狙ってる。 わたしはべつに崇拝も尊敬もしない。 「オイ、放蕩野郎、元気にしてっか。こないだ、津軽にいってきたぜ」 それでいいんじゃないかな。作品が一人歩きしてしまうよりは。 っつーわけで、続いてほしい「にやにや笑う」。 創刊号、100円なり。書肆アクセスにて。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 5, 2004 06:50:46 PM
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